9 / 37
episode.9
しおりを挟む
モチベーションが上がらない?一体誰がそんなことを言ったんだ?
数分前の自分を殴り飛ばしたい。
先ほどまで死んだ魚のような目をしていたシルヴィの目には光がともり……ともっているというより光り輝いている。
その理由は目の前で汗をまき散らしながら剣を振るう女性、サラ中尉にあった。
「はわわわわわわわわ…………あ、あそこに戦女神がおられるんですが……!!!???えっ?あれは幻か?」
シルヴィは鼻息荒く興奮状態で目を見開いて目に焼き付けている。
そう、お察しの通りサラ中尉は眼鏡女子。それもイケメン女子。これは堪らん!!
茶髪の綺麗な髪は一つに縛られ、華奢な身体付きだがよく見れば程よい筋肉が付いている。
汗がキラキラ日に反射し更に美しさを引き立ててる。
シルヴィはもう気絶寸前で必死に意識を保っていたが、サラが汗を服で拭う姿を見て鼻から血を噴射しながら倒れた。
「シルヴィ!?」
「………………最高の最期でした…………」
「何言ってんの!?ちょっと、しっかりしなさい!!」
アーサーが駆けつけ身体を起こしてくれたが、シルヴィは胸に手を当てて笑顔で目を瞑ったままだ。
「何事だ?」
騒ぎを嗅ぎつけたサラが二人の元にやって来た。
シルヴィは「声もイケメン…………」などと思っていた。
「ああ!!ちょっと!!あんたのせいでシルヴィが死にそうなのよ!!」
「……どういう事だが分らんな」
言い争っているだけだが、耳が幸せ…………
今、目を開ければ目の前には推しの顔が拝める……だがしかし、心の準備が整わない。
「とにかく!!あんたのせいよ!!」
「……そうか。分かった」
「え?ちょっと?」
アーサーの戸惑う声が聞こえたかと思えば、シルヴィは浮遊感に襲われた。
「ふわああああああああああ!!!!」
咄嗟に目を開けたシルヴィに飛び込んできたのはサラの横顔。
次に判明したのは、今自分がサラにお姫様抱っこされているという事実。
その横ではアーサーが苦笑いしながらこちらを見ていた。
(な、ななななななななんッ!?!?!?!?)
「……ああ、目が覚めたか?大丈夫か?すまない。私のせいだと言われたが言っている事がわからなくてな……今医務室に連れてってやるから暫く我慢してくれ」
分らなくて当然だ。こんな特殊体質はシルヴィ以外にこの城にはいない。……とアーサーが思っている中、シルヴィは堪らず、サラの腕の中で気を失った。
「お、おいッ!!しっかりしろ!!」
気を失う前に聞いた声はサラの焦った声だった。
◈◈◈
「お、目が覚めたかい?」
「…………ここは、天国?」
「あはははは、残念ながらここは君の仕事場だね」
「仕事場…………ハッ!!女神さまは!?」
聞き覚えのある声に起こされたシルヴィは夢現の様子で呆けている。
グレッグが笑いながら現実を突きつけてやると、ようやく目が覚めたらしかったが出てきた言葉はシルヴィらしいものだった。
「それは私の事か?」
「はぁぁぁ!!女神様!!!」
グレッグの後ろから姿を現したのは、汗を洗い流し軍服に身を包んだサラだった。
先ほどまでのシャツに汗を滲ませた姿もよかったが、これはこれで堪らん。
その姿の尊さに思わず土下座で応えてしまった。
シルヴィの目が覚める前にサラにはこの過剰反応の説明を済ませてある。
それでも、いざ目の当たりにしたらどう反応していいか困惑してしまう。
戸惑っているサラを見て、グレッグが直ぐにシルヴィの襟首を掴みあげた。
「ほら、中尉が困っているだろう?まあ、通常運転に戻って何よりだけどね」
「はい、サラお姉様がいれば総監様のいない二、三日なんて怖くありません!!ねっ、お姉様!!」
満面の笑みで好意を見せるシルヴィの表情に、サラは胸を撃たれた。
今まで男の世界で生きてきたサラが向けられる視線は嫌悪や蔑視。だから人一倍努力して、中尉まで登り詰めた。
それでも女だからと突っかかって来る者も多いし、女の指図は受けたくないと言うことを聞かない者もいる。
何度、男に生まれなかったことを憎んだか……
軍に入った時に実家からは縁を切られた。女が軍人など家の恥だと言われたから、自ら縁切りしてやった。
女が剣を握ってはおかしいのか!?女が強くなっては駄目なのか!?
