7 / 171
第一章
6話
しおりを挟む
お米だ!
お米だ!
この世界でお米を見つけた、あまりの嬉しさに稲を持ってキッチンで舞っていた。そこに夕飯の支度に調合室から出てきた、ママと鉢合わせ。
「「えっ!」」
コメ草を手に舞う私と。
そんな私を見て驚くママ。
「エルバ、どうしたの?」
「マ、ママ……えっ――と、これはなんの薬草かなって? 気になって振っていたの……」
なんたる苦し紛れの言葉……ほんとうはコメを見つけ『喜びの舞』を舞っていたのだけど……。
「ああ、それはね。鬼人族の方が作る、名前がコメ草というめずらしい薬草なの」
「鬼人族? コメ草?」
(おお、名前もお米に似てる!)
ママにコメ草について詳しく教えてくれた。
魔法都市の北に住む、亜人種族の鬼人たちはコメ草という薬草を栽培している。――このコメ草から採れる白い粒に水と熱を加え、鍋でトロトロに煮込み"コメのり"というノリを作っていると言った。
ほかにも。鬼人たちは木の皮から作られる鬼紙(キシ)といわれる紙も作っていて、手帖、障子の紙、電気のカサ、提灯、雨よけのキシ傘などにキシとコメのりが使われるのだとか。
ママたちは高級な羊皮紙よりも、キシは書きやすくて使っている者は多い。
――多分、鬼紙(キシ)は和紙だ。
そして、ママは前からコメ草が気になっていたらしく。傷薬などの薬とコメ草を物々交換してきて、コメ草から薬が作れないかを実験するらしい。
その実験も面白そうだけど。
博士の情報からしてコメはかなりの確率で美味い。
ママにそのコメを炊いて食べると"美味しいよ"と伝えたいの……だけど「その知識は何処で知ったの?」と聞かれると。
どう説明をしたらいいのか。詳しく、前世の記憶から話さなくてはならないかも。
そして、おかしな子だと思われてママに嫌われる?
生まれ変わって、優しい両親と出会えた……もう1人ぼっちは嫌だ。伝えたくてもいえない私に、ママは私の顔を覗き込み。
「エルバ、言いたいことがあったら、なんでもママに言っていいのよ」
と、微笑んで言われて。思い切ってママに"コメを炊きたい"と伝えた。ママは変に思うどころか『コメを炊くの?』『それは面白そうね。さっそく、やってみましょう』と言ってくれた。
ホッ、よかった。
ママに変な子だと、思われなかったみたい。
お米だ!
この世界でお米を見つけた、あまりの嬉しさに稲を持ってキッチンで舞っていた。そこに夕飯の支度に調合室から出てきた、ママと鉢合わせ。
「「えっ!」」
コメ草を手に舞う私と。
そんな私を見て驚くママ。
「エルバ、どうしたの?」
「マ、ママ……えっ――と、これはなんの薬草かなって? 気になって振っていたの……」
なんたる苦し紛れの言葉……ほんとうはコメを見つけ『喜びの舞』を舞っていたのだけど……。
「ああ、それはね。鬼人族の方が作る、名前がコメ草というめずらしい薬草なの」
「鬼人族? コメ草?」
(おお、名前もお米に似てる!)
ママにコメ草について詳しく教えてくれた。
魔法都市の北に住む、亜人種族の鬼人たちはコメ草という薬草を栽培している。――このコメ草から採れる白い粒に水と熱を加え、鍋でトロトロに煮込み"コメのり"というノリを作っていると言った。
ほかにも。鬼人たちは木の皮から作られる鬼紙(キシ)といわれる紙も作っていて、手帖、障子の紙、電気のカサ、提灯、雨よけのキシ傘などにキシとコメのりが使われるのだとか。
ママたちは高級な羊皮紙よりも、キシは書きやすくて使っている者は多い。
――多分、鬼紙(キシ)は和紙だ。
そして、ママは前からコメ草が気になっていたらしく。傷薬などの薬とコメ草を物々交換してきて、コメ草から薬が作れないかを実験するらしい。
その実験も面白そうだけど。
博士の情報からしてコメはかなりの確率で美味い。
ママにそのコメを炊いて食べると"美味しいよ"と伝えたいの……だけど「その知識は何処で知ったの?」と聞かれると。
どう説明をしたらいいのか。詳しく、前世の記憶から話さなくてはならないかも。
そして、おかしな子だと思われてママに嫌われる?
生まれ変わって、優しい両親と出会えた……もう1人ぼっちは嫌だ。伝えたくてもいえない私に、ママは私の顔を覗き込み。
「エルバ、言いたいことがあったら、なんでもママに言っていいのよ」
と、微笑んで言われて。思い切ってママに"コメを炊きたい"と伝えた。ママは変に思うどころか『コメを炊くの?』『それは面白そうね。さっそく、やってみましょう』と言ってくれた。
ホッ、よかった。
ママに変な子だと、思われなかったみたい。
155
あなたにおすすめの小説
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる