上 下
2 / 9

2】どうしよう ※

しおりを挟む

「…あああぁぁぁ……もう、もう……なぅぅぅん……」

もう後ろの感覚が無くなってきたかも。
体位も何度も変わって、変わる度に当たるところが変わって、その度に弾けるような快感が走り抜けた。

何度も出された精液でジュブジュブと恥ずかしい音が垂れ流しだ。

あーーーーーッ、もうダメ! 音が、音が受け付けなくなってきた。

激しく首を振りに振った。

狂う! 無理! 辞めてぇ!

「う“がぁぁぁぁぁんんん!!!」

何処から出てるんだって音が出た。

ピッタリと動きが、止まった。
「あひぃん…うきゃん…あうう…」
息が上手く吸えない。吐けない。助けて!!!

ジュポッと後ろが抜けた。
ジュブ、ジュブッと白濁が吐き出される。

抱き起こされる。
横抱きにすっぽり包まれた。
大きな手が、肩から腕を行き来して優しく摩ってくれてた。

「ゆっくり、息を…ゆっくり…ゆっくり…」
耳元で囁く声に導かれるように、息を吐いて、吸って……。
息が楽になってきたら、眠気が襲ってきた。

ああ、帰らないと……。

堕ちた。


***


朝です。

後始末してもらったみたいです。

不味い……。

今まで、朝まで寝てた事なかった。
だから、朝までワンナイトの相手とはいた事ないんです。

帰らないと。

……何処に?

あれれ?

何処に帰るんだった?

横の相手って、一夜限りの人だよね?

なんだ? 頭の中があやふやな感じだ。

兎に角起きなきゃ。モッソリと身体を起こす。
酷使した感覚は残ってる。

ベッドから降りようとして、膝が笑ってる感じがする。
ちょっとお腹痛い。

トイレになんとか辿り着いた。

どんだけ出したんだ?
始末し切れなかったのか。
ナカ洗いたいな。水音がしたら、起こすな……。
もう起きてる気がする。
どう逃げる?

風呂行こう。もう起きたら、その時だ。

風呂で洗って、スッキリ。

頭も身体もしっかり洗って、完全にお風呂済ませてしまいました。

タオルを巻いて、髪を拭きながら、服を手に取る。
ベッドを見ると、寝てくれてる。ラッキー。
さっさと身支度を整えると、部屋代の半分をテーブルに置くと、そっと部屋を出た。

ホテルは出た。
ここから離れよう!

バス停にバスが停まってる。
「乗ります!」
手を挙げて、運転と目が合った。

乗れた。

ぼんやり外を眺めながら、ここから向かうはずの場所がどこか考えてた。

大きな公園が見えた。
あそこでゆっくり考えようか。

降りて、遠くに見える公園に向かい散策する様に中を進み、池の近くのベンチに腰を下ろした。

ふぅ~っと息をついた。喉がちょっと痛いな。喘ぎ過ぎ?ーーーーどんだけ致したのでしょう? いやねぇ……。

???

ーーーー思い出せない?

どんな風に致したのか、はっきり思い出せない。
考えて、考えて、漸く途切れ途切れの断片が、頭の中をチラつくようになった。

大丈夫。思い出してきてる。

帰る場所が思い出せないだけ。
頑張れば思い出せる気がする。
日が暮れるまでに思い出せたらいいさ。

オレってお気楽なところあるんだよね。そうじゃないとやり切れない事が度々起きちゃうからさ。

どんなって?
こんな事。あはは…。

なんだか背中が寂しいな。
大事な物があったような気がするんだよな。



しおりを挟む

処理中です...