異世界の冒険の果てに。~ハーレムなんて当たり前!果てに至るは天帝~

シロガネーダ

文字の大きさ
上 下
73 / 88
異世界の冒険の旅立ち(ジェルゴ王国篇)

67話 奴隷契約と鑑定不良

しおりを挟む




 伯爵との謁見で最初少し面倒くさいと思っていた事が、闖入者によってより大変面倒な事になって、そして何処かの誰かのせいで疲れを感じる結末で終えた謁見になってしまった。



 ギルマスを降ろしてから漸く馬車がヒサの屋敷に着き、御者に礼を言いヒサはやっと屋敷に帰宅が出来た。


「ふぅ~。」



 溜息をつきながら屋敷門を開け、庭を見た途端に見えた光景に、あぁ、奴隷の事を忘れてたなっと思いつつ屋敷の敷地に入ると、何故か庭にガーデンテーブルセットが用意されていて、お茶をしている変なスマイルな奴隷商人がいた。そして奴隷商人の対面に座っているシルフィにウサミにワカバは何か変な空気の雰囲気を醸し出していた。

 ヒサに気付いたメイド隊がヒサに早々と挨拶をしてきた。

「お帰りなさいませ。旦那様!」

「あぁ。ただいま」

 メイド隊全員の息のあった挨拶をした途端、ダッシュでヒサにウサミとワカバがお帰りの挨拶?ヒサに向かってウサミが一番で右の胸辺りに抱き付き、次にワカバが余っていた左胸辺りに抱き付いてからお帰りの言葉を言った。

 抱き着きからの挨拶がウサミとワカバの挨拶だ。

「お帰りなさいぴょん」

「お帰りなさいにゃん」

「ウサミ、ワカバ、ただいま」

 ウサミとワカバは元気なさげに挨拶して、ヒサがいなかったのが寂しかったのか、ウサミとワカバにギューッと抱き締められた。

 そして遅れてシルフィが近付き、ソッとヒサの唇にキスをしてほほを赤らめながらお帰りの言葉を言った。


「ヒサ様お帰りなさいですわ」


 シルフィのキスに吃驚するヒサだが、シルフィは少し様子がおかしいので勢いでキスしてしてしまったのだろう。



 やはり少し不安げな顔でヒサを見つめた。

 シルフィもヒサの事が心配だったようだ。

「シルフィ、ただいま。大丈夫だよ」

 っとヒサは言ってからウサミとワカバに抱き締められたまま、不安がっているシルフィをウサミとワカバと一緒に安心させるように抱き締めた。

 奴隷が目に入った時、奴隷達は皆土下座をしていた。

 ヒサ達四人が抱き合っていると、変なスマイル(多分営業スマイル。そして少し気持ち悪いスマイル)奴隷商人がガーデンテーブルセットの椅子から立ち上がり変に丁寧に恐る恐る話しかけて来た。

「あのぉ。すいません。奴隷商人のケドラスと言います。宜しくお願いします。早速ですが、この奴隷達の契約したいのですが……宜しいでしょうか?」

 ヒサはウサミにワカバそしてシルフィを抱き締めながら、そういえば部外者が一人いる事を思い出し、シルフィを離し、ケドラスに返事を返してからウサミとワカバにヒサから離れるように言った。


「ああ、俺はヒサだ。悪い。早速だが奴隷契約よろしく頼む。ウサミ、ワカバ離れてくれないか?」

 少しイヤイヤと首を振ったが、ヒサがウサミとワカバの頭を撫でると返事をして離れた。

「はいぴょん。「はいにゃん」」



 ウサミとワカバが離れてからヒサはガーデンテーブルセットに向かい、ケドラスに[鑑定]をしたら上手く鑑定が出来なかった。可笑しいと思いながらもヒサは立ったままケドラスとテーブルと挟み、ケドラスは用意してあった羊皮紙をヒサに差し出した。

「ヒサ様、もう準備は整っております。既にこの羊皮紙の魔法陣に奴隷達の血が登録されており、シルフィ様に確認は取ってあります。最後にヒサ様の血を登録すれば契約完了です」

