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第一章
72話
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アマリアは『枯れろ!』最後にキバナの大木を蹴り『あ、魔王様が書庫にいる時間だ、会いにいかないと』と去っていった。最後まで自分勝手で醜い行動をするアマリアに、この場のみんなは嫌悪感(けんおかん)をいだく。
〈なんとも、嫌な、苦手な女性だな……ワタシは2度と関わりたくない〉
〈ほんとうです、彼女は度を超えた我が儘ですね〉
[そうね、彼女は怖い部類の人間……ね]
モサモサ君は茂みの中で震え上がっていた。
実際、私も彼女の幸せへの執着と、その行動にはビビっている。
さっき、アマリアに感じたことは気付かなかった事にして……忘れよう。
❀
さてさて、怖いアマリアも新魔王様に会いに行き、居なくなった。
今は博士のナゾナゾのような、クイズに正解しなくてはならない。
フフフ、博士。
その問いに対する答えは非常に簡単だ、私はエルバ調合室を我が手の中にゲットさせてもらいます。
博士、クイズの答えは『カルア草』です!
《おお正解! おめでとうございます~エルバの畑の画面左上の、ボロボロの木造の家をタッチして下さい》
エルバの畑の左上? あ、あの小屋か……農具を入れる小屋だと思っていたけど、あれ『エルバの調合室』だったんだ。私はエルバの畑を開き、左上の木造の小屋をポチッと押した。
畑が消えボロボロの小屋が大きく表示され、観音開きの小屋の入り口が開き、画面の中央にフチが欠け、ヒビが入った壺が映しだされた。
(なっ、この……水を入れたら漏れそうで、触ったら直ぐにも壊れそうな……ボロボロの茶色い壺は?)
《はい、はい!! エルバ調合室へようこそ~ここではエルバ様の調合レベルに見合った調合がおこなえます!》
私のレベルに見合った調合?
たしか調合はまだやった事がいないから『レベル1』だ。だから、壺も調合のレベルに合わせてボロボロなのか。
《続きまして~正解者のエルバ様にヒントです。解毒薬の素材は2つ、ひとつ目はキバナの花びらを使います。もう一つはエルバの畑にある解毒草です~》
私の畑にもある解毒草?
これも簡単、解毒草はまだ一つしか発見していない。
私の『調合レベルが1』だから難易度が低いのか
な? ……よかった、博士のクイズが難しくなくて。
博士、解毒草はヤブリリンゴ草。
《お見事! その2つを調合壺でかけ合わせれば解毒薬の完成です》
(やったぁ!)
ヤブリリンゴ、小さな赤い実がリリンゴに似ているから、付けられた名前。根っこ、全草を乾燥させ煎じて飲むと、利尿作用により体の毒素を排出させる。
だとすると、調合壺にいれるのは乾燥させたヤブリリンゴ草が必要になる。今から、エルバの畑で採取して全草を乾燥させるのだけど……私の風魔法は使えない……ここはサタ様とアール君に手伝ってもらおう。
――よし、解毒薬の調合をはじめよう。
「サタ様、アール君、解毒薬の作り方がわかりました。ヤブリリンゴを採取するので、風魔法で薬草を乾燥してください」
「乾燥? ――うむ、わかった。フフ、さっきからエルバが黙っていると思っていたら、スキルを使っていたのだな……見てもよいか」
毒に苦しむ、キキを助けるために降りていたサタ様が頭に戻ってくる。そして今、私の画面を覗き込みフムフム頷いた。
「これが調合の壺なのか? エルバの畑といい……これも中々面白いスキルだな。そのボロボロの壺に解毒薬となる素材を入れるのか?」
「た、多分、そうだと思う……」
(サタ様、私のスキル画面が見えてる?)
頭の上のサタ様を気にしつつ、エルバの畑からヤブリリンゴを採取して渡した。アール君も何故か足元で尻尾をからませて、ワクワクしているみたい。
お、おお――キキ、モサモサ君、ヌヌも、いつのまにか私の背後にいた。
(え、ええ――嘘、みんなも?)
