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ナニをさせるのさ?!
1-中.見えてないから…。 ※
しおりを挟む不意に仏頂面の彼と目が合う時は、淫靡な匂いを感じて、心臓が不自然に跳ねる。でも、オレは、彼の為に変わっていく自分に喜びを見出していた。
洗浄に適したトイレを幾つか見つけた。
陰毛が無くなった、パイパンになった日からトイレは個室を利用している。
もし、見られた時が怖い。リングも目立ってる。陰毛で隠せないのだ。パイパンの言い訳は出来てもリングの言い訳が思いつかない…。だから、個室。
個室利用なので、ウォシュレットチェックも出来た訳だが。何が幸いするか分からないね。
金曜には、東の提示してたミッションはクリアした。
だが、早めにしたのが不味った。最後の業務は変な汗をかく事になった。
もっと大きいプラグもあるって言われた。徐々に大きくしていくって。今、オレのに嵌ってるのは、一番小さいヤツだと思う。色々怖くて未だにそちら系の調べ物はほとんど進んでない。
必要最小限。
避けてる。
自分に何されるか想像しちゃうから、怖いんだよ。東がそれをどうこうするヤツじゃないと思うけど、あの拘束具の入った箱を見てしまっては、正直逃げたくもなってた…が、今は彼が好きだという思いがまだ強い。
その辺り彼も分かってるのか、わざと手の内をチラ見せしてこちらの様子を伺いながら、ハードルを調整してる風にある。
それに、彼は日中のリングチェックは調子が良くなるみたいで、業務の進みがいい。
だから、彼の要求は譲歩できる事はしてあげるのも、サポート業務としてはいいのではないだろうかと…都合のいい思考が働いてる事がある。これは由々しき事態なので、要改善案件とも言える。切り離して考えないと…。危ない。
業務を終えて、エレベーターを待ってる。お尻にずっと嵌ってる。慣れるかと思ったが、動くと異物感が鮮明になってくる。動かないようにお尻全体で絞めてみたら、形が感じてしまって、週末で反応の良くなってる前がむっくりして来た。
痛いのは嫌だ…。視界が滲んでくる。
そっと肩に手が置かれた。匂いと足音で彼だと分かってたが、振り返れなかった。
落ち込んでる同僚を慰めてるって感じでエレベーターに乗り込む。
「軽食の食べれるクラブがあるんだけど…」
お誘いの言葉を耳に吹き込むように言わないで…。くすぐったい。笑っちゃった。
「行く?」
笑うオレを面白そうに見てる。返事が遅ければ、脇腹を擽ぐるぞと手がにぎにぎしてる。面白いな。
「行くよ」
目尻の涙を拭いながら、返事をした。
どうもプラグも角度とかあるのか、上手く嵌ってくれたようで、少しマシになった。慣れかもしれないが。
来て、少し後悔。
学生の頃行ってた音楽が流れてるダンスとかのかと思ったら、お姉ちゃんがいっぱいのところでもなかったけど、音楽も掛かってたけど、どうも性的な香りのするところでした。
奥に個室のような薄布で区切られた空間があるのが、いつかの日本料理の店みたいだけど、あの健全な隠れ家的な雰囲気は影が薄い。
あの透けて見えるあのシルエット絡んでません?
薄暗いし、音も大きいからよく分からないんだけどね。
壁のディスプレイが、ムチとかマスクとかって、これは、SMクラブですか?
オレの視線を感じて「軽い感じだよ。ノリのディスプレイ」と戯けて言っております。怪しい。
オレも甘いなぁ…。「ふーん」で流してしまったよッ。
ボーイの人と話してるなぁと思ったら、奥の部屋に案内された。入ってる後ろで布が落とされた。
音楽が満ちてて、ソファとローテーブルになんだか細々入ったカゴが乗ったワゴンがあるだけの空間。
よく分からん。
ボタン押してる。呼び出しかな?
ボーイさん来た。正解だったようです。ヨッシャ。
パスタとか頼んでる。カクテルだろうか。カタカナの名前多くてついていけないよぉ~。完全なアウェイ感。
今までがホーム的かって言われたら全然違うけどさ。完全に置いてきぼりですよ。とほほ…。
今のオレの頭は畑違いの専門用語とかで、脳みそのカタカナ枠は、ほぼいっぱいです。
誰かの助けをするこの仕事はオレには天職なのかもしれない。性に合ってるんだろうな。色々知らない事を知るのは楽しいが、今回のプロジェクトは、初めてな事が多くてキャパいっぱいだ。
特別に『東枠』作って対応してるだけだからなッ。努力してんだゾォ~。オレってマジに彼の事好きです。付き合い出して、更に募ってます。
変態ちっくだけどね。そこ、大目に見てあげる。
「ここのボロネーゼ美味しいんだ」
こうやって、自分が美味しかった物を共有しようしてくれたりしてくれる。彼を知れて嬉しんだけど、ここは…。
「へー」
場所の雰囲気に圧されつつ、気のない返事しか出来ない。
運ばれて来たパスタは美味しかった。見た目はミートパスタ?って思ったけど、味も具の感じも違う気がする。
今度パスタ屋さんに行った時注文してみようかな。あればだけど。オレって『ミートパスタ』か『ナポリタン』で終わってるんだよな。
考えてみれば、オレの食事情って社食でほぼ終わってた。気づけただけでも世界が広がったね。
ワイングラスでやって来たカクテルも美味しい。ワイングラスと赤色で赤ワインかと思ったが、なんだか違う。
飲みやすい。ちょっと辛口かな。
オレが日本酒も辛口を選んでたから、頼んでくれたのだろうか…。こういうところ好きなんだよな。オレの好みじゃないかと考えてくれてるみたいじゃん。
パスタ皿は片付けられて、グラス片手にちょいとふわふわしながら、他愛のない話をしてる内に彼の肩に凭れかかっていた。
あれ? 酔ったかな?
グラスの中が殆んどカラになってた。
彼の手がYシャツの上を滑ってる。掌の温もりとさらりとした感触が、身体を熱くしていく。アルコールの所為だろうか。
グラスが手から抜き取られる。
ローテーブルの並んだグラスぼんやり見ていた。
腰骨あたりを撫でられて、お尻の異物を意識し出したら、どうしようもなく肌が粟立ってきて、太ももが擦り合わせては、ビクビクと身体が揺れてしまう。
彼に縋り付く手が、彼のシャツをぎゅっと掴んでしまってる。シワになっちゃう…。
仕事終わりなんだから気にする事はないのに、そんな事をぼんやり考えていた。
耳に音楽が満たされてる。リズムがズクズクと繰り返し。あー、これ、酩酊する部類のヤツじゃん。オレには不味いな…。音に頭がぼんやりする。
ヤベェ…と思いながらも、尻で疼いてるモノにも溶かされて、オレは彼の首に腕を絡めて、唇を彼に押し当てた。
彼が少し驚いた顔をしてたのが、ちょっと面白くて、チュッチュと可愛らしくキスをする。
たちまち彼の目がエロティックな色に染まった。
舌がオレの唇を舐めてくる。その舌を唇で喰むようにキス。舌でぺこりと舐めれば、絡めら引き込まれる。彼の口の中に招かれて口づけを深くする。
彼が腰を引き寄せて、オレに跨ぐように促してきた。革靴を脱ぎながら、彼の膝の上に…。
音楽と布で周りの雑音と気配から区切られる。
オレと彼の世界…。
彼の手が尻を揉む。掌全体を使って、痛いぐらいに力強く。今は、その痛みも気持ち良く感じていた。
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