SuperHero準「乳首が感じるSuperHero物語」

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SuperHero準「乳首が感じるSuperHero物語」 第59話

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翌日、地球防衛軍本部には、バシっと正装した伊川弘二の姿があった。
小太郎と一緒に出勤した西山は

「伊川隊長」

と駆け寄ったが、伊川は無視して幹部室に入っていった。
西山は

「弘二に会えるだけでいいんだ」

そう呟いた。

幹部室では伊川に幹部が

「君と西山君との噂も昨日のSuperHero準の活躍で、どこのマスコミも取り上げなくなった。
近藤長官からも今回の件はなかったことにせよと言われている。
このまま、隊長に復帰してほしい。
国外逃亡の件は、軍内でも緘口令を敷いているから安心して任務を遂行してほしい」

と告げた。

「でもそれでは軍紀が乱れるのでは」

「それはない。
君達二人は、正式に軍が許可を出した休暇中だったのだ。
マッチョ星人の脅しで、帰ってきてもらったが、君たちは何も軍紀に触れるようなことはしていない。
安心したまえ」

「ありがとうございます」

「最初のうちは居心地が悪いかもしれないが、これも使命だ。
全うしてほしい」

「分かりました」


伊川は、幹部室を出てくるなり、野中隊長代理に今までの礼を言い職務に復帰した。
ただ、西山に対しては、無視したままだった。
小太郎が西山に

「伊川隊長、西山先輩にどう接していいか、分からないんっすよ。
そのうち自然と声掛けてきますよ、先輩」

と言って慰めた。

「ありがとう。小太郎、いいやつだな」

「俺に惚れました?先輩」

「バカ言え、あ、乳首、触るなよ」

「こんなとこで触りませんよお」

と言って小太郎は西山の乳首を軽く触った

「あっ」

小太郎は西山に

「今夜も伊川隊長が西山先輩、無視したままなら俺が抱いてあげますよ」

と耳打ちした。

「変なこと言うんじゃない」

西山はそう言って小太郎の元を離れた。

「西山先輩、俺のこともまんざらじゃないようだ。
そりゃそうだ。三日三晩犯してやってんだから」

小太郎は上機嫌だった。


伊川は部下に、自分がいない間に壊された北陸新幹線の被害状況、復旧計画などを聞いていた。

「戦闘に巻き込まれて市民が4名なくなりました。
新幹線は現在、金沢折り返しで運転されています。
敦賀までの復旧には半年はかかるとのことです」

自分がマッチョ星人に犯され、逃げたせいで、民間人に犠牲が出た。
伊川は自分の行動の浅はかさを思い知った。

「帰国してすぐ、SuperHero準に変身して怪獣と戦った西山、お前の方が余程勇敢だ。
俺はお前に合わす顔がない」

伊川が帰還したので副隊長に戻った野中が西山に

「西山、隊長室に行って昨日の件を伊川隊長に報告して来てくれ。
資料はもう隊長に送ってあるから」

と指示を出した。

「わ、分かりました。行ってきます」

西山が近くにいた小太郎を見ると、小太郎がにこにこして、自分の乳首を揉んでお道化ていた。

「い、行ってまいります」

西山は部屋を飛び出した。

「どんな顔して弘二に会えばいいんだ?」

と悩みながら、西山は隊長室のドアをノックした。

「入れ」

伊川の声がした。
わずか三日しか経っていなかったが、西山には懐かしく感じられた。

「西山準です。入ります。失礼します」

と言ってドアを開け隊長室に入った。

目を合わす西山と伊川。
西山の目には涙が浮かんでいた。
伊川がよそよそしく

「西山、何の用だ」

とはぐらかした。

「あ、副隊長から昨日の猪苗代湖の怪獣の件を報告して来いと言われまして」

伊川は、一度も西山の目を見ず、

「し、資料はもう届いている。
お前に聞くことはない。下がれ」

と言い放った。西山は

「あ、でも、SuperHero準の報告が・・・」

「き、聞かなくていい。下がれ」

「隊長、俺を、俺の目を見て下さい」

「下がれ」

「弘二、俺を見て」

「下がれと言ってるのが分からないのか」

伊川はちらっと西山を見た。
そこには目にいっぱい涙をためて震えている西山がいた。
西山は腕で涙を拭って

「了解です。
SuperHero準の行動は、メールで隊長にお送りします。
失礼いたしました」

そう言って隊長室を出ていった。

「あっ」

伊川は自分の不甲斐なさに腹が立った。
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