城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧

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墓荒らし

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「──という訳で、お前が寝ている間に私との婚約は無事に成立した訳だ」

今までと180度違う口調に慣れない私ですが、そんな事を気にしている場合ではありません。
そもそも、そんな簡単に平民と結婚など出来るはずありません。
陛下が許すはずありません。

──そうです。陛下に直談判すれば……

「あぁ。陛下に言っても無駄だぞ?陛下も承認済みだ」

「なんと!?」

どうやら、前に偽婚約者として陛下に挨拶をした時には既に私の正体に気づいていたようで、殿下がネタばらしをした際には驚きもせず寧ろ快く受け入れてくれたと。

──有り得ません……

確かに、あの時何やら不敵な笑みを浮かべていましたが、まさか正体がバレているなど思いもしませんよ。

私はどうにかこの窮地を脱する手立てを考えていますが、まったく思い浮かびません。

「……やっと手に入れた。もう逃がさない」

妖艶な笑みを浮かべていますが、その目は獲物を逃がさない獣の様な目をしておりました。

──今すぐこの場から逃げ出したい。しかし、この体では確実に逃げ切れません。どうしたら……

そんな思いが駆け巡っている中、部屋のドアが勢いよく開かれ飛び込んできたのは、ゴリさんを筆頭とした便利屋の皆さんとユリウス様、マルクス様、そしてシャーロット様でした。

そして、私に覆いかぶさっている殿下を目にしたシモーネさんが「怪我人に何してくれてんのよ!!」と殿下を殴り倒しました。

──いや、あの、あの方一応王子様ですよ?

呆気に取られていると、ユリウス様が私の元へやって来るなり抱きついてきました。

「良かった。お前の意識が戻らなかったこの三日間、私は生きた心地がしなかった……」

驚いたことに、私は三日間も眠っていた様です。
皆さんの顔を見ると、確かに皆さん少々やつれた様で目の下にはクマが出来てますね。
シモーネさんは美容バカなのに、酷い顔をしています。

──これは、間違いなく心配を掛けてしまったようです。

申し訳ない気持ちで一杯な私ですが、ただ一人だけ真っ黒いオーラを醸し出している方が……そう。ゴリさんです。
それはもう、一瞬息が止まるほどです。

「──やあ、マリー。ようやくお目覚めか?体調はどうだ?」

不気味なほど笑顔です。逆にその笑顔が怖い。

「ええ。お陰様で目覚めが悪かった以外は何の問題もありません」

「そうか……じゃあ……」

ゴンッ!!!

ゴリさんは今までにないぐらいの拳骨を私の頭に落としてきました。
当然、私は頭を押さえ悶絶していると

「何故すぐに銃弾を撃たなかった!!下手をしたら死んでたんだぞ!?」

確かに、銃を使わなかったのは私の判断でした。
その事については何も反論はありません。

「お前は確かに強い。だが、その変な正義感のせいで周りの人間を心配させているんだぞ?」

「俺らも頼れ。仲間だろ?」と付け加えられ、優しく頭を撫でられました。

皆さんを見ると、ゴリさんに同意と言う様に皆さん頷いておりました。

元より私は人に頼るというのが苦手な人間なんですが、この方達をこれ以上心配させる訳にはいきませんね。

「皆さんご心配お掛けして申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げました。

「まあ、毎回マリーには驚かされてるから慣れてるけどさ」

「そうそう。流石に今回は焦ったけどね」

ティムさんとルイスさんが続けざまに仰りました。

私は心配させて申し訳ない気持ちと、こんなにも心配してくれる仲間がいることに感謝と共に嬉しい気持ちにもなりました。
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