上 下
83 / 97

SuperHero準「乳首が感じるSuperHero物語」 第83話

しおりを挟む
「昼間、田島先生から聞いたんだ。俺の体の変化のこと」

「あ、た、田島、お前に話したのか?」

「ううん、俺から聞いた。俺の体を調べたのかどうかを」

「そ、そうか」

「信じられないでしょ?
本当は弘二も、小太郎も、どうしていいかわからないでしょ?」

「あ、そ、それは・・」

「俺、実は気を失ってる間に、夢を見たんだ。
いや、正確には、SuperHero星と冥王星から説明を受けたんだ。
だから昨日、目が覚めたときには、自分の体の変化、知ってたんだ」

伊川は何と答えたらいいか分からず、そわそわしていた。

「弘二、気にしないでって言う方がおかしいと思うけど、俺は俺なんだ。
俺の感情は全然変わってないんだ。
だから、弘二、俺のこと、嫌いにならないで。
今までと同じ目で俺を見てほしいんだ。
難しいの承知で言ってるんだけど」

伊川は西山の頭を撫でながら

「俺もな、正直田島に西山の体の変化を聞いた時は、頭の中パニクってて、何が何だかって感じだった。
だけど、昨日お前の顔を見て、何も変わってないって分かったよ。
俺のお前への気持ちも変わっていない」

西山には、伊川や小太郎に説明しなければならないことが、まだたくさんあったし、特に自分があと8日で二人の前から消えてしまうことも言わなければいけなかったが、言い出せなかった。

「今夜はベッドで俺と添い寝してよ、弘二」

「したいのは山々なんだが、お前を襲いそうで怖いんだ。
田島はもう大丈夫と言ってたけど、用心した方がいい。
この先ずっと西山と一緒にいるって約束するから、今は無理しないでくれ、な」

「いやだ!あと一週間しかないのに、俺に残された時間は、あと一週間しかないのに」

西山はつい口を滑らせてしまった。

「おい、西山!それどう言う意味だ?
残された時間が一週間しかないってどう言う意味だ!」

伊川が声を荒げた。
西山は泣き出した。

「西山、大きな声出してすまん。
怒ってないぞ、俺は怒ってないぞ。
泣かないで訳を話してくれ、西山」


「弘二、俺、俺、SuperHero星から捨てられたんだ。
もうSuperHero準に変身することもできないんだ。
俺の体からヒーロー細胞がなくなっていってるんだ。
ヒーロー細胞が全部なくなったら俺、もう地球で生きていけないんだ。
体ごと消えちゃうんだ。
それまであと8日、ううん、もう7日しか残ってないんだ。
自分じゃどうしようもできないんだ。
弘二にも小太郎にも、もう二度と会えなくなるんだ」

「え?ヒーロー細胞がなくなる?
SuperHero星から捨てられた?
何のことだ。分かるように言ってくれ、西山」

それから西山は、西之島での出来事、意識がない時に、SuperHero星と冥王星の隼人から言われたことを全て、伊川弘二に話した。
伊川は呆然としていた。
西山が言ったことは理解できる部分もあったが、よく分からないことも多かった。

ただ、伊川が一番ショックだったのは、西山が隼人に犯されて妊娠させられたこと、SuperHero星に捨てられたこと、あと一週間で西山がいなくなってしまうこと、この3つだった。

「こいつは生まれてすぐ、生みの親から捨てられ、また今、命を救ってくれたSuperHero星から捨てられようとしている。
いやもう捨てられている。
なんて残酷な、なんて可哀そうな」

伊川は西山を抱きしめて言った。

「明日、田島にもう一度検査してもらおう。
ひょっとして、ただの夢かもしれないぞ。
もし本当でも、ヒーロー細胞を培養できれば、西山を助けられるかもしれないぞ。
諦めるな西山、俺は諦めないぞ」

西山は目を瞑ったまま、何も言わなかった。いや、言えなかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

処理中です...