【完結】ハロウィンでの出会いに乾杯

アキノナツ

文字の大きさ
13 / 21

【その後】可愛いは正義?

しおりを挟む

ムフフ……書いちゃった(*´ω`*)


===========


「じゃ~ん」
シューズ型のスリッパ。もこもこです。

ソファでぼーっとしてる吸血鬼くんに差し出す。

「それはなんだ?」
欠伸をひとつ。
「スリッパ。履き替えて貰おうかと思ってさ」
足元を見て、俺の足元と見比べてる。

「キレイなのは分かってるよ。砂も小石も持ち込まれてないし、靴裏も靴全体、全身に汚れなんてないのは分かってるんだけどさ。やっぱ、現場みたいで……ね?」

靴を脱いでくれた。
土足はどうも現場を彷彿とさせる。
お巡りさんは警備ぐらいしかした事ないので、知らないんですけどね。

足を掬うように持ち上げ、すぽっと履かせる。
両足揃うと……愛らしい。

「なんだか獣の足のようだな…」

いいところを突いてくるなぁ。関心しちゃうよ。

「んー、上も変えてみないか?」

俺がこんなギャルみたいなスリッパを買ってくるにはそれなりの理由と思惑がある訳ですよ。さぁ、行きますよッ。

「ん? 確かにこの服では何か違うか? だがオレはこれしか持ってない。必要ないからな…」

寝ぼけてた表情がしっかりし始める。不味い。さっさと畳み込まなければ。

「これ触ってみて。気持ちいいよ。ほらぁ~」
ことさらゆっくりした口調でぼやっと着せたい服を畳んだ状態でそっと差し出し、手を取って触らせる。

「ぉ~、ふわふわぁ…」

自ら手を往復させて撫で始めた。表情がトロンとした。
ヨッシャッ!
お、抑えて。
踊る心を悟らせてはいけない。ポーカーフェイス。

頬にもふわぁっと触れさせる。
俺の手に顔を押し付けてくるように擦り寄せてくる。ちょっと条件反射ぽい動きだが、結果オーライだ。
ふにゃぁ~となった。

「着てみよう?」

コクンと頷いてくれた。
ここで強く動くと、しくじる。そーっとね。

「脱ごうねぇ…」

「うん…」

手元の布をもふもふ触ってる。
触らせて、こちらは、逸る気持ちを抑えつつ、ボタンを次々に外して、極々自然な流れといった感じで脱がせた。

「ほらぁ~、着てごらん…」

スポンと来てくれましたッ。
少し大きいサイズを買って良かった。あの時の俺、グッジョブ!

袖をほっぺに当ててふにゅふにゅしてる。欠伸でも出そうな雰囲気。
下も着替えさせた。

俺、やったよ。
フードを被せて、ニヤけてしまった。

「お前の顔、キモい」
最近テレビを観てる事も増えてきたからか、語彙が増えてきたが…やはりチョイスがね…。

「お前は可愛いぞ」

スマホを向ける。

「ちょっと…」
渋い顔をされた。まずったか?
ん? 違うようだ。なんか集中してる?

「…これで大丈夫。写真か?」

「あ、おう」

そういえば、さっき映ってなかったような…。ま、今は可愛らしい姿が映ってるので良き。

自撮りモードにして、渡してやる。

思いっきり眉間に皺ッ。

慌てて、後ろに回り込んで、フードの立ち気味だった耳を更に持ち上げて、ピコピコとさせる。

「ほらぁぁ、うさぎ。可愛いだろ? 似合ってるよ」

「んー……」
悩んでる。
悩んでますね。

「可愛いのか?」

「うん、とっても可愛いよ」
後ろからぎゅっと抱きしめた。
ほっぺた同士をくっつけて、くにゅんとすれば、半分寝ぼけてたのも相俟って、ムフフンと満更でもない感じ。

「では、これからはそれが部屋着という事で」

部屋にもこもこうさぎがコロコロ、うろうろする事になった。
フードは被ったり被らなかったりだが、可愛さのは変わりがない。
お尻付近についたもこっとしたしっぽがフニフニ動いてる。

あー! 可愛いッ

サイズがもう少し小さくなったら、犯罪級だ。

「小さくなったら…」

「ん? 成れるが?」

「ほへ?」

指をパチンと鳴らせば、高校生サイズに、更にダブっと感up!

ハァハァ…ヤバい…。

俺、お巡りさんなのに、犯罪者になりそう。正義の味方なのにィィィィ、野獣降臨?!

ヤバいの買ってきちまったぁぁぁ~!

あー、ここにいるのは、人外の生き物で、『食べて?』と全身で誘ってくる生き物で……。

スンと落ち着いた。

食べていいよな。うん、いいよ。俺が許す。

食べても問題なし。俺たちに人間の法律なぞ関係ない。ここは治外法権!

ガバッと抱きついた。

「あ? なになに?!」

「可愛いッ! 食べていい?」

見つめれば、ぎこちなく頷いてくれた。
ちょいと怯えた感じが……唆られる。

「いっただきまーす!」

うさぎってアンアンって色っぽく鳴くの?




===========

こんな感じのやエロやらの短いのをポツポツ投稿しようかなと( ̄▽ ̄;)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています

八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。 そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。

僕の恋人は、超イケメン!!

BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

処理中です...