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ナニをさせるのさ?!

4-下.それでも好き。 微※

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「もっとケアをしっかりすべきだった。全部受け入れてくれるのが嬉しかったんだ…浮かれてた。初めから掛け違って…。傷つけてしまったごめん」

「初めから?」

 何を言ってるんだ?

「そう。君にとって俺はどこまで行っても無理やり押さえつけて襲った男であって、恐ろしい存在でしかなかったんだ…」

 背中を撫でられてる手は何処までも優しい。この手を恐ろしいなんて、思えない…。

「……強姦は確かに、恐ろしかったけど…。うふふ…」

 なんだか問題点が浮き上がってきて、笑えてきた。泣き笑い。

「何を笑ってるの? さっき過呼吸起こしたんだよ? 俺見て殴ってきたんだ。怖いんだろ? プレイも辛いんだろ?」

「確かに、怖くて、辛かったかも。でも、お前が好きな事は揺るがない。好きだもん。意地じゃないよ。本当に好き」

 両頬をまだ痺れてる手で優しく包んで引き寄せた。少ししか力を掛けてないのに、オレの意を汲んで動いてくれる。

 寄ってきた唇にそっと唇を寄せるだけの口づけ。

「多分、オレは、支配される感じのが好きな気がする。束縛されるのも好きだと思う。でも、こんなプレイ?初めてで、どうしていいか分かんないんだ」

 正直な今の気持ちを言ってみた。

「…順調過ぎて…、飛ばし過ぎた。入社式で見かけてからずっと狙ってたんだ。同じチームに配属された時は、どうやって近づこうかとずっと考えてた。色々考えてしまって、上手く話せなくて…。あんな事しちゃったのに、受け入れてもらって、有頂天になってた」

 初めて知った。彼もあの時オレを見つけてくれてたのか。嬉しい。

「うふふ…やっぱ、オレたちって似た者同士かも。解決策があります。その前にお腹空いてきたので、連れて行ってくれる?」

 何もかもが、繋がっていく様だった。気分が少しスッキリしてきた。
 多分、強姦は彼が言うようにトラウマのようになっていたかもしれない。
 そして、掛け違えた状態はそうなんだと思う。
 オレは無意識に彼に支配してもらって、それを欲して動いていた。それが彼を助長させて、オレはついていけなくなってしまったんだろう。

 彼の作ってくれた雑炊を食べて、熱冷ましを飲む。
 この熱は、疲れからだろうと思う。精神的なものが大きいんだろう。

「最初に言ったようにオレは、仕事とプライベートは分ける主義なんだ。このところ、結構爛れたプライベートだったよ」

 食後のお茶を飲みながら、目の前の男を前に話してみた。

「そうだったかも…楽しくて…」

 正直な事を言ってくれる。大型犬みたいでかわいい。

「もっと軽いのからゆっくりしていこう? それから話をしようよ。互いを知らなさ過ぎる。東が知ってるオレは、仕事モードのオレだけだろ?」

 湯呑みを置いた。

「ああ、もっとセーブする。仕事…確かに、そうかも…。」

「行き違いがあるなら、言葉で伝え合おうよ」

「許してくれる?」

「許すも何も、頭では受け入れてるつもりでいたんだ。オレも東と付き合える事が、両想いだった事が嬉しくって…有頂天になってた。そういう事さ」

 彼のそばに歩みより抱きしめた。

「これからもよろしく。オレのご主人さま」

「…ありがとう。大切にする」

 立ち上がる彼はやっぱり逞しくて、彼に抱きしめられるのは、気持ち良くて、安心する。
 今は、更にしっくりくる。

「ところで、なんでココにいるの?」

「朝から君の様子が可愛くって、襲ってしまいそうで。自分を抑えられるか、自信がなくて、気持ちの整理をつけたくて…結果として逃げ回ってて…」

 通りで捕まらない訳だ。

 会社で襲われちゃうのか…。ちょっと興奮してしまう自分がいた。困った。線引きッ。

「よし、会おうと思ったら帰ったって聞いて。暫く休むって。体調悪そうで心配とかみんな言ってて…。俺も早退した」

 へ?

「大丈夫。ココに向かってるとは思われてない」

 コイツの事だから大丈夫だと思うけど。

「でも、来てよかった。来てなかったら…。身体が冷え切ってて、低体温とかみたいになってて、温めるのに裸で抱いてたら、暴れ出して…。 茉広まひろをギリギリまで追い詰めてたんだと思い知った」

 冷え切って? あー、水のシャワー浴びてた気がする。命が不味い感じだった?

「命の恩人だ」

 正直に思った事を伝える。お礼は言いたい時に。

「命を危険に晒したのは俺なんですけど…」

「いいの。恩人さんなのだ」

 伝えるのは難しいかもしれないが、努力したい。だって、彼を知りたいもの。オレを知って欲しいもの。

「尽くさせていただきます」

 オレたちは似た者同士。互いがご主人さまなのかもしれない。
 基本は彼が支配者。それがオレたちのカタチ。これも互いを知っていけば、徐々に変わっていくかもしれない。

「では、今度デートをしよう?」

「デート?」

 ベッドに誘導してる彼に甘えながら言ってみた。

「そう。お買い物したり、映画行ったり、遠出をしてみたり、ね?」

 ベッド以外でも互いを知りたい。

「いいね。趣味の話したりしよう」

 猫のように彼に身体を擦り寄せる。彼が頭を撫でてくれる。

「でも、今は、ベッドで抱いてて欲しい。オレが眠るまで…」

「いいよ」

 パジャマを脱がしにかかってくる。オレも彼のシャツを脱がしていく。ベッドで裸で抱き合った。ゆっくりと熱を交換するように肌を密着させて抱き合った。
 安心して眠った。

 翌朝早く彼は出て行った。一旦帰って、出社するらしい。

「ココに帰ってくる。待ってて」

 可愛らしいキスをしてそんな事を言ってくれた。布団の中で悶えるしかなかった。

 やっぱり大好きッ!!!!



 週末は、我慢した分を発散するようにセックスをしてしまった。
 コックリングはそのままにしてもらった。
 ただ、出勤前に自分で嵌めてる。散々脅されてたけど、機能的にはただのコックリングらしい。剃毛もそのまま。

 朝、彼に拘束されてる気分に興奮してしまう。

 日常の中の非日常を楽しんでる。





================


取り敢えず、ここで終わり( ̄▽ ̄;)
この後の週末のエロの部分は、書きたいんですが、今は書くのが難しくて、ちょっと期間が空きます。
申し訳ないm(_ _)m(書くよ。楽しみに今をこの先をガンバって生きる!

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