上 下
11 / 110

夢のような一時 2

しおりを挟む
 
 ふっと笑ったノアの顔に、どうしようもないくらいときめき……堪らずに背中へ腕を回した。

「好きです……好き、なんですっ……!!」
  
 おそらく言ったところで、ミレールがノアに対し告白してるとは受け取らないだろう……だからこそ言える。
 すべてに疲れていた杏が、もう誰かに恋することなどないと思っていた。
 しかし、冷たくされていてもやはりノアが好きなことに変わりはなかった。
 自分より、はるかに年下の男の子。
 こうしてすぐ近くで想いを吐き出しても、拾ってもらえるわけじゃない。
 それでも一心不乱にミレールは、ノアへの想いを言葉にしていく。
 
「わかっています! 私なんて、誰からも相手にされないって……。好きじゃなくても……構わないからっ。今だけ……この瞬間だけでいいんです! 私を愛して、抱いてくださいっ……!」

 ずっと心に秘めていた想いが次々と言葉に変わっていく。

 自分も誰かに愛されたい。
 大切にされたい。
 大丈夫なのかと、心配して抱きしめてほしい。
 誰かと比べられたくない。
 ――そして、女として見て欲しい……

 ポロポロと流れる涙がベッドのシーツに落ち、次々と吸い込まれていく。
 
「――ッ! はぁ…………。これはヤバい……まいったな」

 独り言のように呟いたノアは深い藍色の瞳に欲情を色濃く映し、ミレールの濡れた蜜口に指を挿れてほぐしていく。

「やぁッ! ……はぅッ! あ、あぁ……ん!」

 涙に濡れた目元にキスを落とし、ノアの背中に回した手が苦しそうに爪を立てる。

「可愛すぎだろ! そいつに、嫉妬しそうだっ……!」

「ひっ! っ、や……うっ!」

 嫉妬心丸だしのノアの言葉など、膣内なかを弄られているミレールには届いていない。
 何とか指一本入ったが、ミレールは圧迫感を感じていた。
 
(指でも……苦しいのに……まさかもう一度、あの痛みを経験することになるなんて……)
 
 杏のときでも初めての行為はとても痛かった。
 だからどうしても怖さが先走る。
 体を離したノアはミレールの膝裏を持ち上げ、体をずらしながら顔をゆっくりと秘部へと近づける。

「――やッ!!」

 広げられた脚と共に秘められた蜜口も露わになる。
 慌ててノアの頭を押すが、ミレールの抵抗も空しく秘部を舌が這う。

「はぅッ! んぁっ……ァ……あぁ!!」

 膨れた陰核を優しく舌先でチロチロとくすぐり、さらに蜜口から肉襞ごと丁寧に舌で舐められていく。
 ノアが与える甘美な刺激にミレールは背を仰け反らせ、溺れていく。
 
(うそですわっ! ……ノアが、こんなことっ!)

「んッ、んんっ……はっ……あぅッ!!」

 秘部が蕩けそうなくらい気持ちいい。
 やめさせなければと思うのに、体は心を裏切り、もっともっとと快楽を貪る。

「すげ……濡れてる。悦さそう、だな?」

「ぅ、んっ! いいっ! ……すご、い!!」
 
 顔を上げたノアはミレールの悶える様子に笑みを刻んでいた。そして膣内を擦っていた指を二本に増やし、とろとろに溶けるまでほぐしていく。

「あっ、あッ!!」

 節くれ立った指が繊細に動き、ミレールの身体を終始労るように優しく……時に激しく触れてくる。

「はぁッ……ん!」

「そろそろ、いいか? 俺も、限界なんだが……」

 指を抜いたノアの表情はどこか切羽詰まっていて、すでに熱り立った男根はピクピクと脈打っている。
 
度重なる愛撫に力なく横たわっていたミレールも、ソレを見て起き上がった。
 
「やっ! ……こ、わいッ――!」

 初めて見るノアの性器が、まるで凶器のように太く見え、ミレールは恐怖におののいた。
 杏のだった頃の初体験も夫で、適当な愛撫と強引な挿入に痛みと出血がひどかった。
 それとレスになってからの長い期間、性行為がどんなものだったか忘れかけてしまっていた。
 
「そ……そ、んな……お、大っきいの……は、入りません、わ……」 

「大丈夫だ。なるべく痛くないように、ゆっくり挿れるから」

「ですがっ……裂けちゃいますわっ!」

「いっぱい解したし、ココも柔らかくなってるから裂けたりしない」

「で、でも……わたくし、初めてで……」

「あぁ。だろうな」

「ですからっ! その……」

 何とか逃れようと、懸命に言い訳を探してるミレールは再びベッドへ倒された。
 脚を左右に開くと、濡れて愛液の滴る蜜口へと太い男根の先をグッと埋めている。

「やッ……!」

「ここまできて、引けるわけないだろ。安心しろ……ちゃんと責任は取ってやるからさ」

「え……? 責、任……?」

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!

臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。 そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。 ※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています ※表紙はニジジャーニーで生成しました

【R18】利害一致のお飾り婚だったので初夜をすっぽかしたら大変なことになった

春瀬湖子
恋愛
絵に描いたような美形一家の三女として生まれたリネアだったが、残念ながらちょっと地味。 本人としては何も気にしていないものの、美しすぎる姉弟が目立ちすぎていたせいで地味なリネアにも結婚の申込みが殺到……したと思いきや会えばお断りの嵐。 「もう誰でもいいから貰ってよぉ~!!」 なんてやさぐれていたある日、彼女のもとへ届いたのは幼い頃少しだけ遊んだことのあるロベルトからの結婚申込み!? 本当の私を知っているのに申込むならお飾りの政略結婚だわ! なんて思い込み初夜をすっぽかしたヒロインと、初恋をやっと実らせたつもりでいたのにすっぽかされたヒーローの溺愛がはじまって欲しいラブコメです。 【2023.11.28追記】 その後の二人のちょっとしたSSを番外編として追加しました! ※他サイトにも投稿しております。

クソつよ性欲隠して結婚したら草食系旦那が巨根で絶倫だった

山吹花月
恋愛
『穢れを知らぬ清廉な乙女』と『王子系聖人君子』 色欲とは無縁と思われている夫婦は互いに欲望を隠していた。 ◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。

【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜

茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。 ☆他サイトにも投稿しています

(完結)バツ2旦那様が離婚された理由は「絶倫だから」だそうです。なお、私は「不感症だから」です。

七辻ゆゆ
恋愛
ある意味とても相性がよい旦那様と再婚したら、なんだか妙に愛されています。前の奥様たちは、いったいどうしてこの方と離婚したのでしょうか? ※仲良しが多いのでR18にしましたが、そこまで過激な表現はないかもしれません。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

【R18】幼馴染な陛下と、甘々な毎日になりました💕

月極まろん
恋愛
 幼なじみの陛下に、気持ちだけでも伝えたくて。いい思い出にしたくて告白したのに、執務室のソファに座らせられて、なぜかこんなえっちな日々になりました。

【R18】騎士たちの監視対象になりました

ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。 *R18は告知無しです。 *複数プレイ有り。 *逆ハー *倫理感緩めです。 *作者の都合の良いように作っています。

処理中です...