181 / 245
第5章
第14話 剣の腕だけの男
しおりを挟む
ユイナスの転校に決着がついたところで、ナーヴィンがアルデに向かって聞いてきた。
「な、なぁ……もしかしてなんだけど……ティスリさんって……平民じゃないのか……?」
あ、しまった。
ナーヴィンには、ティスリが平民で政商の娘ってことにしてたんだ。
もはや今さらだけど……
「えーっと……なんでそう思う?」
ダメ元でオレが聞いてみると、ナーヴィンがオドオドしながら言ってくる。
「いやだって、ラーフルさんが『殿下』って……」
ああ……そういえばさっき敬称で呼んでたっけ? だからついに気づいたのか。
それを聞いたラーフルが、驚きのあまり立ち上がったかと思えば大きくのけぞった。
「えっ!? ここにいる方々は、全員殿下のことを知っているのでは!?」
そういえばラーフルには、そこんとこ、詳しく話してなかったっけ?
だからオレは、頬を掻きながらラーフルに説明する。
「いや実は、積極的に伝えたわけじゃないんだが……ナーヴィンだけが気づかなかった」
「オレだけ!?」
驚くナーヴィンに、誰も視線を合わせようとしない。まぁここまで鈍いと、もはやフォローのしようがないしな。
と、そこで。
ラーフルが、オレの両肩をガシィッと掴むと前後に揺さぶってきた……!
「ききき、貴様!? わたしを填めたな!?」
「ななな、なんだよ填めたって!? ってか揺らすな!?」
「わたしの失脚を狙って失言を誘ったのであろう!? 殿下が隠されていることをあえて言わすとか、まるで貴族のように狡猾なヤツだ!?」
「そんなの狙ってねぇよ! だいたい、ティスリだって気にしてないってば!」
「そういう話じゃない! 殿下が隠されているのに──」
と、そこで、ティスリがラーフルに声を掛ける。
「ラーフル、落ち着きなさい。身分がバレたところで問題ありません。単に、村の方々を驚かせたくなかっただけなのですから」
「し、しかし……この男に填められたとはいえ、失言をしてしまったのは事実……」
いやだから、オレは填めるつもりなんて微塵もなかったし、ティスリが言うとおり、まったくもって大した問題じゃないんだが。
顔面蒼白になるラーフルに、ティスリはため息をついた。
「まったく。あなたは相変わらず頭が硬いですね。ならばこの件は不問にします。以後、話を蒸し返さないように」
「は、はっ! 殿下の寛大なる恩情、深く感謝いたします!」
そうしてラーフルは、場違いなのを気にも留めず、片膝を付いて最敬礼をした。
「ですから、非公式の場で最敬礼もやめなさい」
ティスリに促され、ラーフルは神妙な面持ちで席に戻る──その一瞬だけ、オレはめっちゃ睨まれたが。
こりゃもはや、ラーフルとの関係は修復不能かもな……同僚っぽい働き方なのに、これからやっかいだなぁ……
などと考えていたら、その一部始終を見ていたナーヴィンが、ぽかんとした表情のまま言ってくる。
「え、えーっと……ということは、つまり……ティスリさんは……」
そのナーヴィンに、ティスリは苦笑交じりに答えた。
「はい。わたしはこの国の王女、ティアリース・ウィル・カルヴァンです」
「おおお、王女様!?」
「ええ。欺すような真似をして申し訳ありません」
ティスリも、ナーヴィン以外は全員気づいていることを悟っているのだろう、ナーヴィンに向けて謝罪をする。
しかし事態を未だ飲み込めないナーヴィンは、目を見開いたまま言った。
「こここ、この国の……王女様って……超絶天才美少女と名高い、あの王女様!?」
「ええ、そうですよ」
いやいやいや?
まずその台詞、ティスリ以外から始めて聞いたんだが? 平民でも王女のことはよく話題になってたが、そんな超絶ナントカだなんて言われてたっけ?
っていうかティスリも、自分のことなのに肯定するなよ、ってか自分で言ってるくらいだから肯定するほうが自然なのか……?
