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幸運と希望
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1頭の飛竜が地面に激突した。砕けた石片が飛び散り、土煙で視界の一部が奪われる。
ガンダルが待っていたのは、まさかの飛竜だったのか!?
キーラが飛竜に吹っ飛ばされると、紫色の光る魔石が地面に落ちて、粉々に砕け散った。
開きかけた紫色の次元の裂け目が消える。
倒れたキーラが口から血を流しながら、血走った眼でよろよろと立ち上がる。
「なんでこんな時に!このタイミングで?!
精霊にもらった魔石が飛竜を引き寄せてしまったのでしょうか?
これもピッケルの幸運のせい?!
それとも封印が阻止されるほうが、世界はより試練に向かうということなのでしょうか?」
僕は、我慢できなくなって、キーラに言い返す。
「なんでもかんでも僕のせいしないでよ!」」
「ピッケル、あなたを責めているのではありません。
しかし、必ず知っておきなさい。
あなたが常に試練の方に押し流されていることを!」
「キーラ、黙れ!屁理屈ばかりを!」
「ピッケル、いずれあなたは、大切な仲間を守るために自ら封印してほしいと私に懇願するでしょう!
亜空間に逃げたいと、私にすがるはずです。
私は、あなたの敵ではありません。むしろ、唯一の救いの手であることをお忘れなきように!」
「何をふざけたことを!誰がお前を頼るか!僕は、力をつけて、世界を救うんだ!逃げたりしない!」
「私の足元にも及ばない実力のあなたが世界を救う?
口から出まかせを。無責任に希望を語るのは、おやめなさい!
あなたには、無理です!
そんな無謀な大言壮語に付き合えません!あなたに何ができるって言うんですか?」
「キーラ、お前は、僕よりもはるかに優れた魔法使いだ。
でも、僕は、この世界に生まれてから一日も休まずに、限界まで自分を愚直に鍛えてきた。
そして、これからも毎日バカバカしいくらい限界まで努力する。何年でも、何十年でも。
ゾゾ長老のような魔力のスピードもなければ、お前のような才能や強さもないし、父のような賢さもない。
でも、どんな障害や困難、試練があっても、すべてを力に変える。
女神様がお手上げなくらい幸運だ。その幸運に課せられる試練もとてつもなく困難だ。
だけど、試練に立ち向かい世界を救うという信念がある。
だから、僕は、希望を持つ。決して諦めない。毎日必ず積み上げ続ける。
何ができるか?まだ分からない。
でも、見つかるまで、できることを探し続ける!」
キーラが冷ややかな目で、鼻先で笑う。そして、パチパチとわざとらしく拍手した。
「おやおや、名演説に感動してしまいそうでしたよ。
ですが、馬鹿げています。
そんな小さな積み重ねで回避できるほど、隕石の危機は、小さいものではありません。
どんなに高い塔を建てても、決して月には届きません。無理です。
何ができるか、まだわからない?一生分かりませんよ。あなたにできることなど、そもそも無いのだから。
あなたは、試練の危険さを過小評価している。
女神様の理解を超えて、あのドラゴンを弱めるほどの幸運ですよ?
あなたの幸運も試練にも、絶望しかない。
私は、あなたを信じません!だから、あなたを必ず封印します!世界を救う唯一の方法だからです!」
「キーラ、あたしは、ピッケルを信じる。塔を建てて月に届かないなら、月に届く別の方法を考えだせばいいわ!
あなたが口先で語る絶望よりも、あたしの命を救ったピッケルの希望を信じる!」
「俺もピッケルを信じるぜ!希望を語る奴を俺は、信じる」
「根拠がない感情任せなど、話になりません。
もう次は、マフーバを発動させるのにわざわざ長々と説明する必要がありません。発動の条件はすでに整っています。
次にまた魔石を用意して会う時は、問答無用です。必ずピッケルを封印します」
ギョョェェ!ギョァァ!!
3頭の飛竜が吠えながら、石造の家々を破壊しながら突っ込んでくる。
石壁が次々と崩れ落ちる。
キーラが崩れた石塀の下敷きになる。
「うがぁ!!」
キーラは、これくらいじゃ死なない。でも、足止めには、なるのか?
こっちは、後ろの壁が崩れて道ができた。
カリン?カリンがいない。どこだ?
まさか!崩れた石の下か?
飛竜の方からカリンの叫び声が聞こえる。
「ピッケル、助けて!」
カリンが1頭の飛竜に鷲掴みにされて宙吊りになっている!
なんでこうなった?!
とにかく、カリンを助けないと!
「カリン!うぉぉぉ!!」
とっさに、剣を抜いた。剣でカリンを掴む飛竜の足を刺す。剣術もなにもない。がむしゃらに剣を突き出す!
うぉら!
バリバリッ
剣が飛竜の鱗を割って肉まで貫通する。
グサッ
刃が通った!生々しく肉に刃が突き刺さる感触。
飛竜に振り落とされながら、深々と刺さった剣を引き抜く。血が吹き出し、血生臭い。
ギョョェェ!!!!
傷ついた飛竜が暴れながらカリンを地面に投げつけた。
カリンが地面に激突する!?
「危ない!カリン!」
カリンが地面にヒラリと着地を決める。
なんて身体能力!
「あ、あたし、大丈夫!ピッケル、ありがとう!」
「ほ、本当に?!」
「死ぬかと思ったわ。いい着地だったでしょ?」
「う、うん。とにかく、無事でよかった」
「もっと、あたしを褒めなさい!」
ひっ!こんな時に何を。
でも、カリンの明るい笑顔に救われる。ドヤ顔が過ぎるけど。
剣を見ると飛竜の血を弾いている。血を拭く必要さえないのか。
ブンっと剣を振って血を飛ばすと、血が一滴も残らなかった。
ぎこちなく、剣を鞘に戻す。
ガンダルが叫ぶ。
「今だ!丘の上に逃げろ!」
ガンダルが汗をかきながら走り出す。
3人で路地裏を全力疾走する。かなり上まで上がってきた。
「はぁはぁ!ここまで来れば大丈夫かな?」
「なんでいきなり、飛竜が現れたの?あたし、訳がわからないわ」
ガンダルが得意そうに笑う。
「ガッハッハ!いやぁ、詰んでたな。
破れかぶれで、陽の光を剣で反射させて、飛竜の方に向けていたのさ。
キラキラ光っていたら、気になってこっちにこないかと思ってな。
だんだんこっちに飛竜の群れが近づいてきたが、あいつら俺たちにあんまり興味を示さなくて、焦っていたんだ。
でも、キーラがヤードルに闇の魔法を使った途端、飛竜がまっすぐこっちに飛んできたんだ。ヤードルのおかげだな。
ヤードルのことだ、俺が飛竜を誘っているのに気づいたはず。それで、キーラに何か魔法を使わせて飛竜を呼べないか、試してみたんだろう。
俺とヤードルは、どんな八方塞がりの死地でも活路を見つけて生き延びてきたんだ。
決して諦めない。不屈の精神だ。
飛竜が来たのは、ピッケルが幸運だっただけじゃない。俺たちが掴み取った希望だ。
こんなにうまくいくとは思わなかったがな」
そうだ。ガンダルの言う通りだ。どんな時も希望を見つけ、諦めないこと。
「ガンダルもヤードルも、すごい!あたし、もうダメだと思ったわ。ヤードル、大丈夫かしら?」
「あいつは、こんな事じゃ、死なないさ。
それに俺の予想が正しければ、ヤードルの矢には、殺意が込められてなかったはずなんだ。
炎犬に焼かれても死ななかった俺たちだ。生きてるさ。
俺も最後に食ったのがエッグタルトじゃ、死ねないしな!せめて、熊肉のバーベキューくらいは、食っておかないとな!3年前ピッケル達と一緒に食った熊肉は、あれが最後の食事でも未練が残らないくらい、脂が乗って美味かった!ガッハッハ!」
「あら?アレイオスで1番甘くて美味しいエッグタルトよ?まぁ、ガンダルは酒飲みだし、甘党じゃないものね。
でも、よかったんじゃない?熊肉を食べてたら、また死ぬところだったかもよ?」
そういう問題じゃないだろ!でも、万事休すの難を逃れた。
「ガッハッハ!確かにな!最高にうまい熊肉食った後は、黒焦げだったもんな。
朝からうまい肉を腹一杯食わなくてよかったぜ!これからは生き延びれるように、ゲンを担いで甘いものを食べよう」
「じゃあ、ガンダルのおごりね!シナモンロールに、チーズケーキ、アップルパイ、フルーツタルトにクレープ!美味しいお店、たくさん知ってるわよ」
「ガッハッハ!こりゃまいった!」
冗談が言えるのも、無事だからこそだ。
「ねぇ、状況は良くなっているの?かえってピンチじゃない?」
「そうだな。飛竜にはもう大人しく帰ってもらいたいが。。。そう都合よくはいかないよな。。。
まずい!飛竜が興奮して、こっちに向かってくるぞ!ピッケル、カリン!もっと上だ、上に逃げろ!」
「めちゃくちゃ怒ってるわね。ピッケルが飛竜を刺すからよ!」
「カリンを助けるためだろ!?ガンダルについて行こう!」
3頭の飛竜が地面にめり込むように突っ込むと、石畳が割れて、地割れが起こる。
石造の建物を積木のように壊しまくる。
山際まで逃げると、立ち入り禁止の洞窟を見つけた。木の柵で入り口が封鎖されている。
飛竜の群れが5頭になって、こっちに迫る。
ガンダルが乱暴に木の柵を蹴って破壊する。
「こんな洞窟があったとはな。おい、この中に逃げるぞ!」
「ちょっと!大丈夫?危険って書いてあるわよ?それにあたし、暗いのはいやよ!」
「ガッハッハ!飛竜にやられるよりましだ!」
そうだ、まずは飛竜から身を隠さないと!
「行こう!ガンダルの言う通りだ」
僕たちは、洞窟に逃げ込んだ。飛竜にバレないようにファイポもつけない。
暗い洞窟を壁面の岩を手がかりに進んでいく。
「怖いわ。暗くてほとんど何も見えない。。。きゃぁぁ!!」
コウモリが大量に洞窟の奥に飛んでいく。
「コウモリなんて、最悪!きゃぁぁ!」
足もとには、コウモリの糞が溜まっているのか。嫌な匂いがするわけだ。
ギョエエエ!!!
まずい!
飛竜が洞窟に身体を捩じ込んできた!口から炎が漏れている!
こんなところで炎を吐かれたら!逃げ場がない!
「カリン!ピッケル、足元に気をつけろ!グァァ!!」
え?!足元?!飛竜じゃなくて?
あ!
足元が急な斜面になっている!
まずい、落ちる!
「うわぁぁ!!」
ガンダルが待っていたのは、まさかの飛竜だったのか!?
キーラが飛竜に吹っ飛ばされると、紫色の光る魔石が地面に落ちて、粉々に砕け散った。
開きかけた紫色の次元の裂け目が消える。
倒れたキーラが口から血を流しながら、血走った眼でよろよろと立ち上がる。
「なんでこんな時に!このタイミングで?!
精霊にもらった魔石が飛竜を引き寄せてしまったのでしょうか?
これもピッケルの幸運のせい?!
それとも封印が阻止されるほうが、世界はより試練に向かうということなのでしょうか?」
僕は、我慢できなくなって、キーラに言い返す。
「なんでもかんでも僕のせいしないでよ!」」
「ピッケル、あなたを責めているのではありません。
しかし、必ず知っておきなさい。
あなたが常に試練の方に押し流されていることを!」
「キーラ、黙れ!屁理屈ばかりを!」
「ピッケル、いずれあなたは、大切な仲間を守るために自ら封印してほしいと私に懇願するでしょう!
亜空間に逃げたいと、私にすがるはずです。
私は、あなたの敵ではありません。むしろ、唯一の救いの手であることをお忘れなきように!」
「何をふざけたことを!誰がお前を頼るか!僕は、力をつけて、世界を救うんだ!逃げたりしない!」
「私の足元にも及ばない実力のあなたが世界を救う?
口から出まかせを。無責任に希望を語るのは、おやめなさい!
あなたには、無理です!
そんな無謀な大言壮語に付き合えません!あなたに何ができるって言うんですか?」
「キーラ、お前は、僕よりもはるかに優れた魔法使いだ。
でも、僕は、この世界に生まれてから一日も休まずに、限界まで自分を愚直に鍛えてきた。
そして、これからも毎日バカバカしいくらい限界まで努力する。何年でも、何十年でも。
ゾゾ長老のような魔力のスピードもなければ、お前のような才能や強さもないし、父のような賢さもない。
でも、どんな障害や困難、試練があっても、すべてを力に変える。
女神様がお手上げなくらい幸運だ。その幸運に課せられる試練もとてつもなく困難だ。
だけど、試練に立ち向かい世界を救うという信念がある。
だから、僕は、希望を持つ。決して諦めない。毎日必ず積み上げ続ける。
何ができるか?まだ分からない。
でも、見つかるまで、できることを探し続ける!」
キーラが冷ややかな目で、鼻先で笑う。そして、パチパチとわざとらしく拍手した。
「おやおや、名演説に感動してしまいそうでしたよ。
ですが、馬鹿げています。
そんな小さな積み重ねで回避できるほど、隕石の危機は、小さいものではありません。
どんなに高い塔を建てても、決して月には届きません。無理です。
何ができるか、まだわからない?一生分かりませんよ。あなたにできることなど、そもそも無いのだから。
あなたは、試練の危険さを過小評価している。
女神様の理解を超えて、あのドラゴンを弱めるほどの幸運ですよ?
あなたの幸運も試練にも、絶望しかない。
私は、あなたを信じません!だから、あなたを必ず封印します!世界を救う唯一の方法だからです!」
「キーラ、あたしは、ピッケルを信じる。塔を建てて月に届かないなら、月に届く別の方法を考えだせばいいわ!
あなたが口先で語る絶望よりも、あたしの命を救ったピッケルの希望を信じる!」
「俺もピッケルを信じるぜ!希望を語る奴を俺は、信じる」
「根拠がない感情任せなど、話になりません。
もう次は、マフーバを発動させるのにわざわざ長々と説明する必要がありません。発動の条件はすでに整っています。
次にまた魔石を用意して会う時は、問答無用です。必ずピッケルを封印します」
ギョョェェ!ギョァァ!!
3頭の飛竜が吠えながら、石造の家々を破壊しながら突っ込んでくる。
石壁が次々と崩れ落ちる。
キーラが崩れた石塀の下敷きになる。
「うがぁ!!」
キーラは、これくらいじゃ死なない。でも、足止めには、なるのか?
こっちは、後ろの壁が崩れて道ができた。
カリン?カリンがいない。どこだ?
まさか!崩れた石の下か?
飛竜の方からカリンの叫び声が聞こえる。
「ピッケル、助けて!」
カリンが1頭の飛竜に鷲掴みにされて宙吊りになっている!
なんでこうなった?!
とにかく、カリンを助けないと!
「カリン!うぉぉぉ!!」
とっさに、剣を抜いた。剣でカリンを掴む飛竜の足を刺す。剣術もなにもない。がむしゃらに剣を突き出す!
うぉら!
バリバリッ
剣が飛竜の鱗を割って肉まで貫通する。
グサッ
刃が通った!生々しく肉に刃が突き刺さる感触。
飛竜に振り落とされながら、深々と刺さった剣を引き抜く。血が吹き出し、血生臭い。
ギョョェェ!!!!
傷ついた飛竜が暴れながらカリンを地面に投げつけた。
カリンが地面に激突する!?
「危ない!カリン!」
カリンが地面にヒラリと着地を決める。
なんて身体能力!
「あ、あたし、大丈夫!ピッケル、ありがとう!」
「ほ、本当に?!」
「死ぬかと思ったわ。いい着地だったでしょ?」
「う、うん。とにかく、無事でよかった」
「もっと、あたしを褒めなさい!」
ひっ!こんな時に何を。
でも、カリンの明るい笑顔に救われる。ドヤ顔が過ぎるけど。
剣を見ると飛竜の血を弾いている。血を拭く必要さえないのか。
ブンっと剣を振って血を飛ばすと、血が一滴も残らなかった。
ぎこちなく、剣を鞘に戻す。
ガンダルが叫ぶ。
「今だ!丘の上に逃げろ!」
ガンダルが汗をかきながら走り出す。
3人で路地裏を全力疾走する。かなり上まで上がってきた。
「はぁはぁ!ここまで来れば大丈夫かな?」
「なんでいきなり、飛竜が現れたの?あたし、訳がわからないわ」
ガンダルが得意そうに笑う。
