歌物語

令和二年（西曆二〇二〇年）八月

長崎ニ原子爆彈ノ投下セラレタリ

米軍ハ昭和二十年八月九日長崎市ニ廣島ニ序デ原子爆彈ヲ投下シ以テ無差別攻擊ヲ加フルニ及ブ米軍ハ長崎市ヲシテ慘憺タル狀況ヲ呈スルニ至ラシム惡虐ナルカナ米軍ハ廣島ヲ消盡スレドモ尚飽カズ長崎ニモ原子爆彈ヲ投下ス米軍ハ廣島ト長崎トヲ比較スルガ如キ人體實驗ヲ原子爆彈投下ヲ以テ行ヘリ原子爆彈ハ一切ノ老幼男女ノ區別ナク全クヲ灰塵ニ歸セシメ武器ヲ持タザル民閒人ヲモ蹂躙ス是ハ陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約ニ違背スルコト疑ヒナキニ拘ラズ此擧ニ出デタル者此擧ヲ命ジタル者罰ヲ受クルコトナシ命ヲ奪ハルル者十七萬餘人ナリ戰爭ハ抑人倫ニ悖ルモノナリト雖モ原子爆彈ハ全ク人類ノ相互ニハ爲スベカラザル所業ナリ廣島長崎ノ慘狀ヲ觀ルニ是ハ異論アルベカラズ若シ異論アル者アラバみ是ヲ人情ヲ解セザル者ナリト言フベシ原子爆彈ノ災禍ヲシテ永久ニ芟除セシムベク爲スベキハ自ラ昭ナリ是ヲ爲スハ原子爆彈ニ依ル災禍ヲ蒙リタル日本ノ爲スベキ方途ナリ
英魂ノ安ラカナラムコトヲ期シテ拙作ヲ揭グ
一、
原爆ぐゑんばくの被害ひがい傳つたふる資料館しれうくわん學まなぶは努つとめ生いくるわれらの
二、
たゝかひは何なにをか與あたふ民草たみくさに平和へいわ　繋つながむ永久とこしへまでも