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第5章
第6話 お姉様のご寵愛を狙ってのことですわね!?
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アルデは、王都に戻ってから始めて街中に繰り出していた。
何しろティスリに付き添っている間は、城内に缶詰だったからな。もっとも城内は広かったので、本来なら缶詰という感じはしないはずなのだが、貴族反乱で凄まじい緊迫感だったから、雰囲気的に息が詰まる思いをしていたのだ。
しかしそんな城内とは打って変わって、王都の市中は至って平穏そのものだった。
「うわぁ! わたし、こんなオシャレなカフェでお茶してみたかったのよね!」
その平穏代表ともいえるユイナスが、暢気な声を上げながらテラス席に座る。
オレ達は、午前中は王都内を観光し、昼休憩でこのオープンカフェへとやってきた。以前、ティスリと一緒に来たことのあるカフェだ。
今回も、王侯貴族専用のフロアに案内されたオレ達は、道行く人を見下ろせるテラスに陣取った。他の客もいない占有テラスだ。
小心者のナーヴィンなんかは、給仕される度に恐縮しまくっているし、貴族が出入りする場には慣れてそうなミアですらちょっと気後れしている感じなのに、我が妹と来たら……とても偉そうにふんぞり返っている。
もはや、リリィより貴族に見えるぞアイツ……度胸があるのか、怖い物知らずなのか……
だからオレは、妹を諫めるためにも言ってやる。
「こういう思いが出来るのもティスリのおかげなんだから、ちょっとは感謝しろよな、お前は」
「ここはリリィの顔パスでしょ。ティスリは関係ないじゃない」
「もちろんそうだけど、そのリリィだって、ティスリがいたから知り合えたんだろ」
「ティスリがいなかったら、わたしが独力でお兄ちゃんとここに来てるわよ!」
「その自信は……いったいどこからくるんだか……」
たしかにユイナスは、オレと違って頭はいいが……とはいえ、平民出身でこんなお高いカフェに出入りできるようになるとは思えないがなぁ……
それこそ、ティスリが作った魔動車みたいに、とんでもない発明でもしない限りは。我が妹にはそこまでの才覚があるとは思えないが。
そんなことを考えていたら、そのユイナスが聞いてくる。
「ところでお兄ちゃんは、いつまで王都にいるの?」
「ん? そうだなぁ……」
改めてそう問われると、オレも明確に答えられない。
もし今日の協議会で決着が付くなら、そこまで長く王都に留まる必要はないだろうが、とはいえ、事は内戦に発展しかねないほどの一大事だ。たった一回の話し合いで決着が付くとも思えない。
ラーフルだって、本来なら、協議会を開催すること自体が数カ月はかかると言っていたし……この事態が収拾するには、下手したら数年かかるかも。
となるとオレは、数年は王都に留まることになると思うが……オレが貴族の動向を考えたところで分かるわけがなかった。
ということでオレは、リリィに顔を向けた。
「どう思うリリィ? どのくらいで決着が付くかな」
「そうですわね……」
リリィは思案顔になると、ブツブツと独り言を始める。
「さすがのお姉様でも、四大貴族の反乱を短期間で平定することは──」
「えっ……!?」
そして、その独り言を聞いてしまったミアが驚きの声を上げた。
「リ、リリィ様……! いま……なんとおっしゃいましたか……!?」
「え……?」
そう問われて、リリィはポカンとしながら、先ほどの独り言を再び口にしてしまう──オレが止める間もなく。
「ですから、四大貴族の反乱を平定するには──」
「よ、四大貴族の反乱!?」
「あっ……!」
驚愕するミアの顔を見て、リリィは、貴族反乱の件を内緒にしていたことを思い出したのだろう。大慌てで言い分けを始める。
「な、なぁんて、冗談ですわよ、冗談!」
「え、でも……」
「当家以外の貴族が反乱を起こした、だなんてあり得るわけないじゃないですか! それをお姉様が平定するために王都に戻った、などと誰が信じるというのですの!? だいたい、お姉様は一般人であるからして、例え四大貴族が反乱したとしても無関係ではないですか!?」
うんリリィ……しゃべればしゃべるほど墓穴を掘っているぞ……?
案の定、ミアの顔は瞬く間に顔面蒼白に変わる。ちなみにユイナスはあまり関心がないのかつまらなさそうにしていて、ナーヴィンに至っては、これがどれほどの大事なのか理解していないのかポカンとしていた。
「ちょ、ちょっとアルデ!」
そんな仲間を観察していたら、リリィがオレに矛先を向けてきた。
「あなたのせいで、妙な誤解が生まれたじゃないですか!」
「ええ……オレのせいじゃないだろ? 口を滑らせたのはお前じゃん」
「滑らせてなどいませんわ!? お姉様が秘密にしていたことをわたしがバラしただなんてあってはならないのです! これがバレたら、わたしはお姉様にどんなお仕置きを受けるのか……はぁはぁ……」
………………最後のほうは聞かなかったことにしよう。
とはいえ聡いミアのことだ。ここでどう取り繕うとも、もはや貴族反乱は事実だと気づくだろう。となれば、隠し続けても無駄に心配させるだけだ。
だからオレは観念して話すことにした。
「まぁ……貴族反乱は事実だよ。だからティスリは王都に戻ってきて、連中と話し合いをしている。まさにそれが今日ってわけだ」
「ちょ! アルデ!?」
ミアが驚きの声を上げるより早く、リリィが言ってくる。
「あなた──なぜ話してしまうのですか!? お姉様が隠していたことを!」
「いやそれは、お前がボロを出したせいだろ。そこまで言ったらもう隠し通せないって」
「だからといってバラす人がいますか! あなたまさか、お姉様のご寵愛を狙ってのことですわね!?」
「そんなの狙ってねぇよ!?」
リリィのいう『ご寵愛』が一体なんなのかは……知りたくもないので突っ込まないでおこう……
それにミアは口が硬いから、極秘事項だと言っておけば問題ない。ユイナスに至っては、吹聴する相手がいないから大丈夫だ(なにしろぼっちだし)。
問題あるとしたら……ナーヴィンだな。
「ということでナーヴィン。これって軍事機密だからして、もしこれを外部にもらしたら……」
未だに状況を理解していないナーヴィンに、オレは鋭い眼光を向ける。
「お前のクビ、物理的に飛ぶからな? いやまぢで」
「……!?」
オレの迫力に気押されたナーヴィンは、顔を引きつらせてのけぞった。
「な、なんでそんなことをオレに聞かせるんだよ!? そもそも、そんな秘密をどうしてお前が知ってるんだ!」
「そりゃあ、オレは元々王城勤務だったし。あとティスリは政商だから、裏情報にも詳しいんだよ」
今さらティスリを政商と言ったところで、もはや信憑性はまるでないと思うのだが、どういうわけか、ナーヴィンはその点については疑っていないようだった。
「そ、そういうもんなのか……だ、だけど……」
「とにかく、誰にも言わなければいいだけの話だ」
「く、くそ……居合わせただけで首が飛びかねないとか……とんだ藪蛇だ……」
まぁそれに、いま協議会の真っ最中だから、遠からず公表されると思うからな。ティスリのことだし、いつまでも秘密にしておくとも思えない。
だからナーヴィンが、酒の席でうっかり話してしまったとしても、大した問題にはならないだろう。そもそも酔っ払いの戯れ言として受け取られる可能性のほうが高いし。
そんなことを考えていたら、まだ青い顔のミアが聞いてきた。
「ね、ねぇアルデ……そうなると……わたしたちの村はどうなるのかな……?」
「ふむ……確かに……」
そう問われるも、オレはすぐに返答することが出来ず……まずは、昨日までティスリが立案していたプランを思い出してみた。
何しろティスリに付き添っている間は、城内に缶詰だったからな。もっとも城内は広かったので、本来なら缶詰という感じはしないはずなのだが、貴族反乱で凄まじい緊迫感だったから、雰囲気的に息が詰まる思いをしていたのだ。
しかしそんな城内とは打って変わって、王都の市中は至って平穏そのものだった。
「うわぁ! わたし、こんなオシャレなカフェでお茶してみたかったのよね!」
その平穏代表ともいえるユイナスが、暢気な声を上げながらテラス席に座る。
オレ達は、午前中は王都内を観光し、昼休憩でこのオープンカフェへとやってきた。以前、ティスリと一緒に来たことのあるカフェだ。
今回も、王侯貴族専用のフロアに案内されたオレ達は、道行く人を見下ろせるテラスに陣取った。他の客もいない占有テラスだ。
小心者のナーヴィンなんかは、給仕される度に恐縮しまくっているし、貴族が出入りする場には慣れてそうなミアですらちょっと気後れしている感じなのに、我が妹と来たら……とても偉そうにふんぞり返っている。
もはや、リリィより貴族に見えるぞアイツ……度胸があるのか、怖い物知らずなのか……
だからオレは、妹を諫めるためにも言ってやる。
「こういう思いが出来るのもティスリのおかげなんだから、ちょっとは感謝しろよな、お前は」
「ここはリリィの顔パスでしょ。ティスリは関係ないじゃない」
「もちろんそうだけど、そのリリィだって、ティスリがいたから知り合えたんだろ」
「ティスリがいなかったら、わたしが独力でお兄ちゃんとここに来てるわよ!」
「その自信は……いったいどこからくるんだか……」
たしかにユイナスは、オレと違って頭はいいが……とはいえ、平民出身でこんなお高いカフェに出入りできるようになるとは思えないがなぁ……
それこそ、ティスリが作った魔動車みたいに、とんでもない発明でもしない限りは。我が妹にはそこまでの才覚があるとは思えないが。
