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マツモト予選 当日
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予選当日、いよいよ第一試合が始まる。
身につけているのは、ドワラゴン特製の燃えない素材の装備だ。
やっぱり露出が多いけど。
呼べるに向けて、各都市に5000人規模の闘技場が準備された。
あたしも建設に関わっている。マツモトには、レゴレを使える魔法使いがいないから、鉄の舞台や骨組みの大部分は、あたしが作ったようなものだ。
壁や床は、草木の魔法で作られている。
マツモトの闘技場は、草木のドラゴンの土地柄だから、植物をモチーフにしたデザインになっている。
実際ヴィラナを使って、植物が至る所に花を咲かせ、葉を茂らせている。
相手は、草の魔法使い、泉鏡。
猫耳族のS級魔法使い。冒険者ギルドには入ってないけど、マツモトでは有名な実力者だ。
会場は、熱気に包まれ、期待と緊張が交錯する中、泉鏡と向かい合った。あたしの脇にはピバウがいる。
「あなたが泉鏡ね。はじめまして」
「巨人と聞いていたけど、華奢な女の子じゃないか。安心したぞ、カリン。
ただ、犬の散歩なら他所でしたほうが身のためだぞ」
泉鏡は、優雅に手を振り、身のこなしは、草を操る風のようだ。
「なめてるなら、痛い目見せてあげる」
バウ!
ピバウにも小馬鹿にされたのが伝わったらしい。
「あたしに負けたら冒険者ギルドに入ってもらうわよ」
「ほう。お前が負けたら俺の従者にでもなってもらうか」
「あたしは、負けないわ」
試合開始のドラが鳴り響いた。
その場で軽く踊るようにステップを踏んだ。身体が軽い。自然体で拳を構える。
泉鏡は、魔法で生やした草をニュルニュルと操りながら、攻撃の準備をする。
彼の動きは風と共に舞い、草の葉が彼の周りを漂う。薄い葉っぱに、刃の切れ味がありそうだ。
「捕まえてやる」
一気に間合いを詰めて、拳を連打する。
あたしの拳が迫ると、泉鏡は、草を巧みに結びつけ、身を守る。
その度に、あたしの拳が草を破る。
あたしとピバウを捕らえるように草のツルが伸びてくる。
刃のようなに鋭い葉が、あたしの腕や足に切り傷を作る。
泉鏡が舞台の端まで飛び避けた。
「出よ、草の迷宮!」
泉鏡の声が響き、舞台が一瞬にして、草の壁の迷路に覆われた。
どうやら草の迷宮は、魔法の力を利用して作り出す、迷路のような構造のようだ。
草木を巧みに操り、相手を惑わせたり捕らえたりするための戦術らしい。
草の迷宮が形成されると、周囲の草や植物が急速に成長し、複雑な迷路状の構造を形成した。
迷宮内部は常に変化し、通路が不規則に配置される。
厄介なものを!
頭上に咲く極彩色のピンクや黄色の花から、キラキラした花粉が舞い落ちてくる。
くっ
目の前がクラクラして、グニャグニャしてきた。
毒か!
すぐにポムルスをかじって解毒しながら狭い通路を移動する。
壁から尖った木の杭が飛び出してきたり、触手のようなツルが襲ってきたり、最悪だ。
腕力で迷宮を切り裂いても、すぐに草が生えてきてしまう。
「何よこれ!うざったい攻撃ね!」
「さて、次はどうする?」
今度は、木の杭が上から降ってくる、狭い通路で全部避け切るのは無理だ。
ピバウも隣りでピョンピョン跳ねながら木の杭を避ける。
ピバウが炎を吹く準備を始めた。
「ピバウ、力を見せつけてやれ!」
ピバウが猛烈な炎を草の迷宮に吐き散らす。
もっと早くこうすればよかった。ちょっと熱いけどね。
草の迷宮が炎で焼き尽くされた。焼け焦げた匂いが充満する。
「さあ、攻めるわよ!」
ピバウの炎の援護射撃に乗じて、駆け出す。ピバウと息ぴったり。あたしに当たらないように、器用に炎を吐きまくる。
まるであたしの拳が炎を纏い、炎と共に迫るようだ。
「炎の犬め!食らえ、草の竜巻!」
泉鏡が手を振ると、草が竜巻のように舞い上がり、あたしとピバウを包み込む。
なんて魔法のスピード!逃げる暇もない。
ピバウも草に絡めとられている。
バウ!
まずいかも。どんどん身体を縛り付けるツルが強く締まって、身体が自由に動かない。
「これで終わりだ!」
く、苦しい。
メリメリと音を立てながら、身体をツルが更に縛りつける。
幻覚作用のある花が明るく輝き、緑色や金色の光が舞い踊り、美しい幻想的光景だ。
両手がツルに縛られてポムルスを食べて解毒することができない。
クラクラする。毒が回ってきているみたい。。。やばいかも。。。
「では、最後は串刺しにするか。あっけなかったな」
泉鏡の声が勝利を確信している。
「ピバウ助けて。。。」
あたしが弱々しく声をかけると、草の竜巻の中から炎を纏ったピバウが飛び出してきた。
「ちっ、忌々しい犬め!」
ピバウがあたしごと草の竜巻を燃やし尽くす。
火傷しながらツルから解放されて、すぐにポムルスをかじる。
ピバウ、ちゃんと火加減してよね!
