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侍女兼便利屋
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散々な目にあいました……
あれから私は部屋を片付けた後、数時間テレザ様のお説教を聞き、罰としてタダで、タダでじゃがいもの皮むきを延々とやらされたんですよ!!
タダ働きとは私にとってどんな刑罰よりも重いのです。
流石はテレザ様。私が一番堪える罰を知っております。
そんな私の努力の証、じゃがいものポタージュが今目の前にあります。
気がつけば夕暮れでしたので、そのまま食堂へと来たのです。
──じゃがいもが忌まわしいです……
「マリー、そんな顔して何食べてるよ?」
「ユタさんに、ローゼさんですか」
ユタさんと、ローゼさんは侍女の中でも特に仲良くさせて頂いている方達です。
このお二人方だけしたね。没落して侍女としてやって来たのに、最初から普通に話してくれたのは……
他の方達は何処か避けていましたからね。
まあ、今は皆さん普通に話してくれますが。
「あら、じゃがいものポタージュ?料理長のポタージュは絶品でしょ?」
「ユタ好きだもんね。料理長のポタージュ」
「そう言う、ローゼだって毎度もおかわりするじゃない!!」
いや、美味しいですよ。美味しいんですけど、その行程にどれ程の時間を私が費やしたと思ってますか?
この作業を『マム』でやれば1800ピールはくだらないんですよ!?
それを、タダで……
「あ、あら?マリー?なんでそんな涙目になってるの?」
「……いえ、少々感傷に浸っておりました」
これもそれも、エルさんのせいです。
──エルさん、許すまじです。
「えっ?今度は怒ってない?」
「情緒不安定?」
この日、ユタさんと、ローゼさんの話はまったく耳に入ってきませんでした。
◇◇◇
さて、本日も晴天です。洗濯物がよく乾きそうですね。
いつものように、籠いっぱいの洗濯物を持って洗い場へと向かっている最中です。
「やあ、マリー!!」
背後から宿敵エルさんの声がしまたが、当然知らぬ振りです。
「ねぇ、ちょっと、聞こえてるんでしょ?」
返事がないと分かると、懲りずに私の横に移動して顔を覗いて来ましたが、見えず聞こえずを、続行です。
「ねぇ、まだこの間の事怒ってるの?謝ったじゃない」
最終的に私の前へ出て、通せん坊ですか?
「はぁ~、何ですか?」
仕方ありませんから、要件だけ聞きましょう。
……速やかにお願いします。
「やっと口聞いてくれた。それ洗い場まで持ってくの?手伝うよ?」
「結構です」
これは私の仕事です。貴方は貴方の仕事をして下さい。
そもそも、影の方がこんな頻繁に顔を出してはいけません。
影の意味がなくなりますが?
「そんな僕の事嫌わないでよ~。僕はマリーと仲良くしたいだけなのに」
「……間に合っています」
そんなくだらない話をする為に引き止めたんですか?
──これ以上、この方に付き合ってる暇はありません。
横を通り過ぎようとしたら、エルさんに腕を捕まれ動けなくなりました。
「……離してください」
「ねぇ、前に言ったこと覚えてる?」
「……何の事でしょう?」
「『殿下をやめて僕にしなよ』って、あれ、本気だから」
ニコッと微笑みながら私の顔を見つめてますが、そんな事より手を早く離してください。
「自慢じゃないけど、僕欲しいと思ったものはどんな手を使っても手に入れるから。覚悟しといてね?」
チュッ
エルさんは私の頬にキスをして、サッと姿を消しました。
すぐさま蹴りを入れましたが、当たりませんでした……
──やられましたね。
洗濯物の中からタオルを一枚出し、頬を拭いたのは言うまでもありません。
あれから私は部屋を片付けた後、数時間テレザ様のお説教を聞き、罰としてタダで、タダでじゃがいもの皮むきを延々とやらされたんですよ!!
タダ働きとは私にとってどんな刑罰よりも重いのです。
流石はテレザ様。私が一番堪える罰を知っております。
そんな私の努力の証、じゃがいものポタージュが今目の前にあります。
気がつけば夕暮れでしたので、そのまま食堂へと来たのです。
──じゃがいもが忌まわしいです……
「マリー、そんな顔して何食べてるよ?」
「ユタさんに、ローゼさんですか」
ユタさんと、ローゼさんは侍女の中でも特に仲良くさせて頂いている方達です。
このお二人方だけしたね。没落して侍女としてやって来たのに、最初から普通に話してくれたのは……
他の方達は何処か避けていましたからね。
まあ、今は皆さん普通に話してくれますが。
「あら、じゃがいものポタージュ?料理長のポタージュは絶品でしょ?」
「ユタ好きだもんね。料理長のポタージュ」
「そう言う、ローゼだって毎度もおかわりするじゃない!!」
いや、美味しいですよ。美味しいんですけど、その行程にどれ程の時間を私が費やしたと思ってますか?
この作業を『マム』でやれば1800ピールはくだらないんですよ!?
それを、タダで……
「あ、あら?マリー?なんでそんな涙目になってるの?」
「……いえ、少々感傷に浸っておりました」
これもそれも、エルさんのせいです。
──エルさん、許すまじです。
「えっ?今度は怒ってない?」
「情緒不安定?」
この日、ユタさんと、ローゼさんの話はまったく耳に入ってきませんでした。
◇◇◇
さて、本日も晴天です。洗濯物がよく乾きそうですね。
いつものように、籠いっぱいの洗濯物を持って洗い場へと向かっている最中です。
「やあ、マリー!!」
背後から宿敵エルさんの声がしまたが、当然知らぬ振りです。
「ねぇ、ちょっと、聞こえてるんでしょ?」
返事がないと分かると、懲りずに私の横に移動して顔を覗いて来ましたが、見えず聞こえずを、続行です。
「ねぇ、まだこの間の事怒ってるの?謝ったじゃない」
最終的に私の前へ出て、通せん坊ですか?
「はぁ~、何ですか?」
仕方ありませんから、要件だけ聞きましょう。
……速やかにお願いします。
「やっと口聞いてくれた。それ洗い場まで持ってくの?手伝うよ?」
「結構です」
これは私の仕事です。貴方は貴方の仕事をして下さい。
そもそも、影の方がこんな頻繁に顔を出してはいけません。
影の意味がなくなりますが?
「そんな僕の事嫌わないでよ~。僕はマリーと仲良くしたいだけなのに」
「……間に合っています」
そんなくだらない話をする為に引き止めたんですか?
──これ以上、この方に付き合ってる暇はありません。
横を通り過ぎようとしたら、エルさんに腕を捕まれ動けなくなりました。
「……離してください」
「ねぇ、前に言ったこと覚えてる?」
「……何の事でしょう?」
「『殿下をやめて僕にしなよ』って、あれ、本気だから」
ニコッと微笑みながら私の顔を見つめてますが、そんな事より手を早く離してください。
「自慢じゃないけど、僕欲しいと思ったものはどんな手を使っても手に入れるから。覚悟しといてね?」
チュッ
エルさんは私の頬にキスをして、サッと姿を消しました。
すぐさま蹴りを入れましたが、当たりませんでした……
──やられましたね。
洗濯物の中からタオルを一枚出し、頬を拭いたのは言うまでもありません。
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