1 / 38
サーカスの奴隷たち
しおりを挟む
「そろそろ、サーカス開演ね。準備はいい?ピピン」
「大丈夫。今日の空中ブランコもうまくいくよ、おねぇちゃん」
四方を激しい海流に囲まれて、大陸と航路を開通することが不可能な絶海の孤島ブラジの都市アレイオス。
赤や黄などの原色に塗られた壁が多いカラフルな街並み。
入道雲が浮かぶ熱帯の青空をウミネコが気持ちよさそうに飛ぶ。
石畳の道を賑やかな人々が行き交う島内の経済の中心、港湾都市だ。路上では露店が並び、南国の香辛料の香りが漂う。
酒場からは陽気な音楽が漏れ聞こえ、踊る人々の足音がリズムを刻む。
朝から夜遅くまで、この石壁の街は眠ることを知らない。
その裏では、奴隷として苦しんでいる人たちも大勢いる。
「…………ピピン、本当に大丈夫?顔色が悪いわよ?」
「だ、大丈夫だよ、おねぇちゃん。今日は、しくじらないから」
僕は、滑り止めの白い粉をパンパンと手につけて叩いた。ふわふわと粉が舞い落ちて、白い靴に降りかかる。
ここは、港町の丘の上にある王城内の広場に設置された国営のサーカス劇場。乾季の毎週末、安息日の夕方に興行を行っている。
赤髪に鉄色の刃角1本の僕、紫の髪に金色の刃角2本の姉。僕らは、物珍しさからサーカスの客寄せとして王族ドラコニアに買われて、国の下級奴隷になった。
首には奴隷の居場所が分かる魔法の烙印が押されている。
「ピピンって、たまに空中ブランコで落下するものね」
僕とヴィオラは、空中ブランコなどの芸を仕込まれて、アクロバットを披露するのが生業になっていた。
晴れた空の下、今シーズン最後のサーカス公演。立ち見を含め1000人を超える観客が集まった熱気が凄い。
観客が手に持つポップコーンの香ばしい匂いが漂う。
開演前の閉じた幕前で演奏する前座の音楽がここまで聞こえてくる。
ドチャスカとお祭りのような雰囲気を作り出していた。
前世の異世界でも何度かサーカスに行った記憶がある気がする。
「ピピン、あたしの手をちゃんと掴むのよ。届かなければ片手でもいいから、精一杯伸ばして。分かった?」
その舞台袖で、ヴィオラが赤い目で僕を心配そうに覗きこむ。
その透き通った赤い目は、優しさが溢れて吸い込まれてしまいそうだ。
彼女からは、いつもラベンダーのいい匂いがする。
美形で可愛い顔がまざまざと迫ってまつ毛まで見えると、見入ってドキドキしてしまう。仲良く一緒に水浴びをする近さの姉弟とはいえども。
実際、ヴィオラ目当てでサーカスに足を運ぶ観客も少なくない。
まだ14歳にして、その美貌と抜群の運動能力で観客を魅了する自慢の姉だ。
僕は青、ヴィオラは赤のスパンコールがキラキラ光る衣装を着ている。
ヴィオラが、ドジばかりする僕に過保護な目線を送る。
「う、うん。おねぇちゃん、ちゃんと分かってるよ。もういいって!」
照れる僕は、突き放すように言い返してしまった。
「もう!心配して言ってるのよ。本当に大丈夫かしら」
ヴィオラがプンプン怒りながら言い返してきた。
「もう何度も同じこと言わなくても大丈夫だってば、おねぇちゃん」
彼女の怒った顔も可愛いと、見惚れているのが気づかれなかっただろうか。
僕は、とっさに目線を横に向けた。
「なによ!なんで顔が赤くなってるの?」
「もういいって言ってるだろ?おねぇちゃん!」
隣にいるのは、少し前にサーカスにやってきた世にも珍しいおしゃべり猫のプトレマイオス。
大昔からここにいるかのように尊大な素振りの雄猫。
2本の足で立つと僕と同じくらいの背になる。
サーカスの司会で右に出るものはいない。銀スパンコールのハットとズボンとチョッキがステージ衣装だ。
もふもふと触り心地の良さそうな茶トラの顔をニヤニヤさせて、可笑しくてたまらない様子で僕に語りかける。
「ふふふ。諸君、安心せよ。
