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鬼殺しのダンジョン2階

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「おい、ピッケル、起きろ!大丈夫か?」

 スピーラに身体を揺さぶられて目が覚めた。
 かなり深く眠ってしまったみたいだ。
 おかげで半分くらい魔力が回復している。
 ゆっくり立ち上がる。

 うん。大丈夫そうだ。

 ガブルよりも大きな筋肉質のフルメタルプレートで武装した大男が目の前に立っている。

「君が、ピッケルか。大丈夫なら一緒に行こう。
 中には結界もあったらしい。結界を解除できる君の力が必要だ。
 私は、トッドマーク。
 特別攻略パーティのリーダーでミラノから来たS級魔法剣士だ。よろしく」

 明るくて責任感の強い声。
 トッドマークが力強い手で握手する。
 
「私は、ヌプルス。アメダバドから来たS級魔法使いよ。攻撃魔法専門。回復魔法は、ピッケルにお願いするわ」

「S級が2人もきてくれたのかよ。
 キッキッキ!
 こりゃ、頼もしいぜ!」

 行こう。
 そうだ、そういえばドワラゴンから草舟のローブ、草舟のブーツ改良版をもらっていたな。
 これならキュルリアにも耐えられるかもしれない。最初からこれを着ればよかった。

「僕は、いけるよ。急ごう!」

 僕たちは、鬼殺しのダンジョンの新しい入り口から入って、幅の広い石の階段を登っていく。
 かなり長い階段だ。
 
 階段を登りきると、だだっ広い白い床の空間があった。
 すでに光の魔法で灯りが灯されている。
 
 ゴブリンダーが3体倒されている。白い床がゴブリンダーの濁った血で茶色く汚れている。ひどい匂いだ。
 ターニュたちが倒したんだろう。

 広間から3つの通路が伸びている。それぞれ光の魔法で灯りが付けられている。

「こっちだ。全部魔法で灯りをつけた後で、真ん中の道を進んだんだ。
 気をつけてくれ。この先にゴブザーグがいた」

 スピーラが道案内をしてくれた。

 この先にターニュが!早くいかないと!

 僕たちは、通路を進んでいく。

 通路には魔法使いが2人倒れて死んでいた。

 この2人はもう助けられないな。
 ターニュは?もしかしたら。。。
 いや、まだ分からない。

 また白い床の広間に出た。

 広間の真ん中に血を流したターニュが倒れている。
 腕がだらんとして、深い傷を負っている。
 ターニュに渡していたポムルスのかじりかけがターニュの手の側に転がっていた。

「ターニュ!!」

 急いで駆け寄る。
 
「ピッケル。。。なんできたの?あたしのために?危険だよ!ゴブザーグが。ゴボッ」

 ターニュが血を吐く。
 まずい。
 迷う時間はない。

「キュルリア!!!」

 ターニュの身体を緑の強い光が包み込む。

 うぉぉぉ!!!

