忘れられない君

アキノナツ

文字の大きさ
上 下
1 / 8

【1】 ※

しおりを挟む

「はぁ……ん、うふぅんん、はぁぁあ…」

白い肌が色づいて、俺の手から逃れようと身を捩る。
捩った反動だろうか、肉棒を咥え込んだ後孔がぎゅうと締まる。
中は絡みついて肉襞全体で包み込んで竿を扱く。
期せずして彼のイイところに当たったのかもしれない。

「うぐぅぅ…」
やばい、逝くところだった。
この人めっちゃイイわ。

カリで肉壁を抉りながら、引き出して、押し込む。

「ひゃぁぁん、ああぁん……あ!」

胸を突き出して、背を反らし喘ぐ声は腰に響く。
吐露しそうになりながらも、抽送を止めない。

枕やシーツを握りしめて、顎が上がり、白い首が露わになり喉仏が男だと主張している。
突き出している胸の突起が誘ってる。

ゴリっと奥に押し込むと、突起を口に含んだ。

「あはぁぁん!」

飲みすぎたか。ちょっと意識があやふやになってきたな。

イイ声で啼くな、この人。
当たりだ。

身体を密着させて、中をぐりぐりと小刻みに揺すった。
唇を……。
口をはくはくさせて、喘いでいる。

カポっと塞いだ。
「んーーーーッ!」
おや? キスはお嫌?
構わず中を揺すりながら、上顎を舐めて、舌を探す。
奥だな。
べろっと大きく舌を動かして彼を捕まえる。

テチテチと肩に何かが当たってる。
叩かれてる?
段々と弱々しくなって、後孔がググッと締まった。
ん?
!!!
慌てて口を離す。

ヒューッと喉が鳴った。

息の仕方を知らない?

ケホケホと咳き込む背を摩りながら、抱き起こす。

「あぁぁぁ……ふかぁぃ……」
苦しそうだった表情が快楽の苦悶に変わった。

「今度会った時、キスの仕方教えてやるよ」
下から突き上げてやる。
「あ……ぅうんふん……」
聞こえてないな。

触っていない前からは、ダラダラと力なく白濁が漏れ出ている。
中はずっと痙攣のように振動を繰り返して、ずっとナカイキしてるようだ。

乳首も感じる。後ろもしっかり開発済み。
こんなにいやらしい身体なのに、キスの仕方を知らない?

なんだかチグハグな感じだ。

流れる汗と共に酒が抜けていく。
まだヤレる。
この人相手に萎える気がしない。

体位を変えて、ナカを抉る。
「あ、はぁぁん、はぅん、……はあぁん、あ…」
緩む事なく肉襞が、みっちりと纏わりついて、もっとと強請るように絡みつく。

どの体位にもついてきて、腰を振って応じてくる。
今夜だけって勿体無い。
次も……。

「名前、教えて?」
バックから奥をノックしながら聞いてみる。
「うぐぅぅ、……はっ……やぁあぁん…」
覗き込んで、断念した。
もう目の焦点が合ってない。
逝きっぱなしだ。

腹立ち紛れに、バツンと突いた。

「あぁはぁん!」
イイ声で啼く。

「俺は、マサト…覚えてくれてたら嬉しいなっと」
グリンとねじ込む。
「ーーーーッ!」
蠕動運動が激しくなって、キツく締め付けられた。

イイねぇ!
もっと奥で逝きてぇ!

抵抗を感じつつ、クッと腰を引いて、思いっきり突っ込んだ。
どちゅっと奥で音がしたような錯覚と共に弾けた。

ドクドクと出てる感覚に爽快感すら感じて、奥に押し込むように腰を振った。
最後の一滴まで流し込んでやりたい。
ま、実際はゴムの中に収まってるんだけどね。

抜いて始末すると、またつける。
ゴミ箱に入り損ねたモノもいくつか転がってる。
箱が空になるまでやっていいかなぁ?
ってこれで最後かよ。
ラスト1回。

抱き込むともうほとんど反応しなくなった身体を撫で回して、両乳首を摘んでキツく捻ると、ビクンと返ってきた。

腫れて赤い後孔に再び突っ込んで、捏ねくり回す。

再び啼き始める彼に気を良くして、肉杭を打ち込んだ。
「ひゃうん、やぁん…あ、や、あ、……あぁぁ、あぐぅうぐ、あーんぅ……」

いつまでもヤレる。
名残り惜しいが、射精した。もう出ないな。

気を失ってた。

やり過ぎたか。

頭を掻きながら、横に仰向けに倒れた。

息が上がってなかなか整わない。

この人イイ!
大当たり!
なんとか次もお手合わせ願いたいけど。

スースーと静かな寝息を聞きながら、こちらも眠くなってきた。

ドロドロだなぁ。
拭いてやるぐらいはしないとな。
でも、眠いな。

ヨッコラセっと起き上がると、風呂場で濡れタオルを作って戻ってくると、適当に拭いて布団をかけた。

俺は汚れたタオルを手に風呂に戻ると、適当にシャワーを浴びて、横に潜り込むと、堕ちるように眠った。




朝。
ひとりだった。

バーで知り合って、ワンナイトの相手としてホテルでやった彼は消えていた。

名前知らねぇ!

何か手掛かりでもと周りを見ると、部屋代が置いてあった。
「割り勘? これっきりって事だな……」
やり過ぎたよな。



再び会ったのは、バーでも、通勤途中でも、街中でもない、マンションのゴミ捨て場だった。

「おはようございます」
爽やかに声を掛ける。
マイナスも大幅なマイナスの評価だと思われる状況をいくらか挽回したい。

「おはようございます」
冬場の空気が更に冷える声音で返された。

覚えてますよねぇ……。

顔をじっと見てたら「何か?」って木枯らし吹いちゃうって感じで訊かれた。

「あ、顔……」
「先週、引っ越して来たばかりで」
「ああ、俺3階です」
「4階です」

あれ?
俺の事、覚えてない?
ムシかよ!

「では、これで」
踵を返すと、とっとと帰って行った。

いい根性してるな。
自分の事は遥か遠くに棚上げです。

あ、会社!
出勤時間が近づいています。




ピンポーン!

週末、家事も済んで、ごろごろタイムを楽しんでたのに、誰だよ!

ガチャ!
腹立ち紛れに勢いよくドアを開けると、彼が立ってた。

「上に引っ越して来た。ヒナダです」
手に包みを持ってる。挨拶に来てくれたらしい。
上に引っ越して来てたのか。
君は俺の下で啼いてたけどね。

包みを渡される。
熨斗に『雛田』とあった。

「俺、矢田やだです」
表札を指しながら自己紹介。
「よろしくお願いします」
ぺこりとお辞儀をすると「失礼」と踵を返して帰って行く。

終始、冷たい響きの声音です。


しおりを挟む

    読んでくれて、ありがとうございます!

  『お気に入り』登録してもらえたら嬉しいです。
      更に、感想貰えたら嬉しいです!


      ↓ ▼ ↓ ▼ ↓ ▼ ↓ ▼ ↓

▶︎▶︎恥ずかしがり屋さんの匿名メッセージはココ!◀︎◀︎
 (アカウントなしで送れます。スタンプ連打もOK♪)

      ↑ ▲ ↑ ▲ ↑ ▲ ↑ ▲ ↑
感想 0

あなたにおすすめの小説

後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…

まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。 5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。 相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。 一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。 唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。 それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。 そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。 そこへ社会人となっていた澄と再会する。 果たして5年越しの恋は、動き出すのか? 表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

「恋みたい」

悠里
BL
親友の二人が、相手の事が好きすぎるまま、父の転勤で離れて。 離れても親友のまま、連絡をとりあって、一年。 恋みたい、と気付くのは……? 桜の雰囲気とともにお楽しみ頂けたら🌸

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話

タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。 瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。 笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。

合鍵

茉莉花 香乃
BL
高校から好きだった太一に告白されて恋人になった。鍵も渡されたけれど、僕は見てしまった。太一の部屋から出て行く女の人を…… 他サイトにも公開しています

処理中です...