空中ブランコから落ちたなら落ちたでよい。
余がうまく観客の笑いに変えてお見せしよう。
近々、7年に一度のダンジョン祭りがあるから、いつもより早くオフシーズンに突入する。
つまり、今夜で今年のサーカスは千秋楽。
せいぜい気張ることだよ、ピピン」
どんなものかは知らないけど、ダンジョン祭なんか、知ったことか。城壁から出れない下級奴隷には関係ないことだ。
いつか自由の身になってみせる。今はその方法の手掛かりさえないけど。
重い鉄の扉に鍵がかかっているかのように、僕の世界は閉ざされている。
「成功してみせるさ。最近僕は、空中ブランコから落ちてないだろ?」
プトレマイオスがいかにも楽しそうに続ける。
「ふふふ。実際、上手くいくかいかないかのハラハラドキドキで一番盛り上がるのでね。
欲求不満な貴婦人たちは、危なっかしい痛いけな美少年に夢中のようで。
それに、場外では、ピピンが落ちるかどうかが賭けのネタにもなっている」
プトレマイオスのやつ、きっと僕が落ちる方に賭けてるに違いない。まったく、食えない猫だ。
「どっちにかけてるんだよ!プトレマイオス」
「余か?余は、そんなつまらない賭けなどしない」
ヴィオラがぷーっと膨れっ面で文句を言いながら、プトレマイオスの大きな身体を後ろから抱き抱えて、口の両端を「いーっ」と引っ張る。
「ピーちゃん、そうやってあたしの可愛いピピンをからかって遊ぶのはやめてちょうだい!」
ヴィオラは、いつもプトレマイオスをピーちゃんという愛称で呼ぶ、
もふもふとした毛並みを抱き抱えて、いたずらっ子のように楽しそうに笑っている。
「にゃがもが!」
口を歪められたプトレマイオスがジタバタしながら何か抗議しているのは分かる。でも、何を言っているのかは分からない。
やっとヴィオラに「いーっ」されるのから解放されたプトレマイオスが抗議する。
「やれやれ、余になんて無礼なことを!ヴィオラでなければ許されることではない!に、にゃぁ!よせ!」
興奮したヴィオラがプトレマイオスを抱き寄せる。それから、毛並みをわさわさかき乱して撫でまくった。
「相変わらずのもふもふ!たまらんな!」
猫好きのヴィオラが顔を赤らめてプトレマイオスの毛並みを堪能している。更に吸うように匂いを嗅ぐ。いわゆる猫吸いというやつだ。
「匂いもいいね。癒される。ピーちゃん。ふぁぁ」
「に"ゃぁぁぁ!!!」
プトレマイオスは、慌ててヴィオラから離れる。そして、どこから取り出したのか分からないブラシで、急いで身だしなみを整え始めた。
さっとプトレマイオスの手からヴィオラがブラシを奪い取る。
「うふふ。ピーちゃんったら照れちゃって可愛い。あたしがブラシしてあげるわ。よーしよーし」
ぱぁっと花が咲いたかのように、ご満悦のヴィオラが美しく笑う。
プトレマイオスもまんざらではなさそうに目を細めた。ゴロゴロと喉を鳴らしながら大人しくブラシをしてもらっている。
そりゃ、そうだ。こんなに可愛いヴィオラにブラシしてもらえるなんて果報者だ。
プトレマイオスが羨ましい。
ヴィオラの弟でよかったとつくづく思うけど、胸の辺りが切なくもやもやもする。
もし血が繋がっていなかったら、恋焦がれて灰になってしまうかもしれない。
ヴィオラをドキドキしてくる。
「ピピンの刃角もいい香り。あたしこの匂い好きなんだ」
「おねぇちゃん、や、やめてよ!恥ずかしいよ」
照れて上気すると刃角からムスクのような香りが強く漂う。照れているのがすぐにバレるから恥ずかしい。重たくて、鼻に残る甘い香り。
「うるさいのは、誰だ?」
イラつきを隠さない座長イルミナスの暴力のような声が舞台袖に鳴り響いた。
「バンッ」
イビルガスが八つ当たりで乱暴に殴りつけた石天板のテーブルが真っ二つに砕けて、バラバラと散らばった。
その破片がパラパラと床に転がり、クルクルと回る。
