テーラーのあれこれ

アキノナツ

文字の大きさ
上 下
10 / 15

残り香.10 ※

しおりを挟む

最終回。

============

「素質?」
「タロさんのココね、柔軟性があって、程よく柔らかいの。この前は寝てるのに、前立腺で感じてた。タチにしておくのは勿体ない」

???

暫し、キョトンと香苗かなえを見てた。

「マジ?!」
やっと理解した。

「うん、マジ。だから、安心して。時間はあるから、ゆっくり解して楽しもう」
コクコクとエクボのあの笑顔で頷いてる。

「嫌だよぉぉぉぉ」
心の底から訴える。
素質があろうがなんだろうが、私には無理だぁ!

「タロさん、俺、ずっと側に居るから。寂しくないようにするから」

魅力的な提案ですが、カナエくんを組み敷くのは大賛成だけど、私はノーセンキュー!

「カナエくんがネコでいいじゃん!」
もう何もかもかなぐり捨ててる。ごねる。足掻く!

「俺は抱きたいんですって何度も言ってますよ?」
圧が強い。
俺って! 皮脱ぎやがった!

「私は抱かれるのは嫌って、ずっと言ってますッ」

この押し問答なにぃぃぃ???!!!

ガルガルとタチ同士で手を握りって押し合い、プロレスのロックアップの様相です。

ローション手に取らないで!
手順を知ってるだけに、この先、何が起こるのか分かってて、ジタバタと往生際悪く香苗の下で暴れた。
バシバシと馬乗りになってる香苗の腹とかを思いっきり叩く。

「傷つけたく無いんで、暴れないの。タロさん?」
馬乗りで固定されてて動けない。
自由に動く手を精一杯振り回す。

「可愛く言っても、承諾は出来ん!」

「可愛いなんて。タロさんの方がもっと可愛い」
チュッと頬にキス。

一瞬動きが止まる。

ポッと嬉しくなってる。

いやいやいや! 何が「ポッ」じゃあぁぁ!

前にたっぷり塗りつけられるローション。
私のやり方を踏んでくる。
学習しやがって!
男としては、扱かれたらそれなりに勃ちますし、ヌケます。
ヌケた後が問題なんだよぉぉ。軽く泣ける。。。

酔ってるから勃ちにくいか?

しっかり勃ったよぉぉぉ!
焦る!!!

酔いは完全に抜けたか?

ああー、気持ちいいよぉ。
自分の手より他人の手。もどかしさもクル。きちゃうよ!
ヤバい。不味い。非常ぉぉにっ、マズイ!

扱かれてる。気持ちいい……。
ヌケそう。。。

「はぁぁぁぁ……」

ぽやんと揺蕩い始めたところで、放置された。

はぁ? ああ??!!

「タロさん、提案。俺の後ろ触ってよ。どっちが先に後ろでイかせるか勝負しよ? で、先にイった方がネコするのはどう?」

私の方が分が悪い。
だって、あと少しでイけるとこだったんですよ?

でも、さっきまで何も聞かない香苗が、聞いてくれる雰囲気。逃れるチャンスと言えばチャンスだな。仕方ない。全力で頑張りましょう。

「分かった」

私の返答に、いい笑顔で反応する。
そに笑顔、眩しい。好きなんだよ。認める。
認めるけど、ネコは嫌あぁぁああ!

バスローブに包まれた尻が目の前に。
香苗の下敷きになってるのは変わらないので、所謂、シックスナイン?
後ろのみ?

「カナエくん。前は触っちゃダメだよ?」
「いいですよ」
勝負だ。

よく分からない勝負になりました。

ローションのボトルを渡してもらって、解しにかかります。ちょっと固い。この前は頑張って解してくれてたのね……。挿れてから随分経ってるからね。
前立腺を苛めて、程よいところで玉をひと舐めしてやればいいさ。
竿は触らないよ。玉だって後ろからちょっと、ねっとりとね。

私の後ろって…柔らかいのか? もう指が入ってる気がする。締めて固くする?
きゅっと力を入れたら、「タロさん? 力抜いてね?」と優しく言われました。

「はぃ……」
なんなのですか?
私、従ってますよ?

ま、こっちに集中。
前立腺、前立腺…あった。

「はぁぅう!」

ツキュンと背筋を何かが駆け抜けた。
???
身体が一瞬硬直した。
声が勝手に声が出る。

「イイ声ですね」
嬉しいそうだな。
「カナエくんだって、この前こんな感じの声だったんだって」
「じゃあ、感じてくれてるんですね」
「あー、そうなる……のか?」
へ? これが前立腺への刺激?

香苗のを前に見つけた触り方で弄り始めた。
途端プルプルと内腿が震え出した。
上手くいってる。さて、もうちょっとしたら、玉袋を後ろから突いてやろう。

ローションが垂れて、袋をテカテカ光らせてる。

私の後孔もなんだか進んでる?
拡げにかかってる?
イかせるんじゃなかったのでは?
さっきの衝撃の感覚は来ない。
もわもわした感覚がしてるだけで…。

肉壁を刺激しながら、弄り倒す。
おお、前のを身体の方は覚えてたか。ヘコヘコ腰が揺れてる。いいねぇ。

ん? んん??
私の後孔の中で、不規則に…動いて? 
!!
指が増えてるじゃん!

「ちょ、ちょっと待って!」

「はぁ…、タロさん続けて下さいよ?」
色っぽい声出してくれてるけど、私が不利なのですよ。
そっちの方が自由度高い。
ほらぁぁ、触り方が、ヤバいぃぃぃ。
さっきのの大きいのがキそう!

香苗の後ろの指を抜いた。集中出来ない。香苗の尻に腿に手を縋らせて、耐えた。

ビクビクっと背が反りながら、孔が締まるのを感じた。た、耐えろ…。

「惜しい。もうちょっとで射精しそうだったのに……」
私の雄芯が切なげに揺れている。

私が後ろで感じてる?
……嫌だぁぁぁぁ。

クイクイッと緩急をつけて擦って、押し込んで、弄り倒してる香苗の指をまざまざと感じてた。節のしっかりした指が器用に中で動き回る。

「はぁぁ、あー、あ、あぅん、あ、あ、っんぅ……」
このままじゃ、イっちゃうぅぅ!

「タロさんは、タチもいいけど、こっちの方が幸せそうだよ?」
何を言ってる?!
キリキリと意識を引き寄せて、香苗を睨みつけた。
まだ、意識が保ててる。
香苗に縋ってた手は、今はシーツを掴んで耐えていた

「ほら、俺が側にいるから」
いつの間にか、香苗の尻は消えていた。
チクショー! あの孔に突っ込みたかった!

チュッと頬に唇を感じて、クイッとナカを抉りながら撫でつけられ……イった。

「はぁぁああぁぁ……」

顔を両手で覆い。脱力していた。
ーーー負けた。
身体が熱い。
勝負は勝負だが……嫌だぁ。

「タロさん?」
さっきから頬に、手の甲に、指に、唇が触れてる。
いっぱいキスしてくれてるんだけど、可愛いんだけど。私は可愛くなく、往生際悪く拒否してる。

「タロさん?」
何度目の呼びかけだろう。
のろのろと手を退けた。
そう言えば、無理矢理剥がす事も可能だったのに、香苗は辛抱強いな。

「やっと顔見れた」
鼻が鳴る。泣けてくる。

「そんなに嫌なんですか?」
ぎゅっと抱きしめられた。

「だって、コントロールされてるというか、支配されてるみたいで嫌だ」
ポツポツ答える。

「……タロさんは、俺を支配してる気持ちでしてたの?」
「違う! ただ、気持ち良くなって欲しかった。この世のものじゃない次元の気持ち良さを与えたくて。……それから、少しでいいから、気持ち良くした私を、見て欲しかった…」

後半は消えてしまいたくなる独白。

「……」
香苗が無言でチュッチュと顔中にキスして来る。
くすぐったい。
首筋に顔を埋めて、匂いを嗅がれてる。
自分もしてたが、なんでお前がしてるんだ?!
仕返しか?!

「俺はいつも見てます。見てますから。束縛してくれていいから。ーーーーいい匂い。好き」
なんか言ってる。

「勝負は勝負だ。腹括った。突っ込んでくれ」
腹を決めた。まな板の上だ!

「……タロさん。男らしいんですが。情緒が台無しです」
哀しそうな瞳の香苗くんが見つめていた。

「挿入らない?」
無理なのか?
「たぶんいけると思うけど、辞めます?」
「する!」

やるならさっさとヤってくれ!
キリッと香苗を見た。

「男前ですよ。タロさん」
苦笑いの香苗。

バスローブを脱いで、二人全裸で抱き合った。
「タロさんひんやりして気持ちいい……」
「カナエくんは温かいな」
香りが包んでくれる。
「キスします?」
コクンと頷く。

唇を重ねて、どちらがリードする訳でも、される訳でもなく、ダンスするように、互いを感じながら、唇を合わせて、舌を絡めて愛撫し合った。

キスだけで蕩けそうだ。
重なった肌が湿って、熱くなっていた。
肌も溶け合いそうだ。

そのままの流れの中、いつの間にゴムをしてたのか、香苗の雄が後孔に当てがわれて、ゆっくりと、ツプンと這入ってきた。

身体が固くなる。
香苗が気づいて、身体を掌で撫でるように摩って、強張りを解いていく。

「さっさと突っ込んでいいぞ」
「流血は嫌なんでしょ?」
含み笑い。

「そうだな……」
確かに。

唇を合わせて、舌を絡ませてる内に、太いカリ首の部分も皺を広げて埋め込んでいった。

ズブズブと這入ってきてる。
奥に進もうと小刻みに前後している。

「這入ってますよ」
香苗が囁いてる。

「はぁ、やぁぁ、はぁぁん…」
私が喘いでる。這入ってるな。

鼻先と香苗の首筋に押し付けて、匂いを嗅いでいた。
ホワイトムスク……。
心が落ち着く。

ローションを足しながら、奥へ奥へと埋まって、止まった。全てを咥え込んだ。
馴染むまで待ってくれてる。

「カナエくんは、辛抱、強いなぁ…んぅ」
ナカの鼓動が私をどこかに流そうとする。

「辛抱強く、粘り強いんです」
「そうか」

「狙ったら、とことんです」
「そうか」
そのようで。

「タロさんは、俺の欠けてる部分だと思いました。直感です」
「そうか」
そうなの?

「動いていいですか?」
「いいよ。初めて、だから、お手、柔らかに」

やるのとやられるのでは、気持ち的には同じなのに、感覚が違う。
やっぱり流される。自分でコントロール出来やしない。

「あぐぅん……あっ、あ、あぅ……」
自分が保てない。何かになりそうだ。

「タロさん、俺を見てて」
いつの間にか固く閉じてた目を開くと、香苗が見た。

激しくもないが、確実に快感を突いてくる。
彼の瞳を見つめて、感覚に翻弄されていきそうになりながら、なんとか留まりながら、彼の雄をナカに感じていた。

「はぁぁ、カナエ、くん…これでは、辛い、だろ? 激しく、して、いい。大、丈夫。保て、る」
慣れてきたのか、香苗が気になり出した。

「でも…」
何故迷う!

「こいよぉぉぉ!」
背中がぎゅっと反った。ナカで何かに当たった。なんかクル、クルゥゥゥ!
急に律動が激しくなって、孔の縁が抽送に擦れて、昂みに連れていかれる。

ーーー怖い。

否、私が自分でイくのだ。香苗と一緒に!

絶頂がキタ。
ナカに熱を感じる。香苗の熱。
そして、私の熱を思いっきり射精していた。

息が上がって喋れないのに、香苗は、大丈夫かと聞いてきた。
喋れるのか? マジかぁ。若さか?

長い付き合いになればいいのだが。いずれ去っていく。

「どこにも行きませんよ」
そうか…。それは幸せだな。一時でも浸っていいかな。

「少し、眠らせて、くれ」
「そんなに抱きつかなくても…。どこにも行きませんから」

何を言ってるんだ?
眠いんだ。
目が覚めたら、お前だって、居なくなるんだ。

「ずっと居ますから…」

……今はな。
『今』に縋ってみてもいいか。


===========

不安定な感じですが、取り敢えず、香苗くんが清水さんを捕まえたので、ココで終了。

後日談に続きます。
本編でもいいんですけど、ちょっと違うかなで、後日です。
タチ同士なんで、不穏ですが、なんとか不時着出来るかが、後日談のところですかね。
清水さんは、完全に捕まっちゃうのか?って感じ。
では!
しおりを挟む

    読んでくれて、ありがとうございます!

  『お気に入り』登録してもらえたら嬉しいです。
      更に、感想貰えたら嬉しいです!


      ↓ ▼ ↓ ▼ ↓ ▼ ↓ ▼ ↓

▶︎▶︎恥ずかしがり屋さんの匿名メッセージはココ!◀︎◀︎
 (アカウントなしで送れます。スタンプ連打もOK♪)

      ↑ ▲ ↑ ▲ ↑ ▲ ↑ ▲ ↑
感想 0

あなたにおすすめの小説

大学生はバックヤードで

リリーブルー
BL
大学生がクラブのバックヤードにつれこまれ初体験にあえぐ。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

柔道部

むちむちボディ
BL
とある高校の柔道部で起こる秘め事について書いてみます。

「優秀で美青年な友人の精液を飲むと頭が良くなってイケメンになれるらしい」ので、友人にお願いしてみた。

和泉奏
BL
頭も良くて美青年な完璧男な友人から液を搾取する話。

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

処理中です...