「あちちち!でも、助かった!」
ピバウに助けられてばっかりだ。
「驚くべき火力だ。相性、最悪か。
しかし、負けない!」
泉鏡が声を上げ、草の根から大木を生やし、あたしに迫る。
もう自由を奪われるのは、嫌だ。
「焼き払え!ピバウ!」
ピバウが炎を吹き出し、大木を真っ二つに切り裂く。
「終わりだ!」
拳に今日一日の力を集中させる。
拳の先の泉鏡に向けて、一点に集中させる。
「いっっけぇぇ!!」
拳を突き出すと、太い光の束が拳から報酬された。
え?
なんか、出た!
泉鏡も驚きの表情を浮かべる。
「どういうことだ!?」
泉鏡が声を上げて、草の壁を三重に作った。
あたしの拳から出たエネルギーの塊が草の壁を貫通して、貫通して、ついに3枚目の壁を貫通した。
グサッッッ!!!
そのまま泉鏡の体を貫く!
「ぐはっ!!」
そのまま泉鏡が舞台の外まで吹っ飛んで、地面に転がるよう倒れた。
試合終了のドラが鳴り響く。
医療サポートが急いで泉鏡に駆け寄る。
「カリンが勝った!」
観客が喜びの声を上げ、会場は歓喜に包まれた。
「カリン!カリン!カリン!」
「みんな、ありがとう!」
泉鏡も治癒魔法を受けて、ヨロヨロと立ち上がった。
観客が泉鏡にも喝采を送った。
草の魔法、あんな使い方ができるなんて。泉鏡、すごい魔法使いだった。草木の魔法使いとして、完全に格上だった。
でも、S級魔法使いを倒したんだ。半分くらいピバウのおかげだけど。
これは、予選決勝への弾みになる。
最後の技、自分でもびっくりした。
でも、使いこなせれば武器になる。もっとスピードと攻撃力を持たせたい。豪衝波と名付けよう。
ユピテルの力にワクワクする。きっとあたしの中のユピテルも楽しんでるんだ。
戦闘形態と解いて黒い毛並みのピバウをなでなでする。熱かったけど、助かったよ。大活躍だったね。
バウ!
きっとあたしが焼け焦げないようにしてくれていたんだね。よしよし、いい子だ。
ピバウがしっぽをフリフリしている。
明日は、決勝戦。
戦いの中で、成長していこう。
身につけているのは、ドワラゴン特製の燃えない素材の装備だ。
やっぱり露出が多いけど。
呼べるに向けて、各都市に5000人規模の闘技場が準備された。
あたしも建設に関わっている。マツモトには、レゴレを使える魔法使いがいないから、鉄の舞台や骨組みの大部分は、あたしが作ったようなものだ。
壁や床は、草木の魔法で作られている。
マツモトの闘技場は、草木のドラゴンの土地柄だから、植物をモチーフにしたデザインになっている。
実際ヴィラナを使って、植物が至る所に花を咲かせ、葉を茂らせている。
相手は、草の魔法使い、泉鏡。
猫耳族のS級魔法使い。冒険者ギルドには入ってないけど、マツモトでは有名な実力者だ。
会場は、熱気に包まれ、期待と緊張が交錯する中、泉鏡と向かい合った。あたしの脇にはピバウがいる。
「あなたが泉鏡ね。はじめまして」
「巨人と聞いていたけど、華奢な女の子じゃないか。安心したぞ、カリン。
ただ、犬の散歩なら他所でしたほうが身のためだぞ」
泉鏡は、優雅に手を振り、身のこなしは、草を操る風のようだ。
「なめてるなら、痛い目見せてあげる」
バウ!
ピバウにも小馬鹿にされたのが伝わったらしい。
「あたしに負けたら冒険者ギルドに入ってもらうわよ」
「ほう。お前が負けたら俺の従者にでもなってもらうか」
「あたしは、負けないわ」
試合開始のドラが鳴り響いた。
その場で軽く踊るようにステップを踏んだ。身体が軽い。自然体で拳を構える。
泉鏡は、魔法で生やした草をニュルニュルと操りながら、攻撃の準備をする。
彼の動きは風と共に舞い、草の葉が彼の周りを漂う。薄い葉っぱに、刃の切れ味がありそうだ。
「捕まえてやる」
一気に間合いを詰めて、拳を連打する。
あたしの拳が迫ると、泉鏡は、草を巧みに結びつけ、身を守る。
その度に、あたしの拳が草を破る。
あたしとピバウを捕らえるように草のツルが伸びてくる。
刃のようなに鋭い葉が、あたしの腕や足に切り傷を作る。
泉鏡が舞台の端まで飛び避けた。
「出よ、草の迷宮!」
泉鏡の声が響き、舞台が一瞬にして、草の壁の迷路に覆われた。
どうやら草の迷宮は、魔法の力を利用して作り出す、迷路のような構造のようだ。
草木を巧みに操り、相手を惑わせたり捕らえたりするための戦術らしい。
草の迷宮が形成されると、周囲の草や植物が急速に成長し、複雑な迷路状の構造を形成した。
迷宮内部は常に変化し、通路が不規則に配置される。
厄介なものを!
頭上に咲く極彩色のピンクや黄色の花から、キラキラした花粉が舞い落ちてくる。
くっ
目の前がクラクラして、グニャグニャしてきた。
毒か!
すぐにポムルスをかじって解毒しながら狭い通路を移動する。
壁から尖った木の杭が飛び出してきたり、触手のようなツルが襲ってきたり、最悪だ。
腕力で迷宮を切り裂いても、すぐに草が生えてきてしまう。
「何よこれ!うざったい攻撃ね!」
「さて、次はどうする?」
今度は、木の杭が上から降ってくる、狭い通路で全部避け切るのは無理だ。
ピバウも隣りでピョンピョン跳ねながら木の杭を避ける。
ピバウが炎を吹く準備を始めた。
「ピバウ、力を見せつけてやれ!」
ピバウが猛烈な炎を草の迷宮に吐き散らす。
もっと早くこうすればよかった。ちょっと熱いけどね。
草の迷宮が炎で焼き尽くされた。焼け焦げた匂いが充満する。
「さあ、攻めるわよ!」
ピバウの炎の援護射撃に乗じて、駆け出す。ピバウと息ぴったり。あたしに当たらないように、器用に炎を吐きまくる。
まるであたしの拳が炎を纏い、炎と共に迫るようだ。
「炎の犬め!食らえ、草の竜巻!」
泉鏡が手を振ると、草が竜巻のように舞い上がり、あたしとピバウを包み込む。
なんて魔法のスピード!逃げる暇もない。
ピバウも草に絡めとられている。
バウ!
まずいかも。どんどん身体を縛り付けるツルが強く締まって、身体が自由に動かない。
「これで終わりだ!」
く、苦しい。
メリメリと音を立てながら、身体をツルが更に縛りつける。
幻覚作用のある花が明るく輝き、緑色や金色の光が舞い踊り、美しい幻想的光景だ。
両手がツルに縛られてポムルスを食べて解毒することができない。
クラクラする。毒が回ってきているみたい。。。やばいかも。。。
「では、最後は串刺しにするか。あっけなかったな」
泉鏡の声が勝利を確信している。
「ピバウ助けて。。。」
あたしが弱々しく声をかけると、草の竜巻の中から炎を纏ったピバウが飛び出してきた。
「ちっ、忌々しい犬め!」
ピバウがあたしごと草の竜巻を燃やし尽くす。
火傷しながらツルから解放されて、すぐにポムルスをかじる。
ピバウ、ちゃんと火加減してよね!
「あちちち!でも、助かった!」
ピバウに助けられてばっかりだ。
「驚くべき火力だ。相性、最悪か。
しかし、負けない!」
泉鏡が声を上げ、草の根から大木を生やし、あたしに迫る。
もう自由を奪われるのは、嫌だ。
「焼き払え!ピバウ!」
ピバウが炎を吹き出し、大木を真っ二つに切り裂く。
「終わりだ!」
拳に今日一日の力を集中させる。
拳の先の泉鏡に向けて、一点に集中させる。
「いっっけぇぇ!!」
拳を突き出すと、太い光の束が拳から報酬された。
え?
なんか、出た!
泉鏡も驚きの表情を浮かべる。
「どういうことだ!?」
泉鏡が声を上げて、草の壁を三重に作った。
あたしの拳から出たエネルギーの塊が草の壁を貫通して、貫通して、ついに3枚目の壁を貫通した。
グサッッッ!!!
そのまま泉鏡の体を貫く!
「ぐはっ!!」
そのまま泉鏡が舞台の外まで吹っ飛んで、地面に転がるよう倒れた。
試合終了のドラが鳴り響く。
医療サポートが急いで泉鏡に駆け寄る。
「カリンが勝った!」
観客が喜びの声を上げ、会場は歓喜に包まれた。
「カリン!カリン!カリン!」
「みんな、ありがとう!」
泉鏡も治癒魔法を受けて、ヨロヨロと立ち上がった。
観客が泉鏡にも喝采を送った。
草の魔法、あんな使い方ができるなんて。泉鏡、すごい魔法使いだった。草木の魔法使いとして、完全に格上だった。
でも、S級魔法使いを倒したんだ。半分くらいピバウのおかげだけど。
これは、予選決勝への弾みになる。
最後の技、自分でもびっくりした。
でも、使いこなせれば武器になる。もっとスピードと攻撃力を持たせたい。豪衝波と名付けよう。
ユピテルの力にワクワクする。きっとあたしの中のユピテルも楽しんでるんだ。
戦闘形態と解いて黒い毛並みのピバウをなでなでする。熱かったけど、助かったよ。大活躍だったね。
バウ!
きっとあたしが焼け焦げないようにしてくれていたんだね。よしよし、いい子だ。
ピバウがしっぽをフリフリしている。
明日は、決勝戦。
戦いの中で、成長していこう。
応援ありがとうございます!
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