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第一章
49話
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みんなが露天風呂に興味を持ったので、アイテムボックスを開きテントを取り出した。前の露天風呂も気持ちよかったけど。今回は古き良き銭湯はどうかな? と、テントのまえで私は思い出す。
男性と女性と書かれた暖簾(のれん)の入口、脱衣所、床にひいてあった竹ゴザ、脱いだ服を竹籠。……竹籠ごと入れる木製のロッカー、ガラス張りの扉を開けると――タイル張りの床と壁、大きな浴槽と壁に描かれた富士山の絵。
サウナと奥にあるジャングルのような露天風呂……懐かしい、毎日の様に通っていた銭湯。
湯船から出た後に脱衣所で飲む瓶コーヒー牛乳、フルーツ牛乳は格別に美味しかった。
「これでいいかな? ちょっと中を見てくるね」
テントのなかに入ると目の前に、前世通っていた銭湯の入り口があった。私銭湯内も想像通り、銭湯の湯船、ジャングル露天風呂……や、屋根はどこ?
まただ……私が想像で作り上げた銭湯には天井、瓦屋根がなく、湯船から見上げる真っ白な空。ほぼ毎日、通っていた銭湯なのに……トイレは銭湯の近くにあった、コンビニのトイレだった。
――もっと、想起力(そうきりょく)と想像力があればよかった。
真っ白な空も面白いっかと、湯船のお湯の温度を確かめ、洗い場、脱衣所をチェックして外に出て。
「お風呂入れるよ」
と、みんなに声をかけた。
だけど、一度体験しているサタ様、アール君、お肉に夢中なパパ以外。ママ、ミネルバ様、エバァさんとドロシアさんは神様仕様のテントを見ている。
ママとミネルバ様はテントを触り。
「ミネルバ、この魔法は初めて見る形式だわ」
「ええ、長年生きてきたけど初めて見る魔法ね。テントの材質も、この世界にないものかも」
ママとミネルバ様はテントをさわり、魔法を見るママ達の瞳は真剣だ。
(知らない形式の魔法か……それはそうだと思う)
なにせ、私のキャンプ道具に魔法をかけたのは神様だ、この世界にない独特の魔法を使用するはず。テントの材質だって、軽さ重視のナイロン製だから異世界にはないのかも。
「ねぇ~みんなぁ見てぇ、ここに変なマークが付いているよ~」
「ほんとうだ、杖を持った髭を生やしたお爺さん?」
そのマークにみんなが集まる。私も着いていって一緒に覗ぞいて驚く……鹿団長のロゴのところが違うマークに変わっていたのだ。
「嘘? お気に入りの、私の鹿団長がぁ!」
「なんだ、エルバは気付いていなかったのか? ワタシが借りている、ナイフの柄(え)とサヤにもそのマークは入っているぞ」
サタ様がパタパタ飛んできて、ナイフをみせてくれると、焼印のようなお爺さんのマークが入っていた。
「ほんとうだ……私が持っているキャンプ道具のすべてに、このマークが入っているんだ」
「エルバ様、僕の椅子の背もたれにも入っていますよ」
アール君専用の椅子の背もたれにも、デカデカと入っていた。
よく見ると前の鹿団長もよかったけど、このマークもいいかも。マークの見た目もカッコいい、この世界で私しか持たない、私だけの神様仕様のキャンプ道具かぁ――ますます愛着が湧いちゃうね。
マークを見てニマニマする私に、サタ様がため息をつき。
「エルバのその様子だと……道具に掛かる魔法がなんなのか、知らないで使っているな?」
「……え、えーっと、知っているのもあれば、知らないのもある。家に戻ったら一度、全部のキャンプ道具を調べようと思っていたよ」
「そうか、ならワタシも手伝おう」
「僕もお手伝いいたします」
「サタ様、アール君、その時はおねがいするね」
キャンプ道具チェックをする日が楽しみだ。
この道具がこうなったの?
これが? とか、一つ一つ楽しみたい。
男性と女性と書かれた暖簾(のれん)の入口、脱衣所、床にひいてあった竹ゴザ、脱いだ服を竹籠。……竹籠ごと入れる木製のロッカー、ガラス張りの扉を開けると――タイル張りの床と壁、大きな浴槽と壁に描かれた富士山の絵。
サウナと奥にあるジャングルのような露天風呂……懐かしい、毎日の様に通っていた銭湯。
湯船から出た後に脱衣所で飲む瓶コーヒー牛乳、フルーツ牛乳は格別に美味しかった。
「これでいいかな? ちょっと中を見てくるね」
テントのなかに入ると目の前に、前世通っていた銭湯の入り口があった。私銭湯内も想像通り、銭湯の湯船、ジャングル露天風呂……や、屋根はどこ?
まただ……私が想像で作り上げた銭湯には天井、瓦屋根がなく、湯船から見上げる真っ白な空。ほぼ毎日、通っていた銭湯なのに……トイレは銭湯の近くにあった、コンビニのトイレだった。
――もっと、想起力(そうきりょく)と想像力があればよかった。
真っ白な空も面白いっかと、湯船のお湯の温度を確かめ、洗い場、脱衣所をチェックして外に出て。
「お風呂入れるよ」
と、みんなに声をかけた。
だけど、一度体験しているサタ様、アール君、お肉に夢中なパパ以外。ママ、ミネルバ様、エバァさんとドロシアさんは神様仕様のテントを見ている。
ママとミネルバ様はテントを触り。
「ミネルバ、この魔法は初めて見る形式だわ」
「ええ、長年生きてきたけど初めて見る魔法ね。テントの材質も、この世界にないものかも」
ママとミネルバ様はテントをさわり、魔法を見るママ達の瞳は真剣だ。
(知らない形式の魔法か……それはそうだと思う)
なにせ、私のキャンプ道具に魔法をかけたのは神様だ、この世界にない独特の魔法を使用するはず。テントの材質だって、軽さ重視のナイロン製だから異世界にはないのかも。
「ねぇ~みんなぁ見てぇ、ここに変なマークが付いているよ~」
「ほんとうだ、杖を持った髭を生やしたお爺さん?」
そのマークにみんなが集まる。私も着いていって一緒に覗ぞいて驚く……鹿団長のロゴのところが違うマークに変わっていたのだ。
「嘘? お気に入りの、私の鹿団長がぁ!」
「なんだ、エルバは気付いていなかったのか? ワタシが借りている、ナイフの柄(え)とサヤにもそのマークは入っているぞ」
サタ様がパタパタ飛んできて、ナイフをみせてくれると、焼印のようなお爺さんのマークが入っていた。
「ほんとうだ……私が持っているキャンプ道具のすべてに、このマークが入っているんだ」
「エルバ様、僕の椅子の背もたれにも入っていますよ」
アール君専用の椅子の背もたれにも、デカデカと入っていた。
よく見ると前の鹿団長もよかったけど、このマークもいいかも。マークの見た目もカッコいい、この世界で私しか持たない、私だけの神様仕様のキャンプ道具かぁ――ますます愛着が湧いちゃうね。
マークを見てニマニマする私に、サタ様がため息をつき。
「エルバのその様子だと……道具に掛かる魔法がなんなのか、知らないで使っているな?」
「……え、えーっと、知っているのもあれば、知らないのもある。家に戻ったら一度、全部のキャンプ道具を調べようと思っていたよ」
「そうか、ならワタシも手伝おう」
「僕もお手伝いいたします」
「サタ様、アール君、その時はおねがいするね」
キャンプ道具チェックをする日が楽しみだ。
この道具がこうなったの?
これが? とか、一つ一つ楽しみたい。
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