そんなことを考えていたら、そのユイナスが聞いてくる。
「ところでお兄ちゃんは、いつまで王都にいるの?」
「ん? そうだなぁ……」
改めてそう問われると、オレも明確に答えられない。
もし今日の協議会で決着が付くなら、そこまで長く王都に留まる必要はないだろうが、とはいえ、事は内戦に発展しかねないほどの一大事だ。たった一回の話し合いで決着が付くとも思えない。
ラーフルだって、本来なら、協議会を開催すること自体が数カ月はかかると言っていたし……この事態が収拾するには、下手したら数年かかるかも。
となるとオレは、数年は王都に留まることになると思うが……オレが貴族の動向を考えたところで分かるわけがなかった。
ということでオレは、リリィに顔を向けた。
「どう思うリリィ? どのくらいで決着が付くかな」
「そうですわね……」
リリィは思案顔になると、ブツブツと独り言を始める。
「さすがのお姉様でも、四大貴族の反乱を短期間で平定することは──」
「えっ……!?」
そして、その独り言を聞いてしまったミアが驚きの声を上げた。
「リ、リリィ様……! いま……なんとおっしゃいましたか……!?」
「え……?」
そう問われて、リリィはポカンとしながら、先ほどの独り言を再び口にしてしまう──オレが止める間もなく。
「ですから、四大貴族の反乱を平定するには──」
「よ、四大貴族の反乱!?」
「あっ……!」
驚愕するミアの顔を見て、リリィは、貴族反乱の件を内緒にしていたことを思い出したのだろう。大慌てで言い分けを始める。
「な、なぁんて、冗談ですわよ、冗談!」
「え、でも……」
「当家以外の貴族が反乱を起こした、だなんてあり得るわけないじゃないですか! それをお姉様が平定するために王都に戻った、などと誰が信じるというのですの!? だいたい、お姉様は一般人であるからして、例え四大貴族が反乱したとしても無関係ではないですか!?」
うんリリィ……しゃべればしゃべるほど墓穴を掘っているぞ……?
案の定、ミアの顔は瞬く間に顔面蒼白に変わる。ちなみにユイナスはあまり関心がないのかつまらなさそうにしていて、ナーヴィンに至っては、これがどれほどの大事なのか理解していないのかポカンとしていた。
「ちょ、ちょっとアルデ!」
そんな仲間を観察していたら、リリィがオレに矛先を向けてきた。
「あなたのせいで、妙な誤解が生まれたじゃないですか!」
「ええ……オレのせいじゃないだろ? 口を滑らせたのはお前じゃん」
「滑らせてなどいませんわ!? お姉様が秘密にしていたことをわたしがバラしただなんてあってはならないのです! これがバレたら、わたしはお姉様にどんなお仕置きを受けるのか……はぁはぁ……」
………………最後のほうは聞かなかったことにしよう。
とはいえ聡いミアのことだ。ここでどう取り繕うとも、もはや貴族反乱は事実だと気づくだろう。となれば、隠し続けても無駄に心配させるだけだ。
だからオレは観念して話すことにした。
「まぁ……貴族反乱は事実だよ。だからティスリは王都に戻ってきて、連中と話し合いをしている。まさにそれが今日ってわけだ」
「ちょ! アルデ!?」
ミアが驚きの声を上げるより早く、リリィが言ってくる。
「あなた──なぜ話してしまうのですか!? お姉様が隠していたことを!」
「いやそれは、お前がボロを出したせいだろ。そこまで言ったらもう隠し通せないって」
「だからといってバラす人がいますか! あなたまさか、お姉様のご寵愛を狙ってのことですわね!?」
「そんなの狙ってねぇよ!?」
リリィのいう『ご寵愛』が一体なんなのかは……知りたくもないので突っ込まないでおこう……
それにミアは口が硬いから、極秘事項だと言っておけば問題ない。ユイナスに至っては、吹聴する相手がいないから大丈夫だ(なにしろぼっちだし)。
問題あるとしたら……ナーヴィンだな。
「ということでナーヴィン。これって軍事機密だからして、もしこれを外部にもらしたら……」
未だに状況を理解していないナーヴィンに、オレは鋭い眼光を向ける。
「お前のクビ、物理的に飛ぶからな? いやまぢで」
「……!?」
オレの迫力に気押されたナーヴィンは、顔を引きつらせてのけぞった。
「な、なんでそんなことをオレに聞かせるんだよ!? そもそも、そんな秘密をどうしてお前が知ってるんだ!」
「そりゃあ、オレは元々王城勤務だったし。あとティスリは政商だから、裏情報にも詳しいんだよ」
今さらティスリを政商と言ったところで、もはや信憑性はまるでないと思うのだが、どういうわけか、ナーヴィンはその点については疑っていないようだった。
「そ、そういうもんなのか……だ、だけど……」
「とにかく、誰にも言わなければいいだけの話だ」
「く、くそ……居合わせただけで首が飛びかねないとか……とんだ藪蛇だ……」
まぁそれに、いま協議会の真っ最中だから、遠からず公表されると思うからな。ティスリのことだし、いつまでも秘密にしておくとも思えない。
だからナーヴィンが、酒の席でうっかり話してしまったとしても、大した問題にはならないだろう。そもそも酔っ払いの戯れ言として受け取られる可能性のほうが高いし。
そんなことを考えていたら、まだ青い顔のミアが聞いてきた。
「ね、ねぇアルデ……そうなると……わたしたちの村はどうなるのかな……?」
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