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後話】潜む影
【終】 ※
しおりを挟むみーちゃんとを連れて、ばあちゃんチに。
コサブロウは途中まで一緒だった。
みーちゃんがお家に帰ると分かったのか、自分の家の方向に向かった。
おやつの持ち出しを怒られないと良いけど…。
「まっちゃ~ん。マツばあちゃんいるぅう~?」
玄関で声を掛け、縁側にまわり込んでみると、縁側でぼんやり座ってるマツコばあちゃんが居た。
オレたちが居るのも気づいてないようだ。
「元気ないな…」
夕暮れ時だから、台所でも立ってるかと思ったが…。
もう一度声を掛けようとしたら、腕の中のみーちゃんがするりと飛び出して、ばあちゃんの足元へ。
にゃぁぁ~ん
甘えた声で呼びかけた。
「みーちゃんッ。どこさ行ってたぁ? 探したよ? タクさんにも頼んで…」
みーちゃんを抱き上げて、早口で語りかけてる途中でオレの方を向いた。
「おやぁ~、金髪さん。あ、みーちゃん見つけてくれたの、お前さんかい?」
「探してたの? 良かった連れてきて」
「タクさんに頼んでたんだけど、聞いとらんかったか?」
二人して見つめ合った。
あ! そういう事?!
慌てて話を合わせる。
「あ、聞いてたよ。ミケを探してって、良かったね~」
「ありがとうね。みーちゃん見つけてくれて」
「みーちゃんって、ミケって言うんだぁ~…?」
「ん? そだよ。ウチの猫は代々ミケオかミケコじゃ」
「そなんだぁ~。サビ猫なのにぃ…」
ちょっと恨めしく言っちゃった。
「ほー、そういえば、そうじゃね。ミケ猫じゃないのにミケじゃね」
笑ってるよぉ~。
初代辺りがミケ猫だったな…。
では、ミケ猫登場じゃあ!
車の音が近づいてきた。
ばあちゃんは柿が好きだってじいちゃんに言ったら、庭の柿がいい感じだったと取り帰ったんだよ。
「ばあちゃん、みーちゃんがお婿さん連れて来ちゃったんだけど…」
「ほぉ?」
ばあちゃんの手からみーちゃんが抜け出して、玄関の方へ。
ばあちゃんも続く。
「あれぇ? タケさんじゃねーか」
「これが、お前さんとこの娘っ子に手出したらようで。すまんッ」
変形した重そうな紙袋を差し出したじいちゃん。謝り方が速攻だ。
足元にあの大きなミケ猫。みーちゃんがすりすりと顔を寄せてる。
ベタ惚れですなぁ~。
「これがお婿さんか? 大きなミケさんじゃね」
「ばあちゃん、ダメか?」
オレは、ばあちゃんを覗き込んだ。
「なにがじゃ?」
「お婿さんはダメか?」
「みーちゃんがええんだったらええよ。仔猫産んだら、貰い手をどうするかぐらいだわねぇ」
「わしが面倒みるッ」
じいさんやる気ッ!
「アンタんとこはダメじゃ。ちゃんと、面倒みれちょったら考えちゃるが」
そう言えば、犬猫のナンチャラっておばさんがこの辺来てなんか言ってたなぁ。
町の獣医さんも一緒だった。
「みーちゃんの仔猫ちゃんだったら、美猫だね。タクの知り合いとか当たるよ」
助け舟。
仲の良い二匹のそばにしゃがんでポツリ。
タクに早く会いたくなっちゃった。
「タクさんなら大丈夫じゃ」
「タケさんこの子の名は?」
「この前迷い込んできた子じゃけ。まだ無い」
「タケさんや…。ミケオでいいね」
呆れた顔でマツばあちゃんがタケじいちゃん見てたが、すぐにミケ猫を見て宣言。マツばあちゃんの家の猫になりました。
獣医さんが、ややこしいって顔しそうな気がするけど、その時はその時だ。兎に角、先生頑張れッ。
さて、オレもウチに帰ろうかな。
ばあちゃんから柿を幾つか入ったビニール袋を渡された。『タクさんによろしく言っといて』のひと言付き。
笑顔でブンブン手を振ってお別れ。
はぁ~、良い仕事したな、オレ。
るんるんでお家に帰ってきたら、タクの車があった。
ヤッタァ!
「タクゥゥ~、お帰りぃぃ~」
ドタドタと駆けて入ったら、
背広をハンガーに掛けてるタクがいた。
丁度帰って来たところみたい。
そう言えば、車からチリチリと音がしてた。
「おう。ただいま。どうだった? 収穫あったか?」
「ふふぅ~ん。聞いて驚けッ」
腰に手を当て、胸張り仁王立ち。
「猫ちゃんはちゃんと見つけて飼い主にお届けしたのだ。マツばあちゃんがタクによろしくって。はい、コレッ」
えへんッ!と顎をあげて、柿の入ったビニール袋を差し出す。
えーと、タクの話を聞いちゃいなくて、色々オレが間違えてたり、諸々の事は、棚上げも棚上げです。遥か彼方の棚です。
「ふぅうん。見つかったのか。経過報告は聞いとくかな。探偵助手エドくんの武勇伝だもんな」
タクがニヤついてる。
えーと、バレてる?
