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夜に霞む
【1】 ※
しおりを挟む思いつきで書き出したら、ずんずん筆が進んでしまった。いつもなら、ポイッとするんですが、なんか勿体無いと思ってしまって、投稿。
よろしくお願いします。
===========
「お兄さんいい匂いがする」
ワイングラス片手に、首筋に鼻を寄せる。
「キミは犬みたいに」
ロックグラスの氷が擦りあって音を奏でる。
「ちょっと失礼」
唇を合わせて、割れ目に舌を這わせる。
軽く吸って、離れようとしたら、頭に手が添えられ、舌が捩じ込まれた。
あちゃー、ちょっと味的にイマイチだったんだけどなぁ……。
舌を絡ませてくるままに任せていた。この動きはイイね。
チュッと密かなリップ音と共に解放された。
ちょっと息が上がってしまった。
肩の手がちょっと力が掛かり胸に抱き寄せられる。
ぽやんとした陽だまりみたいな胸だった。
オレ、陽だまりなんて、忘れたけど。ホッとする感じってそう言うもんだろ?
上目遣いに男を見上げる。
「おじさんをその気にさせると、後が怖いよ?」
「どう怖いの? オレ気になって寝れない」
「ーーー行く? 眠らなくて済む事しようか?」
「どうしようっかなぁ」
胸に擦り寄りながら、視線を下に向ける。
ちょっと兆してるな。まずまずのサイズかな? 香りは良。味は可。キスのテクニックは優。相性は……チェックしてみるか…?
そこそこ腹も懐も減ってるから、補給させて貰うかな。
「コレ基本ね」
こっそり片手を広げる。
「なんだ、ウリか」
「なんだったら良かったの?」
「出会いを求めてました」
戯けて笑う顔に心臓が跳ねた。
あ! オレ心臓なかったんだった。えへへ。
あれは大事なモノだから、ちゃんと仕舞ってる。
「出会いには違わないけど? で、どうする? オレはその気になったよ」
オレの分も払ってくれた。金払いの良さそうなのを捕まえたみたいだ。
店を出た。
ホテルに直行。
扉が閉まった途端襲われてます。
えー、野獣?
外見紳士だったじゃん。
キス、めっちゃイイけど、けど…マジ、めっちゃイイ!
「ウリだったら、すぐして大丈夫だよな」
あら、乱暴。キュンとしちゃう。
「いつでもイイよ。あ、ローション使った方がお兄さんの為だと思うよ。それとも、そっちの方が好み?」
擦れて痛いからね。血だらけになっちゃうかも。キャッ! 期待しちゃう。
「ゴムもするつもりだが。お前どんなプレイしてきたんだ?」
「ゴムなんて野暮なことしなくてイイよ。中に出して。中出しは別料金じゃないから。出してくれないとイけないんだ」
せっせと上着を脱がせて、そばのソファに投げ飛ばし、ネクタイを外して、Yシャツを脱がしに掛かっていた。
「口に出すのでもいいけど、それは追加ね。出されると、臭いが気になって、楽しめないから」
「禁止とか追加の注意事項とか訊いておいた方がいい気がしてきた」
オレのキャップとスタジャンを脱がす。
自分の上着の方へポイっと投げた。
ベッドに腰掛け待ってる。オレに脱がせて貰うらしい。
「禁止か…、ほぼ無いね。プレイは殺される以外ならなんでもOK。そして、朝までは居ない。追加は、フェラ系。口はさっきも言ったけど、臭いが気になる。そのあとエッチな事したくなくなるからさ。でも、お客さんがさ、したいらしいから付き合うので、追加料金。以上!」
Yシャツを脱がせて、ベルトを外してトランクス一枚にしました。
自分の服に手をかけて、パパッと脱いだ。
ピッタリとしたボクサーパンツに手を掛けて、視線をお兄さんに向ける。
「脱がせる?」
手が上がって、『おいで』と広げた。
うふふ…
可愛いお兄さんだね。
ポンと飛び込む。小柄なオレはすっぽり大柄なお兄さんに包まれた。
「あ、そうそう。病気は大丈夫。検査もしてるよ。お客さんがゴムしたいんなら、それでもいいよぉ」
オレは病気とは無縁。精液の相性チェックは出たモノで、セルフで中に入れてテストできるから、別にどっちでもいい。
「死なない程度なら何をしてもイイって事か?」
「そうだよ。お兄さんは何がしたい?」
顎の手を当てて暫く考えてた。手を離して、ニヤッと笑う。
「突っ込んで、止めてって泣くまでヤりたいなぁ。と言う事で、」
ポイっとベッドの中央に放り投げられた。
「始めようか」
ボスンと丸くなって着地した上に、影が出来る。
ちょ、ちょっと、ほんのちょっと心配になってきた。
ローションはたっぷり使って、めちゃくちゃ解されてる。もうトロントロンです。キスされながら、指が後孔をズボズボ出入りしてます。
もう挿れてぇぇぇ。相性チェックどころではない。
「何か言う事ある?」
唇が離れて、糸が繋がってる。切れるのをぼんやり見て、腰を揺らしていた。
「にゃにぃ?」
「何して欲しい?」
「挿りぇてほしゅぃ」
ジュボジュボ何本指入ってるの? 拳入れてないよね? もう音が凄い事になってる。
「イイよ。自分で挿れる?」
じゅぼっと後ろから抜くと、枕を積んだのを背もたれにして、血管の浮いたグロい逸物を晒す。
想像以上なサイズだった。太いくて、大きいし、色も黒っぽい。使い込んでる。
筋肉質な身体。腹筋もしっかり割れてる。
二の腕にタトゥー。
ヤバイ人だった?
