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恋の奮闘

終】回り回ってッ!(下) 微※

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 なんだか変な事になってしまいました。
 全部変な事なんですけど…。
 脚がスースーします。

 小袋のスナック菓子を摘みながら、ジュースのコップに突っ込んだストローをくぴくぴしてたら、サクがやってきました。遅いです。
 うむぅ~、あのドア使えたようです。

「ありゃりゃ~。大変な事になったねぇ」

「サク、帰りたい」

「帰りますよぉ~」

 なんだか変な顔してる。何か企んでそうな嫌な顔なんですけど。ここの人たちよりマシだと思いたい。

「ペナルティは課すね。暫く紹介はナシ。あと、アイツ怖いよ~」

「えー、口添えしてよ」

「自業自得」

 ボクはお口を拭いて、紙袋を手にサクの近くに。結局服はそのまま。適当なのがなかったそうです。その代わりこの服は返却しなくて良いそうです。
 あーあ、二人っきりって嫌です。

「可愛い」
 腰を抱き寄せきて、添えられてる手がホント嫌です。周りのスタッフさん達がジロジロ見てくるからもっと嫌です。離して下さい。

 サクの車で二人。気まずい。ボクは自然消滅で二人とも縁が切れると思ってたのに…。

「変な事考えてる顔だ。本当に災難だったね」

「…ボクが考えるに、サクが原因な気がします」

 黙ってるつもりだったけど、ひと言言ってやりたくなった。言ってやったゾッ。フンッ!

「あはッ、タッくん怒ってるぅ~。ふ~ん、餌付けされてると思ったら…」

 鼻歌の上機嫌で運転してる。
 コレは何か企んでるヤツです。嫌だ~。慣れない事をするんじゃなかった。大人しく送って貰えば良かった。

「ダグぅ~。かわい子ちゃんが可愛い事になってるよぉ~」

 ベッドの上で座らせて、ポージングを要求されたが、拒否した。睨みつけた顔で撮られましたよ。

 ダグに送信されたらしい。
 またダグさんに迷惑かけちゃった。
 この格好で逃げるに逃げれなかった。情けない。
 今だって、スカートの裾が気になって結局変な格好になっちゃう。

 ふわふわのファーがついた手錠をされました。なんですか、コレ?

「さて、ごゆっくり」
 サクが手をひらひらさせながら出ていく。

 手錠をぼんやり見てた。
 カチャカチャ…
 外れませんね。
 困りました。

 ここにダグが来る。撮影場所がボクの部屋だってすぐに分かるはずだ。
 サクは何を考えてるんだ。プンプン。

 そして、今、ピンチです。
 トイレ…。ジュース飲み過ぎたッ!

 トイレ前で、手錠と格闘しながら、このぴっちりパンツをどうしようかと尿意と闘いながら太ももを擦り合わせていた。
 も、漏れる……。

 ダグが来ちゃう。
 漏らす危機も来ちゃう。

 嗚呼、どうしようぉぉおおお。

 モジモジと悶えてたら、肩が益々露わになって、着乱れて…。脱げなくて…。泣きそう…。

 ドンとドアが開いた衝撃に顔がそっち向いたら、頬に涙が流れた。
 玄関にダグが立ってる。

「誰にヤられたッ!」怒気を含んだ声。

「え、誰って…」
 あれ? 誰? 誰にやられて…。ヤられてはないんですが、着せられたというより自分で着たし。なんか撮影されたりしたけど、ダグの言う『やられた』になるのでしょうか。
 あっ、この手錠なら、サクにやられました。

 でも、それよりトイレッ!

「それより、「それよりってなんだ?!」
 ダグがめっちゃ怒って、言葉を遮って上がってきて、ボクの肩を掴んだ。
 あうぅううう、ちびるッ。揺らさないでぇぇええ、出ちゃぅぅうううッ。お漏らしは、いやぁぁぁぁ~。

「おしっこッ!」

 何十年ぶりの叫び。泣きたい。泣いてるけど。

「はぁ? は? あぁあ!」

 思いっきりスカートを捲り上げられ、ちょっと沁みを作ってるパンツを確認されて、開き掛けてるトイレのドアを思いっきり開けて、パンツを、下された。

 あぎゃぁぁあああああ!!!!!!