「大丈夫。今日の空中ブランコもうまくいくよ、おねぇちゃん」
四方を激しい海流に囲まれて、大陸と航路を開通することが不可能な絶海の孤島ブラジの都市アレイオス。
赤や黄などの原色に塗られた壁が多いカラフルな街並み。
入道雲が浮かぶ熱帯の青空をウミネコが気持ちよさそうに飛ぶ。
石畳の道を賑やかな人々が行き交う島内の経済の中心、港湾都市だ。路上では露店が並び、南国の香辛料の香りが漂う。
酒場からは陽気な音楽が漏れ聞こえ、踊る人々の足音がリズムを刻む。
朝から夜遅くまで、この石壁の街は眠ることを知らない。
その裏では、奴隷として苦しんでいる人たちも大勢いる。
「…………ピピン、本当に大丈夫?顔色が悪いわよ?」
「だ、大丈夫だよ、おねぇちゃん。今日は、しくじらないから」
僕は、滑り止めの白い粉をパンパンと手につけて叩いた。ふわふわと粉が舞い落ちて、白い靴に降りかかる。
ここは、港町の丘の上にある王城内の広場に設置された国営のサーカス劇場。乾季の毎週末、安息日の夕方に興行を行っている。
赤髪に鉄色の刃角1本の僕、紫の髪に金色の刃角2本の姉。僕らは、物珍しさからサーカスの客寄せとして王族ドラコニアに買われて、国の下級奴隷になった。
首には奴隷の居場所が分かる魔法の烙印が押されている。
「ピピンって、たまに空中ブランコで落下するものね」
僕とヴィオラは、空中ブランコなどの芸を仕込まれて、アクロバットを披露するのが生業になっていた。
晴れた空の下、今シーズン最後のサーカス公演。立ち見を含め1000人を超える観客が集まった熱気が凄い。
観客が手に持つポップコーンの香ばしい匂いが漂う。
開演前の閉じた幕前で演奏する前座の音楽がここまで聞こえてくる。
ドチャスカとお祭りのような雰囲気を作り出していた。
前世の異世界でも何度かサーカスに行った記憶がある気がする。
「ピピン、あたしの手をちゃんと掴むのよ。届かなければ片手でもいいから、精一杯伸ばして。分かった?」
その舞台袖で、ヴィオラが赤い目で僕を心配そうに覗きこむ。
その透き通った赤い目は、優しさが溢れて吸い込まれてしまいそうだ。
彼女からは、いつもラベンダーのいい匂いがする。
美形で可愛い顔がまざまざと迫ってまつ毛まで見えると、見入ってドキドキしてしまう。仲良く一緒に水浴びをする近さの姉弟とはいえども。
実際、ヴィオラ目当てでサーカスに足を運ぶ観客も少なくない。
まだ14歳にして、その美貌と抜群の運動能力で観客を魅了する自慢の姉だ。
僕は青、ヴィオラは赤のスパンコールがキラキラ光る衣装を着ている。
ヴィオラが、ドジばかりする僕に過保護な目線を送る。
「う、うん。おねぇちゃん、ちゃんと分かってるよ。もういいって!」
照れる僕は、突き放すように言い返してしまった。
「もう!心配して言ってるのよ。本当に大丈夫かしら」
ヴィオラがプンプン怒りながら言い返してきた。
「もう何度も同じこと言わなくても大丈夫だってば、おねぇちゃん」
彼女の怒った顔も可愛いと、見惚れているのが気づかれなかっただろうか。
僕は、とっさに目線を横に向けた。
「なによ!なんで顔が赤くなってるの?」
「もういいって言ってるだろ?おねぇちゃん!」
隣にいるのは、少し前にサーカスにやってきた世にも珍しいおしゃべり猫のプトレマイオス。
大昔からここにいるかのように尊大な素振りの雄猫。
2本の足で立つと僕と同じくらいの背になる。
サーカスの司会で右に出るものはいない。銀スパンコールのハットとズボンとチョッキがステージ衣装だ。
もふもふと触り心地の良さそうな茶トラの顔をニヤニヤさせて、可笑しくてたまらない様子で僕に語りかける。
「ふふふ。諸君、安心せよ。
空中ブランコから落ちたなら落ちたでよい。
余がうまく観客の笑いに変えてお見せしよう。
