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喜びと恥じらい

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 しっとりと重なった唇が心地良く、想いが通じ合った嬉しさもあり、ミレールもノアに抱きついてされるがまま口付けを受け入れていた。

「っ、ふ……ぁ……」

 唇が離されるとノアが泣き腫らした目元に唇を落としている。涙を吸い取るように唇を当て、労るように優しく軽いキスを顔中に施している。
 
「っ……ん……」

 頬や顎に当たる唇の柔らかな感触が擽ったい。
 そして次第にノアの顔が首筋の方まで降りていく。
 ミレールの首の柔らかい部分に唇を当て、強く吸い付いている。

「んッ!」

 僅かな痛みが走り、擽ったさとともにまた別の場所に移動し、次々痕を付けている。
 そして背中に回されていたノアの片手が脇腹を通り、ミレールの豊満なバストに伸ばされ、ゆっくりと揉んでいる。

「っ、んっ! あッ、待っ……て……の、あ!」

 緩やかな快楽を感じ思わず声が出てしまうが、次第に怪しくなる手の動きに、ミレールは冷静になり慌ててノアを止める。

「ん? なんだよ?」

 首筋に痕を刻み、ミレールの胸をやわやわと揉んでいたノアはその手を制止するように掴まれて顔を上げている。

「な、にを……ぁ……やっ!」

 ミレールが掴んだことなど気にすることもなく、ノアは服の上からすでに硬く尖ってきている先端を指先で摘んでいた。

「あッ! ん、んっ……! いけま、せんっ……こんな、ッ、場所で……」 
 
 指で擦られる度に背筋にビリビリと快楽が走り、上擦る声を止められない。
 顔を上げたノアはミレールの耳元に唇を寄せ、誘うような言葉をかける。

「だめか?」

 吐息とともに耳元で囁かれ、ゾクッと肌が粟立つ。ミレールも止めたいわけではないが、さすがに外というのは道徳心が咎めてしまう。
 やんわりとノアの胸を両手で押し、それとなく行為を押し留める。

「今は、お勤め中ですので……帰って、からでは……」

 するとノアは胸を押していたミレールの手を取り、自分の口元へと持っていくと、指先に軽くキスをしている。

「夜まで待てない」

 その状態のまま熱の籠もった瞳でジッと見つめられ、ドキッと高鳴る心臓と共に、体温も一気に上昇していく。

「――ッ! そ、そ、そんなっ……!」

「イヤなのか?」

 眉根を下げ、切なそうに瞳を揺らして呟かれる。
 いつになく愁傷なノアの態度に動揺を隠しきれず、ミレールは徐々に絆されていく。

「~っ! い、え……いやでは……ありません……」

「そうか!」

 先ほどとは一転、パッと笑顔で嬉しさを表すノアの表情にときめき、ミレールは次第に翻弄されていく。

(そんな顔で見られたら、嫌と言えなくなってしまいますわ! ですが、ここで受け入れてしまっては……)

 再び胸に添えられた手が不埒に動き出し、意を決してミレールは待ったをかける。

「ノア、お待ちください! も、もう少ししたらレイリンも戻ってきますし……アルマもテーブルで持たせたままですわ。それにノアも王太子殿下が戻ってらっしゃったら、護衛に戻らなくてはいけませんでしょう?!」

 ずっと気になっていたことを話し、これでノアもわかってくれると思っていたが、ノアの手は止まらなかった。

「大丈夫だ。全部問題ないから安心しろ」

「えっ? あっ……、っ、問題、ない、とは……?」

「殿下もレイリン嬢も……おそらく当分戻って来ないだろうな。あんたの侍女はトムに任せて来たし……今、ここへの立ち入りは制限されている」

(な、なんたる周到さ! いつの間にそこまで……!)

「そういうわけだから、もういいだろ?」

 胸元のリボンを解き、器用に前ボタンを上から数個外していくと、ミレールのたわわな双丘が露わになる。

「あっ……ノア」

「たまには、外ってのもいいな……あんたの肌がよく見える」

 ミレールの姿を目を細めて眺めてから呟き、今度は直接露出した肌に触れ、すでに硬く尖っていた薔薇色の先端を口に含んだ。

「ん……、あぁッ! ぁ……はっ、ぁ……!」

 片方を舌で舐められ、もう片方を指先できゅっと弄られると、もう抵抗も何もできなくなってしまう。

「んッ! ゃあ……! の、あ……恥ずかしい、ですっ……」

 先ほどジョセフとレイリンがいた木に背中を預けながら、ミレールは羞恥と快楽の間を彷徨っていた。

「そういう表情もたまらなくいいな。悲しみで泣かせるんじゃなく……、快楽で啼かせてやりたい……」

「~~っ!」

(ノ、ノ、ノ、ノアの台詞が、妙に生々しくて、やらしいですわっ! 言葉で、煽ってくるだなんてっ)

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