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後3.満たされる. ※
しおりを挟む「香苗くん、執拗いぃぃッ」
さっきから香苗くんの指が私の前立腺を刺激している。
バリタチを自称していた私だったが、今はほとんどネコである。
時々、私の状態をみてか、香苗くんが「しましょ?」と可愛く誘ってくる。
ストレスでも溜まってるような何かを読むようだが、私自身はよく分からない。
分かるのは、翌日を気分爽快で迎えるという事。
『逃げて行かない必要な処置です』
夢現の耳に囁かれた事がある。
ーーーよく分からない。
もう香苗くんから離れられなくなってるのは自覚してるから、彼には好きに使って貰ってる。
だが、しかし、このところ続いてるこの行為はなんだろう?
「執拗くないですよ? ココがね、もっと触ってて、コリコリ誘ってくるんです。タロさんが誘うんですよ?」
私が悪いとばかりの言い方。腹も立つが、それを言葉に出来る状態じゃない。
刺激に喘ぎ声が押し出されて、言葉を上手く繋げれない。私の息継ぎが怪しくなると、刺激が止む。もう絶妙に翻弄されている。
「そんなぁ、あん、うぅん、イ、イク……えっ?」
イけそうなところで刺激が遠のく。
こんな状態が続いてる。
「少し我慢」
香苗が優しく言ってくる。
ホント、最近こんな調子だ。
「我慢か…」
「タロさん、イっちゃうと眠そうなんだもの。もう少し付き合って…。楽しもう?」
「そう…だな」
再び、刺激される。
またイきそうになるとやめられるを繰り返される。
くったりとなってる私を香苗の身体の上に、コアラかラッコのように乗っけて、私の肌を撫でて愛撫してくれている。しっかりした筋肉質の身体が安心感を与える。
気持ち良くなりながら、解れきった後孔に当たるナニを感じる。
私はぼんやりと徐に手を伸ばし、香苗を捕まえると、孔に導き咥え込んだ。
身体を起こし、ゆっくり挿れ込んでいく。
ズブズブと這入っていく感覚に、背筋を快感が駆け上がっていく。
徐々に肉棒を飲み込み、全て挿れ込む。
落ち着くまで、膝を立てて、香苗の上で吐息を吐きながら、ポヤポヤする頭で、香苗を見ていた。
「タロさん、綺麗」
ん? 色白だが、糸目のおじさんに、綺麗って…。
「おじさん、捕まえて、何を、言ってるん、だい?」
香苗の腹に手を着く。
背中を丸くして、快感の波に耐える。
「タロさん、イイ事しましょうか?」
「イイ事?」
首を傾げる。
「とっても気持ちいい事」
ニコニコしてる。エクボが可愛いな。
「香苗くんも、気持ちいい?」
ぼんやり訊いていた。
ナカの香苗がピクピクしてる。
期待でいっぱいなご様子。
「うん、気持ちよくなれると思う。気持ち良くなってるタロさんが見たい」
「……いいよ」
香苗くんが気持ち良くなるなら……。
「今から言う通りにしてね?」
コクンと頷いた。
「そのままの姿勢を維持しててね。そのままだよ。背中丸くね」
悪戯な響きの声。
小刻みに腰を振り出した。
下から突き上げる。
突き上げられて、腰が浮いてしまう。
浮かせた尻にテシテシと肌が当たる。
香苗の胸の方に手をつき直し、腰を浮かせて、前屈みで、タンタンとリズミカルに下から抽送される香苗の雄を受ける。
「あ、あ、あ、あぁ、あぅ、ん、んん…」
感じるところが擦れる。擦られ続ける。
激しくないが、ずーっと擦れて、当て続けられる。
口が閉じれない。
だらしなく開いた口から、声が押し出されるように出る。止めれない。
気持ちいいが頭を占拠する。
激しくなるでもなく、一定速度で擦られ続けられて、射精感とは違う何かが、キタ。
「あ、まずい、まずい、香苗、くん、あ、出る。出ちゃう、よ」
身体が反るように起き上がる。
「タロさん、丸く」
ああ、そうだった。
姿勢を戻す。
「当たるところ変わっちゃうからね」
そうなのか。
でも、出ちゃう……。
「おしっこ、出ちゃう…」
視界が歪んでくる。涙が滲む…。
50が見えてきてるおじさんのセリフじゃないな……。
「それ、おしっこじゃないよ。出して大丈夫だから、出そうなら、出して?」
そうなのか?
チュッとおでこにキスされる。
遠のく香苗を縋るように見るが、悪戯気な表情の彼は再び腰を振り出した。
シタシタ、タンタンと一定速度で打ってくる。
あ、また、クル!
「…あ、あ、で、出ちゃう…ぁ、ぁあ…ぅぅ……」
ぴゅっと少し力がなくなっていた雄の先から出てきた液体が、香苗の鍛えられた腹の可愛らしく凹んだ臍に溜まる。
嗚呼……、何かが自分の中で崩れる気がした。
この年でお漏らしって……。
次々に、ぴゅぅ、チョロ、ジョロジョロと立て続けに出てくる。出続ける。
止まらない。
尿道を通って、出てくる。
止まらない。
気持ちいいが止まらない。
涙が頬を伝う。
「あ、あ、あぁ、あ……あ、気持ち、いい…気持ちいい…」
臭いがしない。あの独特の刺激臭がしない。
「気持ちいい?」
コクコク頷きながら、「気持ちいい、気持ちいい」と譫言のように繰り返し言葉が漏れ出て、液体も出ていた。
香苗の腹がべしょべしょだ。
「なに、コレ…あ、出りゅ……止まらなぃ…」
ゆるゆるとした動きの腰が止まる。
ふぅふぅと息を吐くが、気持ちいいが続いてる。
身体がヒクヒク揺れる。
香苗がタオルで腹を拭きながら、ふふっと楽しそうに笑う。
「潮ふき」と単語を教えてくれた。
えっ? 潮って吹き出す感じのアレ?
でも、コレってなんか違うけど、同じ感じもする。
チュッとまたおでこにキス。
上体を起こして近づいてくれた香苗くんが、また離れていく。
寂しくなって、するりと追っていく。
ナカに雄が角度が変わって、内腿が震える。
腕が伸びて抱き寄せてくれる。
チュッと唇にキス。
ほっとしながら、自分からもキスをする。
涙を掌で拭ってくれた。
首に腕を回して、香苗くんの香りを感じながら、ナカの緩い感覚と舌が絡む感覚がごちゃ混ぜになって、訳が分からなくなりながらも、香苗の舌に、身体に、縋りついた。
うぐうぐと喘ぐ私の背中を緩く撫でて、摩る。
「どうですか? 気持ちいいでしょ?」
ぼやっとした頭で、香苗の声を聞く。
「気持ちいい…」
ぼやっと答える。本当に気持ちいい…。
再び、タシタシと腰が動き出した。
「あ、あ、あ、はぁう…ひゃう…」
湧き上がる快感に身体が丸まる。
ジョロ、ピュッピュとまた出てしまった。
こんなに出るモノ?
「タロさん、可愛い…」
激しく突かれてないのに、ずっと緩くイった状態が続いてる。
声が押し出されて、止まらない。
嗚呼、気持ちいい……。
私を下にして、上で私を間近で見ながら、腰を振る香苗。
私はどうしようもない感覚に揺蕩いながら、腕で顔を覆う。
「あー、もう、ダメ……出てる、止まって…」
私の腹が濡れてる。
尻の方に垂れた潮で、打ち付ける音がタシタシからペタペタに。ペチョペショと濡れた音に変わって来ていた。
止まって、タオルで拭いてる。
はぁ、ハァ、と息を吐きながら、香苗を見ると満足気にこちらを見てる。
力任せな暴力的ないつもの快感じゃないが、確かに快感だ。
香苗が余裕の笑みで見下ろしてる。
手を伸ばせば、抱きしめてくれる。
あー、コレはいいな……。
鼻を首筋に耳裏に擦り付け、スンスンと匂いを嗅ぐ。
ホワイトムスクの香りの体臭を存分に肺に収める。
「タロさん、くすぐったい…」
チュッと頬にキス。
首筋に顔を埋めて、私のようにスンッと匂いを嗅いだ。
「タロさんの匂い好き。ーーーオレンジの香り…」
再び始まる刺激に、声が押し出されて、止まらない快感が渦巻き、高く啼いて、イき続け、香苗の温もりに包まれ、眠りに落ちていった。
目を覚ますと、間近に香苗くん。
そんなに時間は経ってないようだ。
鼻先にリップ音。
気分がいい。
「タロさん、コレいいでしょ?」
コレは、確かにイイ。
私の体力でも気持ちいいを存分に感じられる。
満たされた気分で、香苗に抱きつく。
「とても良かったよ。香苗くんは辛くないかい?」
確か香苗くんはイってなかったような。
「射精してないって事? したよ。こんなにエロいタロさん見てるだけで、幾らでもヌケる」
そうですか……。エロいのか。
「またしていい?」
この潮吹き?
あー、どうかな。
「……頭が溶けそうになるから……月一ぐらい?」
うん!って元気な返事と共にぎゅっとされた。
尻尾がパタパタ揺れる幻が見える。
んー、いいのかなぁ…。
苦しい抱擁を受けながら、考える。
幸せな気分の中、もやっとした疑問も、香苗から発せられるホワイトムスクの香りに有耶無耶になった。
私には香苗がいて寂しくない。この幸せがあるのだから、些細な事は別にいいではないかと。
「激しいのしていい?」
前言撤回!
「ちょ、ちょっと待て!」
固くなった雄が擦り付けられる。
「もう、ムリッ」
「大丈夫」
何をもって大丈夫なんだ!!!
ズブズブと受け入れてしまう自分の身体に慄き、まるっと全てを受け入れてしまう私がいる。
ただ体力がぁぁ……。
香苗が私の全てに入り込んで侵食していく。
「あ、あ、あぁぁあああ……!」
激しい突き抜ける快感に打ち上げられ、堕ちた。
はい、満たされてますとも!
幸せさ。
=======
また書きたくなったら。
その時まで、しばし……。
メモ》
清水さんが46、7あたり。香苗が35、6辺りですかね。
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