【R18】ルーシェの苦悩 ~貧乏男爵令嬢は乙女ゲームに気付かない!?~

ウリ坊

文字の大きさ
上 下
85 / 113
旅行編

挑戦 ※

しおりを挟む


「抱いて欲しいのか?」

 言われた言葉に熱が籠り、耳朶を軽く噛まれる。

「っ……はい…」
 
 今までこの台詞を口にしたことはない。 

 いつもは何も言わなくても当たり前のように抱かれていたが、今日は食後にワインを飲んだせいか、ウィルソンに触られたせいなのか、身体がふわふわしてまともに考えられない。

 耳元で囁かれる言葉に、身体がもっと熱くなる。

 腰に回っていた手が臀部を撫で、乳房を撫でていた手は敏感な先端を捕らえる。

「あっ!……んっ、……んん」
 
 焦れったいくらいのピリピリとした刺激に、身体を震わせる。
 いくら部屋に二人きりでも外には給仕の人間や侍女も控えている。
 聞こえないとは思うが、この場で大きな声をあげるわけにはいかない。
 ウィルソンはルーシェを軽々と抱え上げ、すたすたと歩き出す。

「あの、ウィル様…歩けます」

「私がこうしたいんだ」

 愛おしそうに見つめられ、言葉に詰まる。
 扉が開き、入口付近にいた先ほどの侍女が顔を赤く染め驚いたような顔でこちらを見ている。
 
(は、恥ずかしい……)

 ウィルソンは気にすることもなく、その場を後にする。
 少し歩き、同じ階の別室の前に来ると、そっと降ろされた。

「ウィル様……ここは?」

 かなり広い扉で、昼間に入った寝室とはまた別の部屋のようだ。

 扉を開くと、中も比べ物にならないほど広く豪華だ。
 調度品のような家具が並び、寝台も驚く程大きい。
 背中を押され促されるように入るが、何だか緊張してしまう。
 最高級のスイートルームのような部屋に怖じ気づく。

「この部屋は夫婦の寝室だ。私達が使う部屋になる」

「夫婦……」

 後ろから抱きしめられ、身体がビクッと跳ねる。その言葉の意味を理解し、胸のドキドキが止まらなくなる。

(そっか……結婚したら、そうなるんだよね……何か実感がないな………)

 まだ現実味を帯びない話だけに、どこか他人事のように感じてしまう。
 自分に結婚というものをする日が来るなんて、未だに信じられない。

「気に入らないなら、変えさせるが?」

「え?そんな!変える必要などないです!凄く素敵な部屋だったので、驚いて言葉が出ませんでした……」

 ルーシェの言葉に満足したのか、ウィルソンは項や肩口に次々と痕を付けていく。
 
「んっ、ぁ……痕はダメです……ふっ……あ」

「それはできない相談だ…これは、君が私のものだという印だからな」

 ウィルソンは抗議などそっちのけで痕を付けていく。
 ルーシェだって嫌なわけではない。この痕を見る度に自分がウィルソンに愛されていると確認でき、ちょっとした満足感を得られる。
 だが、人に見られるのはとても恥ずかしいのだ。

 手慣れたように痕を付けながら、次々とドレスを脱がしていくので、ちょっと焦る。

「あっ、ぁ……ウィル様、待って下さい……今日は…私がします……」

 その言葉にウィルソンの手がピタッと止まる。ほとんど脱がされてしまっているが、どうにか食い止められた。

「君がするというのは…私に奉仕するという意味か?」

 後ろから胸元を抱きしめられ、ウィルソンは肩口に顔を埋める。

「は…い……」

 改めて言われるとかなり恥ずかしい。

「今日は随分積極的だな。君から施しを受ける日が来ようとは……」

 しみじみと話すウィルソンは、ルーシェを抱えると、ベッドまで移動し靴を脱がせる。

「お嫌でしたら…」

「嫌な訳がないだろう。君は房事に対し苦手意識があると思っていたが…私の杞憂だったようだ」

 嬉しそうに言いながら、身に付けていたものを全て剥ぎ取られ、結局裸にされる。
 今日は髪も結い上げてあるので、隠すものもないので、頬を染めながら両手で身体を隠す。

「苦手というか…慣れないだけです……」

 ウィルソンが上着を脱いでいる隙に頭の飾りを外し、髪を下ろすと引っ張っられていた感覚が解放され頭が楽になる。

「毎日のように抱いているのにまだ慣れないとは、回数が足りないのか?」

 ベッドに上がってきたウィルソンが不穏なことを話している。

「いえ!十分足りてます!これは私自身の問題なので、気にしないで下さい」

 少し青ざめながら必死に言い返す。完全な失言だった。
 足りないどころか多すぎだと思う。これ以上増えたら身体がもたない。
 この会話は危険だ。早く違う話題に変えよう。

 ウィルソンに近づくと、ギュッと抱きつき自分から口付けをする。
 深い口付けは得意じゃないので、唇を何度も軽く触れ合わせていると、ウィルソンがルーシェの頭に手を添え舌を入れる。

「ぅ……ん、んっ……」

 絡んでくる舌が気持ち良くて陶酔していると、ウィルソンの手がルーシェの乳房に触れる。

「んっ!」

 大きな手で揉みながら先端の尖りをきゅっと摘ままれると、甘い快楽に身体がビクリと跳ねる。

「あん!……やっ、ウィル様、待って……」

 唇を離し、ウィルソンの手を止める。

「なんだ?」

「今日は私がしますから、ウィル様は触っちゃダメです」

「私が触るのは駄目なのか?」

 不服そうに言われるが、ウィルソンに触られると直ぐに感じてしまい、奉仕どころではなくなってしまう。

「はい。手出し無用でお願いします」

「これは手厳しい」

 クスリと笑って身体を離してくれる。
 ルーシェは息を整えると、ドキドキしながらウィルソンのシャツに手をかけボタンを外していく。
 
「君のお手並み拝見といこう」

「うぅ……そんなプレッシャーかけないで下さい……初めてなので、上手く出来ないと思いますよ」

 何が愉しいのか、ウィルソンは嬉しそうにルーシェを見守っている。
 ボタンを全部外すとウィルソンの逞しい胸元が露になる。
 
 ウィルソンの肉体美に思わず見惚れてしまう。
 だが、見入っている場合ではない。
 今日は自分が触っていかないと進まないのだ。
 シャツを脱がすとウィルソンの胸元に唇を寄せ、いつもしてもらっているようにキスマークをつける。
 強く吸ってから見て見るが、なかなか上手く付いてくれない。

(難しい……何でつかないの?)

 もう一度唇を寄せもっと強めに吸ってみると、今度はうっすらと痕がついた。
 それを見て何だか凄く嬉しくなる。ウィルソンの身体に自分が付けた痕が残るという、独占欲にも似た優越感が湧いてくる。
 ウィルソンがルーシェの身体に痕を付けたがる理由がわかった気がする。
 付ける側と付けられる側ではまた意味合いが全然違う。
 もっともっと付けたくて夢中になってウィルソンの滑らかな身体に吸い付いていると、ウィルソンは更に難題を吹っ掛けてくる。

「ルー、こっちも触ってくれ」

 自分の手を取られ、ウィルソンの昂りへと導く。
 
「あっ……」

 ウィルソンの布越しの昂りはすでに固く屹立している。ルーシェの頭にカァーと血が昇る。

「君が可愛くて我慢の限界だ……私も触っていいか?」

「あっ…まだダメです……」

 裸の背中を大きな手で撫でられ、ビクッと震える。
 本当は触って欲しい。でも、今日は自分がやると決めたから、最後までちゃんとしたい。
 意を決してウィルソンのトラウザースを脱がせる。

 下着からウィルソンの猛ったものを取り出すと、そそり立つ剛直が目の前に飛び出てマジマジと見つめる。
 太くてドクドクと脈打つそれに、ルーシェはゴクリと唾を飲み込む。

(こんなおっきいのが、自分の中に入るなんて……信じられない………)

 こんなに改めて見たことがなかった。ルーシェはじっくり見ながら頬を染めて感心していた。

「ルー…」

「は、はい!」

「このままだと辛いんだが……」

 握ったまま観察していたせいか、ウィルソンには生殺しのようだった。

 ルーシェは経験は全くないが、知識だけならある。知人から聞いた話や漫画や小説、ネットから得た知識を総動員して、ウィルソンの昂りに口を近づける。
 




















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。

新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

夫の隠し子を見付けたので、溺愛してみた。

辺野夏子
恋愛
セファイア王国王女アリエノールは八歳の時、王命を受けエメレット伯爵家に嫁いだ。それから十年、ずっと仮面夫婦のままだ。アリエノールは先天性の病のため、残りの寿命はあとわずか。日々を穏やかに過ごしているけれど、このままでは生きた証がないまま短い命を散らしてしまう。そんなある日、アリエノールの元に一人の子供が現れた。夫であるカシウスに生き写しな見た目の子供は「この家の子供になりにきた」と宣言する。これは夫の隠し子に間違いないと、アリエノールは継母としてその子を育てることにするのだが……堅物で不器用な夫と、余命わずかで卑屈になっていた妻がお互いの真実に気が付くまでの話。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

処理中です...