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捕まえられた後は…

後話2.必ず俺の元に。(1)

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長くなる予感(⌒-⌒; )
瑠凪くんの背景が垣間見れる回です。
前回のお話が前振りです。


============


『来いよ』と言えば、やってくる。
ただ都合がつく時だけだ。
俺の所有と言っても、デリヘルのように呼べれる訳ではない。
対馬つしま瑠凪るなくんは学生だ。勉強の方を優先させている。

「タツオさん」
玄関を開けると、ニコニコと保冷バッグを手に立ってる。
今日もオーバーサイズのカーディガンを着ている。今日は黄色みのあるオレンジ。山吹色とか言ってやがったか。
淡い色味のそれは、瑠凪に似合ってる。

呼び出しは、俺からばかりで彼から『会いたい』なんていう甘いお願いはまだ貰えてない。

合鍵を渡してるのに、ベルを押す。行儀がいいのだが。
下のオートロックで呼び出しを押した時は、『合鍵使えッ!』と思わず怒鳴ってしまった。どんだけ周りに無自覚エロテロしてるか分かってるのか! 頭が痛くなる。

そこで襲われても助けられん。俺もそこそこ敵もいる。
護衛でも付けるか…。中に常駐の人間が居るから、外からの訪問は気にかけてくれてるようだからいいんだが。
部屋番押してるところを見られたら、俺との関係が漏れてしまう。
よくないな。

一層の事、ここに住まわせてしまうか。
そうなれば、誰かを常に付ける事になるな。一般人だ。不自由な事にはしてやりたくない。難しいな。

持って来た桃のムースタルトを頬張る。
タルト生地が程よい固さ。俺好みだ。
ムースがさっぱりしてる。桃の甘ったるいのを想像したが……。

「タツオさん、分かったんだ。洋梨をムースに使ったの。先生にも褒められた」

俺がひと口目で考えてるのを察したようだ。
課題のケーキだったらしい。
俺にも食べて欲しくて、カットした物だけど持ってきたと嬉しそうだった。

俺のちょっとした様子に敏感に察する。
可愛すぎてムラムラしちまう。
瑞々しい桃を頬張る。
可愛らしい口にも突っ込む。

濡れた唇を見ながら、咀嚼して、嚥下。
俺の突っ込みてぇなッ。

「なぁ、お前のその口も下の口も、俺が初めてじゃないよな」

ムラムラしての発言。
最後の一切れを口に収めた。

初めは、何を言われたのか理解できなかったのだろうが、じわじわと顔が赤くなる。涙目。可愛いぃい!

初めてじゃないのは分かりきってる。なんせ売り飛ばそうとした彼氏さんから寝取ったんだからな。

じっと見てる俺から逃れられないと分かってか、何か言おうとして口を開閉してる。唇を舐めて、言葉を探してる。

「どれだけの男がお前の味を知ってるのかと思うと、お兄さん焼けちゃうな」
フォークを振りながら嘯く。
軽口。ご馳走さんと手を合わせる。

「…ごめん、なさい…。僕、よく分からない…」

ん?
えーと、歴代彼氏の数言えばいいんじゃないのか?
武勇伝的に言うと思ってたが。んー、お行儀のいいお子ちゃまは、こんな事は言わないのか。

「すまん、すまん」と言って話題を変えようとした。
テーブルの上を片付ける。

身辺報告の書面を思い返す。
家族構成とか人間関係などを洗っただけだったが、もう少し調べさすか? 否、問題はなかった。必要ないだろう。俺への危険のある関係もなかった。ごく普通の綺麗なもんだ。

何かあるなら本人に喋らせよう。
そう言うのも楽しそうだ。

困り顔で視線がウロウロさせてる。
突きたくなる。いじめてちゃん。無自覚なMっ子だね。

「へー、下のお口は、いっぱい男の味を知ってるって事かな? すっごい淫乱ちゃんじゃん」

真っ赤になって下を向いちまった。尋問してるんじゃなかったんだが。軽いプレイ気分だったんだが?
どうも不穏な空気。

「おい、こっち見ろよ。やましい事でもしてたのか?」
風俗経験は無いとなってたが、あるのか? 年齢的にいつだよ。
高校生か? 援交か?

「あの、よく、覚えてなくて、僕、複数の人に襲われてたかもしれなくて、妄想かも知れないけど…」

悲しそうな顔で見つめて来た。困り顔だ。
妄想か。
にしても、爆弾発言だな。



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