確かに、きちんと出来てたら、起きた順に聞かれもしないのに、ベラベラ喋ってる自信があります。
なのに、、、結果オーライだったから、端折りまくって、『大変だったんだよぉ~』もなく、あっさり結果報告。。。
日頃の自分が恨めしい…。やばいな…。どうしようかな…。
「あ、あれだ。優秀な探偵助手兼アイドルのエドくんには、こんな仕事、えーと、オチャノコサイサイ?だったって事…さぁあ?」
あー、最後の語尾上がっちゃったぁぁああ…。しかも疑問形って!
あー、心の迷いがまんま出ちゃってるぅぅぅううううう…。
ほらぁあ~、タクの顔見てよ。ニヤニヤが止まんないですって感じですよ。
「ほら、タケじいちゃんのとこの柿。あの大木の柿って美味しいんだってさ」
「ふぅ~ん、武雄さんのとこね~。ますますお茶の子さいさいのお話を聴きたいなぁ~」
柿をタクに押し付けて、来た道を引き返そうとした。
お外に行きたいです!
フードを引っ張られた。
「優秀な助手のエドくんはどこに行くのかな?」
振り返れば、柿の袋片手にオレのフードを掴む。雄味溢れるタクさまが居られます。
「えーと、えーと、お外……いくぅ…」
「どうして?」
「タク意地悪だからぁ…」
抱っこされた。
「ちゃんとお話しよ? 俺もきちんと話してなかった気がする。大変だったんだろ?」
見つめてくる目が真摯です。
「うん。大変だった…」
胸に頬を押し付けた。
寂しかった。
ひとりで心細かった。
タクと離れてのお仕事は大変だったんだ。
いっぱいお話がしたい。
お湯張り完了のメロディが流れて来た。
「風呂入るか」
タクの胸に顔を埋める。タクの匂いがいっぱいです。お仕事頑張って来た匂いです。
頷いて同意。
互いに洗いっこして、お話して、イタズラしちゃったりして、只今湯船でチャプチャプしてる。
「松子さんのところの猫ってあのサビ猫だったのか。松さん『ミケを探して』ってげっそりして言うからすぐにでも探してやりたかったんだが、待ち合わせの時間が迫ってて。エドってご近所さんとも猫とも仲が良かったから、飼い主と猫の名前でなんとかなるかと思ったんだが。すまなかった」
タクがオレの脇腹から胸にかけてゆっくり往復しながら、ゆっくり撫でて揉んで、肌を撫でてくれる。胸の辺りに来ると、尖ってる乳首の先っぽを指が掠っていく。
プリっと触られる度に身体が跳ねて、吐息が漏れる。
「オレ、浮かれてて…張り切っちゃってた」
後ろのタクの身体がしっくりとオレを抱き込んでくれる。肩や首に吸い付いてくる。
チュッチュと触れる唇が気持ちいい。
時々チリっとする。マーキングされてる刺激もうっとりしてしまう。
下でゴリゴリ刺激してくる雄も早く挿れたくなっちゃう。
ちゃんと聞いてなかった話はして謝った。
タクも謝ってくれた。
なので、結果オーライだったお話はコレで終わり。
オレ怒られる事なく済んでラッキーです。
だからぁ~。
「タクぅ~、頑張ったオレにご褒美ちょうだい」
な~んて図々しい事も言っちゃう。
「いいよ。何がいい?」
そりゃあ、アンタのナニで気持ち良くして下さいよ。なんて思ったんだけど、タクもよしよししてあげたい。
みーちゃんとミケオの仲睦まじい姿が思い浮かんだ。
「コレ、今挿れて。ずーっとオレの中に挿れて、タクも気持ち良くなって?」
オレの耳を唇で食んで、舐めていたのがぴたっと止まった。
乳首を弄んでた指も。
「俺をずっと中でも抱きしめたいとか?」
「よくお分かりで。さすがオレの相棒さま」
ピクピクしちゃう身体を捩って、タクと目を合わせる。
優しく笑う目の奥で閃く欲情の色。
「じゃあ、遠慮なく抱いてもらいましょうかね」
既に後ろの肉が咥え込みたくてクパクパと蠢いてるのがバレてしまいそうで、タクの指が触れる前に自ら尻肉を掴んで開き、ガチガチに屹立した逸物に擦りつけた。
ちゃぷちゃぷと湯が揺れる。
「オレが挿れて上げるぅうん…」
ムードたっぷりに艶っぽい声音で、オレが言い終わる前に、窄まりに切っ先が当てがわれ、ちゅぷっと先っぽが刺さっていた。
非難がましく睨みつけてやろうとしたら、大きなタクの手がオレの腰を鷲掴んで一気に穿った。
「ひゃぁあんッ! んふ…ぅふん、はぁぁん…」
腹の中でヒクンヒクンと波打っているタクの逸物。
わんこの彼のナニは長くて、余裕で結腸も通り過ぎてしまう。
太さもしっかりあって、かなりの質量が腹の中を占拠してくれてる。
「声かけぐらいはして?」
馴染んだところで、ちょっと文句。
「気持ち良かっただろ? ご褒美」
湯船に白いモノが漂ってる。
出てしまった。
はい、はっきり言って、ギュンと絶頂に突き上げられて気持ち良かったです。
目の前に星が散ったよ。
衝撃後のじぃぃんとした余韻がイイ…。
脳天まで快感の電気で痺れた。
「最高……」
タクを緩く腰を回して、中をひと掻き混ぜしてくれて、オレはポロリと言葉が転がり出た。
そこから、湯船でチャプチャプと揺れて背面座位を楽しんだのち、オレはタクに軽く持ち上げられて、ズルズルと肉筒をみっちり占めていた竿を入って来た時と同じ速度で抜き去った。
カリが肉壁をブリブリと抉り、オレはカクカクと腰が身体が揺れて、硬直してイった。
ぴちゃぴちゃと白濁が散った。
ハァハァと胸が激しく上下。
さっき後ろから緩く口づけしていた唇が近づいてくる。下のタクの顔が近づいてるのではなくて、自分が下ろされていた。
いつの間にかくるりと対面になっていた。
タクの唇を食んで、肩の筋肉を掌全体で撫でて感じる。
舌を絡めて、腕を絡めて、タクに全てを委ねる。
タクの手は背に周り抱き寄せてくれ、更に下へ身体を下ろしていき、脚を大きく開き彼が出てていって寂しくなってる肉筒に迎え入れていく。
ズブズブと存在を分からせるように、オレの自重に任せるようなゆっくりとした速度で挿れ込まれ、トンと結腸に亀頭が接触したと同時に軽くイった。白濁は漏らさなかったが、腸壁がウネるような蠢きを、タクの形を肉襞で感じる事で知った。
密着する肉筒がタクを抱きしめる。
オレもタクの身体に抱きついて、無意識に跳ねる身体を固定する。
次が来る衝撃に構える。
「いくよ…」
オレの身体が強張ってるのに気づいてるのに煽るように唇を離したタクが囁く。
「イジワルゥゥ…」
きゅんきゅんと後ろが締まってしまう。思わず言葉が滲むように出ると同時に押し込まれ突き上げられる。
「はぅッ……んはぁぁあん…」
浴室に反響する甘い声。
結腸口を抜けて奥へ突き刺さる亀頭。
背が反り返って彼を受け入れる。
脚が彼の腰に絡まりホールド。
結合部を支点に身体が倒れる。
湯船に沈まなかったのは、タクが抱きしめていてくれたから。
ドクドクと腹の中で波打っている。
ザバァッと立ち上がり、浴室を出た。
バスタオルでスクワットされたりして水気を拭く。
立たれただけでも腹に中が掻き回されてるのに、普段の何気ない動きと言うか、思いもよらない動きで、ビクビクとイきっぱなしで、目の前で星がチカチカしてる。
ベッドまでの動きがドチュドチュと突き上げられる。
歩くのってこんなに揺れるの?!
タク…ワザと色々してる。きっとそうだぁぁぁああああん…んぅんん。
オレはこの波を起こしてるヌシにしがみついて耐える。
イき続けて、辛くなってくる…。
「到着ぅ~」
楽しげなタクの声。
「タクさん、気持ちいいかぁぁん?」
「ああ、とっても」
「そりゃあん、よかったぁぁん…ッ」
ベッドにドスっと腰掛けるのも奥に先っぽがクニクニと刺さり撫でてくる。
オレはそれを隙間なくみっちり広げられてる肉壁で包み抱きしめる。
「タクゥゥ、好きだぁぁあん」
自らも腰を揺らせて、うっとりと囁く。
それからベッドの上で緩く、激しく抽送されて、肢体を揺らされ、何度も絶頂に押し上げられた。
ずっぷり後ろから深く刺さり、縁肉がググッと広げられた。
ぼやける意識の中、ここから始まる幸せの時間にタクの胸に頭を擦り付けた。
頬を大きな手が撫でてくれた。
その手に頬を擦り付け、鼻を押し当てて匂いを嗅ぐ。
腹の奥に熱い滾りを感じる。
広がる熱を感じながら、腹に手を当てる。
ああ、タクが入ってくる…。
その手にタクの手が重なる。
横向きに横たわって、タクに包まれる。
幸せに包まれていた。
==========
うひゃぁ~、終わりましたぁ。。。
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