四つん這いで彼に近づき、逞ましい腹を跨ぎ、逸物を後ろ手に握る。
逸る気持ちとは裏腹に、動きは緩慢で、焦らしてると思われるだろうか。
彼を見遣れば、ニヤニヤ顔でオレを見てる。
目を見たまま、逸物をローションが垂れ出る後孔に当てる。
抵抗なく、ズルんと這入っていく。
カリ首が肉輪を広げてズプンと挿入った。
逸物から手を離すと、彼の形のいい肩に手をついて、ゆっくり腰を落とし、咥え込んでいく。
肉襞を擦りながら、肉棒が埋まっていく。
もう入らないってところまできた。
止まって馴染むのを待つ。
「まだ全部入ってないですよぉ~」
えっ? マジ…? 大きかったけど……。
後ろに手を伸ばし、結合してるところを触って、竿を伝う。竿に触れます。結合部から伸びる竿。辿れば根元までまだ距離がある。
結穴を意識して広げるようにして、腰を下ろす。腹の中をグルっと突いてくる。思わず、薄い腹を撫でた。
「はぁぁ……」
掌に逸物の先端が感じられる。奥まで侵ってる。
「手伝おうかぁ?」
楽しそうな声。
返事を待たずに腰に手が掛かる。
両手で鷲掴むと、一気に引き落とした。
「あはぁあああん!」
ズクンとありえないところまで侵った気がする。
尻に下生えを感じる。
背筋を孔から脳天まで突き抜ける電撃が駆け上がる。
腰から下の感覚が一気に無くなって、一気にゾクゾクとした何かが全身を襲ってきた。
「あう、あ、あ、うぅぅんん…」
顎が上がって、腰が揺れる。
腰を掴む腕を掴むと、自ら前後に腰を揺らし、肚の中を肉棒で掻き回す。
「あ、あぅ、こりぇ……、にゃにぃ? はぁぁん……」
「奥の奥。いいところだよ。気に入った?」
「ぃい、ねぇ…あはん、あぅ、ぃぃ、ぃい!」
「そりゃ、良かった。じゃあ、こっちから動いていい?」
もう頭もトロントロンで、カクカク頷いた。
ズルンと引き上げられて、肉棒が抜けかける。
あ、待ってと肉筒を絞めると、腰の手が緩んだ。
ズブン! 落ちたッぁぁぁ!
「ああああああっ!」
ズル……ズブン……ズル……
口を開けて、天を仰ぎ、「うぎゃん!」「あぎゅ!」と言葉にならない叫びのような喘ぎが、衝撃と一緒に出てくる。上げて、落とされ、肚の奥をいいように抉り突き上げられる。衝撃の快感が何度も突き抜ける。
男は、楽しそうに嗤ってる。
声も立てて、時々「ホラっ」「ヨッと」と掛け声のようなのを発してる。
肚の奥が熱を持つように、溶けてきた頃、横倒しになって、上から肉杭が打ち込まれ、ナカを縦横無尽に掻き回して、打ち込まれる。
オレは声もなく喘ぎ続けて、口の端から涎を垂れ流して、溶けてた。
揺すられながら、乳首を引っ掻かれる。
「ぎゃうぅぅんん……」
プルプルと震えながら、身を捩って、加虐から逃れそうとして、抉り込まれる肉棒を違うところに当たって、快感にまた身を捩って、グネグネと悦がって勝手に身体が動く。
引っ掻き続け、動きが鈍くなると、乳首を摘み捻じられる。
きゅううっと孔が、筒が絞まる。
口が開くだけで、声も無く喘いだ。
ズクンズクンと打ち込まれ、ズルズルンと引き抜かれて、勢いをつけて更に奥にと打ち込まれて、熱い粘液を大量にぶっ掛けれた。
クイクイと吐露したモノを押し込まれてる。
最後の一滴まで出し切るつもりだろう。
熱を奥で感じて、検分。
優に近い良。
コレは、本体の方の味は良は確定だな。もしかすると、優かも。
楽しみだ。
ズルっと抜いて、うつ伏せにされると、ズブンと突っ込まれた。
「はぁぁぅぅん……」
後ろからぁ?
「まだまだいけるよな!」
浅くゴリゴリ、肉棒で擦られ、もっと奥にと熱が上がって、尻が上がる。
「ノリがいいなぁ。俺の専属ってダメ?」
ズブンと突っ込んでくれて、奥の精液を掻き混ぜる。
「味ぃ、みちぇ、かりゃぁぁぁ」
考えなしに本心を吐露する。
オレの自身も吐露してた。
「何て?」
ゴリゴリとナカを出入りして、絶頂がくる。
「し、絞めるなッ」
ビクンビクンと脈動して、オレの奥を刺激する。
射精してぇぇぇ……
ブジュンと壁に衝撃。
ああ、きたぁぁ……
うっとり腹を撫でる。コレは美味しい。
「お前な」
乱暴に引き抜かれて、表に返される。
首に手がかかった。
絞められる。
うぐぅぅ……
舌が突き出て、空気を求める。なんで?!
後孔からジュブジュブと白濁が垂れ流れている。
首の圧迫が緩んだ。
ハヒュッ!
息を吸い込む。
ケホッ、ゲホ、ゲボ……!
首を摩りながら、呼吸を整えて、男を見ると、やっちまったと苦々しい顔だ。
両手を広げて誘う。
引っ掻き傷が胸を中心に散って精液でドロドロの身体。首に首輪のような痕がくっきり。
苦笑いの顔が近づいてくる。
じっと目を見る。いい子…。でも、コレは良くないね。
奥の奥。更に奥を見る。
オレが腕を回した頃には、ぼうっと視線が遠くなっていた。
頭を撫でてやる。
ちょっとおいたが過ぎるお客さんだった。
「いただきまーす」カプッと首筋に噛み付く。
つぷりと歯が肉を裂いて刺さっていく。
奥まで差し込むと、歯根まで浸す脈動を感じる。
一旦、抜くと吸い付いて、喉を潤す。
極上とは行かないまでも、上等な味。
性的に昂まって芳醇に仕上がった。この苦味は失敗の味。最後が不味ったか。
まだまだ先を感じさせる味だ。
もう少し、もう少しとダラダラと吸ってしまいそうになって、慌てて、引き離す。
もう血は滲むだけで、傷は塞がってる。
ひと舐めして、完全に復元して、横たえる。
仲間にする手前まで飲んでしまった気がする。コレは癖になる味だ。
ちょっと青み掛かった頬をひと撫でして、浴室に向かった。
すっかり洗って、湯船でゆったりしてると、ふらふらの男が入ってきた。
驚いた。朝までぐっすりだと思ったのに。
「何をした?」
「何も?」
「あんた、寝ちゃったから。オレ帰るわ」
身体を洗ってる。
ブツブツ言ってる。
自分が途中で寝てしまった事に、納得がいかないらしい。
「首絞めて悪かった」
湯船に並んで座って、呟くように謝罪。
「危なかったねぇ。でも、大丈夫だから」
痕も消えた首を晒す。
引っ掻き傷も薄っすらだ。
血がしっくり身体に馴染んで修復してくれる。満腹。当分大丈夫だ。
抱き寄せられ、膝の上。後ろから抱っこされた。
「また会ってくれないか?」
「どうしようかなぁ」
流石に身体がだるいのだろう。突っ込んで来るまではして来ない。頭もあまり働いてないようだ。好都合。
首をぽりぽり掻いてる。傷跡が無いのを確認。また喉を潤したい…。
「十日…もう少し? そうだ。次の満月に会おうか?」提案してみる。回復させないと潰してしまう。
小さく「なんだそれ」と呟いてる。
「分かった。あの店で待ってる」
身体を弄ってくる。
脅威の回復力。いいねぇ……。
今日は新月。次の満月でどれ程回復してるか。
身体を捻ると、唇を合わせた。
いつの間にか正面で彼を跨いで、舌を絡ませて、口付けを堪能していた。
そろそろ帰らないと。
ジュパっと唇を離す。
キリがない。
「ーーー楽しみにしてる」
============
初の吸血鬼モノ(^◇^;)
反応が怖い。でも、知りたい。
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