72 / 88
異世界の冒険の旅立ち(ジェルゴ王国篇)
66話 迫るリスカそして勘、そしてヒサは・・・(語る何処の誰かの観戦)
しおりを挟む突然伯爵の執務室に入って来た伯爵令嬢リスカはモンスターの群勢を討伐した英雄ヒサに会いに勢い良く迫って来た。
そしてヒサを見つめ手を差し出した。
「貴方様が英雄ヒサ様ですね。あ、握手して下さいませ!」
「あ、あぁ。いいですよ」
ヒサは内心ドキドキとしながら握手に応じ、
(助けた時確かに伯爵令嬢は眠っていた。バレる筈はない!)
っと大丈夫だと思っているが、やはり心配するヒサ。
だが差し出した手がヒサのこれからの苦難を決めてしまうきっかけになってしまった。やはり何処か少し抜けているヒサであった。
「嬉しいです。この街を救って頂き有難う御座います!ヒサ様は格好良くて素敵です!」
リスカは顔を赤く染めながら、ヒサを見つめ目をキラキラしていた。
ヒサは何だか嫌な予感がしてヤバそうだと思い、家に帰ろうと逃げようとするが、
「そ、そろそろ家に帰ろうと思います。褒美金有難う御座います。そ、それでは」
だがリスカが止めに入る。
──────────────
ふといつも語る誰かは言葉がボールのスポーツみたいだなと思い始めた。
──────────────
「ヒサ様!お、お待ちになって下さいませ!ね、ねぇお父様!ヒサ様に御夕食御一緒しても宜しくて?」
ヒサの逃げ道を塞ぎリスカは伯爵に援護を求めるが、
「ヒサ殿は忙しいみたいだぞ。無理を言っては駄目だよ。」
ヒサの思いを知ってか、それとも焼き餅か?それとも伯爵の嫌な予感か分からないが、ヒサからパスを貰いリスカの敵に回りヒサの援護する。
少し頼りない伯爵は頑張っているが………仲間と思っていた伯爵に裏切られたリスカは強烈なテクニックで伯爵を抜かんとする!
「う~ん。お父様駄目?」
リスカは可愛く目をうるうるさせながら上目遣いで伯爵に強烈な攻撃にして伯爵をキューンとさせたその隙に奪い速攻でシュートを決めようとするが、
「う、う。し、しかしヒサ殿も疲れているし今日は忙しいだろ?」
何とか強烈な攻撃に耐えながらシュートをさせまいとするが、もう伯爵の心は娘の可愛さあまり落ちて抜かれそうだ。
そしてヒサを見た伯爵はヒサにパスを送る。
「そ、そうですね。色々と立て込んでおりまして、大事なこれからの冒険者活動の仲間との打ち合わせがあります。残念ですが帰りたいと思います………次第です」
伯爵のパスを受け取り、ヒサの言葉を聞いた一瞬ひむるが、リスカは今度はヒサに上目遣いで無言のお願いポーズをお得意強烈テクニックを仕掛けてくるが、サッと目をそらし回避して帰宅のシュート宣言をする。
頼りなさげなシュート、向かったのは
「では今日は帰ろうと思います。リスカ様、伯爵様、また機会が有ったら、お伺いします。今日は有難う御座いました。行くぞ!ギルマス!」
「お、おう!伯爵様今日は有難う御座いました。ではおやすみなさいませ」
どうやらシュート宣言はフェイントでギルマスにパスをしてギルマスにシュートをさせ何とかシュートは決めたようだ。
何処かの誰かは、ふぉっふぉっふぉっと楽しげに観戦していた。
ヒサは延長を拒みそしていきなり振られてギルマスは、別れの挨拶をしてからおやすみの挨拶をしてやはりまだ緊張していた。
ヒサの言葉にゲーム終了の挨拶を伯爵に求めるヒサ。
「そ、うだな。早急に馬車を手配して贈る。また会おうぞ。」
「有難う御座います。ではリスカ様さよならです。」
ヒサはギルマスの手を引っ張り、リスカの言葉を聞かずゲーム終了を宣言して素早く逃げるように執務室から出て行ったヒサ達だった。
負けて呆然としてるようなリスカをよそに、伯爵の了解得てリスカの断りは得ず、三対一のリスカの不利な試合はゲーム終了となった。
──────────────
(楽しかったのぉふぉっふぉっふぉ。)
何処の誰かのせいで一段と皆が大変な目にあったような結末になった。
──────────────
「あれっ?」
そして立ち尽くしていたリスカはヒサに声をかける前に、あっという間にヒサ達が伯爵の執務室から消えたのを、はっと思い出したリスカは、何か運動をしていたような違和感がしたが、ううんあり得ないと思い別の事を思い始めた。
「う~ん。う~ん。」
っと何かを考え始めたリスカ。
(もしかして………ヒサ達が私をお助け致したのかしら。まさかそんな訳ないないわね。助けて貰ったヒサ様の匂いとは違ったし。握手した時の感じた感触は似ていたけど……。う~ん。ん?違う?何も臭わなかった?何故臭わない?エチケットかしら………丁寧な言葉遣いだったけど、でも貴族然としてなかった。もしかして消した?何故?冒険者なのに?疚しい事がある?何故?なぜ?はっ!ふ~ん。何故かしらぁ。)
「うふふ。うふふふ♪」
リスカは先日の伯爵令嬢誘拐事件で愛しの王子様に助けられたのをずっとお礼が言いたくてそして王子様の事を思い、考えていたリスカは変な勘を働かせ、ヒサのリスカから逃げるように執務室から立ち去ったのを何か違和感というか何かを感じ疑問に思い、そして答えが合っているかのように勝手に納得してから不気味な笑いをしだしたリスカは、伯爵に何も告げず執務室からソォ~っと立ち去って行く。
そして伯爵は何処運動したような疲れを感じながらヒサへの馬車手配の書類を書いていると、リスカの不気味な笑いに寒気が走りビクっとして、立ち去って行くリスカに声をかけるが、
「えっ?リスカ。どうしたのだ?」
リスカから返事が無いままリスカは執務室から出て行った。
「リスカが変だぞ。どうしたのだ?」
伯爵はリスカの事が少し心配と思い、ベルをチリンチリンと鳴らし、使用人のメイドを呼び出し「失礼します」っと執務室に入って来たメイドにリスカの様子を見るように伝えた。リスカに何か不安を感じたが仕事をサッサと済ませ、後から直接聞けば良いと思い書類の仕事を始めた。
──────────────
その頃ヒサ達は帰りの馬車の中におり、ギルマスはホッとしていたが、ヒサは内心面倒くさい事になりそうだなと思っていた。
(おいおい。何故あそこで伯爵令嬢が出てくるんだよ。まさか気付かれた?それは無いかな。しかしなぁ女は変な勘が働くからなぁ。食事を断るのはやはり不自然だったか?う~ん。最悪ギルマスが緊張し過ぎてヤバかったとかすれば……。早くこの街から旅立った方が良さそうだな。)
そんな事を思っていたヒサだが、リスカには最早バレていそうだった。
そしてこれから先、ヒサが転移でリューゲルにソッと帰って来ると、何故かリスカに勘付かれいきなりヒサの屋敷に来たり、何かと付け回されるが、その時に語られるだろう。
ヒサの思いとは別に馬車は何事も無くスムーズに走り冒険者ギルドの前に着くと、ギルマスは疲れた様子で降りソッとヒサに手を上げて冒険者ギルドに帰って行った。
そして一人馬車の中でヒサは、
「今日は最後の最後で滅茶苦茶疲れたぁ。はぁ~、早く帰って飯食って風呂入って寝たい。何故か執務室で運動してたような疲れもあるしなぁ」
とヒサは思いながら何処かの誰かのせいで疲れたヒサを乗せた馬車は、ヒサの思いが通じたのかペースを上げてヒサの屋敷に向かって行くのだった。
0
お気に入りに追加
528
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界転移した町民Aは普通の生活を所望します!!
コスモクイーンハート
ファンタジー
異世界転移してしまった女子高生の合田結菜はある高難度ダンジョンで一人放置されていた。そんな結菜を冒険者育成クラン《炎樹の森》の冒険者達が保護してくれる。ダンジョンの大きな狼さんをもふもふしたり、テイムしちゃったり……。
何気にチートな結菜だが、本人は普通の生活がしたかった。
本人の望み通りしばらくは普通の生活をすることができたが……。勇者に担がれて早朝に誘拐された日を境にそんな生活も終わりを告げる。
何で⁉私を誘拐してもいいことないよ⁉
何だかんだ、半分無意識にチートっぷりを炸裂しながらも己の普通の生活の(自分が自由に行動できるようにする)ために今日も元気に異世界を爆走します‼
※現代の知識活かしちゃいます‼料理と物作りで改革します‼←地球と比べてむっちゃ不便だから。
#更新は不定期になりそう
#一話だいたい2000字をめどにして書いています(長くも短くもなるかも……)
#感想お待ちしてます‼どしどしカモン‼(誹謗中傷はNGだよ?)
#頑張るので、暖かく見守ってください笑
#誤字脱字があれば指摘お願いします!
#いいなと思ったらお気に入り登録してくれると幸いです(〃∇〃)
#チートがずっとあるわけではないです。(何気なく時たまありますが……。)普通にファンタジーです。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】ねこの国のサム
榊咲
ファンタジー
ねこのくにに住んでいるサムはお母さんと兄妹と一緒に暮らしています。サムと兄妹のブチ、ニセイ、チビの何げない日常。
初めての投稿です。ゆるゆるな設定です。
2021.5.19 登場人物を追加しました。
2021.5.26 登場人物を変更しました。
2021.5.31 まだ色々エピソードを入れたいので短編から長編に変更しました。
第14回ファンタジー大賞エントリーしました。

追放された運送屋、僕の【機械使役】は百年先の技術レベルでした ~馬車?汽船? こちら「潜水艦」です ドラゴンとか敵じゃない装甲カチカチだし~
なっくる
ファンタジー
☆気に入っていただけましたら、ファンタジー小説大賞の投票よろしくお願いします!☆
「申し訳ないが、ウチに必要な機械を使役できない君はクビだ」
”上の世界”から不思議な”機械”が落ちてくる世界……機械を魔法的に使役するスキル持ちは重宝されているのだが……なぜかフェドのスキルは”電話”など、そのままでは使えないものにばかり反応するのだ。
あえなくギルドをクビになったフェドの前に、上の世界から潜水艦と飛行機が落ちてくる……使役用の魔法を使ったところ、現れたのはふたりの美少女だった!
彼女たちの助力も得て、この世界の技術レベルのはるか先を行く機械を使役できるようになったフェド。
持ち前の魔力と明るさで、潜水艦と飛行機を使った世界最強最速の運び屋……トランスポーターへと上り詰めてゆく。
これは、世界最先端のスキルを持つ主人公が、潜水艦と飛行機を操る美少女達と世界を変えていく物語。
※他サイトでも連載予定です。
八十神天従は魔法学園の異端児~神社の息子は異世界に行ったら特待生で特異だった
根上真気
ファンタジー
高校生活初日。神社の息子の八十神は異世界に転移してしまい危機的状況に陥るが、神使の白兎と凄腕美人魔術師に救われ、あれよあれよという間にリュケイオン魔法学園へ入学することに。期待に胸を膨らますも、彼を待ち受ける「特異クラス」は厄介な問題児だらけだった...!?日本の神様の力を魔法として行使する主人公、八十神。彼はその異質な能力で様々な苦難を乗り越えながら、新たに出会う仲間とともに成長していく。学園×魔法の青春バトルファンタジーここに開幕!
gimmick-天遣騎士団-
秋谷イル
ファンタジー
千年前、異界から来た神々と創世の神々とがぶつかり合い、三つに分断された世界。ガナン大陸では最北の国カーネライズの皇帝ジニヤが狂気に走り、邪神の眷属「魔獣」を復活させ自国の民以外を根絶やしにしようとしていた。
だが大陸の半分がその狂気に飲み込まれてしまった時、伝説の舞台となった聖地オルトランドの丘でそれを再現するかのように創世の三柱の使徒「天遣騎士団」が現れ、窮地に陥っていた人々を救う。
その後、天遣騎士団は魔獣の軍勢を撃破しながら進軍し、ついには皇帝ジニヤを打倒してカーネライズの暴走に終止符を打った。
一年後、天遣騎士団の半数はまだカーネライズに留まっていた。大陸全土の恨みを買った帝国民を「収容所」と称した旧帝都に匿い、守るためである。しかし、同時にそれは帝国の陥落直前に判明したあるものの存在を探すための任務でもあった。
そんなある日、団長ブレイブと共にこの地に留まっていた副長アイズ、通称「黒い天士」は魔獣の生き残りに襲われていた少女を助ける。両親を喪い、成り行きで天遣騎士団が面倒を見ることになった彼女の世話を「唯一の女だから」という理由で任せられるアイズ。
無垢な少女との交流で彼女の中に初めての感情が芽生え始めたことにより、歴史はまた大きく動き始める。
漆黒の魔女と暴風のエルフ
あきとあき
ファンタジー
漆黒の魔女ゼノア、不老不死の魔物だが人間の心を持つ絶世の美女。共に魔王を倒した勇者たちの子孫を探して世界中を旅している。暴風のエルフ・シリル、金髪のハイエルフ。育ての親を魔人に殺され仇を討つため旅をしている。絶世の美少女だが、粗野で喧嘩早く切れやすい性格で暴走エルフとも呼ばれる。そんな二人の長い長い旅の物語。チートのように強いですが万能ではありません。転生ものでもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる