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本編
7】魔王城(前)
しおりを挟むああああああ!
こう毎度毎度、濃厚な絡みを見せられたら、予知夢じゃなくて淫夢だわ!
魔王ッ!いくらなんでもやさぐれるわよッ。
最初の頃は、私もウブだったと思うわ…。でもね、こうも濃厚なのを毎回見せつけられたら、慣れるわよ。
あぁあ?!またぁあ?!って感じよ。
ホントやってられないわよ。
どんだけ絶倫なのさ。
予知夢ってね、毎度画面からわないのよ。分かる?
ある場面を夢で見る訳よ。
多少の違いはあるけど、鮮明になれば、安定する訳。
それが、ナニ?!
毎度違うじゃない。
相手の像がどうも曖昧で、『魔王』だけが鮮明な像で色々にヤっておられる訳。
予知夢の概念変わるわよ?!
『夢見の乙女』がご立腹だってのッ!
取り敢えず、分析すると、魔王と会えば、私の身近、つまり、パーティーの誰かがお相手しないといけない状況になるって事なのね…事なの?!
私も含めて?
相手は男性だった気もする…。
今までの贄の乙女は、可憐な少女ばかりと聞いたから、美しい容姿を好むのかしら…。
勇者ダロンは、爽やか青年よ。容姿も良いわ。黒に近い濃紺の髪に、黒に近い焦げ茶色の瞳。イケメンさんで通用するわね。行く先々でキャーキャー言われてたもの。
剣士のサムエルは…、ワイルドハンサムさん?
短髪で、全体に四角いのよ。赤毛で青い目で、筋肉は美しいとは思うけど。騎士の頃モテてたみたいな話はしてたわね。今は筋肉バカのイケオジ?
ーーーー無いわね。
ポーターのクンティンは、私より年上なのに、丸顔童顔。茶髪琥珀色の瞳。そばかすがちょっとチャーミングな平凡な青年。
小柄なのを気にしてるけど、可愛いって感じが強いよね。
ーーーーー有り寄りの無し。無いわね。
準聖女の私、アリスン。
少女じゃないし、可憐でもないし、うん、無いわ。
となると…やはり、勇者ダロンで決まりですわね。
では、何故夢の像が確定しないのでしょう?
この夢見には欠陥がある。自分の身近、関わるのに起こり得る事柄しか見れないという事。
そりゃ、世界のあらゆる事を見てたら、パンクするから、欠陥という事でもないと思うけどね。
さて、話は戻して。
今思う事は、魔王には誰もやらないって事よ。
ん?
贄の少女たちは、食べられたって言われてたけど、ヤり飽きたら食べちゃうのかしら…。
そう言えば、食べられるようなシーンは予知夢になかったわね。まだ食べられるのは、先の方?
今さし迫ってる危機はこっち?
あら? 戦闘…は…?
どんなにイケメンでも、快楽に捧げるものなんてないわ!
今までの行いの報いを受けるべきねッ!
魔王城も見えて来たわ。あと少しね。
お茶菓子も取り敢えず揃えた。
質素ではあるが、手持ちの物資で精一杯準備したのだから、そこは大目にみて貰いたいとは思う。
元侍女の淫魔たちはメイド服を着て、立ち働いている。この菓子づくりも彼女たちがしてくれた。
昼間から屋敷が華やいでいる。
「我主。謁見の間で会うのでは?」
この石造の城のような屋敷には広いホールを兼ね備えた謁見の間があったりする。
魔王と勇者一行の対峙としては、絵になるかもしれないが…。
「準備してみたけど、もうここでいいかなって」
応接室に大きなテーブルを運び込んでもらって、会議室もどきのお茶会的にセッティングしてもらった。ティーセットも準備した。
人も物資もそんなに十分ある訳ではないのだからいいじゃん。
「主がそう言うのなら…」
「顔色良くなったね」
先日宰相も復帰した。十分な休養が出来たようだ。体内の聖魔法も充実している。
「ありがとうございます。……これは、以前のご質問の答えになると思われる資料になります」
数枚の書類を渡された。
勇者一行が目の前での復帰(寝坊したぁあああ並みに慌ててたなぁ)なのに、よくまとめたね。
目を通してる間に彼も確認してる。俺がひと通り目を通したタイミングで話し始めた。
「私の仮説は合っていたようです。彼らは十二分に『聖魔法』を保有しております。公国の研究機関が作った測定器を駆使して聖女を探した時期もあったとされますので、それを利用したのかと思います。瘴気の中に入って数日経っても変化は現れていません。動きにも変化はないようです。これらの事から、彼らがこの世界でトップクラスの保有者でしょう」
『トップクラスは、宰相のお前だよ』と心中でツッコミ入れながら、大きく頷いた。
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