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第一章
64話
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ギルドでは先にカウンターに置かれた水晶をさわり、魔法、スキルを調べる。サタ様は氷属性、スキルは鑑定だと判断された。
次に自己申告で名前、生年月日を確認する。偽名を使うものもいるため、生年月日を書かせて、同姓同名の登録者の区別するためでもある。
登録を終えて戻ってきた、サタ様に冒険者ギルドガードを見せてもらった。体力、攻撃力、防御力などの数値はかなり低くしたらしい。
見た目とは違い弱々設定なサタ様を、周りの女性冒険者は歳の割に、自分達よりも弱いサタ様にがっかりしているようす。しかたがない冒険者は常に命をかける世界、パーティーを組むなら自分と同じランクか、自分よりも強いほうがいい、弱いものは相手にされないのだろう。
サタ様が出来たばかりのギルドカードに触れると、画面が飛び出し数値がわかった。
名前 サタ(26歳)
男性 誕生日 7月17日
冒険者ランク Fランク
職業 駆け出しの魔法剣士
レベル 15
体力 17
魔力 20
攻撃力 25
防御力 10
俊敏性 13
スキル 鑑定
「……へぇ、冒険者ギルドカードって、こんな風に登録されるんだね」
「うむ、前より使いやすくなっている。さあ、エルバ、行こうか」
「はい、行きましょう(アール君も行くよ)」
これで専門店で、素材を売って王都に入れるだろう。
素材買取り専門店に向かう途中、サタ様に聞いた。
「でもさ、サタ様はこんな弱々設定でよかったの?」
弱々と聞きフッと笑い、サタ様は頷く。
「よい、この方が周りはすぐに諦めるだろう」
「すぐに諦める? え、サタ様は気付いていたの?」
「うむ、ギルドに入ったすぐ彼らに値踏みされた……それにワタシは他の者とパーティーを組む気はない。パーティーを組むなら、エルバ、アールのこの3人だけでいい」
「わかります、昔……女性陣がサタ様を取り合いましたものね」
「ハハハッ、あれには困ったな、純粋に冒険を楽しめなくなる。女性達の告白をお断りして、即パーティーを解散したあと、アール達と行方をくらましたな」
そうでしたねと、アール君は頷いた。
買取り専門店についてすぐわかった、ギルドカード『ある』『なし』で店の対応が違う。店のカウンターでサタ様がギルドガードを見せると、ランク関係なしに買り取がすぐ始まった。もち鳥の羽、オオトカゲの爪と牙、ビックベアの毛皮と爪と牙を、サタ様はアイテムボックスから取り出した。
「ただいま査定しますので、しばらくお待ちください」
待っていると店の人に呼ばれてカウンター行く。
素材を査定した結果、合計金貨7枚と銀貨の5枚(75000円)になった。これなら鬼人さん達に借りた銀貨も返せるし、王都にもすんなり入れる。
「サタ様、アール君、これで王都に入れますね」
「うむ。結構な金額にもなったな、王都に入都しても残る。いまのうちにアールとエルバ、冒険者ギルドに登録をするか?」
「いいですね。先にエルバ様が登録されればいいのでは? ギルドカードは身分証にもなるみたいですし」
「そうだな、ワタシと同じFランクになるように、いまの力を抑えなくてはならない。そのままギルドに行くとAランクか、それ以上か?」
格好はローブのままでいいか。とか、見た目も変えなくていいな。とか、サタ様とアール君は話している。私が冒険者になればギルドでクエストを受けて、このあたりの森の中を自由に探索できる。
新たな植物の発見、魔物の討伐もできる。冒険者ギルドで受けた、クエストを達成すれば報酬がもらえる。出来るのなら、冒険者らしく鎧を着て、カッコいい武器も持ちたい。
(これぞファンタジーの世界、楽しみだ!)
次に自己申告で名前、生年月日を確認する。偽名を使うものもいるため、生年月日を書かせて、同姓同名の登録者の区別するためでもある。
登録を終えて戻ってきた、サタ様に冒険者ギルドガードを見せてもらった。体力、攻撃力、防御力などの数値はかなり低くしたらしい。
見た目とは違い弱々設定なサタ様を、周りの女性冒険者は歳の割に、自分達よりも弱いサタ様にがっかりしているようす。しかたがない冒険者は常に命をかける世界、パーティーを組むなら自分と同じランクか、自分よりも強いほうがいい、弱いものは相手にされないのだろう。
サタ様が出来たばかりのギルドカードに触れると、画面が飛び出し数値がわかった。
名前 サタ(26歳)
男性 誕生日 7月17日
冒険者ランク Fランク
職業 駆け出しの魔法剣士
レベル 15
体力 17
魔力 20
攻撃力 25
防御力 10
俊敏性 13
スキル 鑑定
「……へぇ、冒険者ギルドカードって、こんな風に登録されるんだね」
「うむ、前より使いやすくなっている。さあ、エルバ、行こうか」
「はい、行きましょう(アール君も行くよ)」
これで専門店で、素材を売って王都に入れるだろう。
素材買取り専門店に向かう途中、サタ様に聞いた。
「でもさ、サタ様はこんな弱々設定でよかったの?」
弱々と聞きフッと笑い、サタ様は頷く。
「よい、この方が周りはすぐに諦めるだろう」
「すぐに諦める? え、サタ様は気付いていたの?」
「うむ、ギルドに入ったすぐ彼らに値踏みされた……それにワタシは他の者とパーティーを組む気はない。パーティーを組むなら、エルバ、アールのこの3人だけでいい」
「わかります、昔……女性陣がサタ様を取り合いましたものね」
「ハハハッ、あれには困ったな、純粋に冒険を楽しめなくなる。女性達の告白をお断りして、即パーティーを解散したあと、アール達と行方をくらましたな」
そうでしたねと、アール君は頷いた。
買取り専門店についてすぐわかった、ギルドカード『ある』『なし』で店の対応が違う。店のカウンターでサタ様がギルドガードを見せると、ランク関係なしに買り取がすぐ始まった。もち鳥の羽、オオトカゲの爪と牙、ビックベアの毛皮と爪と牙を、サタ様はアイテムボックスから取り出した。
「ただいま査定しますので、しばらくお待ちください」
待っていると店の人に呼ばれてカウンター行く。
素材を査定した結果、合計金貨7枚と銀貨の5枚(75000円)になった。これなら鬼人さん達に借りた銀貨も返せるし、王都にもすんなり入れる。
「サタ様、アール君、これで王都に入れますね」
「うむ。結構な金額にもなったな、王都に入都しても残る。いまのうちにアールとエルバ、冒険者ギルドに登録をするか?」
「いいですね。先にエルバ様が登録されればいいのでは? ギルドカードは身分証にもなるみたいですし」
「そうだな、ワタシと同じFランクになるように、いまの力を抑えなくてはならない。そのままギルドに行くとAランクか、それ以上か?」
格好はローブのままでいいか。とか、見た目も変えなくていいな。とか、サタ様とアール君は話している。私が冒険者になればギルドでクエストを受けて、このあたりの森の中を自由に探索できる。
新たな植物の発見、魔物の討伐もできる。冒険者ギルドで受けた、クエストを達成すれば報酬がもらえる。出来るのなら、冒険者らしく鎧を着て、カッコいい武器も持ちたい。
(これぞファンタジーの世界、楽しみだ!)
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