テーラーのあれこれ

アキノナツ

文字の大きさ
上 下
14 / 15

後3.満たされる. ※

しおりを挟む

香苗かなえくん、執拗いぃぃッ」

さっきから香苗くんの指が私の前立腺を刺激している。
バリタチを自称していた私だったが、今はほとんどネコである。
時々、私の状態をみてか、香苗くんが「しましょ?」と可愛く誘ってくる。

ストレスでも溜まってるような何かを読むようだが、私自身はよく分からない。
分かるのは、翌日を気分爽快で迎えるという事。

『逃げて行かない必要な処置です』
夢現の耳に囁かれた事がある。
ーーーよく分からない。

もう香苗くんから離れられなくなってるのは自覚してるから、彼には好きに使って貰ってる。

だが、しかし、このところ続いてるこの行為はなんだろう?

「執拗くないですよ? ココがね、もっと触ってて、コリコリ誘ってくるんです。タロさんが誘うんですよ?」
私が悪いとばかりの言い方。腹も立つが、それを言葉に出来る状態じゃない。

刺激に喘ぎ声が押し出されて、言葉を上手く繋げれない。私の息継ぎが怪しくなると、刺激が止む。もう絶妙に翻弄されている。

「そんなぁ、あん、うぅん、イ、イク……えっ?」
イけそうなところで刺激が遠のく。
こんな状態が続いてる。

「少し我慢」
香苗が優しく言ってくる。
ホント、最近こんな調子だ。

「我慢か…」
「タロさん、イっちゃうと眠そうなんだもの。もう少し付き合って…。楽しもう?」

「そう…だな」
再び、刺激される。
またイきそうになるとやめられるを繰り返される。

くったりとなってる私を香苗の身体の上に、コアラかラッコのように乗っけて、私の肌を撫でて愛撫してくれている。しっかりした筋肉質の身体が安心感を与える。

気持ち良くなりながら、解れきった後孔に当たるナニを感じる。

私はぼんやりと徐に手を伸ばし、香苗を捕まえると、孔に導き咥え込んだ。
身体を起こし、ゆっくり挿れ込んでいく。
ズブズブと這入っていく感覚に、背筋を快感が駆け上がっていく。

徐々に肉棒を飲み込み、全て挿れ込む。
落ち着くまで、膝を立てて、香苗の上で吐息を吐きながら、ポヤポヤする頭で、香苗を見ていた。

「タロさん、綺麗」
ん? 色白だが、糸目のおじさんに、綺麗って…。

「おじさん、捕まえて、何を、言ってるん、だい?」
香苗の腹に手を着く。
背中を丸くして、快感の波に耐える。

「タロさん、イイ事しましょうか?」
「イイ事?」
首を傾げる。

「とっても気持ちいい事」
ニコニコしてる。エクボが可愛いな。

「香苗くんも、気持ちいい?」
ぼんやり訊いていた。
ナカの香苗がピクピクしてる。
期待でいっぱいなご様子。

「うん、気持ちよくなれると思う。気持ち良くなってるタロさんが見たい」
「……いいよ」
香苗くんが気持ち良くなるなら……。

「今から言う通りにしてね?」
コクンと頷いた。

「そのままの姿勢を維持しててね。そのままだよ。背中丸くね」
悪戯な響きの声。

小刻みに腰を振り出した。
下から突き上げる。
突き上げられて、腰が浮いてしまう。

浮かせた尻にテシテシと肌が当たる。

香苗の胸の方に手をつき直し、腰を浮かせて、前屈みで、タンタンとリズミカルに下から抽送される香苗の雄を受ける。

「あ、あ、あ、あぁ、あぅ、ん、んん…」

感じるところが擦れる。擦られ続ける。
激しくないが、ずーっと擦れて、当て続けられる。
口が閉じれない。

だらしなく開いた口から、声が押し出されるように出る。止めれない。
気持ちいいが頭を占拠する。

激しくなるでもなく、一定速度で擦られ続けられて、射精感とは違う何かが、キタ。

「あ、まずい、まずい、香苗、くん、あ、出る。出ちゃう、よ」
身体が反るように起き上がる。
「タロさん、丸く」
ああ、そうだった。
姿勢を戻す。

「当たるところ変わっちゃうからね」
そうなのか。
でも、出ちゃう……。

「おしっこ、出ちゃう…」
視界が歪んでくる。涙が滲む…。
50が見えてきてるおじさんのセリフじゃないな……。

「それ、おしっこじゃないよ。出して大丈夫だから、出そうなら、出して?」

そうなのか?

チュッとおでこにキスされる。

遠のく香苗を縋るように見るが、悪戯気な表情の彼は再び腰を振り出した。
シタシタ、タンタンと一定速度で打ってくる。
あ、また、クル!

「…あ、あ、で、出ちゃう…ぁ、ぁあ…ぅぅ……」

ぴゅっと少し力がなくなっていた雄の先から出てきた液体が、香苗の鍛えられた腹の可愛らしく凹んだ臍に溜まる。

嗚呼……、何かが自分の中で崩れる気がした。
この年でお漏らしって……。

次々に、ぴゅぅ、チョロ、ジョロジョロと立て続けに出てくる。出続ける。
止まらない。
尿道を通って、出てくる。
止まらない。
気持ちいいが止まらない。
涙が頬を伝う。

「あ、あ、あぁ、あ……あ、気持ち、いい…気持ちいい…」
臭いがしない。あの独特の刺激臭がしない。

「気持ちいい?」
コクコク頷きながら、「気持ちいい、気持ちいい」と譫言のように繰り返し言葉が漏れ出て、液体も出ていた。
香苗の腹がべしょべしょだ。

「なに、コレ…あ、出りゅ……止まらなぃ…」

ゆるゆるとした動きの腰が止まる。

ふぅふぅと息を吐くが、気持ちいいが続いてる。
身体がヒクヒク揺れる。

香苗がタオルで腹を拭きながら、ふふっと楽しそうに笑う。
「潮ふき」と単語を教えてくれた。

えっ? 潮って吹き出す感じのアレ?
でも、コレってなんか違うけど、同じ感じもする。

チュッとまたおでこにキス。
上体を起こして近づいてくれた香苗くんが、また離れていく。
寂しくなって、するりと追っていく。
ナカに雄が角度が変わって、内腿が震える。

腕が伸びて抱き寄せてくれる。
チュッと唇にキス。
ほっとしながら、自分からもキスをする。
涙を掌で拭ってくれた。

首に腕を回して、香苗くんの香りを感じながら、ナカの緩い感覚と舌が絡む感覚がごちゃ混ぜになって、訳が分からなくなりながらも、香苗の舌に、身体に、縋りついた。

うぐうぐと喘ぐ私の背中を緩く撫でて、摩る。

「どうですか? 気持ちいいでしょ?」
ぼやっとした頭で、香苗の声を聞く。

「気持ちいい…」
ぼやっと答える。本当に気持ちいい…。

再び、タシタシと腰が動き出した。

「あ、あ、あ、はぁう…ひゃう…」
湧き上がる快感に身体が丸まる。
ジョロ、ピュッピュとまた出てしまった。
こんなに出るモノ?

「タロさん、可愛い…」
激しく突かれてないのに、ずっと緩くイった状態が続いてる。

声が押し出されて、止まらない。

嗚呼、気持ちいい……。



私を下にして、上で私を間近で見ながら、腰を振る香苗。
私はどうしようもない感覚に揺蕩いながら、腕で顔を覆う。

「あー、もう、ダメ……出てる、止まって…」

私の腹が濡れてる。
尻の方に垂れた潮で、打ち付ける音がタシタシからペタペタに。ペチョペショと濡れた音に変わって来ていた。

止まって、タオルで拭いてる。

はぁ、ハァ、と息を吐きながら、香苗を見ると満足気にこちらを見てる。
力任せな暴力的ないつもの快感じゃないが、確かに快感だ。
香苗が余裕の笑みで見下ろしてる。

手を伸ばせば、抱きしめてくれる。

あー、コレはいいな……。

鼻を首筋に耳裏に擦り付け、スンスンと匂いを嗅ぐ。
ホワイトムスクの香りの体臭を存分に肺に収める。

「タロさん、くすぐったい…」
チュッと頬にキス。
首筋に顔を埋めて、私のようにスンッと匂いを嗅いだ。
「タロさんの匂い好き。ーーーオレンジの香り…」

再び始まる刺激に、声が押し出されて、止まらない快感が渦巻き、高く啼いて、イき続け、香苗の温もりに包まれ、眠りに落ちていった。



目を覚ますと、間近に香苗くん。
そんなに時間は経ってないようだ。
鼻先にリップ音。
気分がいい。

「タロさん、コレいいでしょ?」
コレは、確かにイイ。
私の体力でも気持ちいいを存分に感じられる。
満たされた気分で、香苗に抱きつく。

「とても良かったよ。香苗くんは辛くないかい?」
確か香苗くんはイってなかったような。

「射精してないって事? したよ。こんなにエロいタロさん見てるだけで、幾らでもヌケる」
そうですか……。エロいのか。

「またしていい?」
この潮吹き?
あー、どうかな。

「……頭が溶けそうになるから……月一ぐらい?」
うん!って元気な返事と共にぎゅっとされた。
尻尾がパタパタ揺れる幻が見える。

んー、いいのかなぁ…。
苦しい抱擁を受けながら、考える。
幸せな気分の中、もやっとした疑問も、香苗から発せられるホワイトムスクの香りに有耶無耶になった。

私には香苗がいて寂しくない。この幸せがあるのだから、些細な事は別にいいではないかと。

「激しいのしていい?」
前言撤回!

「ちょ、ちょっと待て!」
固くなった雄が擦り付けられる。

「もう、ムリッ」
「大丈夫」
何をもって大丈夫なんだ!!!

ズブズブと受け入れてしまう自分の身体に慄き、まるっと全てを受け入れてしまう私がいる。
ただ体力がぁぁ……。
香苗が私の全てに入り込んで侵食していく。

「あ、あ、あぁぁあああ……!」

激しい突き抜ける快感に打ち上げられ、堕ちた。

はい、満たされてますとも!
幸せさ。



=======

また書きたくなったら。
その時まで、しばし……。

メモ》
清水さんが46、7あたり。香苗が35、6辺りですかね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

年上の恋人は優しい上司

木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。 仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。 基本は受け視点(一人称)です。 一日一花BL企画 参加作品も含まれています。 表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!! 完結済みにいたしました。 6月13日、同人誌を発売しました。

2人でいつまでも

むちむちボディ
BL
親父と息子の様なガチデブ2人の秘密の関係

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました

ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。 愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。 ***************** 「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。 ※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。 ※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。  評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。 ※小説家になろう様でも公開中です。

処理中です...