近々、7年に一度のダンジョン祭りがあるから、いつもより早くオフシーズンに突入する。
つまり、今夜で今年のサーカスは千秋楽。
せいぜい気張ることだよ、ピピン」
どんなものかは知らないけど、ダンジョン祭なんか、知ったことか。城壁から出れない下級奴隷には関係ないことだ。
いつか自由の身になってみせる。今はその方法の手掛かりさえないけど。
重い鉄の扉に鍵がかかっているかのように、僕の世界は閉ざされている。
「成功してみせるさ。最近僕は、空中ブランコから落ちてないだろ?」
プトレマイオスがいかにも楽しそうに続ける。
「ふふふ。実際、上手くいくかいかないかのハラハラドキドキで一番盛り上がるのでね。
欲求不満な貴婦人たちは、危なっかしい痛いけな美少年に夢中のようで。
それに、場外では、ピピンが落ちるかどうかが賭けのネタにもなっている」
プトレマイオスのやつ、きっと僕が落ちる方に賭けてるに違いない。まったく、食えない猫だ。
「どっちにかけてるんだよ!プトレマイオス」
「余か?余は、そんなつまらない賭けなどしない」
ヴィオラがぷーっと膨れっ面で文句を言いながら、プトレマイオスの大きな身体を後ろから抱き抱えて、口の両端を「いーっ」と引っ張る。
「ピーちゃん、そうやってあたしの可愛いピピンをからかって遊ぶのはやめてちょうだい!」
ヴィオラは、いつもプトレマイオスをピーちゃんという愛称で呼ぶ、
もふもふとした毛並みを抱き抱えて、いたずらっ子のように楽しそうに笑っている。
「にゃがもが!」
口を歪められたプトレマイオスがジタバタしながら何か抗議しているのは分かる。でも、何を言っているのかは分からない。
やっとヴィオラに「いーっ」されるのから解放されたプトレマイオスが抗議する。
「やれやれ、余になんて無礼なことを!ヴィオラでなければ許されることではない!に、にゃぁ!よせ!」
興奮したヴィオラがプトレマイオスを抱き寄せる。それから、毛並みをわさわさかき乱して撫でまくった。
「相変わらずのもふもふ!たまらんな!」
猫好きのヴィオラが顔を赤らめてプトレマイオスの毛並みを堪能している。更に吸うように匂いを嗅ぐ。いわゆる猫吸いというやつだ。
「匂いもいいね。癒される。ピーちゃん。ふぁぁ」
「に"ゃぁぁぁ!!!」
プトレマイオスは、慌ててヴィオラから離れる。そして、どこから取り出したのか分からないブラシで、急いで身だしなみを整え始めた。
さっとプトレマイオスの手からヴィオラがブラシを奪い取る。
「うふふ。ピーちゃんったら照れちゃって可愛い。あたしがブラシしてあげるわ。よーしよーし」
ぱぁっと花が咲いたかのように、ご満悦のヴィオラが美しく笑う。
プトレマイオスもまんざらではなさそうに目を細めた。ゴロゴロと喉を鳴らしながら大人しくブラシをしてもらっている。
そりゃ、そうだ。こんなに可愛いヴィオラにブラシしてもらえるなんて果報者だ。
プトレマイオスが羨ましい。
ヴィオラの弟でよかったとつくづく思うけど、胸の辺りが切なくもやもやもする。
もし血が繋がっていなかったら、恋焦がれて灰になってしまうかもしれない。
ヴィオラをドキドキしてくる。
「ピピンの刃角もいい香り。あたしこの匂い好きなんだ」
「おねぇちゃん、や、やめてよ!恥ずかしいよ」
照れて上気すると刃角からムスクのような香りが強く漂う。照れているのがすぐにバレるから恥ずかしい。重たくて、鼻に残る甘い香り。
「うるさいのは、誰だ?」
イラつきを隠さない座長イルミナスの暴力のような声が舞台袖に鳴り響いた。
「バンッ」
イビルガスが八つ当たりで乱暴に殴りつけた石天板のテーブルが真っ二つに砕けて、バラバラと散らばった。
その破片がパラパラと床に転がり、クルクルと回る。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる