10 / 177
侍女兼便利屋
10
しおりを挟む
「──ルイスさん、大丈夫ですか?」
「ちょ、まっ、えぇ~!?」
私とルイスさんは隠密用の服に着替え、オーバーフォルク邸へ乗り込んでいる最中なんですが……
「……まったく、何してるんですか?早くしてください」
「いや、ちょっと、見てないで手伝ってよ!!抜けないんだよ!!」
屋根裏に続く小穴を見つけたので、そこから侵入しようとしたら、ルイスさんがハマりました。
「──ルイスさん、太ったんじゃないんですか?」
「いやいや、マリー。これは俺の逸物が大き──」
ドカンッ!!!
「──抜けましたね。良かったです」
馬鹿げたこと言ってる暇は無いので、思いっきり蹴れば見事に抜けました。
「いててててて……。マリーには冗談も通用しないの!?」
「つまらない冗談に、いちいち反応していられません。──さあ、行きますよ」
「厳しい!!!」
さて、無事に屋根裏へと忍び込めましが、ナタリーさんは何処でしょう?
下を覗きながら探しますが、見つかりません。
「……ねぇ、もしかして、地下じゃない?」
ルイスさんの一言に、眉がピクッと反応します。
……確かに、これだけ探して居ないとなると地下の可能性があります。
──ルイスさんに教えられるとは……屈辱です。
「……そうですね。地下へ行ってみましょう」
「えっ!?なんか不服そう!?なんで!?」
「──静かにしてください」
パコンッ!!
「いてっ!!」
ルイスさんの頭を叩けば、なんとも軽い音が。
脳みそ入ってるんですかね?
◇◇◇
「……ねぇ、これって聖獣?」
「こちら魔獣ですね」
改めて地下へと潜入しましたが、なんとも、見逃せない物ばかりでした。
聖獣や魔獣が剥製にされ、飾られていたのです。
更に奥へ進むと、牢の中にナタリーさんを発見しましたが、薬で眠らされているのか反応がありません。
しかし、それだけではありません。
牢の中にはナタリーさん含め、数人の女性も囚われておりました。
「……ルイスさん、直ぐにゴリさんに報告、騎士の方を手配してもらってください」
「マリーは?」
「私は、この方達を避難させます」
鍵を壊すぐらい造作もありません。
豚さんは今、シモーネさんが相手をしていますがそろそろ限界かもしれません。主にシモーネさんの個人的なものですが……。
今のうちに片を付けたいんです。
「分かった。ヤン達には応援頼んでおく」
「宜しくお願いします」
ルイスさんは素早く元来た道を戻って行きました。
さあて、いきますよ。
ガシャンッ!!
あら?
勢い余って牢ごと壊してしまいました。
──まあ、解体する手間が省けましたね。
「さあ、立てますか?逃げましょう」
囚われていた女性に逃げるよう声を掛けると、あわてて外へと逃げ出ていきました。
「あ、あの、この方は……?」
一人の女性が、ナタリーさんを指さしてします。
「大丈夫です。私が連れていくので、貴方は早く逃げてください」
そう言うと、女性は外に向かって走っていきました。
さて、残すはナタリーさんのみですか……
よいしょと担ぎあげ、私達も急いで外へ向かいます。
──ナタリーさんの目が覚めたら、痩せるように助言しときましょう。
パンッ!!!
私の頬を銃弾が掠めました。
「それはワシの娘だ。何処へ連れていこうとしている?」
目の前には、豚さんが銃を持って立っていました。
「ごめ~ん、マリー。バレちゃった」
その後ろから、詫びる気のないシモーネさんが、手を拘束されて現れました。
「……まったく、あと少し我慢できなかったんですか?」
「無理よ!!見てちょうだい!!この脂といい、この禿げ具合!!口まで臭いのよ!!私は飼育員じゃないの!!」
相当嫌だったんですね。
分かります。分かりますけど、仕事なので我慢してください。
「……お前ら、本人を目の前にして良くそんな事言えるな」
あっ、豚さんいるの忘れてました。
「ちょ、まっ、えぇ~!?」
私とルイスさんは隠密用の服に着替え、オーバーフォルク邸へ乗り込んでいる最中なんですが……
「……まったく、何してるんですか?早くしてください」
「いや、ちょっと、見てないで手伝ってよ!!抜けないんだよ!!」
屋根裏に続く小穴を見つけたので、そこから侵入しようとしたら、ルイスさんがハマりました。
「──ルイスさん、太ったんじゃないんですか?」
「いやいや、マリー。これは俺の逸物が大き──」
ドカンッ!!!
「──抜けましたね。良かったです」
馬鹿げたこと言ってる暇は無いので、思いっきり蹴れば見事に抜けました。
「いててててて……。マリーには冗談も通用しないの!?」
「つまらない冗談に、いちいち反応していられません。──さあ、行きますよ」
「厳しい!!!」
さて、無事に屋根裏へと忍び込めましが、ナタリーさんは何処でしょう?
下を覗きながら探しますが、見つかりません。
「……ねぇ、もしかして、地下じゃない?」
ルイスさんの一言に、眉がピクッと反応します。
……確かに、これだけ探して居ないとなると地下の可能性があります。
──ルイスさんに教えられるとは……屈辱です。
「……そうですね。地下へ行ってみましょう」
「えっ!?なんか不服そう!?なんで!?」
「──静かにしてください」
パコンッ!!
「いてっ!!」
ルイスさんの頭を叩けば、なんとも軽い音が。
脳みそ入ってるんですかね?
◇◇◇
「……ねぇ、これって聖獣?」
「こちら魔獣ですね」
改めて地下へと潜入しましたが、なんとも、見逃せない物ばかりでした。
聖獣や魔獣が剥製にされ、飾られていたのです。
更に奥へ進むと、牢の中にナタリーさんを発見しましたが、薬で眠らされているのか反応がありません。
しかし、それだけではありません。
牢の中にはナタリーさん含め、数人の女性も囚われておりました。
「……ルイスさん、直ぐにゴリさんに報告、騎士の方を手配してもらってください」
「マリーは?」
「私は、この方達を避難させます」
鍵を壊すぐらい造作もありません。
豚さんは今、シモーネさんが相手をしていますがそろそろ限界かもしれません。主にシモーネさんの個人的なものですが……。
今のうちに片を付けたいんです。
「分かった。ヤン達には応援頼んでおく」
「宜しくお願いします」
ルイスさんは素早く元来た道を戻って行きました。
さあて、いきますよ。
ガシャンッ!!
あら?
勢い余って牢ごと壊してしまいました。
──まあ、解体する手間が省けましたね。
「さあ、立てますか?逃げましょう」
囚われていた女性に逃げるよう声を掛けると、あわてて外へと逃げ出ていきました。
「あ、あの、この方は……?」
一人の女性が、ナタリーさんを指さしてします。
「大丈夫です。私が連れていくので、貴方は早く逃げてください」
そう言うと、女性は外に向かって走っていきました。
さて、残すはナタリーさんのみですか……
よいしょと担ぎあげ、私達も急いで外へ向かいます。
──ナタリーさんの目が覚めたら、痩せるように助言しときましょう。
パンッ!!!
私の頬を銃弾が掠めました。
「それはワシの娘だ。何処へ連れていこうとしている?」
目の前には、豚さんが銃を持って立っていました。
「ごめ~ん、マリー。バレちゃった」
その後ろから、詫びる気のないシモーネさんが、手を拘束されて現れました。
「……まったく、あと少し我慢できなかったんですか?」
「無理よ!!見てちょうだい!!この脂といい、この禿げ具合!!口まで臭いのよ!!私は飼育員じゃないの!!」
相当嫌だったんですね。
分かります。分かりますけど、仕事なので我慢してください。
「……お前ら、本人を目の前にして良くそんな事言えるな」
あっ、豚さんいるの忘れてました。
1
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説

【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。

【本編完結】ただの平凡令嬢なので、姉に婚約者を取られました。
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「誰にも出来ないような事は求めないから、せめて人並みになってくれ」
お父様にそう言われ、平凡になるためにたゆまぬ努力をしたつもりです。
賢者様が使ったとされる神級魔法を会得し、復活した魔王をかつての勇者様のように倒し、領民に慕われた名領主のように領地を治めました。
誰にも出来ないような事は、私には出来ません。私に出来るのは、誰かがやれる事を平凡に努めてきただけ。
そんな平凡な私だから、非凡な姉に婚約者を奪われてしまうのは、仕方がない事なのです。
諦めきれない私は、せめて平凡なりに仕返しをしてみようと思います。

ひめさまはおうちにかえりたい
あかね
ファンタジー
政略結婚と言えど、これはない。帰ろう。とヴァージニアは決めた。故郷の兄に気に入らなかったら潰して帰ってこいと言われ嫁いだお姫様が、王冠を手にするまでのお話。(おうちにかえりたい編)

妹が聖女の再来と呼ばれているようです
田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。
「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」
どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。
それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。
戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。
更新は不定期です。

【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。
玖保ひかる
恋愛
[完結]
北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。
ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。
アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。
森に捨てられてしまったのだ。
南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。
苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。
※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。
※完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる