その温もりで抱きしめて。【時々番外投稿〜♡】

アキノナツ

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恋の奮闘

2】お友だちからッ!(前)

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 誰か助言を下さい。
 でも、誰にお願いを???

 ボク、友だちという感じの人いないです。
 サークルとかの人たちは違う気がします。
 同じ学部や学科の人も違い気がします。

 誰にもオープンにしてないボクです。恋人とかセンシティブな事を訊ける関係性ではないです。誰ともです…。
 困りました。

「分っかんねぇ~ッ」
「分かんねぇ事は、センセーに訊けや」
 楽しそうな、とっても気になる会話をしてるグループがいます。

 センセイ?
 教授?
 どの教授?

 スマホを取り出して、ポチポチしてます。

「ほら、載ってるだろ?」
「ちゃんとウラ取れよ」
「当たり前じゃん。参考参考~」

 スマホ?
 ああ! ネットですね。
 頭にあのコミュニティを思い浮かべていました。確かあそこにそういう感じの掲示板がありました。質問してるのが幾つもあった気がします。

 そうか、みんなこういう状態を打破する為に質問してるんですね。
 ダグさんの言う通りです。周りを見てたら分かってきますねッ!

 図書館棟に向かいます。
 次の講義までまだ時間があります。パソコンに履歴が残ってたはず。
 ボクは勉強以外は頭に残さないようにしてます。あまりキャパのない頭ですので。履歴からあのサイトに行って、質問を書き込むとしましょう。
 要は、やり方や調べ方が分かればいいのです。
 落ち着いてパソコンを触れる場所へ。

『好きな人に告白したのですが、メッセージアプリでブロックされました。どうしたらいいですか?』

 夜にはお返事来てるかなぁ~。

 るんるんでノートパソコンを閉じ、リュックにしまう。
 ベルトのカラナビについたアナログの時計を見る。講義室に急ごう。




 勢いで書き込んだはいいんですが。いいのかなぁ…。帰宅してから怖くなってきました。
 何か良からぬ事が書かれてたらどうしよう。今日は急ぎの課題もないし、復習とかはさっきご飯しながら済ませ、時間が出来てしまいました。出来てしまいましたのです。

 お風呂も済ませて、寝る段になって、ノートパソコンの画面と睨めっこ。
 寝てしまおうかな。でも、ダグさんにブロックされてる今はメッセージが届かないです。
 ボクの想いは伝えたいッ。

 ああ、なんとかしたい。このままだとダグとの繋がりが切れてしまう。自然消滅が目前ッ!

 見ないと解決しない…。

 ええィィいいい!
 ガシッとマウスを掴む。ススーッとカーソルを合わせ、震える指でノック。
 サイトが表示される。ポチッ…掲示板。
 自分の質問…。お返事いっぱい…。

『リア充? アオってる?』
『次行け』
『嫌われてんだろ。諦めろ』
 ……
 やっぱり否定的。へこたれそうになりながら、返信の返信まで読んでいく。なんだかよく分からない事もたくさん書かれてますが、理解出来ないのはスルーします。ボクに性的なお誘いのあるのもスルーです。もう、お腹いっぱいで要りません。断固お断りです。

 スルーは、以前何かでそう習いました。
 ネットの嫌な感じのとか暗いのは、流すのです。受けたらダメです。

 でも、凹む…。理解出来る書き込みは、どれも泣きそう…。スルーです…。

『会いに行けばいいじゃん』

 ん?
 あー、そっかぁ。会いに行けばいいんだ。なんで思いつかなかったんだろう。

 今までは会いたいと送信すれば、いつどこそこで会おうって返信があってからだったから、自ら進んで動く事なかった。なんという盲点。掲示板さんありがとう。
 そうだよ。ダグのお家は知ってるんだから、会いに行けばいいのですッ!

『ありがとうございます!』
 質問を閉じた。



 ピンポーン。。。

 呼び鈴をプッシュ。
 休日はきっといると思ってやってきた。近所で美味しいと言われてるパン屋さんでクロワッサンをいっぱい買ってきた。
 おやつにも出来るし、朝ごはんまだだったら、これをきっかけに上がり込んでやる。

 ーーーー出てこないね…。

 返事がないです。いない?

 ピンポーン。。。

 もう一回。
 レンズ付いてるし、見られてる?
 レンズ見ながら首を傾げてしまった。
 困ったな~。困ったね~。どうしようかな~。

 ドスドスと微かに音が聞こえてドアが開いた。居たぁぁああああ!
 ふふーんッ、ドアが開いたら、入り込んで!
 隙間?! 狭いッ!
 チェーンロックされてるぅぅっっっっ!

「ダグさん、渡したいのがあるから、開けてッ」

「可愛い事してないで、帰れッ」

 隙間から声掛け。手を突っ込むッ。押し返そうとするのを必死に袖を捕まえる。

 可愛い事?
 ボク、可愛い?
 そういえば、お二人から可愛いと何度も言われてました。ダグさんも言ってました。
 ボクは『可愛い』らしいです。
 では、可愛いを推しましょう。そうしましょうッ!

「可愛いボクのお願いですよ。開けて下さいよぉ~」



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