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SuperHero準「乳首が感じるSuperHero物語」 第80話

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部屋から田島と伊川が出て行き、西山は小太郎と二人になった。
研究所に戻る田島に伊川が

「じつは西山がお世話になった田島にお礼をしたいと言っている。
あいつのことだ。
高いものは買えないと思うが、何か西山にできることはあるか?」

「何も要らないが・・」

「もし、高価なものだったら、俺が出してもいい。
俺もお前に礼がしたいからな」

「いや、なんだ伊川。これ言ったらお前が怒るだろうから」

「何だよ田島、水臭いな。女は無理だが他なら何でもいいよ」

「いややっぱり」

「怒るぞ、田島、言ってくれ」

「伊川すまん、ひとつ欲しいものと言うか、したいことがある」

「何だ?何でも言え」

「に、西山君の、ち、乳首、吸わせてもらっていいか?
あ、やっぱりごめん伊川、聞かなかったことにしてくれ」

「あっはははは」

伊川が笑い出した。

「田島、お前の女好きはみんな知ってるぞ。
なのに何で西山の乳首なんだ?」

「前から手術室で見たときから気になってたんだ。
いや、いやらしい意味じゃないぞ。
SEXなんかしたくもないし男とはできない。
だけど、西山のあの乳首は何て言うか、とにかく一回吸ってみたいって思うんだ。
今日も実はそう思ってドキドキしたんだ。
ちょっと吸ってみるだけだけど、お前の大事な西山だし、ダメだよな。
ごめん。もういい」

「いや、いいよ。西山に聞いてみるよ。
それでお前のお礼になるんだったら、西山喜ぶかもしれないぞ」

「ほ、ほんとにいいのか?伊川、怒ってないか?」

「怒る訳ないじゃないか。
でもなあ、やっぱり西山のあの乳首の魅力って凄いんだなって思うよ。
俺も実はあの乳首に魅せられたんだ。
根っからの女好きのお前をここまでさせるんだからな。
凄いよ。西山の乳首」

田島は顔が真っ赤だった。


「西山先輩、良くなって俺、ほんとに嬉しいっす」

「そうか?小太郎が俺を西之島から助けてくれたそうだな。
ありがとうな、小太郎」

「とんでもないっす。当然っす。
昨夜、伊川隊長やさしかったっすか?
もう先輩を叩いたりしてませんよね」

「もちろん。凄く優しかったよ」

「良かったと言うか何と言うか、俺にとっては複雑っす」

「何言ってんだ。俺、小太郎も好きだよ。
ホモだったら分かるだろ?淫乱なの」

「んー、分かるんっすけどね。
西山先輩だけは俺だけのものにしたいかなーとか思うんっすよ」

「小太郎のそう言う正直なとこ、俺、好きだよ」

「ダメっすよ。まだ朝っすからね。
先輩のセックスアピール、半端ないっすよ」

「何だそれ」

そう言って西山は眩しいほどの笑顔で笑った。


ノックする音がして田島が朝食を持って入ってきた。

「西山君、朝飯だ」

「すみません、田島先生。ありがとうございます。
先生、研究所の仕事も忙しいでしょうに。
明日から食事は要りません。小太郎に何か買ってきてもらいます」

「田島先生、そうっすよ。こう見えても俺、料理得意なんすよ。
台所、貸していただければ先輩のご飯くらい、俺が作りますから」

「そうか、じゃ、そうしてくれ。
その代わり、ちょっとでも体におかしいことがあったら、俺を呼ぶんだぞ」

「分かりました。田島先生、ありがとうございます」

「じゃあな」

田島はそう言って出て行った。

「先輩、全部食ってくださいね。元気つけなきゃ」

「あれ?昨夜、弘二は、あーんしてって言って食べさせてくれたぞ」

「あ、負けられね。先輩僕が食べさせて差し上げます。
座ってください」

「いいよ、冗談だよ。自分で食べられるよ」

「いいや、伊川隊長には負けられないっす。
先輩座ってください」

「分かったよ」

「はい、先輩あーん」

西山にとって最後の地球での微睡だった。

「あと8日か」

「何っすか、先輩」

「いや何でもない。ほらそこの魚もくれ」

「OK、はい先輩あーん」


昼過ぎだった。
青木小太郎に地球防衛軍から緊急連絡が入った。

「はい、え?大阪湾に怪獣出現?
あ、いや、休暇中でも行きます。
大阪市内に上陸したら大変っす。はい、すぐ行きます」

「小太郎、大阪湾に怪獣?」

「はい。でも先輩は絶対出ちゃダメです。
先輩今行方不明なんすから。地球防衛軍にお任せください。
絶対だめですよ。あ、田島先生に報告します、じゃ」

青木はすぐに部屋を出て行った。

「自分の体だから分かる。
SuperHero準に変身したくても、もう今の俺の体じゃできない。
ヒーロー細胞が半分以下になってる。
もう俺はSuperHero準に変身できないんだ」

西山はそう呟いた。
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