毎日自問自答を繰り返していた。
当然答えは見つからなかったが、今、答えが見つかった気がする。
「……君は、私が女だからと卑下にしないのか?」
「は!?誰ですそんな事言ってる馬鹿は!!今からの時代、男尊女卑なんて流行らないですよ!!言っちゃあなんですけど、家庭に入れば男性より女性の方が圧倒的に強いんですから!!よく言うでしょ?かかあ天下って」
ニカッと歯を見せながら笑うシルヴィにつられてサラも顔が緩んだ。
「……そうか……そうだな」
「はいっ!!──って!?え、え、え!?」
急にサラが抱きついてきてシルヴィは顔を真っ赤に染めながら目を白黒させた。
「……ありがとう」
耳元でそう囁かれたシルヴィだが何故お礼を言われたか分からない。ただ一つ言えることは……
(こちらこそありがとうございます!!!)
ご馳走様です……もう満腹です……
数分前の自分を殴り飛ばしたい。
先ほどまで死んだ魚のような目をしていたシルヴィの目には光がともり……ともっているというより光り輝いている。
その理由は目の前で汗をまき散らしながら剣を振るう女性、サラ中尉にあった。
「はわわわわわわわわ…………あ、あそこに戦女神がおられるんですが……!!!???えっ?あれは幻か?」
シルヴィは鼻息荒く興奮状態で目を見開いて目に焼き付けている。
そう、お察しの通りサラ中尉は眼鏡女子。それもイケメン女子。これは堪らん!!
茶髪の綺麗な髪は一つに縛られ、華奢な身体付きだがよく見れば程よい筋肉が付いている。
汗がキラキラ日に反射し更に美しさを引き立ててる。
シルヴィはもう気絶寸前で必死に意識を保っていたが、サラが汗を服で拭う姿を見て鼻から血を噴射しながら倒れた。
「シルヴィ!?」
「………………最高の最期でした…………」
「何言ってんの!?ちょっと、しっかりしなさい!!」
アーサーが駆けつけ身体を起こしてくれたが、シルヴィは胸に手を当てて笑顔で目を瞑ったままだ。
「何事だ?」
騒ぎを嗅ぎつけたサラが二人の元にやって来た。
シルヴィは「声もイケメン…………」などと思っていた。
「ああ!!ちょっと!!あんたのせいでシルヴィが死にそうなのよ!!」
「……どういう事だが分らんな」
言い争っているだけだが、耳が幸せ…………
今、目を開ければ目の前には推しの顔が拝める……だがしかし、心の準備が整わない。
「とにかく!!あんたのせいよ!!」
「……そうか。分かった」
「え?ちょっと?」
アーサーの戸惑う声が聞こえたかと思えば、シルヴィは浮遊感に襲われた。
「ふわああああああああああ!!!!」
咄嗟に目を開けたシルヴィに飛び込んできたのはサラの横顔。
次に判明したのは、今自分がサラにお姫様抱っこされているという事実。
その横ではアーサーが苦笑いしながらこちらを見ていた。
(な、ななななななななんッ!?!?!?!?)
「……ああ、目が覚めたか?大丈夫か?すまない。私のせいだと言われたが言っている事がわからなくてな……今医務室に連れてってやるから暫く我慢してくれ」
分らなくて当然だ。こんな特殊体質はシルヴィ以外にこの城にはいない。……とアーサーが思っている中、シルヴィは堪らず、サラの腕の中で気を失った。
「お、おいッ!!しっかりしろ!!」
気を失う前に聞いた声はサラの焦った声だった。
◈◈◈
「お、目が覚めたかい?」
「…………ここは、天国?」
「あはははは、残念ながらここは君の仕事場だね」
「仕事場…………ハッ!!女神さまは!?」
聞き覚えのある声に起こされたシルヴィは夢現の様子で呆けている。
グレッグが笑いながら現実を突きつけてやると、ようやく目が覚めたらしかったが出てきた言葉はシルヴィらしいものだった。
「それは私の事か?」
「はぁぁぁ!!女神様!!!」
グレッグの後ろから姿を現したのは、汗を洗い流し軍服に身を包んだサラだった。
先ほどまでのシャツに汗を滲ませた姿もよかったが、これはこれで堪らん。
その姿の尊さに思わず土下座で応えてしまった。
シルヴィの目が覚める前にサラにはこの過剰反応の説明を済ませてある。
それでも、いざ目の当たりにしたらどう反応していいか困惑してしまう。
戸惑っているサラを見て、グレッグが直ぐにシルヴィの襟首を掴みあげた。
「ほら、中尉が困っているだろう?まあ、通常運転に戻って何よりだけどね」
「はい、サラお姉様がいれば総監様のいない二、三日なんて怖くありません!!ねっ、お姉様!!」
満面の笑みで好意を見せるシルヴィの表情に、サラは胸を撃たれた。
今まで男の世界で生きてきたサラが向けられる視線は嫌悪や蔑視。だから人一倍努力して、中尉まで登り詰めた。
それでも女だからと突っかかって来る者も多いし、女の指図は受けたくないと言うことを聞かない者もいる。
何度、男に生まれなかったことを憎んだか……
軍に入った時に実家からは縁を切られた。女が軍人など家の恥だと言われたから、自ら縁切りしてやった。
女が剣を握ってはおかしいのか!?女が強くなっては駄目なのか!?
毎日自問自答を繰り返していた。
当然答えは見つからなかったが、今、答えが見つかった気がする。
「……君は、私が女だからと卑下にしないのか?」
「は!?誰ですそんな事言ってる馬鹿は!!今からの時代、男尊女卑なんて流行らないですよ!!言っちゃあなんですけど、家庭に入れば男性より女性の方が圧倒的に強いんですから!!よく言うでしょ?かかあ天下って」
ニカッと歯を見せながら笑うシルヴィにつられてサラも顔が緩んだ。
「……そうか……そうだな」
「はいっ!!──って!?え、え、え!?」
急にサラが抱きついてきてシルヴィは顔を真っ赤に染めながら目を白黒させた。
「……ありがとう」
耳元でそう囁かれたシルヴィだが何故お礼を言われたか分からない。ただ一つ言えることは……
(こちらこそありがとうございます!!!)
ご馳走様です……もう満腹です……
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
道産子令嬢は雪かき中 〜ヒロインに構っている暇がありません〜
荒瀬ヤヒロ
恋愛
「レイシール・ホーカイド!貴様との婚約を破棄する!」
……うん。これ、見たことある。
ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わったことに気づいたレイシール。北国でひっそり暮らしながらヒロインにも元婚約者にも関わらないと決意し、防寒に励んだり雪かきに勤しんだり。ゲーム内ではちょい役ですらなかった設定上の婚約者を凍死から救ったり……ヒロインには関わりたくないのに否応なく巻き込まれる雪国令嬢の愛と極寒の日々。
子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる
佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます
「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」
なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。
彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。
私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。
それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。
そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。
ただ。
婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。
切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。
彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。
「どうか、私と結婚してください」
「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」
私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。
彼のことはよく知っている。
彼もまた、私のことをよく知っている。
でも彼は『それ』が私だとは知らない。
まったくの別人に見えているはずなのだから。
なのに、何故私にプロポーズを?
しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。
どういうこと?
============
番外編は思いついたら追加していく予定です。
<レジーナ公式サイト番外編>
「番外編 相変わらずな日常」
レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。
いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。
※転載・複写はお断りいたします。
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
ひきこもり令嬢の婚活事情
甘寧
恋愛
主人公であるレティは自身の母親が亡くなったのをきっかけにひきこもりになってしまった。
父であるエルヴィンは愛する人を失った穴を埋める為に仕事に逃げてしまい、吹っ切れた時には自身の娘は立派なひきこもりになっていた。
そんな折、エルヴィンはレティに縁談を持ちかけた。
寝耳に水のレティは当然拒否。
実は父に隠れて北の地を購入していたレティは、一人で生きていくには十分な資産があると明言したが、エルヴィンは聞く耳持たず、強制的に縁談の場へ。
そこで現れたのは冷酷冷淡で有名なギルベルト。
顔面蒼白になるレティだったが、ギルベルトとの縁談は名ばかりで、実は今後の縁談の為の踏み台として用意されたものだった。
その後、令嬢達に人気のあるフランツとの縁談が決まったレティ。思いのほか縁談は上手く行き、徐々に距離を詰めていく二人だが、フランツには誰も知らない裏の顔があった。
婚活を機に取り巻く環境が変わり、自分の心も変化している事に気がついたレティだったが、その相手は……
【完結】傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される
中山紡希
恋愛
父の再婚後、絶世の美女と名高きアイリーンは意地悪な継母と義妹に虐げられる日々を送っていた。
実は、彼女の目元にはある事件をキッカケに痛々しい傷ができてしまった。
それ以来「傷モノ」として扱われ、屋敷に軟禁されて過ごしてきた。
ある日、ひょんなことから仮面舞踏会に参加することに。
目元の傷を隠して参加するアイリーンだが、義妹のソニアによって仮面が剥がされてしまう。
すると、なぜか冷徹辺境伯と呼ばれているエドガーが跪まずき、アイリーンに「結婚してください」と求婚する。
抜群の容姿の良さで社交界で人気のあるエドガーだが、実はある重要な秘密を抱えていて……?
傷モノになったアイリーンが冷徹辺境伯のエドガーに
たっぷり愛され甘やかされるお話。
このお話は書き終えていますので、最後までお楽しみ頂けます。
修正をしながら順次更新していきます。
また、この作品は全年齢ですが、私の他の作品はRシーンありのものがあります。
もし御覧頂けた際にはご注意ください。
※注意※他サイトにも別名義で投稿しています。
一夜限りの関係だったはずなのに、責任を取れと迫られてます。
甘寧
恋愛
魔女であるシャルロッテは、偉才と呼ばれる魔導師ルイースとひょんなことから身体の関係を持ってしまう。
だがそれはお互いに同意の上で一夜限りという約束だった。
それなのに、ルイースはシャルロッテの元を訪れ「責任を取ってもらう」と言い出した。
後腐れのない関係を好むシャルロッテは、何とかして逃げようと考える。しかし、逃げれば逃げるだけ愛が重くなっていくルイース…
身体から始まる恋愛模様◎
※タイトル一部変更しました。
変態婚約者を無事妹に奪わせて婚約破棄されたので気ままな城下町ライフを送っていたらなぜだか王太子に溺愛されることになってしまいました?!
utsugi
恋愛
私、こんなにも婚約者として貴方に尽くしてまいりましたのにひどすぎますわ!(笑)
妹に婚約者を奪われ婚約破棄された令嬢マリアベルは悲しみのあまり(?)生家を抜け出し城下町で庶民として気ままな生活を送ることになった。身分を隠して自由に生きようと思っていたのにひょんなことから光魔法の能力が開花し半強制的に魔法学校に入学させられることに。そのうちなぜか王太子から溺愛されるようになったけれど王太子にはなにやら秘密がありそうで……?!
※適宜内容を修正する場合があります
最初から勘違いだった~愛人管理か離縁のはずが、なぜか公爵に溺愛されまして~
猪本夜
恋愛
前世で兄のストーカーに殺されてしまったアリス。
現世でも兄のいいように扱われ、兄の指示で愛人がいるという公爵に嫁ぐことに。
現世で死にかけたことで、前世の記憶を思い出したアリスは、
嫁ぎ先の公爵家で、美味しいものを食し、モフモフを愛で、
足技を磨きながら、意外と幸せな日々を楽しむ。
愛人のいる公爵とは、いずれは愛人管理、もしくは離縁が待っている。
できれば離縁は免れたいために、公爵とは友達夫婦を目指していたのだが、
ある日から愛人がいるはずの公爵がなぜか甘くなっていき――。
この公爵の溺愛は止まりません。
最初から勘違いばかりだった、こじれた夫婦が、本当の夫婦になるまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる