マッサージ天国

アキノナツ

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ふらりと入店(1) 微※

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 うひょ~、お疲れ、オレ。
 今週も頑張った。今週は今まで以上だったかも。
 肩バキバキ。背中もだな…。

 ふらふら帰宅中。冷蔵庫に大した食材もない事に気づいて、いつもの帰宅コースから外れる。
 確かこっちに遅くまで開いてるスーパーがあったような…。

 角を曲がり、人気のない路地を通る。
 ここを抜けて…あの通りに出て……ん?

 カフェなどに出てるような清楚なこじんまりした立て看板。この時間帯に相応しくないのがちょこんと出てるのが目に入った。

『癒しマッサージ』

 整体のようだ。メンズとある。風俗?
 綺麗なお姉さんにマッサージしてもらえるのかぁ。いいね。
 いつもの整体に予約をと思ってたが、今解せるなら解したい。このコリを解消して寝れたら最高じゃないか。

 ふらっと雑居ビルの狭い薄暗い階段を上って2階へ。

 上半分に嵌った網入りの白いガラスに『癒しマッサージ』と下の看板と同じ文字。アルミ戸のドアノブを掴み、開く。シャララン…とドアベル。
 中はお香か何かの匂い。ちょっと薄暗いが暗いと言うわけでもなく、微妙な線を保ってる。エスニックな感じ?

「いらっしゃいませ」
 無人だったカウンターの後ろの仕切りの奥から線の細い人が現れた。白のカッターシャツと黒のベストと黒のスラックスの男性だった。

「初めてなんですが…」

「こちらのメニューからコースをお選び下さい」

 ラミネートのメニュー表(?)と住所氏名や問診のようなのを書く用紙が提示された。

「肩というか背中が痛いぐらい凝ってて…」

 用紙を書きながら、こちらの状況を伝えてみる。
 お兄さんはメンバーズカードでも作ってるのか、オレの手元を見ながら作業してる。

 どうもお姉さんとニャンニャン出来るところではなさそうだ。提示されたラミネートされた用紙を見た。

「それでは、全身のコース。1時間がよろしいかと。延長もあります」

「はぁ…。じゃあ、それで」

 延長なんて風俗チックだな…。

「少々お待ちを」と彼はパソコン画面を覗き込んでる。

 さらに薄暗くなってる奥の方を伺ってみた。思ったより奥行きがあるようだ。もしかしたらここのフロア全部が施術の部屋のようなので区分けされてるのだろうか。

 いつもの整体のところはカーテンというかパーテーションで区切られている。なんだか…個室って、やっぱり風俗?

「今、担当施術師が来ます。彼の案内に従って下さい」
 淡々と告げられる。支払いを済ませて、やってきた男の人について個室に入った。

 えーと、割と広い部屋。カーテンで仕切られた奥で着替えるように言われた。荷物もそこに置いておくのだろう。

 なんだ。メンズって男性が施術師って事かよ。

 壁に貼られた説明書き通りに全て脱いで、タオルを腰に巻いた。男同士だし、見られて困る事もないと疑問に思う事なく、その格好で出た。

 照明は人型がしっかり分かる程度の絶妙な明るさ。新たに焚いたのだろうか。甘い中にも爽やかな香りが漂ってる。この香りってどうも変な気分になる。どう変というかは、どう表現したらいいか…。そう、いまいち、こう…思考がぼんやりしてくるというか…。

 遊郭の時間の計測にお香が使われていたとなんかでやってたなぁとぼんやり思いながら、割とガッチリ体格の施術師の手が示す施術台に上がり、うつ伏せに横になった。

「リラックス出来る香りを焚きましたが、お好きでなかったら、変えますが…」

「このままで…」

 男の低い声が身体に染み込みようで…。この声気持ちいい。
 そうか。リラックス出来る香りか…。確かに全身の力が抜ける…。

「では、オイルを垂らしますね。少し冷たいかもしれませんが、すぐに馴染みますので…」

 垂らされた液体に変な声が出てしまった気がしたが、風呂での声と同じ感じにも思って、気にもとめずに背中に這わされる手の感触に全身がほぐされる錯覚を起こしていた。

「彼はここのナンバーワンです。お客様、ラッキーですね」

 他に人がいた事に驚きながらも、別段身構える事なく「そうですか。よろしく、お願いします…」と、ぽやぽやと呟くように返答していた。眠ってしまいそうだ。それだけ上手いという事なんだろうか。
 そばで人が動いてるなと思ってたが、すぐに退出して行ったようだ。どうやら道具か何かを補充しに来たのだろう…。

 背中から肩、腕はオイルが塗りたくられ、ポカポカもしていた。周りの事などどうでもよくなっていた。

 いつの間にかタオルが取られて、全てが晒されてる状態だった。脚にもオイルが垂らされてるのか、ふくらはぎから太ももへ向けてマッサージが施されていた。
 適度に掛けられる力と重しが心地いい。

 腿の付け根、尻に手が掛かってもなんとも思わず、その手の感覚に気分もほぐされ、意識は香の煙のように揺蕩っていた。

 尻の割れ目にオイルが垂れて来てるのも全然気にならなかった。背面から全身がほぐされる心地よさだけで、蕩けていて、ケツ肉が掴まれてるのもマッサージの一環と思い、揉み込まれる事も疑問にも思わなかった。

 にちゃ、にちゃ…とオイルが尻を触られる度に音を立てる。尻肉が左右に開かれ、再び合わさり、音を立てて離れる。
 そうする内に肛門を撫でられてるのに気づいた。




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