 ギリ、ちびっただけで、お漏らしは回避された。されたが…。

 ノーパン状態でトイレ前に立ってます。沁みがついて汚れたから脱がしてくれたんだけど。スカートでお尻は隠されてるけど。隠れてる? 短過ぎて隠れてる気がしない。
 片側の肩から胸までが見えるまで上はヨレてるし。

 手錠したまま両手で顔を覆って泣いております。もう情けないやらなんやらで…。
 ダグがオロオロしてるのが分かるけど、涙が止まらない。

 ノーパンのボクを慰めようとしてるけど、こんな事をした相手を聞きたがってて。ボクは何から話していいか分からなくなって…。

「出てって…。ボクは、ダグさんに、迷惑かけれない」

「掛けてくれて構わん」

 ぐずぐず言ってるボクとは裏腹にきっぱりサッパリ言い切るダグさん。男らしいです。

「こんなの、友だちの域、ぐすっ…超えてる」

「あ、超え…。あー、そうだな…。あー、」

 急に歯切れが悪い。変な感じのダグさんを不思議に思って、覆ってた手をずらしてダグさんを見た。無精髭のダグさん。スエット…。レアダグさんです。短髪をワシワシしてる。困ってる。

 手の甲で涙を拭いながら、そんなダグさんを見てたら、ほんわかしてきた。ボクはノーパン女装だけど。

「ダグさん、ボク、好きだけど、もう諦める。ボインのお姉さんと一緒になって」

 ニッコリして言えた。貧相な胸で、格好も涙の顔も最悪ですけど。セリフはバッチリです。

「は? 諦め? お姉さん?」

「うん。お別れ。自然消滅しようと思ったけど、ちゃんとお別れ宣言」

 思いっきり抱きしめられてしまいました。どうして?

「俺は別れない。そばに居ろ。危なっかしい」

「今回はちょっとヘマしたけど、次回があれば大丈夫」心配してくれてる。申し訳ないです。

「バカか。好きなヤツを危険に晒せる訳ないだろ。そばに居ろ。なんなら一緒に住もう」

 混乱です。
『好きなヤツ』ってボクですか?
 ボクなんですか?
 友だちですよね?
 友だち的ですか?
 友だちって言ったじゃん。

「友だちって言ったじゃんッ」
 ボクは、口説いてましたけど、ずっと色っぽい感じにならなかったじゃん!

「ぅぐーーーーーーッ」唸るダグ。なんか言いやがれ。

 ダグの腕の中で、ひとりプンプンしてたら、ダグが絞り出すような声で喋り始めた。

「お前も気づけよ」
「え?」
「どんだけ俺が耐えてるって思ってんだ…」
 ぎゅっと更に抱きつかれて……。
 えーと……硬いっすね…。

 めっちゃダグの大きなアレが、スエットの布では抑えられなくて、突き刺さるようにボクに押し付けられてます。

「分かるだろ?」

 ボクも意地です。何が意地か分からないですが、意地です。

「手は貸してあげますよ、お友だちですから」

 いつかのお言葉をお返しします。
 ボクはたった一言を言って欲しかったんです。
 諦めましたけどね。望みがあるなら、どさくさに紛れた『好きなヤツ』では納得がいきません。
 頬は緩んできてますけど、見られないので大丈夫です。

「お前は…。いいか、一回しか言わねぇから」
 さすがダグさん、お察しがいい!

「好きだ。お前が好きだ。人間的にも。性的にも。好きだ。大好きだ。恋人になろう」

 おぉおおおお!
『好き』のオンパレード! 脳内にラッパが鳴り響く。
 何が一度ですか!
 めっちゃ聞いてしまいましたよ。恋人って、もう!グッサリ刺して来ましたね。このまま昇天しそうです。

 にへにへしてるボクは、抱きつきたくても手錠が邪魔ですが、ダグにぎゅーぎゅーに抱きつかれて身動きが取れないので、只々、ニマニマ笑ってました。

「気色悪い顔だなぁ~」と言われ、大きな掌で涙の跡を撫でられながら、顔を見られてるのも気づかない程に舞い上がってました。優しく笑うダグが視界を占めてます。

「ダグ、好きです」

「分かってる」

 無精髭のレアダグのお顔が近づいてきます。
 分厚い唇がぶっちゅり合わさって、唇だけが合わさってるだけのキス。最高に素敵です。

 ボクの勃たなくなってたちんぽがムクっと反応してます。わぁおッ。思わず、前を押さえてしまいました。手錠のファーが存在感ありありです。

「手を貸そうか?」
 クマさんのおめめにいたずらっ子の光りが。
「ぜひッ」
 抱きつけませんが体当たりです。
 伸び上がって、もう一度キス。何度も何度もキスキス、キスッ!





============


最後にエチエチを書こうかとは思ったのですが、ここがいいかなぁと。(力尽きたところもある( ̄▽ ̄;)

後日、ちょち不穏なエッチを書くかもなのですが、未定です。書き始めてみましたが、形になるかどうか…( ̄▽ ̄;)

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