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墓荒らし
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痛みが走った腹部に目をやると、ナイフが深く突き刺さっており、ズルッとファニーさんが引き抜くと止めどなく血が溢れてきました。
足を踏ん張り何とか倒れるのを防ぎましたが、やられましたね……
「ヴヴヴヴヴ~~~~」
フェンが唸りながらファニーさんを威嚇しています。
「マリー大丈夫。安心して逝って。私が美しいアンデッドに変えてあげる」
──この人は、私の知っているファニーさんではありません。
私はすぐに剣を抜き、ファニーさんに突きつけ戦闘態勢に入ります。
しかし、この体では持って数分ですかね……
グッと足に力を入れ、剣を抜きながらファニーさんへと斬りかかりました。
私に続いてフェンも攻撃を仕掛けています。
ファニーさんは私の剣もフェンの牙も軽々交わしています。
「……はぁ……はぁ……」
こうしている間にも私の血は流れ出て、気を抜くと意識を持っていかれそうです。
フェンが心配そうに私の元へ駆け寄ってきてくれました。
「ふふっ。きつそうじゃない?もう諦めなさいよ」
「そうはいきません。……友として必ず貴方を止めます」
そうは言ってもこのままでは、到底無理な話です。
カチャ……
無意識に腰に手が伸びるとティムさんから預かった銃に手を添えていました。
撃とうと思えば撃つタイミングはありました。
そう、例えば私の腹部にナイフを突き刺した時。
絶好のチャンスでした。
しかし、私は撃てなかった……
撃ってしまったらファニーさんは消滅してしまう。
しかし、このままでは勝ち目はない。それに、町に蔓延っている死人もいつまで経っても元の場所に戻れません。
「ファニー!!!」
私が葛藤していると、神父様の声が響き渡りました。
後ろを振り返ると、ヨロヨロした足取りですがこちらに向かってくる姿が見えます。
「……お父さん……」
神父様の姿を見たファニーさんは一瞬、元のファニーさんの表情に戻りましたが、すぐに表情を変えました。
「……ファニー。もうやめよう。母さんの死は東の神父のせいではない。お前も分かっているんだろ?」
神父様はそれは優しく、父親の顔で語りかけましたが当のファニーさんは顰め顔です。
「母さんだって、復習なんぞ望んじゃいない。あれはただの事故だったん──」
「うるさい!!!」
神父様の言葉を遮り、ファニーさんは叫びました。
「私だって……私だって分かってるわよ!!あの神父のせいじゃ無いことぐらい!!でも、誰かのせいにしてないと……どうしてもお母さんの死を受け入れられない!!」
ファニーさんの悲痛な叫びが森に響き渡りました。
「ファニー……」
「本当はこんな姿になんかになりたくなった……でも、もう私の中の黒いモノが溢れ出して止められなかった……」
ファニーさんは泣きながら父親の神父様に自分の気持ちを語りかけました。
頭では分かっていても、気持ちが追いついていかなかったのですね。
「……だからね。私ね、決めたの。大切な人は一生傍に置いておけばいいって」
そう言って、ファニーさんの後ろから現れたのは……
「お前は!!!」
「どう?お母さんと久々の再会は?」
ファニーさんのお母様でした。
足を踏ん張り何とか倒れるのを防ぎましたが、やられましたね……
「ヴヴヴヴヴ~~~~」
フェンが唸りながらファニーさんを威嚇しています。
「マリー大丈夫。安心して逝って。私が美しいアンデッドに変えてあげる」
──この人は、私の知っているファニーさんではありません。
私はすぐに剣を抜き、ファニーさんに突きつけ戦闘態勢に入ります。
しかし、この体では持って数分ですかね……
グッと足に力を入れ、剣を抜きながらファニーさんへと斬りかかりました。
私に続いてフェンも攻撃を仕掛けています。
ファニーさんは私の剣もフェンの牙も軽々交わしています。
「……はぁ……はぁ……」
こうしている間にも私の血は流れ出て、気を抜くと意識を持っていかれそうです。
フェンが心配そうに私の元へ駆け寄ってきてくれました。
「ふふっ。きつそうじゃない?もう諦めなさいよ」
「そうはいきません。……友として必ず貴方を止めます」
そうは言ってもこのままでは、到底無理な話です。
カチャ……
無意識に腰に手が伸びるとティムさんから預かった銃に手を添えていました。
撃とうと思えば撃つタイミングはありました。
そう、例えば私の腹部にナイフを突き刺した時。
絶好のチャンスでした。
しかし、私は撃てなかった……
撃ってしまったらファニーさんは消滅してしまう。
しかし、このままでは勝ち目はない。それに、町に蔓延っている死人もいつまで経っても元の場所に戻れません。
「ファニー!!!」
私が葛藤していると、神父様の声が響き渡りました。
後ろを振り返ると、ヨロヨロした足取りですがこちらに向かってくる姿が見えます。
「……お父さん……」
神父様の姿を見たファニーさんは一瞬、元のファニーさんの表情に戻りましたが、すぐに表情を変えました。
「……ファニー。もうやめよう。母さんの死は東の神父のせいではない。お前も分かっているんだろ?」
神父様はそれは優しく、父親の顔で語りかけましたが当のファニーさんは顰め顔です。
「母さんだって、復習なんぞ望んじゃいない。あれはただの事故だったん──」
「うるさい!!!」
神父様の言葉を遮り、ファニーさんは叫びました。
「私だって……私だって分かってるわよ!!あの神父のせいじゃ無いことぐらい!!でも、誰かのせいにしてないと……どうしてもお母さんの死を受け入れられない!!」
ファニーさんの悲痛な叫びが森に響き渡りました。
「ファニー……」
「本当はこんな姿になんかになりたくなった……でも、もう私の中の黒いモノが溢れ出して止められなかった……」
ファニーさんは泣きながら父親の神父様に自分の気持ちを語りかけました。
頭では分かっていても、気持ちが追いついていかなかったのですね。
「……だからね。私ね、決めたの。大切な人は一生傍に置いておけばいいって」
そう言って、ファニーさんの後ろから現れたのは……
「お前は!!!」
「どう?お母さんと久々の再会は?」
ファニーさんのお母様でした。
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