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十一
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「そろそろ行くかヒーラギ。国境を越えたら今日はマギア森の中で一晩泊まり、明日になったら俺の国へ行こう」
ブランはそう言いマジックバッグに、スラが綺麗にした道具をしまい、残ったピクルスの瓶をしまおうとしてブランが声を上げた。
「スラ! お前はまたピクルスの漬け液を、全部飲んだな!」
「ニュ!」
ガーキンとジンセンの野菜を残して、ピクルスの漬け液を全て、飲んだことがバレてしまったスラは。捕らえようとしたブランから"ピョン"と逃げて『ニュ(またね)』と鳴いて、マジックバッグに逃げて行った。
「あ、逃げるな、スラめ……相変わらずピクルスの漬け液好きだな、クックク」
スラに全部ピクルス漬け液を飲まれたのに、どこか嬉しそうなブラン。仕方ねぇ、食っちまうかとピクルスの瓶を私に渡してきた。
ガーキンとジンセンのピクルス、ポリポリ、よく漬かっていて美味しい。
「ねぇ、ブラン。スラって、そんなにピクルスの液が好きなの?」
「あぁ好きだな、なにせアイツと出会ったのもピクルスの漬け液が関わってるんだ」
「ピクルスの漬け液?」
「スラとは二年前にいま向かっている、マギア森とは違うシシン森で出会ったんだ。アイツ、スラは勝手に俺が採取中に俺の手作り弁当を全部食べちまったんだよ。採取が終わって腹減ったって、食べようとした弁当は空っぽだ……」
「空っぽ?」
「俺は森の動物が食べたのか、こんな場所にカバンを置いといた俺が悪いと思い帰ったんだ。よく弁当を食べてるとき、森の動物が寄ってきたからな」
さっきの料理も美味しかったから、ブランのお弁当も美味しんだろうな。
「それで」
「帰ったら見知らぬスライムがカバンから、ニュルッと出てくるんだもんな驚いたよ。初めはもといた森にスラを帰そうとしたけど、一緒にいるうちに仲良くなったんだ。スラは俺の作るものはなんでも好きで、特にピクルスの液が一番大好きなんだ」
ブランは楽しそうにスラとの出会いを話し、私はそれを聞き、仲良くピクルスの残りをポリポリ食べきり。瓶をマジックバッグにしまい、次に食べ物ばかりの私の荷物も全部しまってくれた。
空っぽになった布製のカバンは、ブランの魔力が戻りしたい、私専用のマジックバックにすると言ってカバンにしまった。真新しいアタッシュケースは国境近辺の街で売ることにした。
「さて、行くか」
「うん」
私は身軽になったし、国境近くの街までは徒歩で移動だと思っていたのだけど、いきなりチュニックを脱ぎ始めるブラン。
「え、待って!」
慌てる私にブランは不思議な顔をした。
「いまから移動するだろ?」
「するけど」
「俺が獣化して、ヒーラギを背に乗せるから服が邪魔なんだ」
「(獣化とか、わかんないけど)そ、それなら先に言ってよ」
「一度見てんだ、何度見てもかわりゃしねぇ」
と、私が見ていても気にせず平気で服を脱ぐブランに、慌てて目を瞑り背を向けた。
「ヒーラギの耳真っ赤……クックク、照れるなよ。俺はヒーラギだったら見ても構わねぇ、こっち向けよ!」
「向かないし、見ません!」
しばらくして目を瞑る私の頬をもふもふが、モフンと
くすぐった。
「ヒーラギ、獣化が終わったぞ」
その言葉に振り向くと馬より少し大きな、真っ白なもふもふ犬ーーブランがいた。ブランは口に咥えて私にカバンを渡した。
「俺の服、カバンにしまって」
「うん、わかった」
可愛い見た目、いきなり抱きついたらブランは怒るかな……触りたい、もふりたい。
「もふもふ犬、いい」
「犬? ……あのさ、一言言っておく。俺は犬ではない、狼だからな」
「え、狼?」
「何驚いてんだよ。ヒーラギ、犬と間違えた罰だ」
ブランに大きな舌で、ベロンと唇の辺りを舐められた。
ブランはそう言いマジックバッグに、スラが綺麗にした道具をしまい、残ったピクルスの瓶をしまおうとしてブランが声を上げた。
「スラ! お前はまたピクルスの漬け液を、全部飲んだな!」
「ニュ!」
ガーキンとジンセンの野菜を残して、ピクルスの漬け液を全て、飲んだことがバレてしまったスラは。捕らえようとしたブランから"ピョン"と逃げて『ニュ(またね)』と鳴いて、マジックバッグに逃げて行った。
「あ、逃げるな、スラめ……相変わらずピクルスの漬け液好きだな、クックク」
スラに全部ピクルス漬け液を飲まれたのに、どこか嬉しそうなブラン。仕方ねぇ、食っちまうかとピクルスの瓶を私に渡してきた。
ガーキンとジンセンのピクルス、ポリポリ、よく漬かっていて美味しい。
「ねぇ、ブラン。スラって、そんなにピクルスの液が好きなの?」
「あぁ好きだな、なにせアイツと出会ったのもピクルスの漬け液が関わってるんだ」
「ピクルスの漬け液?」
「スラとは二年前にいま向かっている、マギア森とは違うシシン森で出会ったんだ。アイツ、スラは勝手に俺が採取中に俺の手作り弁当を全部食べちまったんだよ。採取が終わって腹減ったって、食べようとした弁当は空っぽだ……」
「空っぽ?」
「俺は森の動物が食べたのか、こんな場所にカバンを置いといた俺が悪いと思い帰ったんだ。よく弁当を食べてるとき、森の動物が寄ってきたからな」
さっきの料理も美味しかったから、ブランのお弁当も美味しんだろうな。
「それで」
「帰ったら見知らぬスライムがカバンから、ニュルッと出てくるんだもんな驚いたよ。初めはもといた森にスラを帰そうとしたけど、一緒にいるうちに仲良くなったんだ。スラは俺の作るものはなんでも好きで、特にピクルスの液が一番大好きなんだ」
ブランは楽しそうにスラとの出会いを話し、私はそれを聞き、仲良くピクルスの残りをポリポリ食べきり。瓶をマジックバッグにしまい、次に食べ物ばかりの私の荷物も全部しまってくれた。
空っぽになった布製のカバンは、ブランの魔力が戻りしたい、私専用のマジックバックにすると言ってカバンにしまった。真新しいアタッシュケースは国境近辺の街で売ることにした。
「さて、行くか」
「うん」
私は身軽になったし、国境近くの街までは徒歩で移動だと思っていたのだけど、いきなりチュニックを脱ぎ始めるブラン。
「え、待って!」
慌てる私にブランは不思議な顔をした。
「いまから移動するだろ?」
「するけど」
「俺が獣化して、ヒーラギを背に乗せるから服が邪魔なんだ」
「(獣化とか、わかんないけど)そ、それなら先に言ってよ」
「一度見てんだ、何度見てもかわりゃしねぇ」
と、私が見ていても気にせず平気で服を脱ぐブランに、慌てて目を瞑り背を向けた。
「ヒーラギの耳真っ赤……クックク、照れるなよ。俺はヒーラギだったら見ても構わねぇ、こっち向けよ!」
「向かないし、見ません!」
しばらくして目を瞑る私の頬をもふもふが、モフンと
くすぐった。
「ヒーラギ、獣化が終わったぞ」
その言葉に振り向くと馬より少し大きな、真っ白なもふもふ犬ーーブランがいた。ブランは口に咥えて私にカバンを渡した。
「俺の服、カバンにしまって」
「うん、わかった」
可愛い見た目、いきなり抱きついたらブランは怒るかな……触りたい、もふりたい。
「もふもふ犬、いい」
「犬? ……あのさ、一言言っておく。俺は犬ではない、狼だからな」
「え、狼?」
「何驚いてんだよ。ヒーラギ、犬と間違えた罰だ」
ブランに大きな舌で、ベロンと唇の辺りを舐められた。
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