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何かな?
間違えてはいけない。
しおりを挟む右よしッ。
ビシッと指さし確認。
反対側も。
ビシッと。
左よしッ。
前よしッ。
後ろ、よしッ。
きっちりと、指をピンと伸ばして、指差し確認を完了。
さて、次の…おっと、いけない、順番を間違えてしまった。
チラリと横を盗み見る。
今日からサポーターは隣りに掛かり切りだ。
こちらのミスには気付いてないようだ。もし気づいていたとしても大目に見てくれるだろう。初日だし、重大なミスはしていない。
まだしていない。
そそくさと移動。
全身を映す鏡の前に立つ。
ふう…と息を吐いて、心を落ち着かせる。まずは落ち着いて、身だしなみをチェック。
よしッ。装備はオッケー!
カバンもしっかり。中身も大丈夫。
よしッ、と指差し確認。チャックをして閉じる。紐も調整。
制帽の縁に指を掛け、キュッと整える。
後ろも身体を捻ってチュック。
よしッ、大丈夫。
大急ぎで、元の位置に戻り、指差し確認。
右よしッ。
反対側も。
ビシッと。
左よしッ。
前よしッ。
後ろ、よしッ。
ビシッと指さし確認。
チラリと時計を確認。大丈夫。
慎重に足を進める。
奥まで進んだのを確認して、締める。
すっくと立って、感触を確認。
…大丈夫ッ。
今日のサブ装備を手にして、周りを確認。忘れ物はない。
出発進行ッ!
扉を開けて、外へ。大きく一歩を踏み出す。
気分は最高だ。
暫し、サポーターとお供が出てくるのを待つ。
青空。
白い雲がゆっくり流れていく。
「お待たせ」
昨日までサポーターをしてくれた母さんが妹の手を引いて出てきた。
「遅いぞ」
父さんの口マネをしてみた。
苦笑いの母さん。出てきてから膨れっ面の妹。「このクツ、イヤ」とさっきからぶつぶつ言ってる。
「園バス来ちゃう、急がないと」
サブバックに入った力作の刀を抜き取り、天に向かって突き上げる。
「我に続け!」
「騎士さまが馬車まで連れてってくれるってッ」
「若侍じゃ」
間違いはきちんと言っておく。
「騎士じゃなくて、若侍じゃ。刀で悪者をミネウチするのじゃ!」
「姫ッ、魔法時間がとけますぅ。急いで下さい~」
母さんはノリノリだ。こちらは全然気にしてくれないが、良い。今、気分が良いからな!
ノリノリの母さんにつられて膨れっ面の妹もニコニコで歩き出した。
母さんが、足元をチラリと見てニッコリ笑ってくれた。
えへん!
胸が高まり足を踏み出す。
後ろで母さんが褒めてくれる声が聞こえる。
照れくさいので、返事はしてやらない。代わりにアイ刀を振り回す。
タンタンと足を踏み鳴らして走る。
曲がり角は止まって、右よし、左よしッ!
駆ける、駆ける! 足取り軽くルンタッタッ。
左右を間違えなく履けたんだ。先生にも自慢してやろう。
足にくっついてるクツは輝いて見えた。
今日から妹と一緒に登園だ。
===============
全年齢向けの話の第2弾です( ̄∀ ̄)b
今回は、あまり隠れた感じではないんですけど、左右を間違えないようにするのって、ドキドキですね。
え? 自分だけですか?( ̄▽ ̄;)
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