いったいどこから突っ込めばいいのか思わず悩んでいると、ナーヴィンがこちらを向いてきた。
「ってかお前……な、なんで王女様の付き人やってんだよ……?」
「いや、付き人っていうか側近だが?」
「肩書きなんてどーでもいいんだよ!? 衛士追放されたってのになんで!?」
「いや……なんでと聞かれてもなぁ……?」
改めてそんなことを言われると、オレ自身、なんでティスリに雇用されたのか謎だし。
ということでティスリを見たらちょうど目が合って……なぜかティスリは、ちょっと赤面して目を背けてから言った。
「そ、それはもちろん、衛士追放されたアルデが情けなく『助けてくれ~』と言ってきたからです!」
「いやオレ、そんなこと一言もいってないが? そもそも酒に酔った勢いでお前が採用したんだろ」
「だからそれは、アルデが情けなく縋ってきたからですが!?」
「落ち込んでいたのは事実だが、縋ってはないだろ……!? ってか失業直後だったんだから仕方ないじゃん!」
はっ……! ま、まずい!
何がまずいのかと言えば、じぃ~っとこちらを見ているユイナスに気づいたからだ!
ユイナスの目の前でティスリとケンカなんぞしようものなら、またぞろクビだの失業だの言いかねない! となると話がますますややこしくなる!
ティスリもそれに気づいたのか、一瞬だけハッとしたあと、一気にトーンを抑えた。
「と、というわけで……最初は同情からだったわけですが、い、いまは……いまは………………アルデの剣技をかってのことですから……」
台詞の最後のほうは、聞き取れないほどにか弱いものだった。
いやあの………………オレを褒めるのがそんなにイヤなの?
まぁいずれにしても、ユイナスの目の前でケンカになることは避けることはできたか。だからかユイナスはつまらなさそうに「ふんっ」と鼻を鳴らすだけだった。
オレが胸を撫で下ろしていると、いつの間にか意気消沈していたナーヴィンがつぶやく。
「くっ……やはり剣の腕ですか……」
「ええ、そうですね。アルデは、剣の腕だけは確かですから。剣技だけは、他者の追随を許しませんので。だから剣術だけだったとしても雇用する価値があります」
いやあの『だけだけ』しつこくない……?
ふとユイナスを見てみたが、妹は満足そうに大きく頷いている……いや、そこで頷かれると、オレは本当に剣の腕だけの男ってことになるのだが……
褒められているはずなのになぜか自信を失っていると、ナーヴィンは、どういうわけか泣きそうな顔でティスリに言った。
「な、なるほど……だとしたら……もしティスリさん……いえ殿下のお側に仕えようと思ったら……」
「そうですね……アルデ並みの剣技があるか、あるいは、わたし並みの頭脳か魔力か弁術か人脈かがあれば検討に価しますね」
うんお前、自分のことを褒めすぎじゃね? あとお前って、王女だからそりゃ仕事の人脈はあるだろうけど、プライベートはオレより絶対に人脈少ないからな!
などと文句の一つでも言ってやりたいところだが、やっぱりユイナスの前ではそれができないので、オレはぐっと堪えた。
んでもってナーヴィンは、がっくりと肩を落とす。
「そ、そっすか……ま、まぁ……そもそもが王女様ですしね……近くで働きたいといっても無理ですよね……」
ああ、そういえばナーヴィンは、ティスリの元で働くことを目指していたんだっけ。志望理由は下心だけど。
政商ならまだ可能性もゼロではなかったわけだが、王侯貴族の、しかも王女様となっては、その可能性も潰えたわけで、だから落ち込んでいるわけか。
いや政商だったとしても可能性はゼロだろうが。あいつ、学生のころは算数も満足に出来ていなかったし。
「ごめんなさいね、ナーヴィンさん。衛士職などで口を利いてあげることは可能ですが、正式には試験を受けてもらわねばなりません」
「は、はい……大丈夫です……戦う力がないオレじゃ衛士は無理だし……諦めます……」
ということでナーヴィンの下心は、ここで潰える。
それをミアがじっと見つめていたことに、オレは気づかないのだった。
「な、なぁ……もしかしてなんだけど……ティスリさんって……平民じゃないのか……?」
あ、しまった。
ナーヴィンには、ティスリが平民で政商の娘ってことにしてたんだ。
もはや今さらだけど……
「えーっと……なんでそう思う?」
ダメ元でオレが聞いてみると、ナーヴィンがオドオドしながら言ってくる。
「いやだって、ラーフルさんが『殿下』って……」
ああ……そういえばさっき敬称で呼んでたっけ? だからついに気づいたのか。
それを聞いたラーフルが、驚きのあまり立ち上がったかと思えば大きくのけぞった。
「えっ!? ここにいる方々は、全員殿下のことを知っているのでは!?」
そういえばラーフルには、そこんとこ、詳しく話してなかったっけ?
