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夢のような一時 2
しおりを挟むふっと笑ったノアの顔に、どうしようもないくらいときめき……堪らずに背中へ腕を回した。
「好きです……好き、なんですっ……!!」
おそらく言ったところで、ミレールがノアに対し告白してるとは受け取らないだろう……だからこそ言える。
すべてに疲れていた杏が、もう誰かに恋することなどないと思っていた。
しかし、冷たくされていてもやはりノアが好きなことに変わりはなかった。
自分より、はるかに年下の男の子。
こうしてすぐ近くで想いを吐き出しても、拾ってもらえるわけじゃない。
それでも一心不乱にミレールは、ノアへの想いを言葉にしていく。
「わかっています! 私なんて、誰からも相手にされないって……。好きじゃなくても……構わないからっ。今だけ……この瞬間だけでいいんです! 私を愛して、抱いてくださいっ……!」
ずっと心に秘めていた想いが次々と言葉に変わっていく。
自分も誰かに愛されたい。
大切にされたい。
大丈夫なのかと、心配して抱きしめてほしい。
誰かと比べられたくない。
――そして、女として見て欲しい……
ポロポロと流れる涙がベッドのシーツに落ち、次々と吸い込まれていく。
「――ッ! はぁ…………。これはヤバい……まいったな」
独り言のように呟いたノアは深い藍色の瞳に欲情を色濃く映し、ミレールの濡れた蜜口に指を挿れて解していく。
「やぁッ! ……はぅッ! あ、あぁ……ん!」
涙に濡れた目元にキスを落とし、ノアの背中に回した手が苦しそうに爪を立てる。
「可愛すぎだろ! そいつに、嫉妬しそうだっ……!」
「ひっ! っ、や……うっ!」
嫉妬心丸だしのノアの言葉など、膣内を弄られているミレールには届いていない。
何とか指一本入ったが、ミレールは圧迫感を感じていた。
(指でも……苦しいのに……まさかもう一度、あの痛みを経験することになるなんて……)
杏のときでも初めての行為はとても痛かった。
だからどうしても怖さが先走る。
体を離したノアはミレールの膝裏を持ち上げ、体をずらしながら顔をゆっくりと秘部へと近づける。
「――やッ!!」
広げられた脚と共に秘められた蜜口も露わになる。
慌ててノアの頭を押すが、ミレールの抵抗も空しく秘部を舌が這う。
「はぅッ! んぁっ……ァ……あぁ!!」
膨れた陰核を優しく舌先でチロチロと擽り、さらに蜜口から肉襞ごと丁寧に舌で舐められていく。
ノアが与える甘美な刺激にミレールは背を仰け反らせ、溺れていく。
(うそですわっ! ……ノアが、こんなことっ!)
「んッ、んんっ……はっ……あぅッ!!」
秘部が蕩けそうなくらい気持ちいい。
やめさせなければと思うのに、体は心を裏切り、もっともっとと快楽を貪る。
「すげ……濡れてる。悦さそう、だな?」
「ぅ、んっ! いいっ! ……すご、い!!」
顔を上げたノアはミレールの悶える様子に笑みを刻んでいた。そして膣内を擦っていた指を二本に増やし、とろとろに溶けるまで解していく。
「あっ、あッ!!」
節くれ立った指が繊細に動き、ミレールの身体を終始労るように優しく……時に激しく触れてくる。
「はぁッ……ん!」
「そろそろ、いいか? 俺も、限界なんだが……」
指を抜いたノアの表情はどこか切羽詰まっていて、すでに熱り立った男根はピクピクと脈打っている。
度重なる愛撫に力なく横たわっていたミレールも、ソレを見て起き上がった。
「やっ! ……こ、わいッ――!」
初めて見るノアの性器が、まるで凶器のように太く見え、ミレールは恐怖に戦いた。
杏のだった頃の初体験も夫で、適当な愛撫と強引な挿入に痛みと出血がひどかった。
それとレスになってからの長い期間、性行為がどんなものだったか忘れかけてしまっていた。
「そ……そ、んな……お、大っきいの……は、入りません、わ……」
「大丈夫だ。なるべく痛くないように、ゆっくり挿れるから」
「ですがっ……裂けちゃいますわっ!」
「いっぱい解したし、ココも柔らかくなってるから裂けたりしない」
「で、でも……わたくし、初めてで……」
「あぁ。だろうな」
「ですからっ! その……」
何とか逃れようと、懸命に言い訳を探してるミレールは再びベッドへ倒された。
脚を左右に開くと、濡れて愛液の滴る蜜口へと太い男根の先をグッと埋めている。
「やッ……!」
「ここまできて、引けるわけないだろ。安心しろ……ちゃんと責任は取ってやるからさ」
「え……? 責、任……?」
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