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グロッサ国

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私達は螺旋階段を登り、最上階にある大きな扉の前までやって来ました。

どうやらここにNO.1の方がいるようです。
ゴリさんは扉に手をかけ、私達に合図をしました。
その合図に頷き、剣を構えます。

ゆっくり扉が開き、中が見えてきました。

「えっ?」

窓際にある机に座っている人物を見て、思わず声が出ました。

「何故貴方がここにいるんです?……クィーンさん?」

座っていたのは、ゴリさん……もとい、偽ゴリさんでした。
そう。私を押し倒し、この上なく不快な思いをさせられた張本人です。

「やっぱり本人目の前にいたら、引っかからないよねぇ」

クィーンさんはゴリさんを指さしながら仰りました。

リチャードさんの話ではクィーンさんはNO.5。
何故NO.1の方の部屋に?

「……貴様がNO.1か?」

ゴリさんの言葉に目を丸くしました。

「──ご名答。よく分かったね」

クィーンさんの言葉に、ゴリさん以外は意味が分からず首を傾げるばかりです。

「ふふっ。意味がわからない顔をしているね……僕がNO.1でもあり、NO.5でもあるんだよ」

ますます意味がわかりません。

「まあ、手っ取り早く一言で言えば、僕は何人もの顔を持っている。って事かな?」

そう言いながら、パチンッと指を弾くとゴリさんの姿から見目麗しい男性の姿へと変貌しました。

「これが、NO.1ウーナの顔。因みに、毒蜘蛛の中で僕の正体を知っているのはNO.0だけ。他の連中は個々の人間だと思っている」

なるほど、そう言う事でしたか。
NO.1とNO.5は同一人物だったのですね。

「理解出来たかな?……マリアンネ・オスヴェルダ嬢?」

「私の名を!?」

不意に名を呼ばれ驚きました。

「君が名を教えてくれないから、調べたんだよ。君が自分で調べろって言ったじゃない。まさか元令嬢だとは思いもしなかったけどね」

律儀に調べたんですか?相当暇人ですね。

「……話はそのぐらいして、早いとこ片を付けたいんだが?」

ゴリさんが剣を構えるのが見たえたので、私も構えます。

しかし、当のウーナさんはやる気が無い様子。

「まあ、落ち着きなよ。とりあえず、そんな物騒なもの締まって。僕戦いたくないし」

「「は?」」

思わず皆さんの声が被りました。

まさかその様な言葉を聞くとは思いもしておりません。
一瞬、罠かと疑いましたが、ウーナさんは本気でやる気が無いようで、殺気も感じ取れません。

「正直、面倒臭いんだよねぇ。ほら、僕強いからすぐ終わっちゃうし?」

確かに、リチャードさんがウーナさんは腕前は一流の様な事は言われてましたが、ご自分で言われるとは……

「……それに、僕戦うより気になる事出来たし」

チラッと私の方に視線を向けながら仰りました。
その瞬間ゾクッと背中に悪寒が走りました。
なにやら、不穏な空気ですよ……

「ねぇ、君がここのボスなんでしょ?」

「あ、あぁ……」

ゴリさんに尋ねますが、あまりの展開にゴリさんの頭も着いていけていない様子。

「僕も仲間に入れてくんない?」

「「はぁぁぁ!?」」
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