だからオレは、頬を掻きながらラーフルに説明する。
「いや実は、積極的に伝えたわけじゃないんだが……ナーヴィンだけが気づかなかった」
「オレだけ!?」
驚くナーヴィンに、誰も視線を合わせようとしない。まぁここまで鈍いと、もはやフォローのしようがないしな。
と、そこで。
ラーフルが、オレの両肩をガシィッと掴むと前後に揺さぶってきた……!
「ききき、貴様!? わたしを填めたな!?」
「ななな、なんだよ填めたって!? ってか揺らすな!?」
「わたしの失脚を狙って失言を誘ったのであろう!? 殿下が隠されていることをあえて言わすとか、まるで貴族のように狡猾なヤツだ!?」
「そんなの狙ってねぇよ! だいたい、ティスリだって気にしてないってば!」
「そういう話じゃない! 殿下が隠されているのに──」
と、そこで、ティスリがラーフルに声を掛ける。
「ラーフル、落ち着きなさい。身分がバレたところで問題ありません。単に、村の方々を驚かせたくなかっただけなのですから」
「し、しかし……この男に填められたとはいえ、失言をしてしまったのは事実……」
いやだから、オレは填めるつもりなんて微塵もなかったし、ティスリが言うとおり、まったくもって大した問題じゃないんだが。
顔面蒼白になるラーフルに、ティスリはため息をついた。
「まったく。あなたは相変わらず頭が硬いですね。ならばこの件は不問にします。以後、話を蒸し返さないように」
「は、はっ! 殿下の寛大なる恩情、深く感謝いたします!」
そうしてラーフルは、場違いなのを気にも留めず、片膝を付いて最敬礼をした。
「ですから、非公式の場で最敬礼もやめなさい」
ティスリに促され、ラーフルは神妙な面持ちで席に戻る──その一瞬だけ、オレはめっちゃ睨まれたが。
こりゃもはや、ラーフルとの関係は修復不能かもな……同僚っぽい働き方なのに、これからやっかいだなぁ……
などと考えていたら、その一部始終を見ていたナーヴィンが、ぽかんとした表情のまま言ってくる。
「え、えーっと……ということは、つまり……ティスリさんは……」
そのナーヴィンに、ティスリは苦笑交じりに答えた。
「はい。わたしはこの国の王女、ティアリース・ウィル・カルヴァンです」
「おおお、王女様!?」
「ええ。欺すような真似をして申し訳ありません」
ティスリも、ナーヴィン以外は全員気づいていることを悟っているのだろう、ナーヴィンに向けて謝罪をする。
しかし事態を未だ飲み込めないナーヴィンは、目を見開いたまま言った。
「こここ、この国の……王女様って……超絶天才美少女と名高い、あの王女様!?」
「ええ、そうですよ」
いやいやいや?
まずその台詞、ティスリ以外から始めて聞いたんだが? 平民でも王女のことはよく話題になってたが、そんな超絶ナントカだなんて言われてたっけ?
っていうかティスリも、自分のことなのに肯定するなよ、ってか自分で言ってるくらいだから肯定するほうが自然なのか……?
