絡める指のその先に…

アキノナツ

文字の大きさ
上 下
20 / 27

後・脇道》え、えーっ?! (※)

しおりを挟む


あいさん、ちょっとこれ見て」

スマホの動画を整理してると、つい撮ってしまってた動画が出てきた。

隣でコロコロ転がり動いて、素足でモニュモニュと俺の身体のあちこちを触ってる藍さんに観て貰いたくなって声を掛ける。

「なぁに?」
のっそり起き上がって、四つん這いで俺に近づてくる姿は、この仔猫ちゃんとは違う色香で、喰われそうな野生の大型猫の貫禄と美しさだ。

「あら、コレって。もしかしてレッスンしてる子?」
俺にぺったりしなだれかかって画面を観てくれた。

「そうそう。一生懸命でね。思わず撮っちゃったんだけど、素質あるでしょ?」

「ホント。いい素材ねぇ。ーーーーーあおくん、この子ここに連れて来れない?」

画面の中で背中を向けて俺の腿に手をついて懸命に尻を上下に振ってる仔猫ちゃんが映っていた。俺の肉棒を窄まりの皺を目一杯伸ばしてみっちりと懸命に咥え込んで、ヌチヌチと出し挿れしてる。

ヌチヌチ…
「ぁふ、うふぅ、あ、うきゅん…」
いい声で啼いてる。

藍さんのようにむっちりした尻と違って、小さい尻だが丸く可愛い。肌は全身綺麗だ。白くてキメが細かくもっちりとした手触り。

顔も平凡と言っていたが、口も小さくピンクの色合い。ぷりっとしてる。
あの口にちんぽが咥えられると、加虐性が刺激される。

可愛らしく整ってる。原石だ。
磨き甲斐がある。エッチな身体してるし。快楽に素直なのに、恥ずかしそうにしてる仕草も愛らしい。揺れる気持ちがまんま出てるのだろう。
兎に角、可愛い仔猫ちゃんです。
目だってぱっちりしてるし、鼻は小ちゃい。ただ近眼でちょっと顰めっ面しちゃうのが玉に瑕なんだよね。
それもメガネをしてくれたら解決。

俺的にはどストライクなので、メガネに猫耳でお願いしてる。
ズレたメガネをあげる仕草がこれまた可愛いんだよ。

ビクビクしてるのに、しなだれかかってきたりして、見た目から猫なんだよ。うん、仔猫ちゃんだね。
彼氏たちなんで手放したかなぁ。

藍さんが可愛がりたくなるのも分かる。

さて、どうやって連れてこようか。



◇◇◇◇◇



「お前さ、なんか雰囲気変わった?」
学食でうどん啜ってたら、向かいに座った友人が真面目な顔で訊いてくる。
「ん? はんで?」
ちゅるっと麺を吸い込む。

「なんでって。んー、なんとなく?」
カレーを突きながら、困ってる。

コイツとは大学からの友人。
オリエンテーションで一緒になっただけの出会いだったが、趣味の話だったかなんだったも忘れたが、ずーっと喋ってて職員さんに怒られた仲です。

「お前、ちびっこいから誰かに騙されたりしーひんか心配で…」
保護者のようです。
「同い年だろ? オカンか」
麺を啜る。
「なんかこの前まで、よう遊んどったヤツ、あんま好かんかってんけど。遊ぶ相手変わったって事か?」
スプーンの上にミニカレーライスが出来てる。
「好かんって。そんな事言わんかったやん」
もぐもぐ。

「お前楽しそうだったし、あんま言うのもって思てさ」
パクッと口に消える。綺麗に食べるヤツだ。

お前のその優しさ好きだよ。奥ゆかしいんだけど、微妙なタイミングでお節介してくるところとか。

最後の汁を飲み干す。

「それにそうやって人にすぐ合わせるだろ?」
最後のカレーをよせよせ。

「ん?」

「方言。自分の親が俺と同郷だからって、すぐ合わせてさ。普通出来ひんやろ」

「そっか?」

「そや。で、今度は…彼女かなんかか?」

「えーと、モデルさん? SNSで知り合った」

「……危なないか?」
最後の一口をもぐもぐ。

危ないのか?
優しいし……。

「年上だけど、優しいし、変な事はしてこないし。忙しい人だけど、無理して時間合わせたりしなっくていいって言ってくれるし。ーーーー楽しいよ」
気持ちいい事しかしてない。

「やぁらしい顔してる」
お茶飲みながら変なこと言ってくる。
「はいぃい?」
思わず顔をクニクニ触ってしまう。

「あのいけ好かん奴に、その顔見せんなよ」

どの顔だよぉ~。
メガネが揺れる。視界も揺れる。

「連絡は24時間いつでもOKやさかい」
スマホをフリフリ席を立った。
コイツはこれからバイト。僕は講義がある。
笑顔で手を振る。



◇◇◇◇◇



「もうエッチな事に抵抗なくなった?」

ピロートークってヤツだろうか。
青斗さんとこういう事をするのは、片手を折り返してます。
初めてをお願いしたはずだったのが、いつの間にか色々教えてもらう事になった。
レッスン?らしい。
よく分からないけど、気持ちいいから癖になりそうです。

「そうですね。でも、青斗さんとのを経験しちゃったら、他の人のじゃ満足できないかも…」
青斗さんの腕枕でぼんやり言葉を紡いでいた。

言ってから、ハタと気づいた。
あわわ!
僕思わず、なんて事を言っちゃったの!訂正!

「あっ、違うんです。青斗さんと、どうとかなんて考えてないんです。恋人とか、あ、あうぅ…」
起き上がって、慌てて訂正し出した。
訂正したけど、本音は青斗さんの恋人になりたかった。

「ふははは…慌てない」
僕の下で笑ってる。大人の余裕?

「ごめんね。仔猫ちゃんからの熱い告白は嬉しいけど、俺、好きな人がいるから応えられないや」

引き寄せられて、頬に唇。リップ音が心地よく響く。全部見透かされてる。
フラれた……。
分かってたけど、やっぱりショック。
青斗さんは先生だもんね。なんの先生かいまいち分かんないけど。

「恋人同士のセックスは、俺のとはまた違うから」

抱きしめられて、頭をなでなでされてる。
青斗さんの胸に頬を当てて、心音を聴いていた。

「きっと現れるよ。特別な人ーーーーートムくん。これどう思う?」

スマホを触ってる。
動画が再生されたみたい。
喘ぎ声。
ボンと熱が上がるのを感じる。その声知ってると思います。
お尻に手が当たったと思ったら引き上げられた。

やっぱり、藍さんとの動画だった。
ただこれはサンプルじゃなくて。

「綺麗な人ですね」
観てる内に気持ちが落ち着いてきて、魅入っていた。
わぁお! こんな体位で……。
気持ち良さそうに青斗さんと絡んでる。

「この人と会ってみる気ない?」
青斗さんの言葉をぼんやり聞き流していた。
ん?
「はいぃい?!」
驚いた。
藍さんに? えっ、憧れの人、その2じゃないけど。まじで?!

「会いたくない?」
青斗さんがまっすぐ見てくる。

「…あ、会います! ファンなんです。この人、藍さんですよね?」
早口で喋ってるのは自覚してたけど、止まらなかった。
「青斗さんと藍さんのって、幸せな気分になるんです。恋人同士みたいな感じで」
青斗さんが若干引いてる感じがするが、お構いなしに喋ってた。

「会いますッ。会いたいです」



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

罰ゲームから始まる不毛な恋とその結末

すもも
BL
学校一のイケメン王子こと向坂秀星は俺のことが好きらしい。なんでそう思うかって、現在進行形で告白されているからだ。 「柿谷のこと好きだから、付き合ってほしいんだけど」 そうか、向坂は俺のことが好きなのか。 なら俺も、向坂のことを好きになってみたいと思った。 外面のいい腹黒?美形×無表情口下手平凡←誠実で一途な年下 罰ゲームの告白を本気にした受けと、自分の気持ちに素直になれない攻めとの長く不毛な恋のお話です。 ハッピーエンドで最終的には溺愛になります。

ずっと、ずっと甘い口唇

犬飼春野
BL
「別れましょう、わたしたち」 中堅として活躍し始めた片桐啓介は、絵にかいたような九州男児。 彼は結婚を目前に控えていた。 しかし、婚約者の口から出てきたのはなんと婚約破棄。 その後、同僚たちに酒の肴にされヤケ酒の果てに目覚めたのは、後輩の中村の部屋だった。 どうみても事後。 パニックに陥った片桐と、いたって冷静な中村。 周囲を巻き込んだ恋愛争奪戦が始まる。 『恋の呪文』で脇役だった、片桐啓介と新人の中村春彦の恋。  同じくわき役だった定番メンバーに加え新規も参入し、男女入り交じりの大混戦。  コメディでもあり、シリアスもあり、楽しんでいただけたら幸いです。    題名に※マークを入れている話はR指定な描写がありますのでご注意ください。 ※ 2021/10/7- 完結済みをいったん取り下げて連載中に戻します。   2021/10/10 全て上げ終えたため完結へ変更。  『恋の呪文』と『ずっと、ずっと甘い口唇』に関係するスピンオフやSSが多くあったため  一気に上げました。  なるべく時間軸に沿った順番で掲載しています。  (『女王様と俺』は別枠)    『恋の呪文』の主人公・江口×池山の番外編も、登場人物と時間軸の関係上こちらに載せます。

初夜の翌朝失踪する受けの話

春野ひより
BL
家の事情で8歳年上の男と結婚することになった直巳。婚約者の恵はカッコいいうえに優しくて直巳は彼に恋をしている。けれど彼には別に好きな人がいて…? タイトル通り初夜の翌朝攻めの前から姿を消して、案の定攻めに連れ戻される話。 歳上穏やか執着攻め×頑固な健気受け

エスポワールで会いましょう

茉莉花 香乃
BL
迷子癖がある主人公が、入学式の日に早速迷子になってしまった。それを助けてくれたのは背が高いイケメンさんだった。一目惚れしてしまったけれど、噂ではその人には好きな人がいるらしい。 じれじれ ハッピーエンド 1ページの文字数少ないです 初投稿作品になります 2015年に他サイトにて公開しています

僕のために、忘れていて

ことわ子
BL
男子高校生のリュージは事故に遭い、最近の記憶を無くしてしまった。しかし、無くしたのは最近の記憶で家族や友人のことは覚えており、別段困ることは無いと思っていた。ある一点、全く記憶にない人物、黒咲アキが自分の恋人だと訪ねてくるまでは────

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

処理中です...