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四十八
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私たちに検査結果を渡し終え、所長の横にいた助手さんは、私たちに頭を下げた。
「リチャード様、ミタリア様お疲れ様でした。デンス所長、私はこれで研究に戻ります」
「わかった、手伝いありがとう。リチャード様、ミタリア様、特殊能力検査はこれで終わりです。何かわからないことがありましたら、気軽に獣化研究所までおいでください」
「デンス所長、今日はありがとうございました」
「ありがとうございました」
私たちは所長にお礼を言って獣化研究者を後にした。
私は帰りの馬車の中で、ボーッと検査結果の封筒を手に考えていた。ヒロインの手紙に書いてあった通り、私の特殊能力が闇属性だったら、かっこいいと思っていたけど。
実際の特殊能力ーーオフトゥン召喚て変わってるけど、可愛いっちゃ可愛いかも。
名付けて、どこでもオフトゥン!
まだ誕生日前で特殊能力は使えないけど。
オフトゥン召喚とオフトゥンの上限定だけど『癒し』は結構役立つと思う。
王子の訓練帰りとか、王子の執務疲れとか、王子としての習い事の疲れを取る……って。全部、王子のことばかりだった。
「なぁ、ミタリア」
「はひっ!」
王子のことを考えていたから、急に話しかけられて変な声が出ちゃった。
「ぷっ、はひって驚かせたな。……で、ミタリアの特殊能力はあの兎の手紙の通り、闇属性だったのか?」
「えっ? 闇属性?」
「さっきから、その封筒ずっと見ているから……」
研究所からの帰り、馬車に乗ってから封筒片手に考え事をしていたせいか、王子は私を心配そうに見つめていた。しかし、トラブルの原因になってしまうから、特殊能力は人には教えてはならない。
(でも、私の特殊能力ってオフトゥン召喚だし。婚約者の王子になら見せてもいいかな?)
なーんてことを教えていた。
もし、この検査結果を王子に見せたら「なんだ、この特殊能力は!」って笑う? それとも変に思う? どうするかを悩んでいたら、スーッと横から手が伸びてきて、私の封筒を取り上げた。
「あっ。リチャード様、見ないで!」
と、止めたのだけど。時は遅く、王子は封筒を開けて、私の検査結果の紙を見ていた。
「もう、リチャード様!」
「許せ。ミタリアの特殊能力は誰にも口外しない。しかし、これは……」
私の特殊能力を見て瞳を大きくして、口元が功を描いた。
なんだか王子、嬉しそうなんですけど。
「ミタリアの特殊能力……クックク、クク。まじか。これが、ミタリアの特殊能力なのか……はははっ!」
王子の大笑い。むっ、こんなに笑うなんて。
王子はオフトゥン召喚を、変な特殊能力だと思ったのね
「……見ないでって言ったのに、紙を返してください」
「あぁ? わかった返すよ。ははっ、可愛い……ミタリアらしい可愛い特殊能力だな……ククッ」
また、笑った。でも、いま可愛いらしい特殊能力だとも言った。
「リチャード様、私の特殊能力を見たんだから、リチャード様の結果を見せてください!」
王子の隣に置いてある、封筒を奪おうとしたのだけど、サラリと交わされた。
「ごめん……ミタリアのを見といて悪いけど、俺のは見せないというより、見せられないんだ」
と言い、自分の封筒を背に隠してしまう。
「あぁ! リチャード様は私の特殊能力は見たくせに、いじわる」
私の言葉に、王子は、また瞳を細めて大笑いした。
「はははっ、俺がいじわるか……くくっ、ごめん、ミタリア。俺は王族で第1王子だから、デンス所長たち以外に、特殊能力を知られてはダメなんだ。母上も父上の特殊能力は知らない」
「えっ?」
王妃様も国王陛下の特殊能力は知らない。……王子の特殊能力はそう易々と、見てはいけないものなんだ。長所にもなって、弱点にもなる、よく考えればそうだ……。
でも、偶然だけど……火属性は知ってしまった。
「すみません、リチャード様。それと、火属性は誰にも教えません」
「んっ、そうしてくれると嬉しい。はぁ、良かった……ミタリアの特殊能力が闇属性ではなくて。あの、手紙の通りにはならない。だが、カーエン王子のことは、これからも気を引き締めて見張はるよ。大切なミタリアをアイツにはやらない」
「リ、リチャード様!」
引き寄せられて、たくましくなった王子の胸に抱きしめられた。
その途端に、お腹のアサもポッと熱くなる。
「俺の愛する、ミタリア……」
王子の腕の中で幸せを感じたていた。
くっと、私を抱きしめならが体を揺らして、王子がまた笑いだす。
「くくっ、ミタリアの特殊能力を見てから、ずっと考えていたんだけど。その特殊能力『オフトゥン召喚』と『癒し』って、どう考えも俺専用だよな。……そう考えたら。俺、嬉しくって、顔がにやけて、笑っちまう」
と、私を抱きしめたまま、王子はオフトゥンの上に寝転がった。
「リチャード様、ミタリア様お疲れ様でした。デンス所長、私はこれで研究に戻ります」
「わかった、手伝いありがとう。リチャード様、ミタリア様、特殊能力検査はこれで終わりです。何かわからないことがありましたら、気軽に獣化研究所までおいでください」
「デンス所長、今日はありがとうございました」
「ありがとうございました」
私たちは所長にお礼を言って獣化研究者を後にした。
私は帰りの馬車の中で、ボーッと検査結果の封筒を手に考えていた。ヒロインの手紙に書いてあった通り、私の特殊能力が闇属性だったら、かっこいいと思っていたけど。
実際の特殊能力ーーオフトゥン召喚て変わってるけど、可愛いっちゃ可愛いかも。
名付けて、どこでもオフトゥン!
まだ誕生日前で特殊能力は使えないけど。
オフトゥン召喚とオフトゥンの上限定だけど『癒し』は結構役立つと思う。
王子の訓練帰りとか、王子の執務疲れとか、王子としての習い事の疲れを取る……って。全部、王子のことばかりだった。
「なぁ、ミタリア」
「はひっ!」
王子のことを考えていたから、急に話しかけられて変な声が出ちゃった。
「ぷっ、はひって驚かせたな。……で、ミタリアの特殊能力はあの兎の手紙の通り、闇属性だったのか?」
「えっ? 闇属性?」
「さっきから、その封筒ずっと見ているから……」
研究所からの帰り、馬車に乗ってから封筒片手に考え事をしていたせいか、王子は私を心配そうに見つめていた。しかし、トラブルの原因になってしまうから、特殊能力は人には教えてはならない。
(でも、私の特殊能力ってオフトゥン召喚だし。婚約者の王子になら見せてもいいかな?)
なーんてことを教えていた。
もし、この検査結果を王子に見せたら「なんだ、この特殊能力は!」って笑う? それとも変に思う? どうするかを悩んでいたら、スーッと横から手が伸びてきて、私の封筒を取り上げた。
「あっ。リチャード様、見ないで!」
と、止めたのだけど。時は遅く、王子は封筒を開けて、私の検査結果の紙を見ていた。
「もう、リチャード様!」
「許せ。ミタリアの特殊能力は誰にも口外しない。しかし、これは……」
私の特殊能力を見て瞳を大きくして、口元が功を描いた。
なんだか王子、嬉しそうなんですけど。
「ミタリアの特殊能力……クックク、クク。まじか。これが、ミタリアの特殊能力なのか……はははっ!」
王子の大笑い。むっ、こんなに笑うなんて。
王子はオフトゥン召喚を、変な特殊能力だと思ったのね
「……見ないでって言ったのに、紙を返してください」
「あぁ? わかった返すよ。ははっ、可愛い……ミタリアらしい可愛い特殊能力だな……ククッ」
また、笑った。でも、いま可愛いらしい特殊能力だとも言った。
「リチャード様、私の特殊能力を見たんだから、リチャード様の結果を見せてください!」
王子の隣に置いてある、封筒を奪おうとしたのだけど、サラリと交わされた。
「ごめん……ミタリアのを見といて悪いけど、俺のは見せないというより、見せられないんだ」
と言い、自分の封筒を背に隠してしまう。
「あぁ! リチャード様は私の特殊能力は見たくせに、いじわる」
私の言葉に、王子は、また瞳を細めて大笑いした。
「はははっ、俺がいじわるか……くくっ、ごめん、ミタリア。俺は王族で第1王子だから、デンス所長たち以外に、特殊能力を知られてはダメなんだ。母上も父上の特殊能力は知らない」
「えっ?」
王妃様も国王陛下の特殊能力は知らない。……王子の特殊能力はそう易々と、見てはいけないものなんだ。長所にもなって、弱点にもなる、よく考えればそうだ……。
でも、偶然だけど……火属性は知ってしまった。
「すみません、リチャード様。それと、火属性は誰にも教えません」
「んっ、そうしてくれると嬉しい。はぁ、良かった……ミタリアの特殊能力が闇属性ではなくて。あの、手紙の通りにはならない。だが、カーエン王子のことは、これからも気を引き締めて見張はるよ。大切なミタリアをアイツにはやらない」
「リ、リチャード様!」
引き寄せられて、たくましくなった王子の胸に抱きしめられた。
その途端に、お腹のアサもポッと熱くなる。
「俺の愛する、ミタリア……」
王子の腕の中で幸せを感じたていた。
くっと、私を抱きしめならが体を揺らして、王子がまた笑いだす。
「くくっ、ミタリアの特殊能力を見てから、ずっと考えていたんだけど。その特殊能力『オフトゥン召喚』と『癒し』って、どう考えも俺専用だよな。……そう考えたら。俺、嬉しくって、顔がにやけて、笑っちまう」
と、私を抱きしめたまま、王子はオフトゥンの上に寝転がった。
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