幸せはハロウィンが運んできた。

アキノナツ

文字の大きさ
上 下
2 / 3

SS-1 (クロヴィス視点のお話)

しおりを挟む

一緒に暮らしていた1年の一コマです。


ーーーーーーーーーーー


「ポポくん?」

急な来客にポポが驚いて、ダイニングから奥に逃げていったのは分かったが、客が帰っても出てこない。

彼はこちらの住人を極端に恐れている。
外見は兎も角、あまり変わらないのだが…。

テーブルの上にはクッキーとミルクが食べかけで置かれたまま。おやつを楽しんでいたのだろう。

ポポが小さな口でもぐもぐしているのは非常に可愛らしく、いつまでも見ていられる。

さて、どの部屋に逃げ込んだのか。

クンとひと嗅ぎで分かってしまうが、中で動く気配が無い。
耳をすませば、理由が分かった。

そっと近づき、ソファーに掛けてある布を捲ると、果たして、彼が丸くなってそこにいた。
自作のよくできたお化けくんの衣装ごとそっと掬い抱き上げる。

よく寝てる。

ポポに割り当ててる部屋に運んだ。

ベッドに寝かせる。衣装を脱がせて顔を見れば、口元にクッキーくず。
可愛い…。
摘んで取ると、むにゃむにゃと動く口。
ほっぺを突いてしまった。
慌てて手を引っ込める。

ぽりぽりとほっぺを掻いてる。
その仕草も可愛い。

あー、食べてしまいたい…。

嫌われてはいけない。どうすればいいんだろう。仲良くなりたい。
仲間に相談しては、笑われる。早く告白すればいいと言われるが。告白か…。

自分と同じ感情を彼が持ってくれてるか不安で踏み切れない。
眺めてるだけで、今は幸せだ。

どうしよう……。

可愛いなぁ……。

結局、きゅるんとした目が開くまで眺めてしまった。




しおりを挟む

    読んでくれて、ありがとうございます!

  『お気に入り』登録してもらえたら嬉しいです。
      更に、感想貰えたら嬉しいです!


      ↓ ▼ ↓ ▼ ↓ ▼ ↓ ▼ ↓

▶︎▶︎恥ずかしがり屋さんの匿名メッセージはココ!◀︎◀︎
 (アカウントなしで送れます。スタンプ連打もOK♪)

      ↑ ▲ ↑ ▲ ↑ ▲ ↑ ▲ ↑
感想 0

あなたにおすすめの小説

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

それはダメだよ秋斗くん![完]

中頭かなり
BL
年下×年上。表紙はhttps://www.pixiv.net/artworks/116042007様からお借りしました。

【完結】雨降らしは、腕の中。

N2O
BL
獣人の竜騎士 × 特殊な力を持つ青年 Special thanks illustration by meadow(@into_ml79) ※素人作品、ご都合主義です。温かな目でご覧ください。

好きな人に迷惑をかけないために、店で初体験を終えた

和泉奏
BL
これで、きっと全部うまくいくはずなんだ。そうだろ?

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

英雄の帰還。その後に

亜桜黄身
BL
声はどこか聞き覚えがあった。記憶にあるのは今よりもっと少年らしい若々しさの残る声だったはずだが。 低くなった声がもう一度俺の名を呼ぶ。 「久し振りだ、ヨハネス。綺麗になったな」 5年振りに再会した従兄弟である男は、そう言って俺を抱き締めた。 ── 相手が大切だから自分抜きで幸せになってほしい受けと受けの居ない世界では生きていけない攻めの受けが攻めから逃げようとする話。 押しが強めで人の心をあまり理解しないタイプの攻めと攻めより精神的に大人なせいでわがままが言えなくなった美人受け。 舞台はファンタジーですが魔王を倒した後の話なので剣や魔法は出てきません。

処理中です...