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二十三
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何事もなく、道中お天気にも恵まれ、私たちは旅続けてエルデ国を出てから3週間たった。毎朝、私は宿屋で大好きな人の腕の中で目覚める。
(幸せって、こういうのかな?)
今朝も隣で気持ちよさそうに寝る、レオさんの寝顔を眺めていた。見つめ過ぎたのか彼の眉にシワがより、琥珀色の瞳が開いて私を見つめると、その瞳を優しげに細めた。
「ティー、おはよう。……今日も早起きだね」
「はい、早く目覚めればレオさんの寝顔を見られるから……って、お、おはようございます、レオさん」
「ふぅーん、ティーは僕の寝顔を見てたのか……ふふっ、僕は寝ついたあとの、ティーの寝顔を堪能してるけどね」
「えっ!」
(……し、知らなかった)
「ぽっと頬が赤くなった。ティーの寝顔は可愛いから、ずっと見ていたくなる。いまのティーも可愛いけどね」
レオさんはコツンと、私のおでこと、自分のおでこをくっ付けた。
「寝顔を見たいって私と同じ……私もレオさんの寝顔は可愛いから、ずっと見ていたくなる」
「そっか、僕たちは同じだね」
おでこ、コツンから鼻先をすりすりして、ちゅっとキスをした後。
たっぷりの愛情をレオさんから受けて、私は幸せにひたった。
+
「ティー、マント領のルース村には、あと3日くらいで着くかな?」
レオさんはベッドの上に地図を広げた。エルデ国を出てからずっと、地図に私たちが通った国と街の所に印を付けていた。
横から地図を覗き込み、今いるオーバロ国から、ルース村の位置を確認した。
「そうですね。私たちは今このオーバロ国にいて、そこから、この道順に進んでここがマント領ですから。あと3日もあればルース村に着くと思います」
「3日後か……ふうっ、ちょっぴり緊張してきた」
「わ、私も緊張してる。1年以上前に……私は、村のみんなに黙ってルース村から出てきてしまったから……本当は少し帰るのが怖いです」
(そして、リオン君とセジールお嬢様には会いたくない……)
「大丈夫だよ、ティーの側には僕がいるからね。何かあればルース村から、すぐエルデ国に引き返して仕舞えばいい。僕たちには時間がある。結婚した後でも、子供が出来た後に来てもいいんだから」
(レオさんとの子供……)
「はい。ありがとう、レオさん」
「だから、ティーは気にしなくていいんだよ」と、レオさんは私を優しく抱きしめてくれた。
+
それから雨も降らず、呑気に馬車に揺られて3日後。私たちは目的地ーーマント領のルース村に着いた。
1年前とあまり変わらない、長閑なルース村に……。
(幸せって、こういうのかな?)
今朝も隣で気持ちよさそうに寝る、レオさんの寝顔を眺めていた。見つめ過ぎたのか彼の眉にシワがより、琥珀色の瞳が開いて私を見つめると、その瞳を優しげに細めた。
「ティー、おはよう。……今日も早起きだね」
「はい、早く目覚めればレオさんの寝顔を見られるから……って、お、おはようございます、レオさん」
「ふぅーん、ティーは僕の寝顔を見てたのか……ふふっ、僕は寝ついたあとの、ティーの寝顔を堪能してるけどね」
「えっ!」
(……し、知らなかった)
「ぽっと頬が赤くなった。ティーの寝顔は可愛いから、ずっと見ていたくなる。いまのティーも可愛いけどね」
レオさんはコツンと、私のおでこと、自分のおでこをくっ付けた。
「寝顔を見たいって私と同じ……私もレオさんの寝顔は可愛いから、ずっと見ていたくなる」
「そっか、僕たちは同じだね」
おでこ、コツンから鼻先をすりすりして、ちゅっとキスをした後。
たっぷりの愛情をレオさんから受けて、私は幸せにひたった。
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「ティー、マント領のルース村には、あと3日くらいで着くかな?」
レオさんはベッドの上に地図を広げた。エルデ国を出てからずっと、地図に私たちが通った国と街の所に印を付けていた。
横から地図を覗き込み、今いるオーバロ国から、ルース村の位置を確認した。
「そうですね。私たちは今このオーバロ国にいて、そこから、この道順に進んでここがマント領ですから。あと3日もあればルース村に着くと思います」
「3日後か……ふうっ、ちょっぴり緊張してきた」
「わ、私も緊張してる。1年以上前に……私は、村のみんなに黙ってルース村から出てきてしまったから……本当は少し帰るのが怖いです」
(そして、リオン君とセジールお嬢様には会いたくない……)
「大丈夫だよ、ティーの側には僕がいるからね。何かあればルース村から、すぐエルデ国に引き返して仕舞えばいい。僕たちには時間がある。結婚した後でも、子供が出来た後に来てもいいんだから」
(レオさんとの子供……)
「はい。ありがとう、レオさん」
「だから、ティーは気にしなくていいんだよ」と、レオさんは私を優しく抱きしめてくれた。
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それから雨も降らず、呑気に馬車に揺られて3日後。私たちは目的地ーーマント領のルース村に着いた。
1年前とあまり変わらない、長閑なルース村に……。
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