 ヒサはシルフィを見るとシルフィは頷き、少しニヤけたスマイルのケドラスが血を羊皮紙に垂らす為に針を渡そうとしていたが、シルフィがヒサに立ち寄り針を手渡してきた。

 一瞬ケドラスは顔を顰めたが、直ぐに営業スマイルに戻った。

 しかしヒサは見逃さなかった。

「ああ、分かった。」

 そして羊皮紙に血を垂らした途端。羊皮紙の魔法陣が光りその後、奴隷達の首輪も光った。

「契約完了です。羊皮紙はヒサ様が管理して無くさないようにしてください。契約料金は既に冒険者ギルドから頂いております。奴隷の所用の際は我が奴隷商会のゲド奴隷商会にいらして下さい」

「ああ。分かった。今回は助かった」

「ではまたの機会に。お茶ご馳走様でした。それではお邪魔しました」

 ケドラスは話が終えるとお辞儀して帰って行った。メイド長のメルネが代表してケドラスを見送りに行ったが、外にいたのでヒサ達もケドラスを見送ると言うより、見ていた。
 そしてケドラスは門を出る前にヒサにお辞儀をして去っていった。その後何か気配を感じたヒサはマップを見た。どうもケドラスの護衛らしいが、どうも敵対意識がある様なマップ表示された。


(理沙。そういえばさっきケドラスを鑑定したら何故か上手く鑑定出来なかったぞ?)

 オークキングを[鑑定]して以来鑑定していなかったヒサは、先程ケドラスを鑑定した時、今までのステータスが表示されなかった。

 鑑定結果は

 名前  ケドラス

 名称  

 職業  奴隷商人

 性別  男

 年齢  35歳

 レベル  ※エラー

 種族   人間

 能力値 ※エラー

 スキル ※エラー

 備考 ※エラー 

 鑑定SSよりヒサ様へ
 原因不明のステータス異常が発生しています。ですが、この鑑定SSの意地でこの者を鑑定した結果、この者は違法奴隷商売をしており、誘拐、拉致監禁、強姦、強盗等を盗賊への示唆をしている犯罪歴を持っていました。

 ヒサが鑑定結果を思い出していると理沙が何か思い当たる事があるように話し掛けてきた。

【ヒサ様。このステータスの加護はフロン神様が与えております。フロン神様に何か有ったのかも知れません。】

(は?フロン神様ってこのフロン星の管理神だろ?神様に何か起こる様な事があるかなぁ)

【分かりません。ただ何か有ったからとしかステータス異常は起こりえませんとしか、判りかねます】

(そっか。何だかこれから面倒な事が起こりそうな。予感~はぁ~)

【ヒサ様なら大丈夫です!私わたくしがサポート致します!】

 理沙が張り切って言葉に宣言すると、緋里が話に割り込んできた。

『聞捨てならないわね!理沙さん?!ふふふ。久二郎様の側には私もいるのですよ』

【緋里さん、私わたくしはヒサ様サポートのスキルですから、緋里さん大丈夫ですよ】

 二人の言い争いをソッとほっとき、屋敷の中に入る事にしたヒサは、シルフィ、ウサミ、ワカバとメイド隊達に告げる。

「シルフィ、ウサミ、ワカバ屋敷の中に入り夕飯にしよう。メルネ、夕飯を頼む。それとメイド隊全員に頼むが今日契約した奴隷達の管理、仕事を頼む」

「分かりました!」

 メルネが代表として返事をしたあと、メイド達に仕事を割り振り始めた。

「シルフィ、ウサミ、ワカバ取り敢えずリビングに行って少し寛ごう。何だか疲れた。」

「はいぴょん♪「はいにゃん♪「はいですわ」」」

 ヒサが歩き出すとウサミが右手、ワカバが左手を繋ぎ、シルフィがソッとヒサの後から付いて行き、ヒサは三人を連れて家に向かった。

 ヒサはこれからの事を考え面倒な事になりそうだなぁと思い、今だに理沙と緋里は言い争いをして呆れ、のんびりと旅が出来ますようにと心の中で祈るが、いつも覗き見ている、何処かの誰かは沈黙し、フロン星の主たるフロン神はヒサの言葉が聞く事すら全く出来無い状態だった。

(今日はゆっくり休んで、明日もゆっくり休んで、から考えよっと。)

 リスカに夕飯のお誘いを断った今日これからの冒険者活動の事を無視して、もうのんびりまったりとしたいと思った、ヒサの今の思いだった。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】ねこの国のサム

榊咲
ファンタジー
ねこのくにに住んでいるサムはお母さんと兄妹と一緒に暮らしています。サムと兄妹のブチ、ニセイ、チビの何げない日常。 初めての投稿です。ゆるゆるな設定です。 2021.5.19 登場人物を追加しました。 2021.5.26 登場人物を変更しました。 2021.5.31 まだ色々エピソードを入れたいので短編から長編に変更しました。 第14回ファンタジー大賞エントリーしました。

追放された運送屋、僕の【機械使役】は百年先の技術レベルでした ~馬車?汽船? こちら「潜水艦」です ドラゴンとか敵じゃない装甲カチカチだし~

なっくる
ファンタジー
☆気に入っていただけましたら、ファンタジー小説大賞の投票よろしくお願いします!☆ 「申し訳ないが、ウチに必要な機械を使役できない君はクビだ」 ”上の世界”から不思議な”機械”が落ちてくる世界……機械を魔法的に使役するスキル持ちは重宝されているのだが……なぜかフェドのスキルは”電話”など、そのままでは使えないものにばかり反応するのだ。 あえなくギルドをクビになったフェドの前に、上の世界から潜水艦と飛行機が落ちてくる……使役用の魔法を使ったところ、現れたのはふたりの美少女だった! 彼女たちの助力も得て、この世界の技術レベルのはるか先を行く機械を使役できるようになったフェド。 持ち前の魔力と明るさで、潜水艦と飛行機を使った世界最強最速の運び屋……トランスポーターへと上り詰めてゆく。 これは、世界最先端のスキルを持つ主人公が、潜水艦と飛行機を操る美少女達と世界を変えていく物語。 ※他サイトでも連載予定です。

八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった

根上真気
ファンタジー
高校生活初日。神社の息子の八十神は異世界に転移してしまい危機的状況に陥るが、神使の白兎と凄腕美人魔術師に救われ、あれよあれよという間にリュケイオン魔法学園へ入学することに。期待に胸を膨らますも、彼を待ち受ける「特異クラス」は厄介な問題児だらけだった...!?日本の神様の力を魔法として行使する主人公、八十神。彼はその異質な能力で様々な苦難を乗り越えながら、新たに出会う仲間とともに成長していく。学園×魔法の青春バトルファンタジーここに開幕!

gimmick-天遣騎士団-

秋谷イル
ファンタジー
 千年前、異界から来た神々と創世の神々とがぶつかり合い、三つに分断された世界。ガナン大陸では最北の国カーネライズの皇帝ジニヤが狂気に走り、邪神の眷属「魔獣」を復活させ自国の民以外を根絶やしにしようとしていた。  だが大陸の半分がその狂気に飲み込まれてしまった時、伝説の舞台となった聖地オルトランドの丘でそれを再現するかのように創世の三柱の使徒「天遣騎士団」が現れ、窮地に陥っていた人々を救う。  その後、天遣騎士団は魔獣の軍勢を撃破しながら進軍し、ついには皇帝ジニヤを打倒してカーネライズの暴走に終止符を打った。  一年後、天遣騎士団の半数はまだカーネライズに留まっていた。大陸全土の恨みを買った帝国民を「収容所」と称した旧帝都に匿い、守るためである。しかし、同時にそれは帝国の陥落直前に判明したあるものの存在を探すための任務でもあった。  そんなある日、団長ブレイブと共にこの地に留まっていた副長アイズ、通称「黒い天士」は魔獣の生き残りに襲われていた少女を助ける。両親を喪い、成り行きで天遣騎士団が面倒を見ることになった彼女の世話を「唯一の女だから」という理由で任せられるアイズ。  無垢な少女との交流で彼女の中に初めての感情が芽生え始めたことにより、歴史はまた大きく動き始める。

漆黒の魔女と暴風のエルフ

あきとあき
ファンタジー
漆黒の魔女ゼノア、不老不死の魔物だが人間の心を持つ絶世の美女。共に魔王を倒した勇者たちの子孫を探して世界中を旅している。暴風のエルフ・シリル、金髪のハイエルフ。育ての親を魔人に殺され仇を討つため旅をしている。絶世の美少女だが、粗野で喧嘩早く切れやすい性格で暴走エルフとも呼ばれる。そんな二人の長い長い旅の物語。チートのように強いですが万能ではありません。転生ものでもありません。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

処理中です...