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旅行編

幸福感 ※※

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 ウィルソンの腕に抱かれ、甘い余韻に浸っていると、急に猛烈な睡魔に襲われる。
 昨日の睡眠不足からの激しい運動にそろそろ身体が限界にきている。

「ウィル様……申し訳…ありませんが……先に、お休みしても宜しいですか?……ちょっと、眠くて……」

 話している側から寝てしまいそうな位眠い。
 もちろんウィルソンが1度だけで満足するわけもなく、不服そうに口付けをされる。

「ん……」

「疲れているのか?……まだ君が足りないんだが」

 啄むように何度もキスをされ、心地良さにうっとりと瞳を閉じる。
 このまま寝れたら幸せだな、と夢見心地でいると、急に反対に身体の向きを変えられる。

「え……ウィル…様?」

 腰を持ち上げられ、背後から怒張を挿入される。

「──やぁあ!!」

 先ほどの行為でぬるぬるの秘所は滑るようにウィルソンを受け入れる。
 寝る間も与えないような激しい突き上げに、燻っていた熱が再び燃え上がる。

「あん!あぁ!はぁ……激しっ…ひぁ!」

 ウィルソンの手が後ろからルーシェの乳房を掴み、揉み上げながら先端の頂きを捏ねるように愛撫する。

「あぅッ……んゃ!……あぁ、あっ!ふぁ!」

 後ろから抉るように穿たれ、敏感な突起を指で弾くように愛撫されると、あまりの快楽に訳がわからなくなる。
 眠気などすぐに覚めてしまい、淫らな欲望に火がつく。

「はぁ…ん!あっ、あっ、いいよぉ…んっ!おかしく、なっちゃう……!」

 感じる部分ばかりの怒濤の攻めに、頭を振りながら膣内のウィルソンを絡めるように締め付ける。
 
「眠気は…覚めたか……まだ、寝かさないぞ」

「はぅ!あっ、んっ、んん!あっ、そこっ」

「ん?ここか?」

 最奥の子宮の入口付近を小刻みに突いていると、更に締め付けがキツくなる。

「ッ……ここが、いいのか?」

「んん!そこ、あっ、もっと…あぁ!」

 身体が熔けてしまいそうな快楽に喘ぎ声が止まらない。ウィルソンを欲する言葉しか出てこなくなる。

「君から、求めるられるのは…とても心地好い……」

 ルーシェの善い部分にゆっくりと腰を回しながら抽挿を繰り返す。緩慢な動きが焦れったい。

「んっ、…ウィル様ぁ……もっと、激しくして……」

 もっと直接的な刺激が欲しくて、背後のウィルソンを振り向きながらお願いする。

「君は…小悪魔だな……そんなに煽って、後で後悔しても遅いぞ……」

 乳房を弄んでいた手を腰に回し、引き寄せるように掴むと、一層激しく膣内を突き上げる。

「あぁ!!はっ、んっ、んん!いいっ…あっ!やぁ!!」

 最奥を激しく突かれ、気が狂いそうな快楽に涙が流れる。

「んぁ、んっ、あっふぁ!…も、だめ……はぅ!」

 シーツを握りしめ、昇り詰める淫楽に身体をびくびくと震わせる。
 ウィルソンが抉るように激しく腰を穿つと、あっけなく絶頂に達してしまう。

「あっ、あっ……ああぁ!!」

 しかし、ウィルソンの動きは止まらなかった。ルーシェが達したあとも、そのまま腰を打ち付ける。

「ひぁ!あっ!達ったのに!……あぅ!もぅ、やぁ!」

 達した後、立て続けに攻められるのはかなりツラい。またもや強制的に昇りつめていく。

「ルー…可愛い………達くぞっ」

「あっ、あっ、また…いっ……やぁあぁ!」

 激しく腰を打ち付けられ、続け様に絶頂に達する。
 ウィルソンもルーシェの膣内に白濁を注ぎ込み、全て出し終えると膣内からずるりと抜く。

「は…ぅ……」

 再びベッドに倒れ込んだルーシェは荒々しく呼吸を繰り返し、深過ぎる余韻に身体がびくびくと震える。
 塞き止めるものが無くなった秘所からは、注ぎ込まれた大量の白濁がドロリと溢れ出てくる。
 その何とも言えない感覚に身震いし、身体を丸める。

 ウィルソンも隣にくると、ルーシェを自分の腕の中に閉じ込める。
 情事の後のせいか、普段体温の低いウィルソンの身体が熱く、胸元に顔を寄せると鼓動も速い。
 間近に感じる温もりと肌の感触、先ほど自分がウィルソンに付けた痕を見ると充足感でいっぱいになる。

 こんなに幸せでいいのだろうか。幸せ過ぎて怖いくらいだ。
 この甘美な幸福にいつまでも浸っていたい。

「ウィル様……好き……」

 聞こえないくらい小声で呟いた。
 昔の自分は、このたった二文字を言葉に出すことすら、拒絶され憚られていた。
 だが今はこんな風に言葉に出せて、しかもそれを受け入れてもらえる。
 身体だけではなく、心も満たされる。
 
 満ち足りた気分でウィルソンの身体にすり寄り、瞳を閉じた。

 
 うとうと微睡んでいると、額に柔らかな感触を感じる。それが瞼やこめかみ、頬へと下りていき唇に当たる。

「ルー…」

 名前を呼ばれるが、もう瞼が開かない。
 意識だけは辛うじて残っているが、それもすぐに消えてしまいそうだ。

「ん……」

「今は休むといい…だが朝は──」

 ウィルソンの言った言葉を最後まで聞く前に、ルーシェは限界がきて意識を手放してしまった。







 ◇


 ◇








「……っ、ん……ぁ」

 僅かに身体の奥に疼きを感じる。
 この前のデジャヴみたいだ。何かが身体を這い回っていて、どんどん熱くなる。
 だがまだ意識は奥底にあり、覚醒するには至らない。

 そして、挿入された衝撃で目が覚めた。

「──んん!」

 無防備なまま膣内を擦られ、突然の快楽に頭が混乱する。

「はぅっ!あ…ウィル、様?……んっ、んっ、…何…を……あんっ!」

 うっすら目を開けると、ルーシェの膣内に怒張を抽挿しながら動く薄紫の瞳と目が合う。

「君が早々に寝てしまったから、続きをしているだけだ」

 ルーシェの脚の間に入り込み、穿つように腰を淫靡に押し付けているのに、その爽やかなまでの秀麗な顔はまるでそんな風に感じさせない。

「はぁっ…ん、…つ、づき?」

「あぁ、昨日寝る前に言っただろう?」

 寝る前に何か言っていたとは思うが、あまりの眠気に全く覚えていない。
 思い出そうとするが、内壁を肉棒で突かれている快楽が邪魔をしてまともに考えられない。

「あっ……あぁ、んっ、んん!」

 まだ部屋が薄暗い。
 かなり早朝のはずだ。

 目は覚めたが完全ではない、だが身体が熱く揺さぶられる度にどんどん昇り詰めていく。
 
「あっ、ひぁ…んっ、あっ、あっ……あぁ」

「時間はまだたっぷりある……今日は私が満足するまで、付き合ってもらうぞ……」

 目を細め獲物を狙うように薄紫の瞳が妖しく揺れる。
 
 その妖艶な表情に、ゾクッと戦慄が背中を走る。
 それは快楽からくるものか、恐れからくるものなのか。

 次第に速くなる抽挿に、ウィルソンの腰に脚を絡め背中に腕を回す。
 ギュッと目を瞑り、与えられる快楽を必死で受け止める。

「っ……ふぁ……あっ…ん……ウィル様ぁ!」

「ルー…愛してる」

 耳元で紡がれるその言葉だけで、全身にゾクゾクとした愉悦が走り昇天してしまいそうだ。
 意図せずウィルソンの高ぶりを締め付け、更に最奥を抉るように叩きつけられる。

「んぁ!あん、あっ…あぁ!気持ち…良い…んっ、んん!」

「もっと…淫らに啼いてくれ……」

 不敵に笑い、耳朶を舐め優しく歯を立てられ身体がびくびくと跳ねる。
 ウィルソンに与えられる行為一つ一つに翻弄される。
 
 今日は旅行の最終日だが、自分はベッドから起き上がれるだろうか。

 ハル達も見送りたいのだが、この状況で手加減して欲しいとはとても言えない。
 ウィルソンが早めに満足してもらえるように、どうにか努めよう。

 絶頂が近いのを感じながら、ルーシェは覚悟を決めた。















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