私はみんなの方を見ず、画面を見たまま聞いた。
「あの……あのさ、もしかして、みんなは私の画面が見えてる?」
そう聞いた私にみんなは『見える』と頷いた。
〈なんとも、嫌な、苦手な女性だな……ワタシは2度と関わりたくない〉
〈ほんとうです、彼女は度を超えた我が儘ですね〉
[そうね、彼女は怖い部類の人間……ね]
モサモサ君は茂みの中で震え上がっていた。
実際、私も彼女の幸せへの執着と、その行動にはビビっている。
さっき、アマリアに感じたことは気付かなかった事にして……忘れよう。
❀
さてさて、怖いアマリアも新魔王様に会いに行き、居なくなった。
今は博士のナゾナゾのような、クイズに正解しなくてはならない。
フフフ、博士。
その問いに対する答えは非常に簡単だ、私はエルバ調合室を我が手の中にゲットさせてもらいます。
博士、クイズの答えは『カルア草』です!
《おお正解! おめでとうございます~エルバの畑の画面左上の、ボロボロの木造の家をタッチして下さい》
エルバの畑の左上? あ、あの小屋か……農具を入れる小屋だと思っていたけど、あれ『エルバの調合室』だったんだ。私はエルバの畑を開き、左上の木造の小屋をポチッと押した。
畑が消えボロボロの小屋が大きく表示され、観音開きの小屋の入り口が開き、画面の中央にフチが欠け、ヒビが入った壺が映しだされた。
(なっ、この……水を入れたら漏れそうで、触ったら直ぐにも壊れそうな……ボロボロの茶色い壺は?)
《はい、はい!! エルバ調合室へようこそ~ここではエルバ様の調合レベルに見合った調合がおこなえます!》
私のレベルに見合った調合?
たしか調合はまだやった事がいないから『レベル1』だ。だから、壺も調合のレベルに合わせてボロボロなのか。
《続きまして~正解者のエルバ様にヒントです。解毒薬の素材は2つ、ひとつ目はキバナの花びらを使います。もう一つはエルバの畑にある解毒草です~》
私の畑にもある解毒草?
これも簡単、解毒草はまだ一つしか発見していない。
私の『調合レベルが1』だから難易度が低いのか
な? ……よかった、博士のクイズが難しくなくて。
博士、解毒草はヤブリリンゴ草。
《お見事! その2つを調合壺でかけ合わせれば解毒薬の完成です》
(やったぁ!)
ヤブリリンゴ、小さな赤い実がリリンゴに似ているから、付けられた名前。根っこ、全草を乾燥させ煎じて飲むと、利尿作用により体の毒素を排出させる。
だとすると、調合壺にいれるのは乾燥させたヤブリリンゴ草が必要になる。今から、エルバの畑で採取して全草を乾燥させるのだけど……私の風魔法は使えない……ここはサタ様とアール君に手伝ってもらおう。
――よし、解毒薬の調合をはじめよう。
「サタ様、アール君、解毒薬の作り方がわかりました。ヤブリリンゴを採取するので、風魔法で薬草を乾燥してください」
「乾燥? ――うむ、わかった。フフ、さっきからエルバが黙っていると思っていたら、スキルを使っていたのだな……見てもよいか」
毒に苦しむ、キキを助けるために降りていたサタ様が頭に戻ってくる。そして今、私の画面を覗き込みフムフム頷いた。
「これが調合の壺なのか? エルバの畑といい……これも中々面白いスキルだな。そのボロボロの壺に解毒薬となる素材を入れるのか?」
「た、多分、そうだと思う……」
(サタ様、私のスキル画面が見えてる?)
頭の上のサタ様を気にしつつ、エルバの畑からヤブリリンゴを採取して渡した。アール君も何故か足元で尻尾をからませて、ワクワクしているみたい。
お、おお――キキ、モサモサ君、ヌヌも、いつのまにか私の背後にいた。
(え、ええ――嘘、みんなも?)
私はみんなの方を見ず、画面を見たまま聞いた。
「あの……あのさ、もしかして、みんなは私の画面が見えてる?」
そう聞いた私にみんなは『見える』と頷いた。
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