 はぁ、はぁ。

 大丈夫。最初より慣れてきた。草舟のロープのおかげもあるな。
 よかった。思ったより上手くいった。

 ヌプルスが驚く。

「まぁ。ピカエアル級の回復魔法ね。
 ピッケルやるじゃない!ピッケルには、魔力があるのね。うふふ」

「ピッケル、ありがとう。すごい。傷跡もないよ。体力まで回復してる」

 トッドマークが落ち着いた口調で話す。

「回復できて何より。
 さぁ、ゴブザーグがくるよ。
 通路まで下がっていてくれ。
 ここは、私とヌプルスで」

 僕とターニュとスピーラで通路まで戻る。

 広間のトッドマークとヌプルスを見守る。
 ターニュが僕の左腕にしがみついてきた。ターニュが少し震えている。ゴブザーグ、それほどの強敵ってことか。

「ターニュ、大丈夫?」

 普段は強気なのに。あれだけの傷を負ったあとだから無理はないか。
 たまには弱気なのも可愛いけど。

「ごめん、ピッケル。まだ立ち直れていなくて。
 今は、ちょっとだけ甘えさせて」

 スピーラが空気を読まずに冷やかしてくる。

「おいおい、お熱いな。
 キッキッキ!
 まぁ,ピッケルに惚れる気持ちは、俺にも分かるぜ。俺が女なら、俺も抱かれたいくらいだ」

 冗談が言えるくらい元気になったんだったら、よかったな、スピーラ。

 広間にゴブザーグが気配もなくサッと現れた。
 ゴブリンダーより小さい。
 トッドマークと同じくらいか。右手には、手入れされた長剣が握られている。
 たたずまいも剣士そのもの。それもかなりの手練だ。

 ビュンと一気にトッドマークに肉薄する。

 速い!

 ほとんど見えなかった!

 トッドマークが長剣でゴブザーグの剣を受けて、弾き返した。まったく動じない。

 ヌプルスがトッドマークの後ろに隠れて、詠唱を始める。

 長い詠唱だ。ずっと詠唱している。
 なんの魔法なんだろう?

 トッドマークがゴブザーグの右側に流れるように移動して中段に突きと薙ぎ払いを繰り出す。
 ゴブザーグが上に飛んでそれを避けた。
 
 なんてジャンプ力だ!

 トッドマークが剣を鞘に納めた。

 え?

 ヌプルスが杖から強力で極太のレーザービームを放つ。

 ジュッ

 焦げるような嫌な匂いを残して、ゴブザーグの胴体が消失した

 頭と手足がボトボトと床に落ちて、血も流れない。

 これがS級!

「やれやれ。ヌプルスにいいところ取られたな」

「壁になってくれてありがとう。
 トッドマークが魔法で倒してもよかったのよ?」

「いやいや、せっかく詠唱していてくれたんだから、活かさないと」

「相変わらず、手を抜くときは抜くわね」

「いざという時のためさ。
 さぁ、奥に進もう。せっかくだ、みんなで行こう。もう大丈夫だよ」

 安心していいんだろうか。

 ヌプルスが奧の広間の入り口を光の魔法で照らした。
 この先が最奥なんだろうか。

 キラキラと光が満ちた真っ白な直方体の空間。
 中央に光り輝く祭壇が見える。
 汚れ一つない。

 綺麗だ。

 こんな場所が鬼殺しのダンジョンの上にあったなんて。

 ターニュが広間の入り口の前で腕を広げて僕たちを止めた。
 
「あたしたちは、結界で前に進めなくなった後で、ゴブザーグにやられたのよ」

 トッドマークが結界を確かめる。

「透明で見えないが、やっぱり結界があるな。ピッケル、解除できるか?」

「やってみるよ。とは言ってもどうしたらいいのか分かるわけじゃないんだけど。。。」

 ミニゴーレムが透明な結界をすり抜けて広間の中に入る。

 ヌプルスが驚く。

「まぁ。ミニゴーレムなら中に入っていけるのね。小さくて可愛いわ。魂の魔法か。本当に不思議だわ」

 ビュンッと音がして、結界が解除された。

 広間に入ると、入り口すぐ近くの壁の辺りでミニゴーレムがぴょんぴょん跳ねていた。
 
 壁にボタンがあったのか。
 今回は、結構単純だったな。

「ピッケル、すごいぞ。
 こんなにあっさりと解除できるとは。ミニゴーレムが結界を解くのに役立っているんだな。
 これは、誰にも真似できない。
 しかし、ここはすごいな」

 カツン カツン

 歩くたびにトッドマークの金属の靴が音を鳴らして、広間に響き渡る。

 誰もいないのに、濃い魔力が満ちている。

「おやおや、客人とは珍しいな」

 広間全体から声が響いてきた。

 他のみんなは気づいていないみたいだ。

「もしかして、精霊?」

 ターニュがキョロキョロと見回す。

「ピッケル、何が見えたり聞こえたりしているの?」

「お?わたしの声が聞こえるのかい?
 そうか、お前がピッケルか。
 わたしは、時空と魂の精霊ゲムルス。他のものには見えないか。
 久しぶりに姿を見せてやるか」

 目の前に青くて長い髪の毛の美しい女の精霊が祭壇の上の空中に現れた。
 やっぱり全裸だ。長い髪の毛が身体を隠している。

 ヌプルスが精霊見上げる。

「あら、これが精霊。初めてこの目で見たわ。なんて美しいの。。。」

「私は、トッドマーク。巨人の子。あなた様は?」

「わたしは、ゲムルス。全てのダンジョンの主だ。よくきたね。
 わたしのゴブザーグを倒したのはお前たちだね。なかなか強いじゃないか」

 そうだ。死んでしまった2人をどうにかできないか聞いてみよう。

「ゲムルス様、仲間が2人、ゴブザーグに殺されてしまいました。生き返らせることはできませんか?」

「ピッケル、蘇生は、禁忌だよ。
 女神様がなされるのを別としてね。
 やり直しが効かないこともあるのさ。
 死ぬ危険があるけど、素晴らしい宝が眠ってるってのがダンジョンの醍醐味さ。ダンジョンってのは、そういうもんだよ」

 そうか。手遅れだよな。流石に。

「そうですか」

「そう、気を落とすな。いずれにせよ死ぬ刹那の泡沫のような命だよ。人類は、特に短いけどね。ふふふ」

「短いかもしれない。でも、日々の一瞬、一瞬、今生きていることを尊しとして生きるのが命なんだよ」

「ふふふ。
 それは真理だな。死ぬまでの時に、各人に与えられた人生が凝縮しているとも言える。
 ふふふ。ダンジョンに沸く魔獣や罠、宝箱はね、私の愛なのだよ。
 その人生にダンジョンが含まれていたことを、あるいはその最期がダンジョンであったことを、光栄に思うことにしよう」

 これがダンジョンを作る精霊の感性なのか。

「ターニュを助けれて、よかった。そう思うしかないのか」

 拳をギュッと握りしめる。

「そういえば、ゴサスチがピッケルに魂の魔法を少し教えたと言っていたけど、使いこなしてきているみたいだね。
 ゴムリートに飛ばされたんだって?」

「機嫌が悪かったみたいで。。。」

「確かに怒っていたよ。カンカラカンを守ろうとしていたからね。
 ほうほう。なるほど、面白い使い方をしているね。世界をゴレゴレムとポシェタで結んでいるのか。
 考えたこともなかったね。そんな使い方。
 ふむふむ。彼女と遠距離恋愛か、頑張るじゃないか。
 他にも好きな女の子がいるのかい?旺盛だね。結構、結構。
 おや、ごめんよ。楽しくて勝手に頭の中を覗いてしまったよ」

 おいおい。やめてくれ。

「ゴムリートが乱暴して悪かったね。
 お詫びに、同時に使えるゴーレムを3体に増やしてやろう。役立ててくれ」

「ありがとうございます。助かります」

「ん?なんだレゴレで石しか使えないのかい?つまらないね。
 土の魔法は、専門じゃないが、ダンジョンを作るためにある程度使いこなしている。
 鉄ぐらいは使えるようにしてやろう。
じゃないとせっかくのゴレゴレムを活かせないじゃないか」

 鉄!これはすごい!鉄が使えるってことは。。。

「あの、金や銀も鍛錬すれば使えるようになりますか?」

「いや。金や銀は、魔力量が膨大で精霊にしか無理だから諦めな。
 ガラスくらいならいけるんじゃないかい?
 そういえば昔に比べて、今の亜人たちの力が弱いから、ダンジョンの裏門が最近開けられていないよね。つまらない話だよ。
 でも、お前たちのようにゴブザーグを倒せる亜人もいるんだね。
 見直したよ」

 ターニュが驚く。

「全てのダンジョンにもう一つの入り口が?!」

 ゲムルス様が心底残念そうに両手を広げた。

「そうだよ。せっかく作ったのにさ。
 5000年前は、裏門の封印を解除できる巨人や魔族が結構いたのにね。
 そうだ、ピッケルお願いがある。
 わたしが世界のところどころに作った作品、つまりダンジョンがあってね。
 その裏門にある結界を解除して欲しいんだ。
 何かのついででいいからさ。
 その方がダンジョンが盛り上がるだろう?作ったからには、楽しんでもらいたいのさ。
 解除したところで今の亜人たちに攻略できるかは、わからないけどね。
 お前たちなら、攻略して宝箱を手に入れる可能性があるよ。
 まぁ、死なない程度に楽しんでくれよ。
 ダンジョンで死ぬのも、ダンジョンの醍醐味だと、わたしなんかは思っているけどね。ふふふ。
 とにかく加護を与えるから、よろしく頼むよ」

 僕の周りにキラキラと光が集まって身体の中に入っていく。

「わかりました。あ!」

「じゃあね。ばいばい」

 ふわんとゲムルス様が消えてどこかへ行ってしまった。
 広間に満ちていた濃い魔力も無くなって、ガランとしている。

 スピーラが不満を垂れる。

「おい、勝手に喋り倒して消えちまったのか?
 これで終わりか?
 なんだよ。
 ピッケルばっかり加護をもらって、俺たちは骨折り損のくたびれ儲けじゃないか」

 トッドマークが祭壇を指差す。

「ダンジョンの創造者ゲムルス様がそんなケチなわけないだろう?
 見ろ、豪華な宝箱がちゃんと人数分5個あるよ」

 ヌプルスがはしゃぐ。

「わぁ!素敵!さすがダンジョンの主ね!」

 ターニュがふぅっと息を吐く。

「死にそうになっても、来た甲斐があったわ。ピッケル、荷物持ちをお願いね」

 そうだ。僕には荷物持ちの役割がある。
 
「はい、はい。トッドマーク、1つずつ持ち上げてくれる?」

 トッドマークがずっしりと重い宝箱をヒョイっと空のダンボール箱のように軽々と持ち上げて、僕のポシェタに放り込む。

「じゃあ、ギルドに帰ったら1人宝箱1つずつ分けよう。
 開ける前に選んで、中身が当たりでもハズレでも恨みっこなしだよ」

 ポシェタに5つの宝箱をスルスルと収納した。

 スピーラが驚く。

「なんて便利なんだよ!
 キッキッキ!
 それで便利屋か。。。」

 トッドマークも気に入ってくれたみたいだ。

「ピッケル、またどこかダンジョンに行く時は、一緒に行こう。君は、素晴らしいよ」

「もちろん。いつでも声をかけて。
 喜んでもらえたついでに、これもどうぞ!
 キュア!」

 全員にキュアを振りかける。

「おぉ!!」

 みんなが喜びの声を上げた。

 よしよし。

 みんなの疲れと装備の汚れを綺麗にした。これで気持ちよく帰路につける。

「さぁ、リノスに帰ろう!途中で亡骸も回収しよう。街で弔ってやりたいんだ」

 トッドマークが深く頷く。

「そうだな。そうしよう。いつもはなかなかそこまでできないけど、ピッケルがいれば遺体を運んで、街で弔ってやれるんだな。
 ますますいい。
 キュアも素晴らしい。帰り道の疲労で命を落とす冒険者のどれだけいることか。
 これで帰路の足も軽いな。
 ピッケル、君は万能だね。
 ありがとう」

 小さな一つずつの出来事が未来につながっていく。
 できることを続けていこう。

 それに自分がしたいこと、未来像がだんだん見えてきた。

 僕自身が万能薬のように、みんなを助けるんだ。
 そして、それでみんなを笑顔にしよう。
 そうやって生きて行くんだ。
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