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1章

興奮

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 バッグの中で卵の「ナミ」が、またスピカに告げ口をした。

「コフィ、興奮!コフィ、興奮!ポッケにまた写真!コフィの秘密、私、知ってる!クフフフ!」

「ナミちゃん、ありがとう!出しなさい!全部!一体どんな魔法よ!いやらしい写真が湧いてくるなんて」

 ザイドが俺に写真を生み出す魔法をかけて行ったみたいだ。
 スピカがなんど破いても、ポケット中には、いつのまにか写真が何枚か入っていた。

 俺は、素直に写真をスピカに渡す。
 スピカがいつものように写真を破こうとして、手を止めた。

「な、何これ。なんでユモの写真が混ざってるのよ。コフィ、あんたまさか、昨日の夜ユモとなんかあった?あの女、許せないわ。あやしいと思ったのよ。甲斐甲斐しく介抱してると思ったら!
 悪魔の眷属かもしれないわ。いや、きっとそうよ!」

「いや、ユモはそんな悪魔の仲間なんかじゃないよ...」

「なによ、コフィ。あなたユモの肩を持つ気なの?昨日の夜、何かあったなら正直に言いなさい!」

「な、何もないよ。本当に何も...ユモはクララ村長の孫娘で、親切にしてくれただけだよ」

「はぁっ?孫だって、ユモが言ったの?!
 クララ村長は、子供がいないって言ってたじゃない!じゃあ、ユモは一体何者なのよ?!」

「えっ?!そうだったっけ?」

「あの女、怪しいと思ってたのよ。コフィ、また魅惑されてたんじゃない?もしかして、正体は、アスタロトだったりして?!」

「え?そ、そんな...まさか...」

 スピカがユモの写真も含めて、ビリビリに破く。

「まったく、油断も隙もないわ!うかうか寝れもしないなんて!
 ちょうどいいわ。コフィのポケットの中に、悪魔の誘惑が入っていないか毎日チェックしてあげるからね!感謝しなさい!

「う、うん....ありがとう」
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