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夢のような一時 3
しおりを挟む思考はそこで切られ、ググッと膣内へ侵入してくる物凄い異物感がミレールの全ての感覚を支配した。
「――んんッ!!」
下腹部にかかる苦しさと圧迫感と痛みが同時に襲ってくる。
「まっ、て! い、痛いっ……!」
そう言ってるのに肝心のノアも、何かに耐えるような苦悶の表情を浮かべて、どんどん腰を進めている。
「ッ、わ、るい……止まら、ないっ……!」
「んっ……ぅ……ふっ! や、ぁ……いッ、た……ぃ!」
ミレールは被さるように腰を動かすノアの体にしがみついた。
痛みと異物感に息を殺して耐えていると、押し進めていたノアの動きが止まった。
「ふぅ……全部、挿入ったぞ……」
「ふ……、はぁ、……ほん、と、に……?」
「あぁ。……わかる、だろ?」
耳元で聞こえるノアの声と共に、繋がった身体をぎゅうっと抱きしめられた。
「んっ……!」
「はぁ……、ナカ……ヤバ、いな……悦、すぎだっ……」
汗ばんだ熱い素肌と力強く抱かれる逞しい腕、いつも威嚇するように話す声は、色を含みながら素直にミレールに欲望を伝えている。
ミレールは久しぶりに好きな人と結ばれた喜びに感極まり、堰を切ったようにまた涙があふれた。
「ふっ……ぅ……」
「悪い……、痛むか?」
ミレールの涙を苦痛だと勘違いしたのか、顔を上げたノアが泣いているミレールを見て心配そうに声をかけている。
ふるふると首を横に振り、目の前で心配そうに自分を見ているノアに向かいふわりと微笑んだ。
「違い、ますわ。……嬉しくてっ」
「っ! ……あんま、可愛ことばかり言ってると、ひどく、してしまいそう、だっ……!」
「――? ひど、い……?」
涙に潤んだ瞳でノアを見ていると、ノアはまた「はぁ……」とため息をつき、止めていた腰を動かした。
「んぁッ!」
わずかな痛みとともに、じわりと擦れる膣内がそれとは違う感覚を感じている。
「く……、ぅ、ダメだ……! キツッ……!」
見上げた先には眉を顰め、ノアの切羽詰まるような表情がミレールの胸を締め付けた。
ミレールの身体を抱きしめながら、また苦悶の表情を浮かべていた。
「う、ごいても、平気、か?」
「動、く?」
「あぁ。あんたの、ナカ……、最高に気持ちいい……!」
「ッ!」
汗が浮かび辛そうに見下ろすノアの凛々しい顔が一際艶めいて映り、自分の身体で感じてくれているのだと思うと、ミレールの気持ちがさらに高揚していく。
「私も、もっと……貴方を、感じたい、です……」
「――ッ! はっ……はは、初めてのくせに、言ってくれるな……!」
止めていた腰を性急に動かし、ミレールはノアに揺さぶられるまま声をあげる。
「きゃあっ! アッ! ……んっ、んッ! んッ!!」
室内にミレールの喘ぎがこだまする。どちらともつかない荒い呼吸が響き、グチュグチュと蜜口を出入りする男根が卑猥な音をあげている。
「あ、ぅッ、んッ、ああッ!!」
痛みが際立っていた膣内がノアに擦られる度に、違う感覚にすり替わっていく。
子宮が疼くようなじわじわした快楽に、ミレールはノアの身体に縋り、動きに合わせて膣内を締めていく。
「う、くっ……、俺の方が、食われそうだ……」
「あん! あっ、あッ! アッ!!」
すぐ横にあったノアが呻くように囁き、ミレールの耳朶に舌を這わせる。
「んんっ!」
耳を舐められると背中がゾクゾクと震える。舌が耳を擽るように動くと、さらに官能が刺激され、ミレールは耐えきれずに出入りしている男根をさらに締める。
「クッ! す、げぇ……!」
「やぁッ! ふ、ぁっ……、だ、めっ!」
ノアは限界が近づいているのか、腰の動きが早くなり、ミレールの膣内を抉るように攻めていく。
「も、う……持ちそうに、ない!」
上下に身体を揺さぶっていたノアは汗を流し、最後の追い込みをかけているようだった。
「の、あ……ノアっ! んッ……す、き……好きっ!!」
「あぁ、く、そっ!! 可愛、すぎ、だ……!!」
室内にはベッドの軋む音と、二人の荒い呼吸とミレールの喘ぎ声、混じり合う局部の水音と……
それしか響いていなかった。
「あっ、あッ、アッ!!」
「……っ、イク、ぞっ……!」
より一層膣内を穿つ動きが早くなり、ノアはミレールの膣内へと白濁を放つ。
「もっ……! あ、あっ! ――んんッ!!!!」
初めて味わう絶頂と好きな相手と繋がれた悦びに、ノアにしがみつきながら、ミレールは身体を激しく痙攣させた。
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