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本編

18】好機到来(前) ※

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 本棚の前でずっと話してる。
 魔王の手がクンティンに触れる事が増えてる気がするが、ワザとしてる感じがしない。
 専門書を挟んで、肩を寄せ合ったりしてるからその延長のようだ。不自然さがない。

 ただ、不自然さがないから、困る。
 引き離すにしても、こちらは不自然になる。
 執拗くすれば、ここを追い出されたら、いざという時に困る。
 ああ、困った。魔王、お前なぁ、いい人ぽいぞ。あの視線はなんだったんだ。今は、俺の違和感レーダーに引っかからない。

 邪な事はないという事か?!
 困った…。

「あ、お茶が無くなった」
「おお、そんな時間か」
 おお、いい感じだ。そのまま帰れ。

「サムエル、お湯もらって来て」
「おう、分かった」
 このところのパシリ状態に、反射的に応えてしまった。出た言葉は戻らない。
 出来るだけ早く戻ろう。

 ポットを持って、足速に部屋を出た。
 廊下の窓から外を眺めながら、厨房に向かった。

 瘴気が幾分か薄くなった気がする。
 瘴気が少し薄くなって落ち着いてる外の状態も相まって、魔王のあっちも大人しそうだから、もう大丈夫なのかもしれないな…。





 おお! チャンス到来。
 さあ、どう誘うかのぉ~。あまりにスッとやってきた機会に事前準備が出来ていない。純粋にクンティンとの会合を楽しんでたから油断した。

 あれこれセリフを選択してると、クンティンが頬を染めながら、モジモジしながら小さな声で話しかけて来た。

「エヴァンさん…言いにくいんだけど…最近、えっちな事してないよね?」

「ああ、自慰も暫くしてなかったな…」
 ぼんやり応えながら、口説き文句を考えていた。

「あの…その、浄化を…。エヴァンさんの浄化を見せて貰えないかなぁ~っと…」

 なんと! 驚いたッ。一瞬思考が止まったが、すぐに、舌なめずりする興奮が湧き上がって来た。
 クンティンからやって来たッ。この好機逃すものか!

「ダメ?」

 俺の返事がないのを不安に思ったのか上目遣いにダメ押ししてきた。可愛いゾッ。狙ってるのか?
 これまで接して来て、これが狙ってやってるのではないのは分かる。分かるが、可愛いのぉ~。

「いいよ。今夜、俺の私室においで」
 耳の元に唇を寄せて囁くように告げた。

「ありがとうッ」
 手を握られて、ブンブン振られた。明るい表情のクンティンが跳ねるようにハンドシェイク。

 はへ?

 控えめなノック音に、昼間のワクワクして握手していた可愛いクンティンの回想を中断させられた。

 ラフな格好の本物のクンティンが立っていた。ニコニコしてる。
 招き入れる。そっと鍵をかけた。これで防音の障壁が展開される。サルをしてた時にリューリが相談して来て、セックスの合間に作ってみた仕掛けだ。今回の事で更に細工をした。

「サムエルはどうした?」
 邪魔者の存在が気になる。中の様子が阻害できるように細工したが、アヤツは油断できん。

「飲みに行った。兄貴さんが誘いに来たって」

 ゲアントには、当分相手はいいから、彼を飲みに誘ったらどうだと持ちかけたのだが、上手くいったようだ。

「そうか。いつもしてる場所でいいか?」

「そうだね。場所変わったら、見学者もいるし出来ないかもだもんね」

「まぁな…」

 そんな事にはならんぞ。クンティンに見られながらだったらどこでも出来る自信があるッ。
 ああ、押し倒したい…。

 下を潔く脱ぎ、ベッドに上がる。
 クンティンも上がって来る。

 俺の逸物が既に勃ち上がっていた。
「久しぶりだからかな…」
 下半身は興奮に素直だった。誤魔化してみたが、大丈夫か? 引かれてないか?

「おお、凄いですね。歴戦の猛者って感じ。かっこいいですね」

 褒められた?!
 顔近い。
 なんで観察?!
 えっちな気分にならんのか?!
 勇者殿などトロンとしてたぞ…。ああ、展開が違うな。
 クンティンは、見せてくれだからな。純粋に観察に来たのか。
 でも、良い。絶好の機会には変わりない。

 そう言えば、クンティンは公国の古い文献も読み漁ったと言っていたな…。あの研究者どものも読んだという事か。だから、興味が湧いたのであろうな。
 ふ~ん、ならいいか。こやつの身体をいいように使っても。

「まだ完勃ちじゃないんだよ。見てなさい…」

 俺のコレが欲しくなるまで仕込んでやる。楽しみだ。今まで肌を重ねた者たちは、何も言わずともねだってきたものだ。

 クンティン効果ですぐにそそり勃った。
 先走りもたっぷり出て、それを掌で塗り広げながら、竿を扱く。亀頭がテカテカしている。
 クンティンがじっと見ている。

「射精すると、浄化されるんですよね…」

 ぼやんと呟く。鈴口を凝視してる感じがする。
 クンティンの手を掴むと、俺のに導いた。
 一瞬ビクついたが、素直にされるがままに力を抜いた。

 竿を掴んで、質感を確認するように触り、カリ首に指を這わせ、亀頭を撫でて、先走りが溢れる鈴口に指先をつけた。
 俺はクンティンの指の感触に快感を得て、今にも発射しそうなのをグッと堪える。

「大きくなりました。まだ大きくなるんですか?」

 トプトプと溢れてくる先走りを指で掬い、その指をパクっと口に含んだ。
 チュポッと出される指が唾液で光ってる。
 愛らしい唇が艶めかしい。

「んー、味はオレのと変わりないか…」

 自分の舐めた事があるらしい。

 間近でクンクン嗅いだりし始める。
 垣根が随分無くなった気がする。無自覚にやってくるとは…。クンティン、可愛い過ぎるぞ。

 その澄ました顔をドロドロにしてやるよ。

「そろそろ、出るイク

「はい」
 素直に返事をして顔を避ける。

 顔射しても良かったが、それはまたのお楽しみ。ここで逃げられたら困る。機会は有効に使わねばな。

 手の中に吐き出して、クンティンに見せた。

 クンティンは周りの様子を観察しながら、俺の出した白濁に視線を戻し、指で掬って、先と同じように口に含んだ。

「ん? 甘いッ」
 指を引き抜くと、またその指をしゃぶるように口に入れた。

「エヴァンさん、甘いですよ」

 驚きに目を輝かせて、指を咥えたままこちらを見遣ってきた。
 復活しそうだッ!

「そうか?」
 甘いのか?
 俺が疑問に首を傾げてると、クンティンが、亀頭についてる精液を指で撫で取って口に。彼の指先が亀頭と鈴口を撫でた。
 刺激に、追加でプチュッと精液が漏れ出た。

 すかさずそれを掬い取って口に運んでる。
 チュパチュパと指を舐めてる。

「クンティン?」

 なんだかおかしい…?

「エヴァン、さん、甘いです…。とっても甘い…」
 ぽやぽやと返って来たが、やはり様子がおかしい。

「クンティン、こっちを向け」

 唇を濡らしながら、指をしゃぶりながらこちらを見遣って来た。
 目がトロンとしてる…。




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