いったいどこから突っ込めばいいのか思わず悩んでいると、ナーヴィンがこちらを向いてきた。
「ってかお前……な、なんで王女様の付き人やってんだよ……?」
「いや、付き人っていうか側近だが?」
「肩書きなんてどーでもいいんだよ!? 衛士追放されたってのになんで!?」
「いや……なんでと聞かれてもなぁ……?」
改めてそんなことを言われると、オレ自身、なんでティスリに雇用されたのか謎だし。
ということでティスリを見たらちょうど目が合って……なぜかティスリは、ちょっと赤面して目を背けてから言った。
「そ、それはもちろん、衛士追放されたアルデが情けなく『助けてくれ~』と言ってきたからです!」
「いやオレ、そんなこと一言もいってないが? そもそも酒に酔った勢いでお前が採用したんだろ」
「だからそれは、アルデが情けなく縋ってきたからですが!?」
「落ち込んでいたのは事実だが、縋ってはないだろ……!? ってか失業直後だったんだから仕方ないじゃん!」
はっ……! ま、まずい!
何がまずいのかと言えば、じぃ~っとこちらを見ているユイナスに気づいたからだ!
ユイナスの目の前でティスリとケンカなんぞしようものなら、またぞろクビだの失業だの言いかねない! となると話がますますややこしくなる!
ティスリもそれに気づいたのか、一瞬だけハッとしたあと、一気にトーンを抑えた。
「と、というわけで……最初は同情からだったわけですが、い、いまは……いまは………………アルデの剣技をかってのことですから……」
台詞の最後のほうは、聞き取れないほどにか弱いものだった。
いやあの………………オレを褒めるのがそんなにイヤなの?
まぁいずれにしても、ユイナスの目の前でケンカになることは避けることはできたか。だからかユイナスはつまらなさそうに「ふんっ」と鼻を鳴らすだけだった。
オレが胸を撫で下ろしていると、いつの間にか意気消沈していたナーヴィンがつぶやく。
「くっ……やはり剣の腕ですか……」
「ええ、そうですね。アルデは、剣の腕だけは確かですから。剣技だけは、他者の追随を許しませんので。だから剣術だけだったとしても雇用する価値があります」
いやあの『だけだけ』しつこくない……?
ふとユイナスを見てみたが、妹は満足そうに大きく頷いている……いや、そこで頷かれると、オレは本当に剣の腕だけの男ってことになるのだが……
褒められているはずなのになぜか自信を失っていると、ナーヴィンは、どういうわけか泣きそうな顔でティスリに言った。
「な、なるほど……だとしたら……もしティスリさん……いえ殿下のお側に仕えようと思ったら……」
「そうですね……アルデ並みの剣技があるか、あるいは、わたし並みの頭脳か魔力か弁術か人脈かがあれば検討に価しますね」
うんお前、自分のことを褒めすぎじゃね? あとお前って、王女だからそりゃ仕事の人脈はあるだろうけど、プライベートはオレより絶対に人脈少ないからな!
などと文句の一つでも言ってやりたいところだが、やっぱりユイナスの前ではそれができないので、オレはぐっと堪えた。
んでもってナーヴィンは、がっくりと肩を落とす。
「そ、そっすか……ま、まぁ……そもそもが王女様ですしね……近くで働きたいといっても無理ですよね……」
ああ、そういえばナーヴィンは、ティスリの元で働くことを目指していたんだっけ。志望理由は下心だけど。
政商ならまだ可能性もゼロではなかったわけだが、王侯貴族の、しかも王女様となっては、その可能性も潰えたわけで、だから落ち込んでいるわけか。
いや政商だったとしても可能性はゼロだろうが。あいつ、学生のころは算数も満足に出来ていなかったし。
「ごめんなさいね、ナーヴィンさん。衛士職などで口を利いてあげることは可能ですが、正式には試験を受けてもらわねばなりません」
「は、はい……大丈夫です……戦う力がないオレじゃ衛士は無理だし……諦めます……」
ということでナーヴィンの下心は、ここで潰える。
それをミアがじっと見つめていたことに、オレは気づかないのだった。
0
お気に入りに追加
365
あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる