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二十七
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「……レオさん」
私だけを一生涯、愛してくれるなんて嬉しい。
その言葉が身に染みて、嬉しくって、にやけそうな顔を引き締めていた。そこにぷにっと、レオさんに頬を突っつかれる。
「……!」
驚きで見上げると、目を細めて微笑むレオさんがいた。
「どうしたの? 照れた? ティーの頬があからんできたね。可愛いティーを君に見せたくないから、そろそろ街に戻ろうか?」
もっと彼の指で、ぷに、ぷに、されて、ますます熱くなった頬で「はい」と頷いた。
「よし帰ろう! 今朝早く出たのにお昼過ぎちゃったね。街に戻ったら、食事にしょうか」
(もう、お昼過ぎ?)
レオさんに言われるまで気付かなかった、早朝だった時刻はお昼を回っていた。
「そうしましょう、レオさん。男爵様、私たちはこれで失礼しますね」
リオン君に礼をした。
あっ、と彼の口元が何か言いたげに動き、私を見つめる彼の瞳の奥が哀しげに揺れた。何も知らない前の私だったら、手を伸ばしたかもしれないけど……
リオン君への想いは吹っ切ってれいる。
私はレオさんが好き、彼のお嫁さんになりたい。
「ティー、あのとき俺がちゃんとしていれば……君を失わずに済んだ、結婚だってしていたのに……ティー行くな、ティー俺の近くにいてよ」
私をもう1度、掴もうと伸ばされた手と、絞り出した声。
レオさんは渡さないと私の手を握り。
「今更、後悔してもあの日のティーは2度と戻らない。君は全てを受け止めて、前を向きなさい!」
「レオさんの言う通り、あの日には戻りません。セジール様と、生まれてくる子供を大切にしてあげて。……さようなら、リオン君」
「あ、あぁ、テ、ティー! 待って……待ってくれぇ!」
行くなと叫び、泣き崩れるリオン君を家に置き外に出ると、外に村の人たちが集まっていた。村の人たちは私に何か言いだけだったけど……その人たちに挨拶だけをして、私とレオさんは村の門をくぐった。
「ティー、大丈夫?」
「大丈夫だよ。レオさん、行こっ」
振り向かず、私たちは街に戻った。
+
街に戻った私たちは昼食を軽く済ませた。夕食は戻って食べようと、街で色々買って宿屋に戻った。
宿屋のテーブルに買ってきた、小麦粉の生地を薄く焼きお肉と野菜を巻いたもの、じゃがいもの丸揚げ、焼き鳥、ソーセージ、赤と白ワイン、エールを並べた。
先にお風呂に入り、もふもふの姿に戻ったレオさんと、向かい合って座り。
「「いただきまーす!」」
2人で乾杯して食事を始めた。私の両親のこと、村のこと、レオさんの両親の話。食事とお酒が進み、お酒に酔ってきた私たちは、お互いの何処が好きか言い始めた。
「私は……レオさんの全部好き、もふもふの姿も、お仕事に行く姿も!全部素敵。レオさんだーぁい好き、えへへ、言っちゃった」
「僕だって、ティーの全部好きだ! 僕を両手で抱きしめて下が見つめる顔が可愛い、寝ている顔も、寝起きも全部可愛い!」
好きなところ言い合い合戦と、食事が終わり。紅茶を飲みながら結婚式の話、子供は何人欲しいか、など、たくさん2人で話をした。
飲み終えたカップをテーブルに置き。
並んで歯を磨いて。
「さて寝るか」
「寝ましょう」
レオさんと同じベッドで眠る。
眠りにつく前、レオさんは私を抱きしめながら。
「ティー、帰りはゆっくりいろんな国の景色や、美味しいものを食べて帰ろう」
「わぁ賛成、そうしましょう!」
「明日、何処を回るか決めよう」
「はい!」
何処を回るか考えるだけでワクワクして、レオさんを見上げて笑った。
私を見つめる彼の瞳が揺れて、彼の喉がゴクッと鳴る。
「ねぇ、ティー、キスしていい」
……はい、という代わりに瞳を閉じると、もふもふな、啄む、キスが降る。
「……んっ、レオ…さぁん」
「ティー……っ、可愛い。いますぐ、食べてしまいたい」
「レオさん……好き、ちゅっ、ちゅっ」
私からのキスにピクッと、レオさんの動きが止まる。彼は息を吸い、深く吐いて、何かを堪える表情をした。
「はぁ、そんな可愛い顔をして僕を煽るなんて、はぁ……僕も好きだ、愛しているよティー。いまは我慢する、結婚したら毎晩覚悟してね」
毎晩……レオさんに耳元で、甘く、囁かれた。
「お、お手柔らかにお願いします」
「なるべくそうするよ。ティーもっと側においで」
彼の腕の中で、幸せを噛み締め眠った。
次の日。
ボーン、時刻を告げる鐘の音が聞こえる。
ボーン、ボーン……鐘の音は12回鳴った。
「んー、もう、お昼?」
隣のレオさんの慌てた声で目覚めた。
「レオさん?」
「ティー、寝坊した。僕たちはこの街をお昼前には出るはずだった……」
「えっ? あ、そうだった?」
「ふふっ、ティーはまだ眠そうだね。やっぱり、ここにきて旅の疲れが出たのかな? もう1日、この街で休んでから出発しようか」
「いいの? いいのなら、ふわぁ、もう少し寝てもいい?」
「うん、僕も寝る」
緊張が解れたのか、それとも長旅の疲れがどっと出たのか、夕方過ぎまで2人仲良く寝ていた。
目を覚ましたのは同時に、グウッーッと鳴ったお腹の音。
時計を見れば、時刻は7時前。
「レオさん、お腹空きましたね」
「あぁ、お腹空いた……いまから街に食べに出るか? 宿屋の人に頼むか? ティーはどうしたい?」
「私ですか? 私は宿屋でレオさんとまったりしたいので、宿屋の人にサンドイッチと紅茶を頼みます」
「おぉ、それいいね」
「じゃ、私は宿屋の人にもう一泊分の料金と、夕飯を頼んできます」
ベッドを抜けて、サンドイッチと紅茶を宿屋の人に頼みに向かった。
+
宿屋に料金を払い。夕飯は部屋まで運ぶから待っていてと言われた。そして届いたサンドイッチは具たくさんな、バケットサンドイッチだった。
テーブルに向かい合って、仲良くサンドイッチをかじる。このサンドイッチ、レオさんには良さそうな大きさだけど、私には大きく一口で具までかじれなかった。
「ティーの口は、小さな口だね」
「もう、レオさんが大きいだけです。んんっ、この燻製したハム美味しい! 野菜もシャキシャキ!」
「本当だ、美味しいね。帰りに燻製ハムとパンを買って帰ろう!」
「そうしましょう!」
一つで満足なサンドイッチだった。
私だけを一生涯、愛してくれるなんて嬉しい。
その言葉が身に染みて、嬉しくって、にやけそうな顔を引き締めていた。そこにぷにっと、レオさんに頬を突っつかれる。
「……!」
驚きで見上げると、目を細めて微笑むレオさんがいた。
「どうしたの? 照れた? ティーの頬があからんできたね。可愛いティーを君に見せたくないから、そろそろ街に戻ろうか?」
もっと彼の指で、ぷに、ぷに、されて、ますます熱くなった頬で「はい」と頷いた。
「よし帰ろう! 今朝早く出たのにお昼過ぎちゃったね。街に戻ったら、食事にしょうか」
(もう、お昼過ぎ?)
レオさんに言われるまで気付かなかった、早朝だった時刻はお昼を回っていた。
「そうしましょう、レオさん。男爵様、私たちはこれで失礼しますね」
リオン君に礼をした。
あっ、と彼の口元が何か言いたげに動き、私を見つめる彼の瞳の奥が哀しげに揺れた。何も知らない前の私だったら、手を伸ばしたかもしれないけど……
リオン君への想いは吹っ切ってれいる。
私はレオさんが好き、彼のお嫁さんになりたい。
「ティー、あのとき俺がちゃんとしていれば……君を失わずに済んだ、結婚だってしていたのに……ティー行くな、ティー俺の近くにいてよ」
私をもう1度、掴もうと伸ばされた手と、絞り出した声。
レオさんは渡さないと私の手を握り。
「今更、後悔してもあの日のティーは2度と戻らない。君は全てを受け止めて、前を向きなさい!」
「レオさんの言う通り、あの日には戻りません。セジール様と、生まれてくる子供を大切にしてあげて。……さようなら、リオン君」
「あ、あぁ、テ、ティー! 待って……待ってくれぇ!」
行くなと叫び、泣き崩れるリオン君を家に置き外に出ると、外に村の人たちが集まっていた。村の人たちは私に何か言いだけだったけど……その人たちに挨拶だけをして、私とレオさんは村の門をくぐった。
「ティー、大丈夫?」
「大丈夫だよ。レオさん、行こっ」
振り向かず、私たちは街に戻った。
+
街に戻った私たちは昼食を軽く済ませた。夕食は戻って食べようと、街で色々買って宿屋に戻った。
宿屋のテーブルに買ってきた、小麦粉の生地を薄く焼きお肉と野菜を巻いたもの、じゃがいもの丸揚げ、焼き鳥、ソーセージ、赤と白ワイン、エールを並べた。
先にお風呂に入り、もふもふの姿に戻ったレオさんと、向かい合って座り。
「「いただきまーす!」」
2人で乾杯して食事を始めた。私の両親のこと、村のこと、レオさんの両親の話。食事とお酒が進み、お酒に酔ってきた私たちは、お互いの何処が好きか言い始めた。
「私は……レオさんの全部好き、もふもふの姿も、お仕事に行く姿も!全部素敵。レオさんだーぁい好き、えへへ、言っちゃった」
「僕だって、ティーの全部好きだ! 僕を両手で抱きしめて下が見つめる顔が可愛い、寝ている顔も、寝起きも全部可愛い!」
好きなところ言い合い合戦と、食事が終わり。紅茶を飲みながら結婚式の話、子供は何人欲しいか、など、たくさん2人で話をした。
飲み終えたカップをテーブルに置き。
並んで歯を磨いて。
「さて寝るか」
「寝ましょう」
レオさんと同じベッドで眠る。
眠りにつく前、レオさんは私を抱きしめながら。
「ティー、帰りはゆっくりいろんな国の景色や、美味しいものを食べて帰ろう」
「わぁ賛成、そうしましょう!」
「明日、何処を回るか決めよう」
「はい!」
何処を回るか考えるだけでワクワクして、レオさんを見上げて笑った。
私を見つめる彼の瞳が揺れて、彼の喉がゴクッと鳴る。
「ねぇ、ティー、キスしていい」
……はい、という代わりに瞳を閉じると、もふもふな、啄む、キスが降る。
「……んっ、レオ…さぁん」
「ティー……っ、可愛い。いますぐ、食べてしまいたい」
「レオさん……好き、ちゅっ、ちゅっ」
私からのキスにピクッと、レオさんの動きが止まる。彼は息を吸い、深く吐いて、何かを堪える表情をした。
「はぁ、そんな可愛い顔をして僕を煽るなんて、はぁ……僕も好きだ、愛しているよティー。いまは我慢する、結婚したら毎晩覚悟してね」
毎晩……レオさんに耳元で、甘く、囁かれた。
「お、お手柔らかにお願いします」
「なるべくそうするよ。ティーもっと側においで」
彼の腕の中で、幸せを噛み締め眠った。
次の日。
ボーン、時刻を告げる鐘の音が聞こえる。
ボーン、ボーン……鐘の音は12回鳴った。
「んー、もう、お昼?」
隣のレオさんの慌てた声で目覚めた。
「レオさん?」
「ティー、寝坊した。僕たちはこの街をお昼前には出るはずだった……」
「えっ? あ、そうだった?」
「ふふっ、ティーはまだ眠そうだね。やっぱり、ここにきて旅の疲れが出たのかな? もう1日、この街で休んでから出発しようか」
「いいの? いいのなら、ふわぁ、もう少し寝てもいい?」
「うん、僕も寝る」
緊張が解れたのか、それとも長旅の疲れがどっと出たのか、夕方過ぎまで2人仲良く寝ていた。
目を覚ましたのは同時に、グウッーッと鳴ったお腹の音。
時計を見れば、時刻は7時前。
「レオさん、お腹空きましたね」
「あぁ、お腹空いた……いまから街に食べに出るか? 宿屋の人に頼むか? ティーはどうしたい?」
「私ですか? 私は宿屋でレオさんとまったりしたいので、宿屋の人にサンドイッチと紅茶を頼みます」
「おぉ、それいいね」
「じゃ、私は宿屋の人にもう一泊分の料金と、夕飯を頼んできます」
ベッドを抜けて、サンドイッチと紅茶を宿屋の人に頼みに向かった。
+
宿屋に料金を払い。夕飯は部屋まで運ぶから待っていてと言われた。そして届いたサンドイッチは具たくさんな、バケットサンドイッチだった。
テーブルに向かい合って、仲良くサンドイッチをかじる。このサンドイッチ、レオさんには良さそうな大きさだけど、私には大きく一口で具までかじれなかった。
「ティーの口は、小さな口だね」
「もう、レオさんが大きいだけです。んんっ、この燻製したハム美味しい! 野菜もシャキシャキ!」
「本当だ、美味しいね。帰りに燻製ハムとパンを買って帰ろう!」
「そうしましょう!」
一つで満足なサンドイッチだった。
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