「ガッハッハ!いやぁ、詰んでたな。
破れかぶれで、陽の光を剣で反射させて、飛竜の方に向けていたのさ。
キラキラ光っていたら、気になってこっちにこないかと思ってな。
だんだんこっちに飛竜の群れが近づいてきたが、あいつら俺たちにあんまり興味を示さなくて、焦っていたんだ。
でも、キーラがヤードルに闇の魔法を使った途端、飛竜がまっすぐこっちに飛んできたんだ。ヤードルのおかげだな。
ヤードルのことだ、俺が飛竜を誘っているのに気づいたはず。それで、キーラに何か魔法を使わせて飛竜を呼べないか、試してみたんだろう。
俺とヤードルは、どんな八方塞がりの死地でも活路を見つけて生き延びてきたんだ。
決して諦めない。不屈の精神だ。
飛竜が来たのは、ピッケルが幸運だっただけじゃない。俺たちが掴み取った希望だ。
こんなにうまくいくとは思わなかったがな」
そうだ。ガンダルの言う通りだ。どんな時も希望を見つけ、諦めないこと。
「ガンダルもヤードルも、すごい!あたし、もうダメだと思ったわ。ヤードル、大丈夫かしら?」
「あいつは、こんな事じゃ、死なないさ。
それに俺の予想が正しければ、ヤードルの矢には、殺意が込められてなかったはずなんだ。
炎犬に焼かれても死ななかった俺たちだ。生きてるさ。
俺も最後に食ったのがエッグタルトじゃ、死ねないしな!せめて、熊肉のバーベキューくらいは、食っておかないとな!3年前ピッケル達と一緒に食った熊肉は、あれが最後の食事でも未練が残らないくらい、脂が乗って美味かった!ガッハッハ!」
「あら?アレイオスで1番甘くて美味しいエッグタルトよ?まぁ、ガンダルは酒飲みだし、甘党じゃないものね。
でも、よかったんじゃない?熊肉を食べてたら、また死ぬところだったかもよ?」
そういう問題じゃないだろ!でも、万事休すの難を逃れた。
「ガッハッハ!確かにな!最高にうまい熊肉食った後は、黒焦げだったもんな。
朝からうまい肉を腹一杯食わなくてよかったぜ!これからは生き延びれるように、ゲンを担いで甘いものを食べよう」
「じゃあ、ガンダルのおごりね!シナモンロールに、チーズケーキ、アップルパイ、フルーツタルトにクレープ!美味しいお店、たくさん知ってるわよ」
「ガッハッハ!こりゃまいった!」
冗談が言えるのも、無事だからこそだ。
「ねぇ、状況は良くなっているの?かえってピンチじゃない?」
「そうだな。飛竜にはもう大人しく帰ってもらいたいが。。。そう都合よくはいかないよな。。。
まずい!飛竜が興奮して、こっちに向かってくるぞ!ピッケル、カリン!もっと上だ、上に逃げろ!」
「めちゃくちゃ怒ってるわね。ピッケルが飛竜を刺すからよ!」
「カリンを助けるためだろ!?ガンダルについて行こう!」
3頭の飛竜が地面にめり込むように突っ込むと、石畳が割れて、地割れが起こる。
石造の建物を積木のように壊しまくる。
山際まで逃げると、立ち入り禁止の洞窟を見つけた。木の柵で入り口が封鎖されている。
飛竜の群れが5頭になって、こっちに迫る。
ガンダルが乱暴に木の柵を蹴って破壊する。
「こんな洞窟があったとはな。おい、この中に逃げるぞ!」
「ちょっと!大丈夫?危険って書いてあるわよ?それにあたし、暗いのはいやよ!」
「ガッハッハ!飛竜にやられるよりましだ!」
そうだ、まずは飛竜から身を隠さないと!
「行こう!ガンダルの言う通りだ」
僕たちは、洞窟に逃げ込んだ。飛竜にバレないようにファイポもつけない。
暗い洞窟を壁面の岩を手がかりに進んでいく。
「怖いわ。暗くてほとんど何も見えない。。。きゃぁぁ!!」
コウモリが大量に洞窟の奥に飛んでいく。
「コウモリなんて、最悪!きゃぁぁ!」
足もとには、コウモリの糞が溜まっているのか。嫌な匂いがするわけだ。
ギョエエエ!!!
まずい!
飛竜が洞窟に身体を捩じ込んできた!口から炎が漏れている!
こんなところで炎を吐かれたら!逃げ場がない!
「カリン!ピッケル、足元に気をつけろ!グァァ!!」
え?!足元?!飛竜じゃなくて?
あ!
足元が急な斜面になっている!
まずい、落ちる!
「うわぁぁ!!」
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